49瓶 迷子 と 鳥ちゃん
森が復活し、やっと‥騎士団の扉を抜けて、次の州へ行けそうです!
‥商人のギルド長が、居る理由は何だろ?
軍団長から直接、手渡された物が…よもや許可の印章とは。
「それは、特殊な物で作られている。もう、おまえしか触れない・掴めないなどの制約がある。落としても、誰も触れないから、盗まれる心配は無いがな。なお、再発行は 不可能だ」
‥ギルド証みたいに、魔道具で作られたんだろうな・・って思った。
てか、軍団長って‥偏見 持ちって聞いてたけど、そんな感じ‥全然しないな。
「そんなに魔力がある奴とは、思わなかったぞ‥」って 言われたもの。
まぁ、そうですよね。自分の魔力は家系のお陰で、高いのですけれど‥。
でも魔法は習ってないのか、全く・・・使えないのが残念なのよね。
「鑑定士の ラフェヌ・シプレス・ヴェンデ。3名の承認により、これで晴れて‥許可の印章を渡すに至った訳だが・・。その証は、ただの証ではない!」
・・え?・・。
「それの、裏を見てみろ」言われるままに、ひっくり返す。
下から、赤い紋章 と 緑の紋章が ある。
「それは、おまえの実績を現し示すものだ。どの程度、州に貢献したのか? 見て分かるようになっている」
どうやら 各州での実績として、仕事を こなしていくと、徐々に色が付いて、しっかりハッキリ見えるようになれば、次の州へ行けるし、行き来も自由になるらしい。しっかり色が付くまでは‥大変そうだな・・。
「‥おまえは既に、エキャルラット州と、我がウィリディス州の印が出ている。この為、騎士団の門だろうが、州境の門だろうが 行き来が可能だ。他国には、行けないがな」行く気は無いので、問題 無しです。
「…それと、個人的に‥おまえに礼を言っておく」はい?‥個人的にって何??
大っぴらに話す事ではない‥と言って、近づくように言われる。
『イグラーの目の事‥。おまえが違和感を持ったからと報告を受けた。よもや‥緑の目では無いなどとは思わず、重用していた自分に腹が立ったのだ。今後は、身体検査を十分行うようにした。感謝する』・・だってさ。
「では、次は‥わしの番だな」・・ギルド長。
あ・・ラフェヌさんたち、部屋の隅に移動しちゃった。
「今回の森の復活に伴い、そなたの多大な協力に‥両ギルドとしても、騎士団にしても、その功績は高いと判断した。よって、そなたの商人ランクを上げる」
へ?
「これを、身に付けなさい」と、ギルド長から‥ピンクの花ブローチを受け取る。
・・男子にピンクは、どうなんだ?って感想 持ちつつ、赤いスカーフを外して仕舞い‥ブローチを服に付けた。
「ギルド証を出してくれ」言われるまま、カードを出すと‥。
いつものように、黒いハンコみたいなのを押し付けた。赤からピンクの線に代わり、やや太くなったような気もした。
「これで商人ランクは、ロズ・アダマースとなった。今後も、商人としても活躍を期待する。‥変わった薬もな」
変わった薬・・まぁ、はい。なんとも言えない顔で返事する。
ギルド長から、最初に渡された冊子は、まだ持ってるか?と言われて、持ってますと答えると、出来る事が増えてるから、確認しておくように…ってさ。
「では‥商人リモンの許可証の話は、終わりとする。皆、下がって良い」
「失礼します」お辞儀して‥鑑定士のお三方と部屋を出ようとしたけど、ヴェンデさんだけ‥軍団長に呼び止められてた。
部屋の外へ出ると、壁際で‥お二人に声を かけられる。
「リモンくん、良かったねぇ。ランクも上がって」
「証だけかと思ってたので、正直‥びっくりしてます」
「騎士団 扉は、常に兵士が居るので、通りたい時に証を持って行けば 開きますぞ」「そうなのですね。教えて頂き、ありがとうございます」
「行く前に、また騎士団に寄って行ってよ・・」と、ラフェヌさん。
「ではな‥」と、シプレスさん達は、去って行った。
‥えっと、こっちから、帰れば・・・。
「‥リモン殿・・・」ん?
振り返ると、ダスクさんが居る。
「あれ?‥どうかされたんですか?」
「少し、お時間よろしいでしょうか?」はい。
「その‥聞きたい‥事が・・」はい。何でしょう?
「…」あれ?・・何も言わないのだけど・・。
ダスクさん? 言ってくれないと‥分からないですよ?
‥うーん・・・中々、言葉が出て来ない。
何だろ?‥そんなに、聞きにくい事なのかなぁ?
ダスクさんの後方から、ジェニーさんの姿が見える。
あ・・ダスクさん 見てる?
・・ん?‥なんか溜息ついた。・・あ‥こっち来た。
「こんにちは リモン殿」
「こんにちは、ジェニーさん‥。ダスクさん・・何か聞きたいみたいなんですけど‥」しゃべらなくて・・。
ダスクさんを見て、何か察して下さったのか・・。
「班長…まだ、言えてないんですか?」と、呆れ声で言ってる。
『いや しかし、まだ勤務中で‥』『ですが、言わないと‥伝わりませんよ』
溜息 交じりにジェニーさん。
腰のポーチから、丸まった紙を出し、そこに何やら書いている。
渡された紙を受け取った。え⁉ 白紙?!
「おい‥こんな事に、その紙は 使うものじゃ‥」
「はいはい。いいから行きますよ、班長!」ダスクさんの背を軽く叩き、向きを変え‥「リモン殿、では、よろしくお願いします」振り返って言うと、まだ何か言ってるダスクさんを連れて‥去って行った。
‥あとで、ゆっくり見よう。
・・・・。
あれ?‥どっちだった?!
えっとー‥とりあえず、こっち・・よね?‥たぶん。
・・そうです。道が分からなくなってます!ピンチ!
ダスクさんと話す前までは、なんとなくだけど覚えてたのに。
お話の やり取りで‥消えて‥。辿り着けるでしょうか?
‥ちなみに、騎士団 内部の地図は・・表示されません!なんで?!
こういう所こそ、必要なのに!・・しくしく。
適当に歩いてたせいで、余計に分からなくなり‥。
中庭的な場所の、柱に寄りかかっていた。疲れたので、少し休憩です。
・・しかし、どうしましょうか・・。
「‥リモン殿?」ん?誰です?
「どうされたんですか?」あ・・ソルさんだぁ!
「軍団長の部屋から、迷子になりまして‥。どっちでしょう・・」
「そうでしたか。‥自分は、これから集会に行くので‥。送って差し上げれず‥」
そうですか・・残念。
「そうだ、自分のですが‥良ければ、お使い下さい」
何の事?どれ??
いきなり『ピー』と、口笛を鳴らす。すると、ソルさんの肩に瞬時に鳥‥インコみたいなのが出現した!・・え?!何??
「これは、道案内をしてくれる魔石品で、名を‥ソル クレスト‥という」
へぇ? ソルさんだけに、ソル クレスト・・。
私は インコ より 文鳥 の方が好きだけど。いや、それは どうでも良いか‥。
「ソルクレスト、リモン殿を町側の騎士団 入口まで、道案内してくれ」
「リョーカイ!」
・・私の肩に、飛んで‥きた。
「道案内が終われば、勝手に帰りますから。では、自分はこれで‥」
「ありがとうございます!ソルさん。助かります」
「では、案内を‥始めます」「お願いします・・」
「まず、背の方へ向かって下さい」つまりは、逆って事ね・・はい。
・・しばし、案内されるまま…進む。
「この扉の先となります」おぉ・・もう着いたんだ。扉閉まってるのは、珍しいな・・と、何の疑いも無く、よいしょっと・・扉を開いた。
…どこ でしょうね・・ここ は?
街並みを期待したのですけど・・。森の入口が見えます・・・。
「ソルクレスト‥。ここは、町じゃないと思うよ」・・と言って、この先に町があるのかな?とかも思って、いや‥でも‥。森を抜けるとしても大丈夫かなぁ?とか考えてたら・・。
ピガーーッ!!
うわっ⁈ うるさっ!
ガシャンッ え⁉‥さっきの鳥、落ちちゃった!
‥壊れちゃった?!
扉の先は、森が広がり・・外にも、近くにも‥兵士の姿は無く・・。
‥ ど う し よ う 。 あ! 困った時ほど、鑑定だ!
【モルドーモの案内鳥】魔石品
鳥の姿で、各場所の道案内をしてくれる魔石品。
500年前に魔石品を作り出した、モルドーモの作品。
しかし今は、肝心の魔石が壊れている。
・・500年前の?!‥そりゃ、いつ壊れても オカシクなかったかも。
そういえば、さっき軍団長室で、ギルド長にカード渡した直後に、音も鳴らずに‥ウインドウが開いたんだよね・・。えっとー・・。
[ 錬成 Lv.7 ]
素材4つまでの錬成を可能とする。魔石・魔鉱石も使える。
‥うん。魔石品 作れそうな感じなんだ。
・・・そういえば、物資 供給の際に‥なんか、魔石が混ざってたんだよね。
「あった!‥案内用の‥これで、修理 出来ないかな?」
魔石品の残骸と、魔石と・・あ、そうだ。魔石品の繋ぎに使うって書いてあった・・純正石を少し出して‥。
・・材料は、これで良いかな?
とはいえ、この場所で‥いつものような錬成して、大丈夫かなぁ?という不安が過った。誰にも見られてない・・。そう思うのだけど、そうとも言えない。なんせ、ここは まだ‥騎士団 の 中 だから。
ちょい暑いけど、ポンチョを羽織り、フードも被って‥。
ポンチョの内側に素材が入る形で移動して・・そこで、錬成!
ポンチョで、光も抑えられ‥出来た!と思って、脱いだら‥ありゃ?
「こ‥鳥ちゃん になっちゃった・・」いや、最初から鳥では あったけども・・。
インコじゃない!?・・白い、文鳥さんになってる!!・・小さいし。
ソルさん!ごめんなさいっ!!
文鳥の方が カ ワ イ イ のに・・なんて、思ってたせい?!
どうしよ・・形は、変えられないよね・・もう…。
『名前の再登録をして下さい』
「えっと、最初の‥ソル クレスト‥で」
『・・・鳥ちゃん‥でも、良いんですよ?』え・・いや いや。
「ソルさんみたいな兵士が使うんだよ?‥だから、今の名前で登録よろしく」
‥想像したら、笑ってしまうような展開は‥勘弁して あげたいからね。
『名前・ソルクレスト‥登録しました』
「じゃ、改めて‥。あ、そうだ‥。どうやって直ったかは、誰にも話さないでよ」
『了解です』
「町の入口まで、案内よろしく‥」『リョーカイ!』
…今度は、開いてる入口に到着したし、街並みが見える。ホッ
「ソルさんの所に戻ったら、直った際に 姿が変わった と報告してね」
『了解』と言って、飛び立った。
・・あれ?‥さっきソルさんが呼んだ時、瞬間的に出て来なかった?
でもまー、瞬間 移動の魔石なんて‥持ってないからなー・・。
あるのかな?欲しいなー‥と、考えながら出口から出た。
しかし、騎士団 内部から‥森に行ける所が在るなんてね。
・・鳥ちゃん、終始‥曲がる度に・・『鳥ちゃんという名前にしませんか?変更は、いつでも可能ですよ?』とか言って来たの‥何だったんだろう?
” 鳥ちゃん ” が、気に入ったのかな? いや でもねぇ・・。
使うの、ソルさんでしょ?
ソルさんが、道案内してもらいたい時に、恥ずかしいと思うのよね‥『鳥ちゃん』って呼ぶのは。これが、女性騎士さんなら‥大丈夫な気もするけどね・・。
さてと、もう夕暮れだし‥お腹空いたな・・。
今日は、コンシャヨーンでも焼いてみるか・・。タンとかも・・乾かして‥。
朝に風呂に入ったから、着替えて寝るだけにした。
翌日、そういえば・・昨日の紙は、何だったのかな?
見るの すっかり忘れてたけど・・・と思い、白紙を見てみる。
・・・。
勤務中でも、聞いて良かったですよ・・ダスクさん。真面目だなぁ。
=========================
・森調査の際に食した サンド の作り方
・ダスク班へ 上記と同じ サンドを人数分。
ダスク班長のは 大きめで。他 班員 5名分
お願いします。
ダスク班 班員 ジェニー
騎士団 入口で、ジェニーを呼んで下さい。
=========================
・・あぁ。はい。
‥レシピって言っても、簡単だよ?
魚をしっかり焼いてー‥。小骨も取って身をほぐして、柔らかいパンに、レチュガを挟んで‥ほぐした身を入れて‥・・挟む・・だけだし。
‥塩 焼きなら、そのままで十分だと思う。
お好みで、何か調味料かけても良いけど・・。
紙が余ってたから、それに書こう。材料と・・。
内臓とか出してるとは思うけど、念のために書いておこう。
・・ダスク班 皆さん用の‥昼飯って事で、良いのかな?
明日、お魚を改めて‥買いに行かないと。‥ちょい、足らないかも・・だし。
柔らかいパンも、どこかで売って貰えないか、交渉しないとね。
※リモン ( リモーネ ) の家系 → 全員が、治癒系の魔法が使える。
※赤や緑の紋章 = 州のマーク。全部の州マークが重なるとチェントロ国のマークとなる。
【ロズ・アダマース】商人ランク4
※将来 有望と、判断された商人に与えられる。ピンクの花のブローチを身に着ける必要がある。『赤』までは誰でも到達 出来る。赤以上は商人として、いつか店を持ちそうな者・新しい薬や道具を生み出すような者と判断されるとロゼク連盟 本部内で協議された後、一番近いギルド長がランクアップの手続きをする。子供 商人は初。
【白紙】
ギルド長か騎士団からの依頼は、この白い紙に書かれて相手に渡される。班長か物資班は常に白紙を持っている。ダスクさんが止めたのは 公私混同したくない という思いから。
※騎士団 内部は、壁などに使われてる素材により、リモンの地図には表示されない。なおダンジョンは移動した場所のみ明るく表示されていく。町中も同様。地図を購入すると勝手に入り、全て明るい状態で見れるようになる。検索で店も探せる。素材採取などの行動を起こすと地図に記載される。
【ソルクレスト】
兵士 ソルが使う案内 鳥の名前。オカメインコのような姿で、黄色の羽に羽の先だけ緑色になっている。ソル専用‥という訳ではなく班ごとに使える鳥が違う。口笛で瞬時に出現する。
※騎士団 内部から行く森 → 基本的に訓練用。素材採取もする。周囲に居ないが 離れた位置から見てる部隊が居る。見習いは単独では入れない。部外者の侵入も監視してる為、兵士以外は侵入を妨害される。
【モルドーモの案内 鳥】
500年ほど前に魔石品を初めて作り出した、モルドーモの作品の1つとして、騎士団で使用している。なお案内鳥は様々な姿をしていて名前も それぞれ違う。壊れると直せる者が居ない為、研究班へ回される。直せた者は今の所 居ない。
※純正石 → 魔力の高い水を錬成したもの。見ためは平たい米粒。
※鳥ちゃん‥と、言っても違和感ない人なら まだしも‥ね。
次回‥次の州へ 向かいましょう・・・




