↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
20/30

#階段での会話

「よく寝た……気がする」

「15時間寝てましたからねー」

「30分で起こせって言ったろ!」

「いや、人間、睡眠は大事よー。というわけで、俺のことカットしてくんないかな。俺が寝不足なの」

「分かったよ。カット」

ピコピコ───【レベルが7に上がりました】

「ペースト」

「おお!寝不足ばっちり解消。疲れもHPもMPも全快してるわー。お肌の調子もばっちり。お前って超便利なー」

「レベルが2も上がった。かなり倒してくれてたんだな。その、ありがとう」

「は? 自分で自分に礼言うとかきもくね?」

「僕の気分の問題だからクロにとやかく言われたくないよ」

「じゃあレベルも上がったところで行きましょうか。第三層。初心者ダンジョンの最深部へ」


「死ぬまで戦え。でも死ぬな」

「そんな、戦死以外は軽傷みたいなこと言われても、加減が難しいわー。俺としては、お前が安全地帯にいてくれる方がよっぽど戦いやすいんだけど」

「………」

「どう考えてもさ、虎太郎が死んだら俺も死ぬだろ?」

「それは分からない。僕の傷がクロに共有されたりはしないから、僕が死んでも生きているかもしれないじゃないか」

「あのね、俺たちは別々の電源から電気を引いてるんじゃなくて、同じ電源から引いてタコ足配線してる状態だと思うんだよね。主電源がお前で、タコ足が俺ね。だから主電源が落ちたら、タコ足配線も落ちるのよ。当然」

「そうかもしれないけど……」

「だったらさぁ、この安全な階段地帯で待っててくんない?」

「それはできない」

「お前さあ」

 クロが深くため息をつく。

「実は死にたがってるだろ」


 ぎくりと虎太郎が足を止めた。


「まぁ、気持ちはわかるぜ。こんなわけわかんねえ世界に飛ばされて、仲良くなれた姉ちゃんと妹も死んじまって、死んだら楽になれるかなーとか、実は夢で、死んだら元の世界に戻れるんじゃないかなーとか思う気持ちはさ」


 どん、と虎太郎がクロの胸を叩いた。


「もういい。それ以上言うな」

「───俺にも本音を言えないとか、だいぶ壊れてるよ、お前」


 くるりと踵を返し、虎太郎が階段を下りていく。

「無駄死にだけはすんなよ。俺はお前以上に、この世界のモンスター全てを殺したいと思っているんだからな」


「それは僕だって同じくらい強く思っている」

「……そうかよ」

「だから行こう」

「おう」

 二人は並んで階段を下りていった。

 ダンジョン、最後の階層へ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。