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63瓶 家

騎士団 内で、ひと眠りし‥グミの名前を変え・・帰宅。


 掃除してなかった事で見つけた・・足跡。


私の日常は・・好転してない気がした・・・。

誰かの侵入を確認した瞬間、気持ち悪くなった。


 これが 知り合いで、予備の鍵でも渡した相手とかが‥って、言うなら まだしも・・。そういう鍵も無く、誰にも渡してないのに…入って勝手されて‥。



 気分が良い訳・・無い‥じゃない・・。



 ただ、ソルさんからの手紙で、少し‥落ち着いた。

手紙は・・・2枚あった。もう1枚は‥誰だろ?


__________________________________


商人ランク4のリモンよ。


エキャルラット州 軍長から、報告が来た。


そなたの偽者は『リモン』と名乗っているようだが、ギルド証には 別の名前 が、記載されていた事が確認された。


各州には州軍から各 店舗 商人 冒険者 住民など に注意 喚起を行っておく。


なお、我がウィリディス州に入るとの情報も得ている。

よって 見つけ次第、捕まえるので、安心するように。


そなたは、己の目的を優先するように。以上!


ウィリディス州軍 軍団長 ファジャーノ

__________________________________


・・軍団長さんだった。お手数を、おかけします・・。


 リモンの名前は、語ってる だけ なんだ。

たぶん最初は、ただの商人として登録したんだろうね。


‥名前って、アレかなぁ? ギフトくんに見せてもらった時に、タグみたいに付いてた部分に、凄く‥ちっさく書いてあった‥。あれが、名前・・だったのかな?


 まぁ、お店の名前だったりする事も在るから・・ソルさん達には、まだ‥言って無いんだよね。言った方が‥良かったかな?


 あんまり、食欲は無いけど‥。ヴァ―ルさん‥紙、渡してくれた・・かな?


酒場へ‥行こうかな。 うっ  もう帰って来たって、嗅ぎ付けたの?



 また、視線が来てるよ・・。頭 痛い・・。


 そういえば、食中毒は‥飲み薬 や アメ で、治ったけど‥。

さすがに、頭が痛いのは治らない。


‥何か、緩和 出来ないかと・・すっぱいアメを作ってみたので、口に入れた。

うぅっ すっぱい! 思わず、梅干し食べた時 みたいになった・・。



蜂蜜 漬けなら・・すっぱくても、食べれるんだけど・・。すっぱ 過ぎる‥これ。



‥兵士は、すっきり‥とか、さっぱりな味わいが、好きみたいだけど・・・。

さすがにコレは、すっぱ過ぎる…かな? うーーん。


 今後、腹立つような事を言う人に、食べさせよう・・。食べないか。




 夕焼けしてる。この時間帯‥ 一番 好きかも。

そこだけ時間が、ゆ っ た り ‥流れてるように感じるから。


一応、鍵を閉めて‥いつもの酒場へ の道を進んだ。



後方から、付かず離れずに‥尾行でもしてるのかしら?

・・バレてますけどねぇ。バレてたら‥意味 無いのでは?


 まぁ、言わないけど。何か言って‥飛び掛かられても‥困るし。




酒場で・・カウンターに座ると、店主が すぐ、気づいた。

「よう。元気な顔に戻ったな」はい。


「心配事は、無くなったの?」お姉さん‥ううん。でも、安心して 眠れる場所 が出来たので って言ったら、なんかホッとしてた。


『あの紙は、あいつに渡しておいたぞ…』

『ありがとうございます』


「今日は、何 食う?」

小鉢が目の前に・・。コーレニの‥サラダかな?


灰汁《あく》抜き‥成功したかな? ぱくっ うん! 美味しい!


「お姉さん、これ、美味しいよ!」すっごく、嬉しそうに笑ってる。

「‥おまえの言う通りで、驚いたぞ・・」


 どうやら、上手く灰汁抜きは 成功した ようで・・。

店主も、コーレニ料理を‥いろいろ・・作り出してるらしい。


「ヴァ―ルさんも、料理大会に出るの~」と、お姉さん‥。


そういえば、ラフェヌさんの お手紙にも、そんな事 書いてあった気がする。

「その、料理大会って何ですか?」


「コーレニを使った料理を、募集してるらしいぞ」

「多く収穫 出来るけど、その ほとんどは食べられずに‥その内、紙の材料で使われてしまうのよ」・・え? コーレニ‥食材じゃなく、紙の原料???


「‥まぁ、一応‥毎年やってるんだが、誰も…参加しなくてな・・」

「存在 自体、知らないって人も多いの」それ、大丈夫?



「賞金とか、何か あるんですか?」

「一応、小金貨1枚・・らしいけどな…」

それなら、みなさん‥参加するのでは? しないの⁇


「賞金は高いが、料理に うるさい奴が審査するってんで、誰も‥やらんよ」

「お姉さん、参加してみれば?」


 しかし、どうやら‥毎年、参加してたのは、お姉さん 一人だったらしい。

ご実家が栽培 農家じゃ・・そうよね。


「簡単な料理なら 作れるけど・・」

「条件が‥あるんだよ」途中参加で話に加わったのは、アフティさんだった。


「条件‥ですか?」参加 資格は、誰にでもあるけど‥。


  問題は、その内容。


「使う食材に、コーレニが必ず入っている事・兵士が満足できるような量・100R 以下の値段で 提供できる 事」


食材 指定と、兵士が満足?ポリュームって事よね‥。あと、100R 以下・・。


 うーーーん。


「定食で良いか?」ん? あ、ご飯?はい。


 うーーーん‥?


 あ・・そうだ、これなんか、どうだろ?

料理が来るまでに、手帳に書いていく。この世界の素材名を使って・・。


「‥何 書いてるんだ?」

「もう、出来たんですか?」そうだぞ・・って、テーブルに置かれた。

美味しそう! 前に食べた定食とは、また違う。


セルフ肉 や モーグー も在るけど‥。魚も入ってる!


もぐ もぐ‥うまー・・。美味しい‥しあわせ・・。


食べつつ、書いて‥。書いた部分を切り取り‥お姉さんに渡す。

首を振って「ヴァ―ルさんに渡して」 え?・・じゃあ・・。


「ん? 何だ?」コーレニ使った、お腹 いっぱい に なるレシピです。


「…コーレニと、ん?‥トローと‥」

「今度、作って下さいよ」


コーレニを、細かく切った物を加えた‥ハンバーグを!


合いびき肉って物は、無いっぽい けどね・・。混ぜたら良いんだし。


・・お肉は、トローが 牛肉・・。


 調べたけど、スース が 豚肉 みたいだから、それをミンチにして‥と・・書いておいた。分かると良いけど・・。


「お代、ここに置きますね!」


手帳の切れ端と、にらめっこしてる ヴァ―ルさんに声をかけ‥お店から出た。

 食べてる時も・・視線は感じてるから。早く食べる癖 が 出来てしまった。


 でも今は、ソルさんの お守り、あるから・・少し、平気。



 料理を作るのは 好きだった けど・・。今は もっぱら錬成で作ってるから、自分が参加‥っていう考えには‥ならないのよね。


・・こういうのは、食堂 や 酒場の料理人が‥参加するもの でしょ。

作って見せて‥とか、言われても・・・困るもの。



 家に戻って、お風呂に入る。


出てから‥手帳を見つつ、メモする。

 いつ飲んで、何日 経過してるか・・って事を。


4日めには戻りだすから、3日の夜に飲んでる。


スライム玉で、錠剤が作れないかと・・最初、作ってみたけど…。



量が、けっこう‥だから‥‥。粒にして飲むにしても・・。


 1度に10粒も、20粒も・・飲めないよ・・。吐くよ・・。

という結果に終わって‥断念しました。


‥ちなみに、ウラトノ薬 単品で錬成しようとしたら・・。


なぜか、付加 価値の付いた‥『ヘボコ岩』に、変化してしまった。


違う!そうじゃなくって!! 何度 言っただろうか…。


‥付加 価値 付きのヘボコ岩 使うと、装備品なら『体力 や 魔力 回復の量が増える』ってのが、付くようになります‥。う・・ううん‥。


 良いけど、どうなの?って思ってしまうよ。



 なので、ポンチョ内で ぐびっ と飲んでる。直後に甘いの口に入れて、さも美味しそうな物を飲んでる風に装って・・る。


 本当の所は、どんな所まで見られてるのか、分からないから‥なんだけど。



明日は、アルクス団の所へ・・行こうかな。いや‥植物の所・・かな。

 そういえば・・・酒場でのレシピ渡した後に、アフティさんから‥。


「リモンくんの探してる薬師、どうやら今‥隣のカエルレウス州に、居るみたいだよ」「え‥そうなんですか?」


隣・・・。まだ、キトゥリノ州のマーク‥染まってないよ。行けない・・。


「どうやら、王様に呼ばれて‥城に居るみたいだね」

え?‥それじゃあ、当分 戻っても来ない・・よね?


「あと、情報‥ありがと。ボッカも お礼 言ってたよ」いえ、こちらこそです。


・・って事があった。




 騎士団の印章は 持 っ て る 。でも、裏のマークが しっかり色が付かなければ‥次には行けない。まだ、半分なんだもの・・。


‥それに、お城じゃ・・私は 入れない と思う。



 さて、どこで眠ろうか? 玄関 前で、座り込んで待っていようか?



・・玄関 付近で、鍵が かかってる のを見て座り込む。寝袋の中に入って。

鍵を開けて入って来るなら、このドア‥少なからず、音は‥どうしても出る。

・・・なのに、その音も聴こえず・・。



 まるで、瞬間 移動で・・家の中に 出現 する。…そんな感じ。


何が・・目的なのよ…。いや、そんな事わかってる。でも、分かりたくない。



そんな日々が、また しばらく続いた‥ある日。


 騎士団の施設 周辺では、料理大会の会場が 設営されてて、関係者 以外‥入れない‥と、追い払われた。


・・仕方ないから、植物エリアで‥森林浴‥。





したかったなぁ・・・。後ろから・・あの女‥付いて来てる・・。はぁ~

 ストーカーって言うのよ! と、言いたくなるけど・・。


回れ右 して追いかけても‥。

 一瞬で、視界から消えて・・の繰り返しで、もう疲れた。



木々を縫うように進む。・・撒《ま》けないか‥と、やってみたりもしたけど・・。

‥何で分かるの? ってくらい、正確に‥追いついてくる。


 木の裏に入った瞬間に、ダッシュしようが・・。

大きな葉の裏側で、隠れると‥直後は、素通りするのに・・。


しばらくすると、こっち向いてる‥のが、分かるの・・・怖い。


 周辺 感知の能力だけじゃなくて、私 自身が警戒してるせいか、神経 過敏になって・・余計、はっきり感じ取れるんだと思う。悪循環ね・・。


 何度、木々を経由しても・・居る。

ゆっくり採取すら‥出来ない。落ち着かない。



 あぁ・・ゆっくり‥誰の視線も感じない場所で・・眠りたい。

ふか ふかの布団で‥。宿の‥ベッドみたいな・・。



‥騎士団の施設に入るの・・って言っても「用事は無いだろ!ダメだ!」と言う人はまだ分かるけど‥。


 中には聞こえないように、言ったつもりかも知れないけど『赤毛のガキ商人を、施設に入れるなって‥言われてるからな・・』って 奴も居たから。


 そっちが、本音ね・・。誰かの指示で‥あの場所だったんだ。



 施設 入口の兵士も‥なぜか見習いになってたし・・。

私が騒いでるって、呆れた顔して、中に入らないように‥って言うんだもの。



 もう‥嫌だ。こんなの・・いつまで・・続くの?


助けて・・。眠い・・眠りたい・・・・。



・・何度、木々を縫い‥進んで来たかなんて、覚えてない。




 だけど、ふいに・・・広い空間に‥出た。

草原が広がり‥風の音が する くらい。


 そして‥目の前には・・・。


 「…家?」もしか‥するの?


広い空間の真ん中辺りに、大きな木に寄りかかるようにして立つ‥家が・・在る。

‥誰か・・居るかな? 休ませてもらおう・・。


木で出来た 螺旋のような階段を上り・・。

  丸みのある木の、カワイイ扉をノックする。


「・・・。誰も‥居ないのかな?」ドア ノブに手をかけると 開いた。

鍵・・かかってない。扉を‥ ゆ っ く り 開き、中へ‥声をかける。



 返事が無い。誰も‥居る 気配 も 無い。



今まで、追いかけられてた はずの・・あの女の気配も、ココには‥無かった。

「おじゃまします‥」そう言って入った、家の廊下を真っすぐ進む。


 他に、部屋への入口も無く・・。


 廊下の先に4帖半くらいの広さ のベッドが置いて在る だけ の部屋に到着した。白い ふか ふか してそうな布団と、木造のベッドが‥。


ずっと、気を張って来たから。

 少し、お借りして‥休ませて もらう事に した。


靴を脱いで‥武器を鞄に片付けて・・お布団に入る。


ふか ふかして、落ち着いて‥・・ね む・・…・・・

※軍長=軍団長のこと。


※コーレニ‥ごぼうのような食材。ただし灰汁抜き を 知らない らしく、食べにくい食材と思われている。多く収穫 出来るが その大半は食材としての時期を過ぎると木の繊維と同じくらいに固くなる為、紙の原料として処理される。コーレニ紙は‥実はギルドで売られている便箋や封筒になっている。


【スース】食材

この世界で 豚肉 と同じような動物の肉。かなり大きな生き物らしく‥1回 狩ると1か月は持つと言われるほど。市場などで売っている。


※料理大会 時に施設前に居た見習い二人は、その後 キトゥリノ州 軍団長に‥こってりと叱られたそうです。リモン=大人の商人と認識してたせいもあったようで。


次回‥不思議な家での、ふしぎな体験。そして‥口(くち)は 災いの・・・

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