61瓶 たすけ・・
私の大変だけど、楽しかった日々が‥終わった。
断固 お断り! そう言った‥・・次の日から・・続く‥・・。
まるで、どこに居ても 見られてる 感覚の中での生活‥。
家の壁は在るのに、スケルトンなのか?と思うほどに…。
私が・・どこの部屋で 何しても、どの店に居ても、冒険者の姿が‥視界に入るように居るのが スキル で見えて・・。
気持ち悪い・・。 眠れない。 警戒心が強く出て・・。
周囲に居る‥冒険者が、こっちを向いてるだけで、見張られてる気分になる。
どこに居ても、すぐ・・見つかる。
それが、エレフセリアの町だろうが、森のいずれか・・だろうが、塔の町だろうが・・関係・・・無い。
なんで?・・行先なんて、アルクス団の みんな にしか‥言って無い。
ふいに、クレオの顔を思い出した。世間話の感覚で話してたけど・・。
・・確かにクレオは、塔町で仕事をしてる事が多い。
当然、あの冒険者グループとも、関わりになってる可能性は ある。
・・ただ、これも世間話の延長で聞かれた事に、答える形だったかも知れない。
今後は、気をつけよう。クレオを悪者 扱い‥したくないから。
家で、今 持ってる・・便箋の枚数を確認した。
数日前に、エキャルラット州で お世話になったギルド長 宛に、自分の偽者に注意するように伝えたんだ。これは、商館 経由だけど。
1枚は、アフティさんに‥渡すもの。
私が、視線を強く 感じるようになった頃に・・一度 相談した。
その時は、その冒険者グループ『ルカー』の情報を調べてると言ってた。
・・少しでも、役に立てれば・・って思ったのと、腹が立ってたから‥。
鑑定してた。毎回。 相手は・・その『ルカー』だったもの。
周辺の男たちは、日によって変わるし・・。
見張ってる奴に、意識を集中する事で‥鑑定を同時に使えるようにも‥なった、
怖がってるだけじゃ‥解決しないって思ったの。
泣き寝入りも、心折れて‥従属‥なんて、絶対に 嫌 だったから・・。
だって。そんな事になったら、旅してる目的も・・。
商人になった 理由 だって、失う事になる。
いつか、薬が切れて・・女に戻ったが最後‥。
もう・・ 戻 れ な い 。
今までの頑張りも・・。家にも・・帰れない‥。
信用も失う・・きっと。うぅ・・。
考えただけで、涙が止まらなくなる。
い や だ。
目的を果たせず‥終わりたくない。
涙目のまま‥鼻水すすりながら・・手紙を書く。‥出来たら、助けて‥欲しい。
隣の州の人だもの・・。難しい面も、あると思う。
たかが‥子供の商人の泣き言なんて、聞いても‥貰えないかもしれない。
だけど、出来るだけの‥ 情報 を渡したい。
調べた相手の‥名前、性別、年齢‥身長、髪の色 や 瞳の色 は、鑑定で出た情報。
どこに居る事が多いか‥誰と居る事が多いか、武器は何か・・は、アルクス団と、マエロルさんからの情報。
反撃・・何か、出来ると・・良いけど‥眠っ・・。
情報の3枚と、泣き言・・2枚。こんなの受け取っても‥迷惑かける…だけ。
分かってる。だけど、自分ひとりじゃ・・。子供の姿じゃ・・。
どうにも 出来ない。 何より・・もう、眠れる場所・・無い。
・・一時期は、家より‥逆に 宿で寝たら 良いかも?と考えて・・。
「あんたは、家を借りたんじゃなかったかい?」
「そうなんですけど、宿に泊まってみたかったので」
そうかい?って軽く笑われて、それならって‥泊まれた。
・・だけど、 ダ メ だった。
自分の泊った部屋 以外にも、何 部屋も ある はずなのに・・。
自分の部屋 以外‥全部。ルカーメンバー が、泊ってるみたいに‥。
全室からの視線を感じて‥眠ってる場合じゃなかった。着替える事すら出来ず。
夜‥私の行動を監視してる‥視線を感じながら、手洗い所に行った後・・。
「ちょっと知り合いに、会いに行ってきます」
そう 少し大きめな声で、言いながら‥鍵を返却。
女将さん‥驚いて声を出しそうになったのを『しっ』と お願いして、誰かに聞かれても‥そう答えてと願い、宿を出たんだ。
・・逆に、今‥ 家に戻れば 眠れる?と考えて、家の方へ向かうと・・すぐ、家の周囲に居た数人が、反応して 一斉に・・こっち‥見る動きして。
だめ・・だ。家には、戻れない。他に・・外?・・。森の遺跡なら・・。
兵士に心配されるものの、町には居られないと嫌がり、森の遺跡まで‥。
夜だけど‥頑張る…そう思ったけど、外に居る兵士のひとり‥リートゥスさん が、同行してくれる事になった。
その人の お陰で、森の祭壇の所に‥無事、来れた。
直前の戦いで、支給品の剣が壊れてしまったので、お礼にと・・少し 攻撃力が高い剣を差し上げた。帰り‥素手で戦うのは、危ないものね・・。
遺跡に入った直後に見ると、左奥が 死角になってる から・・そこに、もらった騎士団 天幕を広げ・・中に、寝袋を敷いて・・やっと・・・久しぶりに 眠れた。
早朝に、眠 過ぎて目は開けられないまでも、遠くで人の叫び声や‥剣戟の音が響いてるなぁ・・と思いつつ、また眠って・・。
昼近くになって・・視線を感じた気がして、飛び起きた。
急いで天幕を片付けて・・・周囲に 意識を集中 させた。
どうやら、植物エリアで‥探してるみたい。今の内に‥と、戻った時もあったんだ。あれは‥良い経験だったかも知れないけど、毎回は 出来ない。
そういう所も、書いたように思う。
1日、数時間でも眠れたら‥まだ、違ったかも・・。
毎日 夜更かしする・・ようなもの。
眠いのに、眠れない辛さ・・・今なら、分かる気がする。
不眠症の友人が居た‥。その辛さが分からなくて、眠れそうなグッズ や 音楽 を勧める事しか‥出来なかった。それを‥なんか、今・・思い出した。
眠い‥けど、手紙…渡す‥までは・・・。
「すみません・・。また‥ウィリディス州の‥ソルという兵士に、手紙を 届…け…」くらっ おっとと・・。やばい。危なかった・・。
手紙を出して、前に頼んだ兵士に・・渡せた・・良かった。
「おい‥? 大丈夫か?」だいじょー・・ぶ・・です。
寝落ち直前の‥頭ガクッ となった勢いのまま返事する。
ふわっとした感覚と、体が傾くのを止められない・・や・・やばい・・。
階段を避けて・・施設の壁に‥ぶつかった・・。
ずる ずると、地面に座り込み・・・。
眠いー‥無理。起きて・・られな・・・い・・・・。
『おい! しっかりしろ!』『医務室に・・・』
ふわり 体が浮かぶ感覚になる。頭で・・何も・・考えれない・・。
‥目も‥眠くて‥。開けられない‥。すぐ閉じる‥。
『その者は、どうした?』
『あ、ラオフェン殿・・。それが、ソル殿に手紙を・・と言った辺りで』
ドアが‥開いたり‥閉じたりする・・・音?
『誰か ソルを、呼んで来てくれ』『は!』
『とにかく医務室に運ぼう』
『それなら私が運ぶ』『いや…しかし・・』
・・ラオフェン・・さん? ‥なんで、キトゥリノ州・・に?‥お仕事?
なんとか起きようと・・。脳を動かそうと考えるけど・・・眠い方が 強い。
『え⁈ リモン殿⁇』ぁ・・ソルさんの、声だ・・。
「て・・がみ・・。渡し‥」「もう、受け取った」
良かった。ソルさん…。私‥眠っても・・良い・・。
!!っ 嫌だっ! また、あの視線! 青冷めた顔のまま、起きた。
「‥ここは、だめ‥」嫌だ。見つかる・・。眠れない・・・。
頭を両手で抱え‥。視線の恐怖で体が強張るのを感じた。
「リモン殿、印章は‥お持ちですね?」え?・・うん。
言われるまま、出すと‥ひょいっ と、持ち上げられ・・へ?
‥いや、今は 男子です けども!!
こ・・・これは、お姫様 抱っこ‥という、アレでは?!
「リモン殿、印章を前に出せますか?」‥は・・はい。
瞬間 まるで、自動ドア のような開き方をした扉に、びっくりして目が冴えた!
「え! 何⁇ どういう仕組みですかっ?!」
興奮 気味に喋ってる私に「元気になったようで 良かった」‥ソルさん。
そんな事よりも‥もう降ろして下さい!と訴えたけど・・ダメでした。
別の・・医務室の‥ベッド。
周囲を、カーテンで閉じるタイプのベッドに、降ろされた。
ソルさんが居るのも・・不思議なんだけど・・。
「さっきの‥扉は?」・・あれも、騎士団 扉・・らしい。
「え? でも、前に通った時のは、すっごく‥ゆっくりと開きましたよ‥」
あんなに、シャッ って開かなかったよ??
「‥外の扉は、普段から‥ほとんど開閉が無いですからね」
ここは、どうやら‥中で 隣の州の施設 と・・繋がってたらしい。
「さっき、ラオフェンさんが‥居た気がしますが・・?」
「キトゥリノ州で、呼び出しがあったとかで‥」やはり お仕事のよう。
隣り合ってる場所では、行き来が盛んで・・お互い、協力 関係らしい。
「チェントロ国の兵士としては、どこの州とかは‥あまり関係無いからね」
そうなんだ。
「それよりも少し・・眠った方が良い。ここは ウィリディス州の医務室だから」
キトゥリノ州から、こちらには‥おいそれと入れない。
安心して良い と、言ってくれた。でも、ソルさん・・・。
さっきの自動 扉が気になり過ぎて、眠れなくなったのですが??
カサッ あ・・手紙・・読みだした‥。立ったままだけど・・。
泣き言 書いたので・・恥ずかしい。
ソルさんに背を向けて、布団の中に入った。
ここは ウィリディス州。もう大丈夫…。そう思ったら、眠くなってきた。
ふいに、布団の上から‥覆いかぶさるように、何か・・!?
「‥リモン殿は、俺が‥俺達が、守りますから‥」ソルさん。
『ありがとうございます‥おやすみなさい』布団の中から答えた。
離れて‥少し、咳払いしてた。ふふっ ありがとう。
これで、眠れ・・・ます・・・。
『ダメですよ‥ラフェヌ殿・・』
『えー~‥』
『えーじゃ、ありません・・。今 眠った所なんですから』
『・・・ソル。リモン殿は…ご無事か?』
『えぇ。先程‥お休みに』
『それよりも、これを読んで下さい‥ふたり共‥』
声が聞こえなくなったと思った時には、一気に‥深い眠りに落ちていたのだろう。
久し振りに・・ ぐ っ す り 眠れた~‥。
荷物も、そのままで・・寝たんだった。ベッドから‥降りたものの・・。
これは、どこをどうしたら・・開くの?
カーテンで塞がってるけど、少し動かしただけでは、開きそうにない。
「‥リモン殿、起きたのですか?」ソルさんの声と共に、カーテンが開いた。
どうやら、思ってたよりも・・もっと横から動かさないと‥動かなかったみたい。
「えっと‥ありがとうございます。よく眠れました」
「はぁ~ 良かったです。元気そうな顔になって」
ご心配を、おかけしまして・・と、言った辺りには もう・・。
「リモンくーーん!無事で良かったよー」と、ラフェヌさんに抱きつかれ・・え⁈
「ラフェヌ殿!」ソルさんに怒られながら‥引き剝がされる‥ラフェヌさん。
そして、奥からラオフェンさん まで登場・・。
相変わらず‥凛々しい お顔ですけど。え‥と「ご心配おかけして‥申し訳‥」
「謝らなくて良いのですよ」え? いや、迷惑かけたのは‥本当だよ…。
「それよりも、リモンくん」はい・・。
「この‥マジョールって人‥の、顔は描ける?」
・・ラフェヌさん、私‥絵は‥描けないですよ…。
描いてみて‥と ペンと紙を渡されたけど・・。仕方ない‥なんとなくでも良いから‥描いてみよう。下手でも、文句 言わないで下さいよ‥。
サラ サラ・・・ あれ?
サラ サラ サラ・・・描ける。え? あっ!
女の顔の絵が‥描けた事で、忘れてた 事実 を‥思い出した。
‥凛としての自分は‥簡単な似顔絵しか描けない。
だから‥『描けない』と・・思い込んでたけど・・。
最初に手帳の中を見た時…。素材の絵、描いてあった。
それは もちろん、リモーネって事で。リモーネが出来る事は‥出来るんだ。
絵が描けるなら、今まで見た事ある素材も‥全部、描けるじゃん。
・・絵も有れば‥なんて思ってたけど、それ・・自分で出来るじゃない。
「なるほど‥これが・・ね」「すぐに、手配しましょう」
「‥他にも伝令だ」「はっ!」・・ん? 知らない人まで居たみたい。
何か、動き出したみたいだけど・・・?
「リモンくん、これで‥僕たち も 動く事が出来るよ」え?
「リモン殿‥しばらく、ここに居ますか?」
どうしようか・・。
「みんな、心配してたから‥挨拶に行ったら‥」
「それより ここへ 皆が、足を運ぶ方が安全では?」
「今、しばらくは‥ここで待機で、宜しいですね?」はい。みんな?
「あ‥」みんなで振り返らなくても・・。
「ラフェヌさんに、見て欲しいものが…」
もしかしたら、これが‥あの『レンズ』だったかも知れない‥。
【冒険者グループ・ルカー】(ロシア語・手)
かなり大所帯のグループ。幹部メンバーは 指の名前 で呼ばれ、本名を名乗らないらしい。それぞれの指のリーダーを筆頭に数十人の部下のようなメンバー や 情報 提供者としての商人や旅人、物資 運搬を担ってる者などが居る。
【リートゥス】
夜・エレフセリアの町の外を守ってる兵士の左側。普段は冒険者の往来くらいが普通で、その日は子供の商人が青冷めた顔で町から出て遺跡までという事で同行する事になった人。道中で剣を壊すもリモンから新しい剣を受け取り無事 戻る。同僚に羨ましがられ‥若干、鬱陶しい日々が続いてるらしい。男 / 25歳 / 186cm / 赤い髪 / 茶色の瞳 / 大剣 / 青 ( 近々 赤 に昇格予定 )
【騎士団 天幕】
騎士団員が遠征や夜まで掛かるような任務時に携帯する天幕。大人2人用・4人用などサイズがある。基本は、所属している州の物資班に申請書を提出後、受け取れるもの。リモンはウィリディス州での武具調達 依頼の際に報酬で受け取った特注品。横に寝れば2人くらい入れるが、基本は1人用。
※キトゥリノ州側の医務室の2部屋前くらいからリモンを探す者を感知したせいで、混乱しそうになってました。
【騎士団 扉】
州の境に在る扉。施設 同様に特殊な鉱石で出来ている。印章を持つ者 か 騎士団の甲冑を身に着けた者 であれば通れる。なお町から見えてる大きな扉は、開閉する事が滅多に無く‥。お陰で たまに開くせいで物凄く遅く開く。しかし州境の施設内では出入りは日常的に多い為‥自動ドア以上に早く開き ゆっくり閉まる。
【マジョール】(フランス語・中指)
冒険者グループ『ルカー』の幹部のひとり。本名ではない。リモンに執拗に声をかけ、部下共々その動向を探っていた。ボスに引き入れると豪語した手前、引き下がらなかった。ハッキリ断られた後は、心を折るつもりで周囲を見張らせ自身の能力で追い詰めようとしている。女 / 32歳 / 落ち着いたオレンジのウエーブな髪 / 濃い紫の瞳 / 167cm / 短剣や鞭
次回、少しホッとした中での、いろ いろ。グミが 言えない からって・・・




