#コピペで買い物したのを増やすぞ!
「トマトとキャベツとえーっとアボカドとレタスください」
「おう! 金はいらねえぜ。英雄様から金をとるわけにはいかないからな」
「え、そういうわけには」
「おまえさんからは十万ゼニーも受け取ってんだ、気にすんな」
「は、はい!」
「ちょっとあんた、うちで買っていっておくれよ! 割引するから」
「え、割引! ありがとうございます!」おいしそうなパンが並べられた店に飛びつく。
「パンならうちだって売ってるよ! おまけするからおいで!」「この子はうちの客だよ!」「ぜ、全部回りますから!!」
と大騒ぎになりながら、虎太郎は45000ゼニーで80000ゼニー以上の買い物をしたのだった。
買ったのは食材だけではない。女の子が喜びそうなネックレスも混じっている。
同じネックレスを、二つ。
コピーペーストで増やせるけど、それはしたくなかった。
大量の荷物を抱えた虎太郎が向かった先は、姉妹の家だ。
「ただいま! もう帰ってきちゃいました! これ、いっぱい食べてください」
市場で買った大量の袋を二人に見せる。
「え、え、え、こ、こんなに!? 昨日だってあんなにハンバーガー置いて行ってくれたのに……コタロウさん、本当にいいの!?」
「コタちゃんすごーい!!」
虎太郎は袋からリンゴを一つ取り出し、セレナの掌にそっと乗せた。
「これでまた、アップルパイをお願いします!」
「……ふふ。ええ、とびきりおいしいものを焼きますね」
「楽しみにしてます! 明日も来ていいですか?」
「もちろんです」
ルルが、「明日も! 明後日もだよ!」と手を上げて飛びついてくる。
「毎日はいくらなんでも迷惑じゃないかな」
「そんなことありませんよ。絶対帰ってきて。無事に」
虎太郎は笑った。
「はい! ──あ、その前に、これ! 安物ですが」
ポケットに入れていた二つのケースを取り出して、ルルとセレナに渡す。
中に入っているのは同じネックレスだ。
二人がケースを開く。
「わぁ、綺麗!!」喜ぶ声がぴったりと重なった。
輝く丸い水晶が付いた1つ12000ゼニーのネックレス。
市場で売っている雑貨のようなものだ。決して高価とは言えない。
それでも二人は大喜びして、嬉しそうに顔を見合わせる。ルルの長い耳がピコピコと動いていた。言葉にしなくても喜んでいるのが一目でわかる。
お互いにネックレスを付け合った二人は「どう?」と聞くかのように、そろって虎太郎を向いた。
「大人になったみたいでうれしいー! コタちゃん、ルルに似合ってる?」
「うん、凄く似合ってるよ」
「私にはどうかしら?」
セレナに覗き込まれれ、虎太郎は真っ赤になってしまう。
「は、はい、凄くよく似合ってます───その、安物なんですけど、すっごく高く見えるぐらい」
「ふふふ、ありがとう」
恥ずかしくなって、虎太郎は踵を返した。
「じゃあ行ってきます!!」
「行ってらっしゃーい!!」
二人に見送られ、虎太郎は再び街へと繰り出した。




