#コピーペーストって超便利じゃない?
とぼとぼとギルドに向かう。文字は日本語なのでそれだけは救いだった。
「ここがギルドか…」
中に入るといかにも堅気じゃなさそうな男達がギロリと虎太郎に視線を向けてきた。
「なよっちい兄ちゃんがはいってきたな」
「何だあの格好。お前、その恰好でどんな依頼を受けるつもりだあ? 死ぬようなもんだぜ新人よぉ」
「ってお前戦闘スキル無いじゃねえか!無の奴なんて初めて見たぜ!」
「はぁ!? そんなことあり得るのか。逆にすげえなぁ」
ぎゃははははとギルドに笑い声が響き渡る。
「えと…採取の依頼を受ければいいって門番さんに教えてもらって…」
「採取だとよ!」
「まぁそれしか出来る事ねえか!」
「というわけで何か採取の仕事はありませんか?」
ギルドのカウンターに立つ女性に聞く。
もう疲れ果ててカウンターの上に顔を付けた虎太郎の上に大きな胸が乗った。
「うわ、ちょ!」
「うーん、お姉さんも君みたいな可愛い子を危険にさらしたくないんだけどなぁ。一番簡単なクエストはこれかな? 月見草の採取50本。報酬は6000ゼニーだよ」
「6000銭」
それがいくらの報酬なのかはわからないが受けるしかない。
「これが月見草ね。数は少ないけど、公園とかにも咲いてる花だからあちこち探しまわれば二日間ぐらいで集まるはずだよ」
と、月見草の絵が描かれたカードを渡される。
「判りました。ありがとうございます」
と、カードを受け取って街を出る。
───
「み、見つからない…。」
かれこれ一時間は歩き回った。公園を探し小さな野原を探し、城門の周りまで探したけど見つからない。
「これ二日でクリアするの無理じゃないかなあ」
と、がくりとうなだれると、石畳の間から咲いている月見草を発見した。
「やった! やっと見つけた!!」
もうこの世に存在してないんじゃないかぐらい思っていた所だったので喜びもひとしおだ。
「これでやっと一個見つけたけどあと49個…………あ、そうだ」
あったじゃないか。コピーペースト。
「コピー」月見草を乗せた掌が光る。
「ペースト!」月見草が二つに増えた。
「使える! 使えるぞコピーペースト!!!」
一人大声を出して喜んでしまい、周りで不審者を見る目をされて慌てて虎太郎はその場から逃げ去ったのだった。




