43瓶 兵士の帰還
森では、最奥の地下で‥激戦が繰り広げられてる頃だろう・・。
‥私は、園芸用の栄養剤のような物を作る為、鍛冶屋に相談へ行ったのでした。
いつくらいに、終わるものなのかしらね?‥討伐。
武具の供給が、完了した直後に‥門から多くの兵士達が、森へ討伐に向かうのを見た。その後・・宿に戻った私は、ギルド長の言ってたように、森を戻す物を‥考える事にした。
使った事は無いけど、見た事は‥ある。
・・園芸で、栄養剤みたいなのを地面に刺したら‥どうだろうか?
だけど、それも‥まずは、中身の部分が問題なんだよね。‥傷薬100回復でも、巨木の捧樹さんの復活までは、至らずだった事を思い出してた。
100じゃ、足らない。
もっと高い回復量で・・。あと、容器のフタ問題もある。
‥この世界に、プラスチックとか‥見当たらないけど?
地面に刺すのだから‥ノズルのような、そういうのを作ってもらわないと‥。町でのヘボコ岩 騒動で出会った、鍛冶屋に…相談してみようかな?
‥作れるかは、聞いてみないとね。
階下へ降りて行くと、店主さんから紙を渡される。何?依頼書・・?
「少し遠いけど、トントの町に納品の依頼だよ。どうする?」
店の名前 見たら‥ワングさんですね。了解です!
「受けます」まだ、森を治す為のアイディア、出てないし。
飲薬は、けっこうな数を前に作ってたから‥うん‥ある。
門から出られるかな?と思ってたけど通れた。
だけど「森では作戦中だから、近づくなよ」と言われた。
‥行きませんよ・・。邪魔したくない。
・・・どうせ、戦力に‥ならないんだもの。
ワング商店に飲薬の納品を済ませ、森での討伐について少し話をした。
「赤いのが居たのか?‥なら、すぐに片が付く」
「そうなんですか?」そんなに強いの?
「‥だが、青も多かったんだろ?」はい。
「心配じゃな・・」 ・・・。
ワングさんと別れる際、騎士団から薬の納品依頼が、いつ来ても良いように‥準備しておけ・・と言われる。
「はい!」自分に出来るのは、その程度・・だもんね。
アーベントロートで昼食を頂き、久し振りの美味しい ご飯を食べる。
まぁ、自分で作ったのも・・美味しいんだけど。もっぱら、パンばかりだったからね。魚とかも、シュール的 焼き魚になってたから、煮つけは久しぶり。
帰りに、鍛冶屋の親方さんに声をかけて、先に聞いておこう。
森には、近づかないようにして街道の ド真ん中 を歩いてたら、喧噪が風に乗って聞こえてきた・・。森の入口は、見習いに塞がせてるのが、遠目で見えた。
・・頑張って!
そう、思うくらいしか出来ないのが、もどかしい。
町へ入る時、昨日と違う‥見習いだったけど‥何も確認されなくて、逆に「確認しないのですか?」と、聞いてしまった。
…すると、彼らは ビシッ と 真っすぐ立って「ビハイル様から通達がありましたので、ご自由にお通り下さい!」‥だって。
・・・どうやら、町の入口での門前払いの後‥見習い全員に、あの大声で叱られたらしい。
出会ってない人まで怒られたの?・・なんだか、とばっちり・・かわいそ。
でも、お陰様で問題無く 通れて、有難い。
帰還されたらビハイルさんにも、何かお礼をしたいね。武器が良いかな?
なんて事を考えながら、鍛冶屋に近づくと‥以前、その手前に在ったはずのアクセサリー屋が無くなってて・・・食事処になってた。
店が変わってるーー・・・と思って、そちらばかり気にしてたら「おいリモン」という声で、前を見ると‥わっ
「すみませんっ」危うく、積まれてた木箱の山に、ぶつかる所だった。
「おぅ!どうした? 何か、作って欲しいもんでも、出来たのか?」
一応の絵を描いてみたけど・・これ、見て‥分かるかな?
「こういう形の瓶のフタが欲しいのですけど・・作れますか?」
「なんだ?こりゃ・・見た事 無いな・・」
森の地面に刺して、液剤を地面に浸透させるのが 目的 と説明する。
「薬を撒くんじゃ 駄目なのか?」
「撒く‥にしても、大量に必要になるし・・人手も必要になってしまいます」
それに、今回だけの話じゃなくて‥。
「森が復活するのに、どのくらい時間がかかるのか‥分かりませんから」
だから、毎月か毎年‥とか‥。定期的に薬を使う必要が、あるんじゃないか?と考えてる。1度でも作れれば、それを毎年‥注文して作れるだろうし。
「なるほどな。仕組みとして作ろうって事だな」
理解が早くて 助かります。「さすが、親方さんですね」
「これは、鉱物で作るんだよな?」
「はい。木を削って作ろうとも考えましたが、劣化が早くなりそうなので、やはり鉱物で薄い板にして‥こう、くる くる と巻いて‥」
ノートを巻いて、メガホンみたいにするような感じの…手の動きをしてみた。
「ふむ‥分かった。まずは試作品を作ってみる。その紙は貰って良いか?」
こんな感じ‥と簡単に描いた絵は、手帳を ちぎって取ったものだったから、そのまま渡した。
「すぐに必要か?」
「うーん。なるべく早く‥としか、言えないんですよね‥」
兵士が戻って来た‥としても、その後‥また、調査したりするだろうから。
「よし。まずは試作品を明日には、1つ作っておく。おまえは、明日以降に見に来い」「はい。よろしく お願いします」
「‥あの、もう ひとつ・・」
「なんだ?まだ、あるのか?」
「ピンセットみたいなのって、作れますか?」
「ぴんせっと・・? なんだいそりゃ?」ピンセットは、分からず。
小さいものを摘まむ為の物という簡単な絵を、これまた‥3種類ほど‥欲しいと見せると、以前に小さな刃の付いた物を作った、職人が居るから「あいつに任せる」と言ってくれたので、それも お願いしておいた。
‥実は、木の棒で‥それっぽいのを作って使ったけど‥。すぐに変色したり、壊れてしまうので、やはり‥鉱物で作らないと…って事になったんだよね。
・・もう夕方になってた。宿に戻ろう。
宿に戻ると依頼の報酬を受け取る。
「?‥なんで、店主さんから?」
「君はギルドの中で、やり取りすると‥人に囲まれてしまうんだろ? だから、僕がギルド長から頼まれてて、君への納品依頼は、僕 経由で、紙も報酬も扱う事になってたんだよ」そうなんだ。
「お手数かけます‥」
店主は、笑って「リモンくんは、子供には見えないね」と。
子供なら「そうなんだ」で、終わる話らしい。
つい つい、凛としての経験から‥受け答えしてしまうのよね・・。
部屋に戻って、簡単に夕食を済ませて‥薬の素材を色々出した。
多く貰ってた魔木の素材で、葉も入ってたし、実も少し在ったから‥あれを組み合わせて出来ないかな?と考えてる。
そして、いろ いろ作っては‥なんか違うな~って思うような物も、出来たけど‥。一旦 錬成で出来た物の中でも、再び錬成に使うと‥また、違った効果になったり、効果が増幅されたりする。
その中で‥[ ドンナーエキス ]って どんなだよっ! と、思わず ツッコミ入れてしまったけど・・。
【ドンナーエキス】痺れ回復・雷耐性
痺れを回復するだけでなく、雷の耐性も数分 付与する。
‥試験管で出る‥謎。フタ付きで。
いや、これは違うな。
ワカメ‥のような海藻。
‥フキアを使って無かったんだと、思い出して、使ってみる事にする。
量が多かったハズだから、鞄から少しづつ出して、切って‥使おう。
‥海藻って栄養‥ありそうじゃない?って、短絡的 発想なんだけど・・。
フキア と苔のような タン って海苔みたいなのを合わせたら‥‥粉になっちゃった。
【モヒート】フキア や タン を、配合した粉。料理の隠し味に。
・・・調味料? へぇ‥。
それと、やっぱ‥捧樹の樹液‥。体力と魔力回復用に、2つを組み合わせた物にしてみた。正直な所、体力なのか魔力を回復するのか、いまいち知らないからね。
あと‥小袋に入ってたの‥粉だったけど、何かな?って鑑定したら・・。
【フピテル石粉】
フピテル石を採掘する際に出る粉。これといった効果は不明。
モヒートと、この石の粉‥。それから・・捧樹の樹液で作ると・・。
液体が、茶色っぽい瓶に入った状態で出来た。鑑定!
うん。活力剤って、栄養剤になりそうな物だ。
‥あとは、数だな。 たぶん‥1本じゃ足らないと思うし。そして、いろ いろ組み合わせてる時に、 凄 い のが出来ちゃったんだよね・・。
[ ミラルクス ]って薬が。
…でも、これ・・。死人も生き返る…って。
ゲームなら、普通に有難いけど・・。
‥なんか、怖いなー・・って思うのは、気のせいだろうか?
ただ・・使う時が、在るの?の方が…疑問。
まぁ、少し作って仕舞っておこう。いつかの為に…ね。
もっと、大人数を‥回復させれないかな?
薬として使うから、ゲームみたいな『全員 回復~』みたいなのは、さすがに出来なそうなイメージ‥あるけどね。
せめて単体でも、瀕死回復‥の方が、使いやすいと思うんだよね。
売りやすいだろうし。と言っても、冒険ギルド や 騎士団 くらいになりそうだけど。売る相手が。
まぁ魔法で、どの程度まで回復 出来るのか? すら知らないもんね…私。
・・・昔さ、テレビの宣伝で見ただけなんだけど。何かの液体に、別の赤い液体を、スポイトで ぽと ぽと 落とすと、粒に変化したまま‥って知育お菓子を見たんだ。‥あんな感じで‥これも、そういうので、粒に‥出来ないかな?
そうだ! 水 は 水 でも・・水にならなかった‥あの!
デトリチュスの池で汲んだ、水静石の在った水…。あれに入れてみよう。
あの池の水は、水だけだと [ 魔力水 ]になって、飲んでも水の味しかしないんだけどね、魔力を30回復するんだよ・・。凄いよね。甘くも無いのに。
ミラルクスの液剤を‥木の枝の細いのに、伝わせて・・・・・。
おぉ! 粒になった!
‥つまむ時は、慎重に・・。ピンセット‥欲しい!
いや、置いた状態で良いか…鑑定!
【リモン トゥット】
瀕死から全回復 出来る粒。噛む事で、中の液剤が体内に広がり回復する。
作成者・リモン
‥気絶 回復じゃなく、瀕死からの全回復・・。騎士団‥要ります?って聞かないとね。もう、自分の名前は・・いいよって思うのに‥毎度、付きますね。
つ ま ん でみた。ビービー弾くらいの大きさ‥かな。
噛むの? 噛めない時は?・・・うーーん。
でも元が、ぴしゃ ぴしゃ だから‥セーカで、乾かすと気化しそうだからなー・・。‥ノイゼルは、固まり過ぎるから‥無理め。
あ・・私は、遭遇してないけど・・・スライムの素材でも有ればなー・・。
出来そう。それ、売ってないかな?
‥明日は、それを探してみようかなって思った。
でも、確か‥オブラートは‥でんぷん だったはずだ。
って事は…えっと‥ガムジャで、出来ない‥かなぁ?
薬の素材も、食材の補充もしないとね・・。
ワングさんも「作っておけ」と言ってたくらいだし、作らないと。
・・・とか思ってる頃には‥寝てしまったみたい。
久し振りに、雨になった。戦ってるのは、地下だろうから‥雨に降られてるのは、見習いだろうけどね・・。お疲れ。
ポンチョ着て‥まず向かう事にして、宿の階下へ降りて行く。
「おはようございます」
「あぁ、おはよう。おや‥雨の中、どこかへ行くのかい?」
「はい。ちょっと鍛冶屋まで‥」
「気をつけて行くんだよ」はい‥と頷いて、出かけた。
宿の軒下で雨宿りしてる冒険者たちが‥居た。
「どうやら、赤いのは‥戻って来たらしいぞ」え?
「青とかは、あんま戻って来てないな‥」と聞こえる。
「あの、もう戻って来たんですか?兵士の皆さん‥」
「あぁ。朝早くな。軍団長も戻って来てたみたいだし、もう終わったんじゃないか?」と教えてくれた。お礼を言って、足早に‥門の方へ。
すると‥門の前広場に、騎士団だろう白い服装の人が、居るのが見える。
マントが‥紫? そんなのも居るの?とか、思って近づいて行くと・・。
「あの、リモン殿ですか?」
いきなり青いマントの兵士に、声をかけられる。
「え?‥あ・・はい」
「軍団長より伝言です!‥上級魔物の討伐は終了した。森の回復に、貢献を期待する!‥だそうです。以上となります」
お辞儀すると、兵士さんも お辞儀して去って行った。
そんな少しの間で、集団で居た人達は、門の外へ向かってしまったのか・・もう、既に居なかった。
・・よし。私も鍛冶屋に‥向かおう。
鍛冶屋方面へ進むと、ちらほら、数人で固まって町へ戻ってる兵士が見えてた。帰って来てる。ホントに終わったんだ・・。お疲れ様です。
‥ソルさん達、大丈夫だったかな?
今は、とにかく‥鍛冶屋で、まずはノズル部分‥出来たかな?って見に行こう。
※シュール焼き魚=魚1尾を皿の上で‥両手に挟むと‥焼き魚で登場‥危うく火傷しそうになります。出来具合が、とてもシュール(異様・奇妙)だなと。
※ピンセットの細かいのをつまむ物も、この世界では『工具』となるようです。
※普通の痺れ回復の薬=パラ。ドンナーの方は、耐性が付いてる方。
※捧樹の樹液は、傷薬で出した方と、回復薬で出した方を合わせても【捧樹の樹液(両)】となるのみ。
※フピテル石粉1Kgくらいを、リモンが錬成すれば、石に出来そうです。
【リモン薬】森用の栄養剤。植物の育成などに必要な、栄養素がしっかり入っている。※世界に無かった物は、大抵[ 作った者の名前 / 薬 ]となるようです。
【ミラルクス】特殊・特別薬・死人となろうが、命を戻す薬。液体は赤紫色の透明な液体。瓶は、装飾が凝っていて美しい。特殊過ぎて、使用が限定的な為、見合う金額を設定出来ない。※金額表示されず。
【魔力水】魔力濃度の高い水。小瓶1瓶程度を飲む事で、魔力を30回復する。主にデトリチュスの池・メラホリ湖深層など。特に味は無し。これを精製すると、純正石となる。
【リモン トゥット】(トゥット=イタリア語・全て)
ミラルクスを魔力水に垂らし、粒に変化させた物。魔力濃度の高い水に潜らせた事で、液体の表面に薄い膜が張られた状態となり、粒のままとなった。1粒‥約ビービー弾くらいの大きさで、25万 R。
次回‥今回、作って加工した粒とかを‥活躍させる事に・・・




