↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅のお供は変わり者~種族を越えて囲むテーブル~  作者: 彩
第四章 ラミアとケットシーの村
91/117

ウニの味は?


「これは絶品なのねぇ」


「自分で料理するのははじめてですの」


「海の草からでる出汁がカニにまとわりついて美味くなるっすね」


「これはいいね! カニしゃぶはお酒が欲しくなるよ」


「こちらのカニの方が大味ですが甘みが強いですメェ」


 カニしゃぶを囲みしゃぶしゃぶとしながら笑顔で感想を言い合う古龍種三名と天使に精霊。炭で焼いたシースパイダーは既に食べつくし、身の中から出てきた水属性の魔石は海龍幼女が回収済みである。


「マモル殿はまだ何か作っているっすね」


「アレではないか? 棘の」


「ウニなのねぇ。解体する所を見たけど自重で棘がほぼ砕けていたのねぇ」


「あの棘は魔力が流れやすい素材として使えるかもしれないメェ。ミスリルの代わりやか道具の回路などに使えば便利かもしれないメェ」


「そっか、止めを刺されて魔力が供給しなくなったから棘が脆くなって崩壊したの」


 互いに意見を深め合いながらカニをしゃぶしゃぶする一行。マモルだけはウニを料理しており浄化魔法で生食が可能となった巨大ウニに塩コショウと小麦粉を振り熱したフライパンの上にバターを乗せ焼きはじめる。


「バターの香りなのねぇ」


「パンケーキのときも良き香りでしためぇ」


「ウニのパンケーキなの?」


「パンケーキに添えてあったベーコンは肉っすから焼いたウニも合うっすよ」


「だが、甘い匂いはしてこないな……酒がほしい……」


 生食が可能なウニなこともありサッと片面色が付くまで焼くと裏返し、こちらもさっと焼くと皿に乗せる。焼いていたフライパンに酒を入れ沸騰させると醤油とみりんを入れて煮詰め香ばしく焼けたウニのムニエルの上にかけ完成させる。


「ウニでムニエルとか普通ではありえないのねぇ」


「普通では?」


「普通のウニは大きくても爪よりちょっと大きいぐらいなのねぇ、それをムニエルにしたら小麦粉がくっついてぐちゃぐちゃになるのねぇ」


「ここのウニの身はまな板よりも大きいので焼いてみました。生食が苦手な人もいるかと思って刺身はこちらに用意しています」


 この島で見つけた大きな葉の上に食べやすいよう一口サイズにカットしたウニと薬味にワサビが添えられている。


「ウニは好き嫌いが別れると思うのでムニエルから食べて美味しいと思ったら刺身を試してみて下さい」


 マモルの言葉を合図に一斉にフォークがムニエルに刺さり口に運ぶ。


「なっ!?」


「これは!」


「うぅ~ん、バターの香りと磯の香に濃厚なウニの味と醤油の香ばしいさと塩味が一丸となっているのです」


「精霊王さまにも食してもらう一品が決まったメェ。とろりとしたウニが最高なのメェ」


 全員の口に合ったのか驚きの表情のまま固まったり、饒舌にウニの味を語ったり、精霊王のツムギに食べさせたい料理が決まったりと手ごたえのあるリアクションに満足するマモル。


「次はウニを使ったパスタだな」


 マモルは沸かした湯に乾燥パスタを入れるとフライパンに細かく切った玉ねぎとオリーブオイルを入れ炒め、透明になるとそこに日本酒を入れ沸騰させてアルコール分を飛ばしバターを入れて火から外す。そこにウニを入れて潰しながら余熱で火を入れパスタのゆで汁を少量に生クリームと塩コショウで味を調え味見する。


「うまっ!」


 思わず漏れた味見の感想にウニの刺身を口にしていた一同の視線が向けられ、パスタの茹で加減を確認してウニのクリームソースと合わせる。


「この醤油という黒いタレは美味いっす。前に似た魚で作ったのを見たことあるっすけど、あれは臭くて逃げ出したっす」


「それは魚醤なのねぇ。ケットシーの村でも作っているのねぇ」


「きっとその魚醤もマモルが使えば美味くなるのだろう?」


「魚に塗って焼いたのは昨日食べたの。美味しかったの。それより来たの!」


 大きなフライパンに入れられたウニのクリームパスタをトングで分けると最後にバジルを散らす。


「ウニのクリームパスタです。好みで黒コショウを振って下さい」


 黒コショウミルをはじめて見る海龍たちはどうしたものかと顔を見合わせ、エルエルが黒コショウミルを手にこうやって使うのだといいたげな表情でゴリゴリとまわし、黒コショウを振りかけドヤ顔を披露する。


「黒コショウを入れ過ぎると辛くなるので注意してくださいね」


「まずはかけずに頂くとしよう」


「自分もかけないで食べてみるっす」


「ん! これも美味しいの! 口の中が美味しいでいっぱいなの! まろやかなの!」


「確かにまろやかな味わいですメェ。これもムニエルと共にだしたらきっと喜ばれるメェ」


 皆のリアクションを見ながら自分でもウニのクリームパスタを口にするマモル。その表情は自然と口角が上がり自身でも満足のいく完成度なのだろう。



 お読み頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。