88瓶 虚無
借家から持ち家になり、みんなとの生活がスタート‥した。
もちろん、薬師も探すけど・・。準備は大事だし。
みんなの安全も、確保してからにしたい。
コロッケパン・・美味しかった。ソースが無くても‥しっかり味 ついてた。
お風呂に入りたいか聞いたら、エタンまで入らない‥なんて言う。
エタンは、入らないとダメ!って‥数人の子供と一緒に入ってもらった・・けど‥。入れた? けっこう‥数人は無理なんじゃ?って、広さだよ??
・・これも、家具工房で作ってもらえたり・・するかしらね?
‥その後、お湯を替えて・・私も入った。
みんなには、自分たちの寝床に‥気休めだけど・・大きな袋や天幕の布を広げ‥。
少しでも‥寝やすく・・してみて・・と、言って。ぅう・・ねむい。
もう、出よう。浴槽の中で・・眠るのは‥マズい。
洗い場は、セーカで乾かし‥て・・よし。
出た時・・鞄の位置・・ズレてる気がしたけど‥。
・・気のせいよ。まぁ動かしてても・・・どうせ中身・・出せないよ。
気を 許 し た 相 手 ・・でもね。
部屋に戻ろうとすると、エタン達が‥部屋の前で ごにょ ごにょ・・?
・・何してるんだろ?
周辺感知で・・遠くのって言っても‥見える範囲だし。ここなら集中すれば、声も聞こえる。聞き耳‥ってスキルに、いつの間にか‥なってたけど・・。
『村に行くかも‥』
『今から‥』『いや、近い内にって』
『マズいよ‥』『どうしよう』
・・・何が・・『マズい』のだろうか?
「みんな~‥そろ そろ・・寝よう」『!!?』
「は、はーい‥」
「おやすみ・・なさい」うん。おやすみー。
‥明日は、みんなに‥服・・どれが良いか、選んで もらわないとね・・。
部屋に戻って、すぐに布団に入り・・寝る。
ん? 何だろ?・・何かに‥干渉されてるみたい。何か‥振動が‥来る。
コビトを鞄から出す。 小声で聞いてみた。
『ねぇ‥何かに・・ ” 干渉されてる ” 気がするのだけど・・?』
・・言い方が変な気がしたけど‥。でも、そんな感じなんだよね・・。
『…はい。内側から‥のようですね』え? 内側から?
鞄をかけて‥コビトを部屋に残し、鍵も‥かけて出る。
真っ暗かと思ったけど、月明かりで‥明るいから、よく見える。
隣の部屋‥あれ・・?‥少し、開いてる?
扉、開ける時‥音 鳴るからなぁ・・。あ、そうだ。
周辺 感知で‥。人数を数える‥5‥8‥?
1階まで‥意識を広げる‥。玄関に‥人影3‥。
もう。夜に出かけようとしないでよね…。落ち着いて‥眠れないじゃない。
・・せめて、一声‥かけるくらい‥して欲しい。
「‥ねぇ、何してるの?」『!!』
灯りを付けると、ドアを壊そうとしてるみたいに見える。
「どこかに行くなら、昼間にしてよ‥」もう寝ようよ‥。
なんで? 言わないと分からないよ?
もう。「‥何? そんなに強制的に、家から出たいの?」
内側といえど、ここは 結 界 内 。
攻撃的な事をすれば、出たまま‥入れなくなるのに。
「強制的に外に出されたら、この家に‥もう入れないけど・・」良いんだよね?
「ご‥ごめんなさい」
「こんな夜に、どこに 行くつもりだったの?」
話せないの? じゃあ‥。
「今から、全員 起こそうか?」全員で、出て行けば良い。
「嫌なら‥そう言ってよ。出ていきたいなら、出て行って良いよ」
私・・眠すぎて‥機嫌 悪い顔‥してるだろうな。ホント‥眠いのよ・・。
「違う。嫌じゃない‥」
「みんなは‥起こさないで‥」
「‥ごめんなさい」
「じゃあ、その手に持ってるの‥床に置いて、早く寝て」
小さな椅子みたいなの‥どこから持って来たんだか・・。
「言っておくけど、勝手には 出られないよ」これは、安全のため。
出たいなら、声をかけてくれないと。鍵も私が管理してるんだし。
・・結界内だから、鍵 開けても‥出れないし。
・・全員、男子だった。廊下で話してた‥あの、3人だ。
階段を上がる姿を・・見送る。
明日、村に行った方が良いかもね。何か‥ありそうだし。
・・このままじゃ、私が‥落ち着かないもの。
はぁ~ 信用‥されてないなぁ・・。仕方ないか‥。
大人じゃなく、見ため・・子供だもんね。よそ者だし・・。
それにしたって・・。お利口だと思ってたから、油断してたなぁ…。
これで、すんなり‥眠ってくれれば‥何も言うまい。
部屋に戻ると、隣のドアは‥閉まってた。中の人数も‥うん。居るね。
・・やっと・・・私も‥眠れる。ホント、今日は‥疲れた~‥。
『リモン様‥』
布団に倒れ込んだ私に‥コビトが、声をかけてきた。
おやすみ・・と、言おうとした矢先‥。
う”っ 振動と共に‥何かの波動・・何・・これ・・・??
『隣の部屋から‥衝撃が、ございます』何してんの?
・・投げるような物‥置いて無いよ?
『どうやら、子供 自身が‥窓から出ようと、藻掻いてるようです』
・・は? 何それ‥なんで・・。なんか・・もう‥疲れた。
衝撃は・・2度・3度と・・続いてる。
‥もう嫌! そんなに出たいなら、出て行けば良いじゃんっ!
「強制 排除」『承知しました。強制 排除 開始します』
『うわっ』『エタン!!』『うぁゎーー‥飛ばされるぅ!!』
地面に‥降ろされ‥驚いた声が聞こえてた。窓から見える‥3人の姿。
もう・・知らない。勝手にするなら、こっちだって…。
バタンッ 大きな音を立てて‥扉が開いた・・と思った時には、バタ バタとした足音が 二通り‥。1つは階下へ ドタ バタ 降りて行き・・。
もう ひとつは、ノックの音に変わった。
『リモンっ』『起きて!エタンたちが!』
はぁ~‥もう。疲れたから・・・寝たいのに‥。いい加減にしてよ・・。
「出て行きたいんだって!エタン達は。だから、出して あげたんだよ!」
勝手にするなら、もう来ないで。
一度は・・見逃して‥あげたのに。何も言わないで勝手な事して。
最初に‥言ったよ?
今は結界が発動してるから、言わない限りは 出 れ な い って。
・・だから、一声かけてね‥って、言ったよねぇ?
なんで、言わないの? なんで・・よ・・。
『リモンー』
『エタンたちを‥許して・・』
「もう!静かにして!!」
『‥』
ううぅ‥。目から溢れる涙が・・頬を伝うのを感じる。
みんな、出てってよ・・。せっかく、頑張ろうと・・思ってたのに…。
『リモン様‥』
『リモン‥起きた?』『怒ってる‥』『…』
『外に出られないし、エタンたち‥中に入れないんだ‥』
『リモンが怒ってるから‥無理じゃない?』
『さっき、出ようとした時‥見つかっちゃって‥』
『だから・・怒ってるんだよ‥』
『リモン‥エタンたちが・・ごめんなさい‥』
『…助けてくれた事‥みんな、感謝してるの』
『良くしてくれた事も‥』
『ねぇ、事情を話そうよ‥』
『え?‥いや‥でも・・大人じゃないし…』
『でも‥大人を動かせるよ・・。エタンが、言ってたじゃない』
『‥分かった。待ってて‥。みんな呼んでくる』
何をいまさら・・聞く気‥無いよ・・・。もう‥遅いよ。
『‥連れて来た』
『リモン‥話すから、起きて・・』
「‥聞きたくない」もう‥事情が‥どうとか、どうでも良いよ。
「みんな、出て行って‥」もう・・来ないで。うぅ…。ぐすっ
『玄関を・・開きます』うん。
去る者は・・追わないよ。さようなら・・・みんな。
「みんな、玄関は開けたから‥出て行って」
『…』
『分かった。‥今まで、ありがとう』
ごそっ と、袋を出した‥。服が、いろ いろ 入ってる‥。
ガチャ キィィ
「‥リモン?」
「‥これ、みんなに持って行って‥」私じゃ‥着れないサイズだもの。
「うん。分かった」・・パルムが、受け取ってくれた。
「リモン‥ごめんね‥ありがと」うん。じゃあね・・。
全員が‥出た事を確認して・・。
ドアは コビトが、結界の力で閉じ‥鍵をかけ‥。
私は・・ベッドに倒れ込み…。
その内・・泣き疲れたのか・・・眠ってしまった。
チュン チュン
・・・頭・・痛い。 今日は‥お休み‥したい‥。
むくり。 違う。
そうじゃないでしょ!‥私っ!
子供たちの事じゃなく‥自分の事だよ・・・。
探しに行こう。先生を。そっちが‥第一 だもの。
・・・買ったばかりの‥小さなコップたち。
窓際に片付けられた‥ソファ と テーブル。
賑やかな‥笑顔・・・。
もう・・良いの。寄り道したようなものよ。
私は、私の目的のために・・ココに 居るのだから。
朝食を食べてると‥聞き慣れない‥轟音のようなサイレンが響いた!
何?! 思わず‥立ち上がってしまった・・。
『リモン様、町の扉が閉まったようです』えぇ?
・・いつも、鳴らないよ?
『何か‥普段と違う事が、起きてるのかと‥』
コン コン コン え? うち?
・・玄関の方へ行くと‥兵士?
鍵を開け‥出る。まだ着替えてないから‥カーディガンを羽織って。
「何か・・ご用でしょうか?」
「朝早くに、申し訳ありません!」いえ・・。あ‥他の家にも、兵士が。
「‥何か・・あったんですか?」
「私は、聞かされてませんので詳しくは‥。門が 一時的に 閉まっています。出る際には、許可書状 や ギルド証を見せて、通るように お願い致します」
「わかりました」
「では、失礼します!」勢いよく‥お辞儀して・・他の家に行った。
緊急 事態が起こって、門が閉まった‥って事よね?
・・とにかく、着替えたら‥ロムメットに寄って‥うん。探しに行かないと。
『子供たち ですか?』違うよ。
「私の目的は・・」この体の持ち主だった、リモーネの‥願いを叶える事。
「最初から、変わらない。薬師の先生を‥探すこと!」
『家の守りは お任せを』うん。でも、一緒に連れてくよ‥。
い つ も のように支度して‥あ。
・・ウラトノ薬‥飲み忘れる所だった。危ない。
・・家・・彼らに使ってもらう‥予定だったのに。
そしたら、私は‥他所に行けた。
気兼ねなく‥出て行けてたんだよ‥エタン…。
門に近づくと‥長い、馬車の行列が出来ていた。
そっか‥今までは、門の行き来は‥馬車に付いてるマークで、どこの店と、判断されてて‥。そこまで念入りに‥身分証を呈示しなくても良かった。
・・私は、今回 外に出るのが初だから、普通に見せる。
「どちらまで、行かれますか?」
「山間の村までの予定です」証と書状を返却され仕舞う。
「では、こちらから‥どうぞ。お気をつけて」ありがとうございます。
「‥でも、なんで扉が閉まる事態に‥なったのですか?」
・・え? …そう。それで…。はい。
良ければ‥これ、ケガした人に‥お使い下さい。
「ありがとうございます」ムニ・・渡しておいた。
弓を構え‥いつもの‥戦う時の恰好で‥。
いつ‥ワシャクが出るか‥分かったもんじゃないからね。
・・油断してる場合じゃないの。
村まで‥ぼんやり見えるくらいの距離・・が、だん だん‥近づくごとに‥ワシャク! ホント!毎回! 唐突に、出て来ないでよっ! まったく‥。
ワンパターンの繰り返しで‥倒しては、素材を回収しつつ・・進んでる。
3回めのワシャク戦・・終わって、やっと‥見えて来た。もう少し。
村は、本当に‥山脈に・・挟まれてるように見える。
着いたら‥休憩したい。
『ぉーーーぃ‥ぁ…たーー』? え?? 何?
『‥・・ ‥‥』?
左右‥前・・居ない。うしろ?
あれ? 冒険者?のグループだ。どうしたんだろ?
‥また、戻るの・・えーー・・と、思いながら後ずさり‥。
村に、とりあえず‥着きたい!のでって・・ダッシュ!
『待ってくれー』‥嫌でーす!
‥はぁ はぁ はぁ‥はー・・疲れた。村に来たけど‥はぁ‥あの人達は?
ふぅ 少し‥急いで‥転んだ。痛いので‥薬 飲んで・・ひと休み・・しよう。
『ぉぉーーーい‥』まだ来てた。
・・あぁ、お宝 求めて‥山脈に来たのかな?
入口、どこだか・・知らないけど。
冒険者・・ぞろ ぞろ5人で、やってきた。
・・私に‥何の用でしょう?
「やっと、追い付いた‥」
「待てって言ったら‥待ってろよ‥」
えーー? 待ってたら‥危ないじゃない。嫌ですよ・・。
「なんで‥従わないと、いけないのでしょう?」
雇われてませんし、部下でも 仲間でも 無 い のに。
「‥そうだな。悪い。おまえは、俺らのグループじゃないもんな‥」そうですよ。
「今は‥良いか?」
「とりあえず、村に入りましょうや」
村の入口と思われる場所に‥固まってたので、もう少し‥奥へと進んだ。
・・でも。
村って・・・こんなに、静か・・なのかな?
「おい‥こりゃ、どういう事だ?」
「なんで・・誰も居ない?」
「来た事、あるんですか?」
「あぁ。何度かな・・」
「エクシト村長ーーー…?」
・・村・・けっこう広かったけど‥誰も居ない。
人が居た‥形跡は あったけどね。でも‥。どこへ?
「少年。おまえも、ここに用事だったのか?」
「それとも、寄っただけか?」
「用事があって・・来ました」服屋さんの息子さん・・も、居ない。
家具は‥頼まなくて良くなったかも知れないけど‥。いや、本棚‥欲しい。
書き物をする為の・・机や椅子も欲しい。けっこう‥欲しいのある。
「こっち。いつも、この家を借りてんだ。おまえも来い」はい。
「‥おじゃまします」
簡素・・というか、木製のテーブルと椅子・・。
本棚には‥雑に、いろ いろ 刺さってる‥。本と本の間に。雑多‥な感じ。
1つ引っ張ったら‥全部、落ちそうなほどに。
「ほら、これに座れ。少年」どうも。
それぞれが‥椅子に座ったり、壁に寄りかかったりした。
「まずは、自己紹介といこうか。俺は・・・」
※リモンの鞄は、凛が 転生した際に 変 換 さ れ た 物。魔道具という扱いに なっているが‥。リモン本人以外は、リモンが 信用し信頼し 心を許す相手で あろうとも、物の出入は 不 可 能 。なお リモンは 知らないが、リモン以外が鞄を持つと 非常に 重く なる。
※リモンの『周辺感知』(スキル)は、見える範囲に 居る者の 話声を 聞ける能力が 追加されている。
〈聞き耳〉(スキル)
リモンが周辺感知で話す言葉に集中していたら、いつの間にか スキルになっていた。今は 出たばかりで『見える範囲』で限定されている。
※結界 = 全てに おいて、基本的には 設置した 本人 以外が 許可しないと 出入りが出来ない。壊すのは不可。そも そもが 魔力の高い リモンが作った魔石品から 作られてるので かなりの 強度がある。家は庭から結界になっている。危害を加えようと企む者 以外の 出入りは自由。
※子供たち‥「急ぎの用事を 忘れてたから 今すぐ行かないと」と言えば 出れた とは思う。ただし リモンは 同行してた ので、結局 何も言わずに‥となってしまったようです。
【パルム】
エタン率いる子供の ひとり。リモンの家から去る 子供の 最後を歩いてた少年。目が くりっと 大きな子。とても小さい体をしている。わりと活発。男 / 7歳 / 緑の髪 / 紺の瞳 / 130cm / リモンから 服の入った袋を受け取り‥引き摺って 持って行った。最後に家を出た際に 勝手に 扉が閉まり‥鍵が 閉まった音を聞いて 少し寂しく思った。
※緊急事態 時の 扉の開閉について = 門の兵士2人では 対処しきれない 事態になったと 判断した時に 両側に居る兵士が 片足を地面にダンッと 踏んだ時に 扉には 出られず入れずの結界が 薄い膜のような状態で発動する。発動してる間に サイレンと共に扉が閉まる。リモンの家は扉に近かった為‥轟音に聞こえた。サイレンが鳴ると 騎士団 施設から各 家 や 店に 扉を通る際の 注意事項が告げて周られる。
【パンヤオの村】(中国語・友達)
チュリマー山脈の 間に 作られた村。村の中から山に登る道の先で、農作 や 果樹を 育てている。村は 広く こげ茶色の木造の家が点在している。家具工房が 多いのも特徴。冒険者が 山脈内の洞窟に行く際には 必ず通る場所。冒険者によっては ココに 家を借りてる者も居る。だが今は人の姿が無い。
次回・・村の人達を・・探しに‥行きます。共に・・・




