89瓶 村 と 冒険者
疲れで腹立って‥何も言わない子らに‥別れを告げ‥。
本来の 目的を果たす べく、村に行く事にした。
途中で出会った冒険者たち・・。消えた村の人・・・。
‥はてさて、どこに行ったのやら・・。
「まずは、自己紹介といこうか」
俺は・・と言いかけ、あの‥文句ばかりの兄さんが遮った。
「団長、こんな奴に何があるって言うんですか!?」‥‥。
「ディロス‥。口を挟むな」
「ですが・・」
「すまんな、少年。改めて‥俺は リーダーの、カセィールだ」
「‥商人のリモンと言います」よろしく‥どうぞ。
「俺は、リーダーの補佐をしてる リガ だ」ふむ。副リーダーって感じだね。
「文句ばっか言うのが、ディロス。そいつと一緒に行動してんのが‥」
「ルインだ。よろしくなリモン」はい。感じの良い人だ。
「そんで俺は、荷物 持ちの‥トゥードーだ」大きな人だな‥。
「俺らは‥『アリスモス』って大きなグループなんだ」
「‥じゃあ、ルカニドも‥」確か、その名前‥載ってた。
「おう。知り合いか?」まぁ、はい。
「さっさと、本題に入ろう」はぁ。
「おまえは、何しに‥こ こ に、来た?」は?
「知り合いになった、服屋の息子さんに手紙届けに。ついでに人探しと‥家具の注文に…」ついでに‥が、先生だけど・・。
「‥宝 探し‥じゃなくてか?」はい?
「それは、お兄さん方では?」
・・そんなの探してるほど、暇じゃないです。
「‥やっぱり、違ったな‥ディロス。俺の勝ち~」「くっ」
何?賭けでもしてたの?
「そっか、違うなら‥良いんだ」
「‥心配で・・来たんですか?」‥まさか。
「すまんな‥。気にし過ぎだと言っても、聞かない奴が居たもんでな‥」
ジロり‥と、ディロスさん 睨まれてる。
あぁ、その人・・文句しか言わない人だもんね。
「図鑑が‥貸出 禁止になったのも・・痛かったな‥」
「図鑑って?」・・あぁ。うん・・そりゃあねぇ・・・。
「それ、町中の採取地に入る‥許可を貰う為に、みんなが必要としてる図鑑なので。貸出 禁止になったのでしょうね」
持ち出される事は、今後も‥無さそうだけど。
「見てたはずなのに、こいつ‥持ち出そうとしてさ」
「残念ですが、無理ですよ・・」あ・・そっぽ向いちゃった。若いわね。
「ところで、ここに人が居ないのは‥最近の話なのでしょうか?」
「‥たぶん・・そうだろうな」
どうやら2週間ほど前に来た時は、変わらない村だったらしい。
その2週間の間に‥何かあって・・・。
「門の兵士にも聞きましたが‥」その2週間ほどの間、村から人が 来た事は 無かった ら し い 。ただ、その前くらいに1台の馬車が行き来した‥とは聞いた。
「こっちに来なかったなら、関所の方へ 行ったって事か?」さぁ? 分からない。
「それに、今回は‥巨大な魔物が出た訳でも無いのに‥なんで、閉まったんだ?」
・・それは・・・あの 子達 の せ い。
門横の‥人 用の通路が開いた後に、聞いた・・・。
「何か知ってるのか?」
「‥数十人の子供が、勝手に・・外に出ようとしたそうです」
許可の無い者は、成人していようが・・通れない。
まして‥女児は‥通 せ な い 。それに‥外は、危ないのに・・。
2人の兵士だけでは、対処 出来ないと‥早々に判断し、門が閉まったらしい。
・・そして、子供らは‥捕まったそう。親が迎えに来ないと‥出れない。
「まだ、他にも居る可能性を考えて、閉じたままだそうです」
「子供か・・」
外に出ようとするなんて。どんな理由があっても・・出れないんだよ。
だから、教えようとしたのに。エタン…。
「この辺りに、人を閉じ込めておくような場所って‥在りますか?」
・・ここの村に‥エタンたちの‥家族が 居たかも 知れない。
冒険者たちは、顔を見合わせ・・ハモって教えてくれた。親切ね。
『 チュリマー 洞窟 』
「そこに、案内して下さい」
「どうする気だよ?」探しに行くに・・決まってるでしょ。
村に先生が居て、巻き込まれた可能性だって・・・。
「良いけど、それは明日だ」
「こっからだと、少し回り込む必要が‥あるからな」
・・仕方ない。昼に出る事になったくらい…長蛇の列だったもの。
驚いたのは、私の方じゃなく‥馬車の方。門・・閉まったままだったのに、馬車‥どうやって通す気だろう?って見てたら‥。
兵士が、白い何かを‥馬車の先頭に居た生き物に付けたら・・。
そのまま・・通り抜けて‥消えてった。ホント、びっくりした。
門も、特殊な材料で出来てると‥改めて思ったのよ・・・。
見てて飽きなかったくらい。たまに、許可されずに‥文句を言いながらも‥Uターンして、帰って行ったのも居たけど・・・。
「リガ、寝床・・どうする?」
「俺らは、いつも通りで良いでしょう。君は、どうする?」
「僕は、自分の天幕が ありますから、家の外で寝ます」
「ここは、夜でも物騒だぞ?」そうなの?
‥じゃあ、今の内に結界を張る為に、楔を・・。
まぁ、この村じゃなく、この家の周囲だけにしようっと。
騎士団 天幕を張ってると、冒険者の人達が驚いた顔してる。
「どうしましたか?」何だろ?
「‥それ‥騎士団のじゃ?」
「はい。貰ったんです」報酬で。
また‥ディロスさんが、言いがかり付けに来た‥。
毎度になると、煩いなぁ‥。
「確認するなら、ビハイル‥という兵士さんに、聞いて下さい」
そんな、度胸が ある‥と言うなら。
「は? ビハイルって‥赤いマントの・・か?」はい。
元気いっぱい…ビハイルさん。あの後、元気になったかな?
「‥そんなのと・・知り合いなのか?おまえ・・」
「そうですね‥」年齢が 一定以上だったら、家に招かれてた話もした。
「おまえ・・いくつ なんだよ?」14ですよ。
「何?!‥そんなに若いのか・・」
びっくりする‥所なのかな?
「‥おまえ‥あの中級の‥ワシャクと戦ってなかったか?」
「はい。最近‥出るようになって」大変なんです‥。
「大変・・どころじゃないだろ‥」
「赤毛だが‥どこの生まれだ?」へ? いや、そのまま・・。
「エキャルラット州‥アルドルの町ですが?」
・・また、固まってる。お鍋‥焦げちゃいますよ‥。
調理器具は在るけど‥食材は村で貰おうと思ってたらしく‥持ってなくて・・。
私から‥提供しましたので、私の分も‥作ってもらってます。
「‥遠いとこから・・来た・・な」
「つっても、隣じゃないっすか」へー・・。
「…何だよ?」
「エキャルラット州から、カエルレウス州に入るには‥特別な証が必要なんですよ。知ってましたか?」「知らね」でしょうね。
「ディロス! この間、教わっただろ・・」…。
「あ…え? おまえ、持ってるのか?」返事しようとしたら‥遮られた。
「それなら‥ウィリディス州から キトゥリノ州にも、入れないんじゃないか?」
「…まさか、持ってるのか?」はい。
「商人・・リモン・・・・あ!」わっ! びっくりした・・・。
「何ですか‥」もう‥。
「おまえ、それ‥飾りじゃないのか?」はぁ‥ ま た ですか?
「じゃあ‥取ってみて下さいよ」
一度‥取れなかっただけで、諦めて納得してくれた。
「‥本物だな」
食事を分けてくれたので、傷薬ムニ‥10粒入りを1袋だけ‥あげます。
「・・・良いのか?」はい。食べたら感想 教えて下さい。
「トゥードー、預かっててくれ」「分かった」
「‥リモン。おまえは、不思議な奴だな」何が・・ですか?
「子供の商人なのに…こんな所まで居るし・・」それは目的が‥。
「長旅だろうに、調理 器具は持ってないし‥」そりゃ‥内緒だけど‥スキルで‥。
「子供なのに、ワシャクと戦うし」みなさんだって中級でしょ‥。
「騎士団の天幕 使ってるもんな」
‥まぁ、騎士団の天幕を ” 私物 ” として使ってるのが、驚き ポイントらしい。
「そりゃ、今…ここで、出会ったばかりの人達では、そう思うのでしょうけど」
・・今まで、わりと長い旅をしてきたからね。
「最初の夜は、野宿しましたけど・・」
危ないと判断して、宿に泊まるようになったし。
「‥思い出話は‥また、追々聞くとして・・もう眠ろう」
冒険者達は、日頃から野宿してるようで・・・。
見張りとして1人 は起きてて‥。
途中で起こされて‥交代して眠るらしい。
結界の事も・・過信しない・・ってさ。それが、安全だね。
・・慣れるのは危険かもだし。私も…気をつけよう‥くぅ・・・すぅ・・
「リモン・・起きてるか?」むにゃ‥「はぃ‥」
「今、起きたな・・あいつ」ふに・・むぅ・・眠い。
天幕から出ると‥薄明るい・・・。こんな時間に起きるの?
「眠そうだな」はい。眠いです。
「いつもは、もう少し‥明るくなってから、起きるので」
「早く、起こし過ぎたか?」別に・・良いですよ‥もう。
・・今 寝たら‥二度寝になるし。着替えてきます・・。
天幕の中で着替え‥外に出て、片付けを終えると…。
丁度、朝ごはん出来ましたってさ。いただきます。おいしい。目が覚めるね‥。
「美味そうに食うんだな‥」なんか、酒場の店主みたいな感想ね。
美味しいから・・そう思って食べてるだけ‥なのにね。変なの。
装備・・整えてる。私も着ないと。
ポンチョ着てからでないと‥眩しく乱反射するのが、難点なのよね・・これ。
「良い装備‥つけてるな…」そうですか?
乱反射するから、売り物には置きにくいと思うけどね。
「‥それより、武器が・・」ん?
え‥いや・・そんなに‥近づかなくても…。
「良い武器だな‥誰の作品だ?」え?‥僕の・・・いや、止めとこ。
「商人リモンって言えば‥武具も作れるって話 聞いたぞ…」ちょっ!
教えないで下さいよ!トゥードーさんっ!
「って事は何か?・・おまえが、作った武器って事か?」うぅ‥はい。
「なんで、そんな顔してんだよ‥自信、無ーのか?」え・・いえ‥。
・・そういえば、このグループ‥。ほぼ 長剣ね。
リーダーは‥大剣で、トゥードーさんが、片手斧。
あとは、長剣ばかり。ルカニドは、双剣 使いだったけど・・。
剣 好きな人ばかりだな・・。ファンタジー ある ある だけど。
欲しそうにしてるけど、何もしない人に‥何も渡しませんよ・・。
「よし。そろ そろ出発しましょう。トゥードー、ディロス、ルインは村で待機だ」
「行くぞ。リモン」はい。
全員で‥ゾロ ゾロ 行くのかと思ってたけど‥と言ったら…。
「それは、探し物をする時にはな」今は、私の案内だけだからって。
村を南に抜けて‥川と橋が見えて来た辺りで、右に曲がって・・山の方へ。
・・左に曲がるかと思ったのに‥違った。
森の木々と、岩肌・・というか、大きな岩が ごろ ごろ してるエリアを抜け‥山の斜面を登って行く。
時々・・珍しい植物を採取して‥後にしろ‥と、言われてしまった。
すみません・・・つい。
「‥ちょい待て」ん? どうしたんだろ?‥周辺 感知・・・。
・・洞窟の・・入口 辺りに‥人が居る。えっと?
「どうやら、同業者のようだな‥」冒険者って事??
「俺が行って来る」と、リガさん‥行っちゃった。
直後、何かを打ち付けたような音と‥人が倒れる音が、同時にしてきた。
・・・・倒した・・のかな・・。
「殺してないから、大丈夫だ」あ・・はい。
呼ぶ声がして‥行くと‥。木の所に移動された‥男たち。
「さぁ、入ろう。この先だ・・」
「‥こういう荒事は、俺に任せてな」
‥リーダーだと、力加減‥下手だから危ないって。そ‥そうなの?
「気をつけます‥」「うん」
「何してんだ‥置いてくぞ!」
小走りに駆け寄ると‥足音が洞窟内に響いた‥。歩こう・・。
『‥まだ、何か居そうな気がするが‥』小声で、リガさんが言う。
うーーーん・・・。
「でも、さっきみたいな人達じゃなく、牢みたいな所に‥誰か居るようですよ」
「‥なんで分かった?」え・・私のスキルで‥。
「目的の場所は、この先だ。行ってみようカセィール」
「そうだな。いつでも‥戦えるように構えてろよ‥リモン」はい。
・・こんな、洞窟内に‥なんで牢屋なんて・・在るんだろ?・・謎。
少し進むと・・道の両側に牢屋が在る。
古い造りだ。新しく作られたものじゃないみたい。
「カセィールたちか?!」「あいつらは‥?」
「村長!‥みんな、無事で良かった」
‥子供が居ない。大人ばかりが‥閉じ込められている。
鍵は・・壊して‥人々を救出。
この先は・・・あぁ。騎士団の門と‥兵士が居る。
でも、ここから‥けっこう 距離が‥ある・・みたい。
門が開かれて‥あ・・なんか、嫌な予感する。
「あの!早く出ましょう…」
「そうだな。みんな‥動けるか?」
「‥あぁ。行こう」「みんな・・急いで出るぞ」
【ディロス】(ギリシャ語・臆病)
冒険者グループ『アリスモス』の 一員。何かに つけて 文句を言う人。自分の 弱さを 人に見せないように振る舞っている。ルインとは友人で よく共に行動している。男 / 20歳 / 175cm / ややオレンジ色に近い茶髪 / 緑の瞳 ( つり目 ) / 長剣
【カセィール】(アラビア語・多い)
冒険者グループ『アリスモス』のリーダーの ひとり。団長 とも 呼ばれる。使える技が多彩。ロムメットに 初めて来た リモンと すれ違っている。古代語が読める貴重な人物として リモンを見ている。男 / 38歳 / 茶髪 / 黒い瞳 / 大剣 / 181cm / 声をかける女に フラれてばかり‥らしい ( リガ談 )
【リガ】(ギリシャ語・少ない)
カセィールの補佐として立ち回ってる人。出来る事は 少ない と 本人は嘆くが、1つ1つの 熟練度が高い。騎士団に友人が 居るらしい。男 / 35歳 / 水色の髪 / 茶色の瞳 / 長剣 / 180cm。そばかす がある。
【ルイン】
冒険者グループ『アリスモス』の 一員。ディロスと幼馴染で友人。いつも 一緒に 行動している。男 / 黒い髪 / 黄緑の瞳 / 20歳 / 170cm / 長剣
【トゥードー】
カセィール班の 荷物 持ち担当。班で 行動する際の 荷物が入ったリュックを 軽々 持てて 男2人くらいなら その状態でも 担げる。男 / 27歳 / 青い髪 / 青い瞳+目の下に ホクロ / 189cm /片手斧 / 筋肉質で がっちりしてる。最近、アリスモスに加入した。
【アリスモス】(ギリシャ語・数)
い く つ か の グループが 合併したグループ。数の力で 困難を乗り越え 謎を解き明かし 冒険を楽しむ‥を 掟 として 多くの冒険者を抱えている。元々の リーダーだった者が 継続してリーダーと なっており、合併の際に 全 グループ リーダーから 認められた カセィールを 団長 として 動いている。一定 以上の 実力 や ランクが在れば 加入 可能。ただし グループのメンバーに 迷惑かけた者は 脱退となる。
【チュリマー山脈/チュリマー洞窟】(ロシア語・牢獄)
キトゥリノ州 と カエルレウス州の 間に聳える山々。その中には いくつかの道に分かれた洞窟が ある。隣との 境めの門が在り 兵士が常駐している。特別な許可 ( 印章 以外には 城からの許可状など ) の 無い 者 や 馬車は 基本的に通れない。カエルレウス州の村側には 牢屋の ある場所が並ぶ。その間の通路の先は 奇妙な絵柄と 文字が書かれていて進めない。壊す事すら不可能。特殊な鉱物で 作られている洞窟の内壁のため。多くの冒険者たちが来たが 未だに 解き明かされてない。
※冒険者の皆さん‥リモンは15か16歳だと思い込んでたようで‥。
次回、村に戻ります。だけど・・・




