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62瓶 翻訳の弊害

日常的に 浴び続ける 視線 と 夜・部屋の中での 気配 で眠れぬ日々。


 手紙を届けるべく、向かった‥騎士団の施設前で・・気を失った私。


そこへ 聞き慣れた‥兵士が来て‥

 隣との間の壁は‥自動ドアくらいのスピードで開き‥隣の州に入り。

視線を 気にせず‥ゆっくり・ぐっすり‥眠る事が 出来た。



 情報として書いた中に、私に狙いをつけた冒険者グループ『ルカー』と、その中に居た‥ ” 女 ” の存在。


その女性の顔を描けた事で、事態は好転してる・・の だろうか?

‥ちょっと、まだ何とも言えないけど。



 それよりも、視線を搔《か》い潜り‥植物エリア『 ポリテリア 』で‥魔物ではなく、突然 変異種で ” 緑の瞳 ” を持つ‥猿みたいな生き物を 見つけたのよ。


襲って来たので、反射で‥倒しちゃったんだけど・・・。



 その素材として『緑の目玉』2つセットで、1瓶で出て来た。



 これは、もう‥そうやって欲しがった人が居て、素材として出るようになってるんだよ。そうでないと、この状態では‥出ないもの。


・・目玉って‥大抵、そのまま コロ コロしてるのが、普通なんだよ・・。



で、ラフェヌさん‥「ん? 何だい?」

「魔物の素材なんですけど・・。もしかしたら‥これ‥」

あ・・ここで、出して良いですか?


「何を出すかにも・・よるけど・・」


えっと「魔物の目玉ですね」「?!」


 あれ? ラオフェンさん と ソルさん・・背を向けた?



えーーと・・? もしや、怖いとか・・・言わない です よ ね ?


「ふふっ‥目玉だけは、嫌みたいだよ」そうなの?

・・私、平気だけど? まぁ‥いいや。



 近くのテーブルを借りる。タギールの葉を、トレーに合わせて切り取り‥トレーの形に、押し込んだものを2枚 出す。


「リモンくん、この 緑の布 は何だい?」

「それ、葉っぱ ですよ。キトゥリノ州の‥ポリテリアの入口に近いエリアで、生えてますよ」ただの葉っぱと思いきや‥。


卵 や カルボン石 まで、安全に運ぶ パック みたいに作れた、優れものです!

‥ラフェヌさんに『パック』では通じないので、" 箱 " って言っておいた。


じゃ、出しますよ・・。

 瓶に、緑の目玉が2つ入った状態。


 なんか あの‥ハンター物のアニメで、部族の目‥の扱いに似てると、最初・・・思ったりしたのよね・・。


 その中から、1つだけを‥目玉 掬《すく》い用 では 無いけど‥。ホントは 卵の黄身 だけ、掬う為に作ってもらった・・匙《さじ》・・で、掬って‥トレーに置く。


「すごい、緑だねぇ~」そうなんですよ。


「‥もしかして・・?」 気づきました? そうです。


 軍団長が重用《ちょうよう》してたっていう、兵士・イグラーの目。

コンタクト レンズのような‥アイテムを使ってた・・って話。


「以前に鑑定した時は、劣化してて‥魔物の素材って事でしたよね?」

「うん。1か月 程度で色が変色して、使えなくなるんだ‥って 言ってたね」


この‥目の・・角膜を‥小型ナイフで・・メスみたいなのは無いから。


周りを‥切り取って‥。ピンセット。挟むもの・・もう1つ同じの欲しい。


・・ともかく、今は他のも使って‥破かないように・・慎重に‥・・取る。


別のトレーに乗せて・・・よし。上手く出来た・・。ふぅ


「ラフェヌさん、この切り取った方を、何か加工して‥使ったと思うんですよ」

「すごいね・・。どうして、ここの部分を切ったんだい?」え?


「角膜は、ここら辺だから‥では?」目玉 部分だし。

「か く ま く ・・って言うのは?」

 え・・知らない‥ですか・・。そうですか。


「えー‥と‥目の‥緑 部分・・の事ですよ!」うん。

「なるほど…」 って事にしておきますっ‥ね!


「あとは、使ってた本人か‥作った本人に聞けば、どういう物だったのかは分かるのではないでしょうか?」


 つまりは、使った イグラー か、作った ヘクド か…って事。


「リモン殿・・」ん? はい?

医務室の入口で呼ぶ‥ソルさんの所に来た辺りで・・!


 うわっ!今度は誰?!



「良かった~!」え?女性?? また、抱きつかれました‥。

今度は、ジェニーさんに。あーびっくり。


「班長も、心配してたんですよ」と、振り返る方には・・ダスクさんだ。

「‥心配 頂いたようで‥ありがとうございます・・」なんだか、申し訳ない‥。



「…その‥リモン殿」何ですか?ダスクさん・・。肉サンド レシピも、似たようなものですよ・・え? 違う?? それは、失礼しました。



「キトゥリノの門兵が受け取ったという・・こちらの‥」グミですね。


「・・よく、言えますね…」え?

なんか‥前~‥に、手紙で『ダスク班長が 言えてない』とかなんとか。



「えーと・・みなさん『グミ』って言えないんですか?」何故??


「発音が・・難しいのですよ・・」え⁇ ソルさんも?

「ぐ・・・ぅん・・」ラオフェンさんも…言おう としてくれてる。


「‥ぐ?‥うん。言えないね‥。逆に リモンくんは、どうして‥そんなに上手く、発音 出来るんだい?」知らないですよ・・。


 うぅーーん??



・・まさか・・も し か する の ?


え? 特殊スキル [ 翻訳 機能 ] これ の せい?



・・文字も、勝手に変換されて読めるし、書けるけど・・・。

もしかして・・言葉も…そうだったの??



勝手に 翻訳 されて、聞けて て・・。


 勝手に 翻訳 されて、発音してる って‥つまりは、そういう事?!



それだと、ジェニーさん や ソルさん が『発音が‥』と言ってる理由にも繋がる。


こうなったら、言えそうな‥似たような言葉に直すしかない!

・・とか思って、候補は考えてある。あとは・・言えるか、どうか‥なんだよね。


「えっと、今から言う言葉を‥言えるか、教えて下さい」



 寒天・・から、傷薬てん・・うーん。

言えなくは無いのに‥聞こえる言葉が『でん』になるの・・何??




・・最終的に、オススメなのが・・。


傷薬グミを渡した後の兵士が、1粒 掴んだまま‥ずっと、動かしてたから・・。


 音は似てるし・・言えれば‥これ にしますけど・・・。




「最後は‥傷薬 ムニ ・・で」はい どうぞ。


「傷薬‥むに・・」 言えましたね!良かったです!



 でも、むに むに 言ってる‥この集団は、傍から見て‥大丈夫だろうか?…と、少し思ってしまったけども・・・。


お兄さん達が‥「むに むに」言ってるの‥ぅ・・ぷ・・くふっ…笑っちゃう‥。



途中、ソルさんは‥他から呼びに来た兵士と共に、どこかへ 行ってしまった。


「では、安否も確認 出来ましたので、我々は‥これで失礼します」

ダスクさんと、ジェニーさんも戻って行った。


ラフェヌさん・・・あれ? いつの間にか‥居ない。


・・・周囲を見渡すと・・。

ラオフェンさんだけ、残ってる。えーとーー。


「 ウィリディスでは‥そなたに無礼を働く者は、もはや居ないだろうが、一応な・・」番兵 状態で‥ラオフェンさんが居る‥らしい。


「ありがとうございます!助かります。安心感が、他の兵士とは違いますね」

そう言ったら‥微笑まれた・・眩しい!


・・お・・お礼・・言っただけ・・ですよ?うん。

こんなに、柔らかく 笑顔を見せる事って‥あるんだ・・。


いつもは、キリリッ とした お顔なのに。まー・・仕事中だから…だろうけど。


 少ししたら、ソルさんが戻って来た。

私に手紙?を渡すと、一旦‥キトゥリノに、戻るように‥って。


「もし、また眠れぬ日々が続くようなら、騎士団で眠れば良いからな」

「そうだな。キトゥリノ側には、私から伝えておく」


 騎士団の印章 持ってる事は、キトゥリノ州の兵士にも知らせたから、行き来が‥自由になったみたい。


 互いの軍団長が、許可してくれたって。有難いね・・。


・・これで、安寧の寝床 確保・・。 何か・・・違う気が・・・。



 キトゥリノ州へ戻り入口の兵士にも‥お礼を伝え、傷薬ムニ‥に 決定した 袋を渡した。音の響きが同じなので、ムニと言ってるけど‥。


 たまに・・ グミ って聞こえる。


もちろん、反対側に居た兵士にも渡した。同じもので、申し訳 無いけど‥。



門の近くを通ると、門の兵士も‥声をかけてきた。

 都度‥ご心配を~‥の下りを繰り返した。



  一旦・・家に帰宅。


 久しぶりの家は・・ちょっと、埃っぽい…。掃除でもするか・・。

ずっと 怖い って思う事が多くて‥何も 出 来 な か っ た から。




 掃除してて気づいた・・。埃の積もってた家の中に・・・。





男?くらいの‥足跡がある・・・・。


 うっ  ‥気持ち悪くなって、蹲(うずくま)る・・・。



ローテーブル と ソファの間に‥挟まる形で・・身動き…取れなくなった・・。



「‥何なのよ…」もぅ・・。

家を‥物色してた・・・とか? 残念でしたね。



 家には 何も 私物‥置いて 無い んだ。




長居するからと、最初の内は‥タオル や セーカ も‥お風呂場に 置いてた。



・・でも、次第《しだい》に‥身の危険すら考えるようになって。

自分の物を‥取られたり、触られるのも 嫌だ って、思うようになって・・・。



そう思ったら‥鞄の中が、一番‥安全だから‥って、仕舞ったんだよね。



 他の魔道具は、どうだか知らないけど・・。


この鞄‥私 以外の・・出し入れ‥出来ない。相変わらずね。



 立ち上がって‥ 一通りの掃除を終えて・・。


薬草のお茶を飲む。これまた錬成で‥味気ないけど・・・。


   ふぅ~・・・。



 そうだ。ソルさんから受け取った手紙、何だろ?


あ・・やっぱ、ソルさんから・・だ。えっと・・?


『同封した物を 肌身 離さず、持っていて下さい。あなたが 助け を求めた時、必ず助けますから』ソルさん…ありがとう・・。


封筒の中から・・出て来たのは・・。


 木製の・・薄い・・三角形の‥板?



 すごく、薄っぺら‥ぃ・・あ。


持った瞬間、中央に‥少し 厚み を 感じた。そのくらい薄い。

・・三角だけど、角は尖って無くて‥丸みを帯びてる。何だろ?これ・・。


鑑定・・しても、何と分からず。分からないの‥あるの、珍しいな・・。



・・・何だったかな?

音楽 関係は、楽器にしても・・全然 知らないのだけど・・。


ギターとか鳴らす時の・・ピック? 忘れちゃった‥。あの形。


 小さいから・・ポケットに入れて‥。うん。



鞄に入れるのは『肌身 離さず』じゃない‥イメージだったから。


 それにしても、ソルさん・・。

女の子の姿で出会ってたら‥勘違いしてましたよ・・。



 男装‥というより、今は ウラトノ薬 や‥騎士団 扉での取り調べで、男子って思われてるから、そんな勘違いは無いだろうけど・・・。


・・ソルさんの優しさが、身に沁《し》みます。



‥これ‥持ってると・・。安心 出来る?・・なんか、不思議。


 居 な い のに。 ここに、ソルさんが 居る みたいな・・感じ。




 帰る前に・・騎士団の皆さんに、お礼として…。カーテン閉めたベッドの所で、錬成して‥せっ せっ と作ったんだ。消費してもらう為に・・。



 セルフ肉の‥肉サンド。‥野菜 多めバージョンを、ソルさん‥ラオフェンさん、ラフェヌさんと、ダスク班の皆さんへ・・。


 野菜も、セルフ肉も・・余ってるくらい 持ってる からね。


 それぞれの カゴ に入れて、ダスク班の皆さんには、他の兵士に お願いした。

その兵士には、ムニ・・という名のグミを渡す。


 他は、直接 渡して‥お昼にでも・・食べてもらうように言った。



もう・・食べた・・かな?






 夜・・。


 お守りを・・ポロシャツの胸ポケットに入れて‥。

装備は、そのままに‥納戸のような空間で、いつものように・・眠った。




眠れたものの・・。相変わらず‥来たみたいで・・。扉が全開に…。はぁ~



 アルクス団の みんなも、心配してるかも…と思って。

元気な内に・・塔町へ行った。


久しぶりに来た感覚だけど・・。なんか、賑わってる?


「おや、あんた~」はい? あ、前にコーレニ 売ってた‥おばさん。

「こんにちは。なんだか、賑やかですね」


‥どうやら今までは、塔の攻略で苦戦してたらしいグループが、上の階層に行けたから、記録 更新で‥お祭り騒ぎになってるって。それは何より?ですね・・。


 マエロルさんの家に行くと、元気になった‥トラッシュくんが、出て来た。

「兄さんは、今の時間は出かけていますよ」そうなんだ。


「元気になったみたいだね」良かった。

にこりって笑って「商人さんの お陰です」いえ いえ。


 マエロルさん居ないけど、野菜ジュースを渡そうとしたけど‥「もう十分です」って。元気になったから、普通のご飯 食べれるからって。そっか。


それじゃあ・・元気でね。そう言って町へ 戻る事にした。






『‥にせもの・・の 商人さん‥ありがとう・・』







・・え? 何??

風に乗って、何か聞こえた気がしたけど・・。


ゆっくりめに‥首を傾げてみたけど・・。


 何か だった言葉は聞こえなかった。まぁいいか・・うん。

※兵士は 新しい商品を受け取ると 物資班に報告する 事がある。珍しい程 報告する。中には安全 確認の為にと研究班に送られる場合もある。『グミ』は発音が難しかった為、兵士は何と報告 出来ずに 一粒 食べた後、研究班に回されて ウィリディスの ラフェヌ班 に送られたらしい。この為、ダスクさんが持っていた。


※グミ‥の『ミ』の部分。この世界で 古代語を発音 出来る‥と言わない限りは発音 出来ない。1つの音のハズが‥いくつもの音が混ざった物らしい。本来なら14の子供には難しい。翻訳 機能が無ければリモンでも発音出来てません。


【アンビジョの塔】

キトゥリノ州にある この塔の最上階は、未だ誰も到達してない‥と言われ続けている。1フロア攻略も大変らしく、上の階層へ進めたグループは英雄 視される。なお‥今回、上に行けたのはルカーでは無く、他のグループだったらしい。


次回‥女が‥また、纏(まと)わりついて来て‥逃げた先で・・・

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