41瓶 見習い
カイチェットの森の最奥の上級討伐の為、武具を要求されたのだけど・・。
早々に、素材が足らなくなりそうです。
だから、港の近くの山へ行く事にしたんだ。でも、その前に・・・。
昨日は、なんだ かんだ と作ってて‥。
武器‥30本‥と、盾は‥18盾‥で、素材・・無くなった。
という事で、本日は‥良い天気になった事だし、素材採集に‥行ってきます!って、行こうとした矢先に、先日来た‥兵士の‥えーーと、元気いっぱい大声の‥。
「ビハイルです!」‥が来た。宿屋に。
「‥どうしたんですか? まだ、出来てませんが・・」
「‥最初の10個づつ、受け取れないかと・・」え?
「‥10個づつなら、あります‥」
‥ここで、出すの?‥とか思ったら‥布で作られたような‥白っぽい袋を2つ出して、それぞれ10個づつ、入れて欲しいと言われる。
・・・この袋に?
【 ギゼムの袋 】
騎士団 管理の魔道具。容量 限定の袋。小型。
…魔道具だった。
「じゃ協力、お願い出来ますか?」声をかけると、宿屋1階 奥で‥私の鞄から取り出して、騎士団の袋に仕舞ってもらう。
「武器の系統は、同じ方が良いですか?」
「‥同じでなくとも構わないと、言われましたぞ」
「じゃ、渡しますね」と、短剣・長剣・大剣・棍棒・戦斧・手斧・杖・弓・槍‥と1本づつ出す。
出す度に「おぉ!」「これは良い!」「なんと!」とか、ひと言あるのが、面白かったけど・・。ちょっと声が大きい・・。
‥店主さんも‥こちらの様子を見ながら、くす くす 笑ってる。
「次は、盾ですね・・」盾の方は、興味が無さそうな顔してたんだけど・・。
‥ほら、形状が変わってるのが多くてね‥。案の定・・。
「! こんな盾は、見た事が無い!」とか「これが盾とは!」って毎度‥驚いてる。
手が止まってますよー・・・。
なんとか、無事に入れる事が出来た。大きい盾も、最初に出した。
ひょいっ と‥持ち上げてくれたので、助かったよ。
「では!明日も、また来ます!」と言って去って行く。え?明日も??
‥無い場合は、どうするんだろう?‥いや、間に合わせよう。
「じゃあ、出かけてきますね」と店主に言ってから、出かけた。
門を出て、山へ向かう。地図上では、北東‥辺り・・。たぶん。
今 居る町から見て・・だけど。
山の入口に、看板が在り‥〈 この先、アトス山 〉と書いてある。
まぁ、気をつけて進もう。最初は、普通の登山道‥入口って感じ。
周囲を鑑定しながら進む。‥入って早々に、あったのは‥ウィリディス州の薬草だ。姿は同じなんだけど‥こっちの方が、エキャルラット州で見つけた薬草よりも、色が濃いんだよね。
‥これ、港の市場で数枚 購入してたから知ってる。
面白いのが、同じ『薬草』なのに‥。
【 薬草 】+風属性 付与
噛む事でも体力を10回復する。湯に、入れる事によって体力20回復する。
小さな切傷 / すり傷 / 打身などに効く。お茶として飲むと、体力30回復する。※皮膚に直接貼り付けるのは、かぶれる為 やらない事。
ウィリディス州の薬草には、風に耐性を与えたりする効果を、付けれるみたいなんだよね。エキャルラット州の薬草には、そういう追加効果‥みたいなのは、何も無かったのにね。
いくつか、採取しよう。近くに、ディングル草も数本 はえてる。
これは、手袋して‥ニジーで‥ちょきんっ・・と。
少し登り、バッサッ バッサッという羽ばたき音で振り返ると、え?!知らない奴!
「キィェエェェェェ!」と爪で攻撃してくる!
‥こんな細い道で、襲って来ないでよーー!
えっと?
【 コルボー 】低級・小型・空・ウィリディス州 全域・日中
薄暗い場所を、人が通ると嘴や、爪での攻撃を仕掛け、持ってる貴金属を盗む鳥。光る物なら何でも喜び、取られない為に小道具『ジンライ』を活用しよう。素材・特に無し
‥盗人鳥!?って言うより、ジンライってアイテム??
でも、外で戦う‥フォレポンバの方が、厄介だよ!っ
‥うん。問題無し・・。小銀貨1枚が素材って・・どうよ?
薄暗い所‥木々のトンネルみたいで、涼しかったのに‥足早に、通り抜ける事になった。コルボーさんのせいで。
‥トンネルを抜けると、上の方で『キィイ』『キィィ』と‥高い声を上げる‥魔物の声が聴こえてくる。警戒しながら、木々の手前に在る‥低木は、実が成ってない、グーズコーンが多くあった。
ここも、出来てないのか‥。魔力は足りてるような気がするけど、ウィリディス州 全域の魔力総量‥みたいなものがあった‥として、それが極端に少ないせい・・みたいに書いてあるんだもの。
森だけじゃ‥無いのかもね。本当は。
低木から視線を外すと、見慣れない草花を見つけた。
かわいいし、キレイ!
花かな?と思ってたけど・・。
【 ベント草 】ウィリディス州 全域に分布。
花びらが細長く、渦を巻く形が特徴。その花部分には、風の属性を秘めている。安易に触れると、成人男性すら、空へ飛ばすほどの威力 の風を起こすため、必ず『属性 無効化』の装備やアイテムを使い、採取すること。
…成人男性も飛ばす風って・・・。こわっ・・。
えっと、属性無効の‥手袋と、ニジーで‥採取!
ふー…無事、採取 出来た。セウーさん、ホント感謝です!
2つ採取して、ガラス瓶へ仕舞う。
ガラス瓶にも、属性 無効化っての‥欲しい気がする。草花は、気にならないけど‥。鉱石系は、ガラス瓶だと‥ヒビが入る事も多くて。これから先‥” ただの ” ガラス瓶だと、危ない気がしてる。
さらに進むと・・・え・・・洞窟だ。・・鉱石欲しいけど‥。ひとりで入って、大丈夫かなぁ?・・・うーーーん。
近くに在るかなって思ってたけど、無いっぽい。それに、こういう山とか森とか、ダンジョンになってる場所には、フィールドとは違って、固有の魔物が出やすいんだよね・・。いや‥少しだけでも、行こう。
洞窟は、入口部分に立ってるだけなのに、ひんやり とした空気が流れてる。
遠くまで、鑑定出来るようになってたから、鉱石が無いかと調べたけど…。
…見当たらない。その代わり‥。
【 グラ 】
不安定な場所。地面が脆くなっており、下層へ落下の危険がある。わざと穴を開けても、数分後には閉じてしまう。鑑定が使える者を、同行させる事。
…落とし穴って事かな?
・・まぁ怖いって、鑑定使えても、これ・・穴にしないと、どこに それ が、在るかなんて、覚えられないくらい、たくさん‥在る・・。
怖くなったので、商館で‥依頼 出す事にします。早々に帰る。
町に入ろうとしたら‥兵士に止められ、見知らぬ人なのかな?と思ったので、書状を見せると、久し振りに‥驚かれた。
「なっ⁈ クセロ‥だと!!」
私を、窺わしい顔で・・見てくる。
「他に、おまえの事を知ってる者は、この町に居るのか?」
「‥えっと、騎士団のビハイルさんや、ソルさん、ラフェヌさんは、ご存じかと」
「はぁ?‥ビハイル殿とか嘘だろ。冗談なら、もっとマシなのをつけ」
「では、ご本人を呼んで、確認されたら如何ですか?」
問答してるだけで、時間かかるんだし。
「…チッ・・おいっ!ロチェス!」「どうしたー?」
「ちょっとビハイルさん、呼んでくれねーかー?」「…分かった!」
門の両端から、動いては‥いけないって規則でも‥在るんだろうか?
大声で、やり取りしている。‥単純に、ただの横着?‥
「ビハイルさん みたいな、凄い人が‥おまえなんかを、知ってるはずが無い!」
‥まだ言ってる。
白い紙の事、伝えて良いのか‥分からない。
この人も、さっき呼ばれた人も・・青でも紺でもなく、水色のマントだし。
なんとなく、言うべきじゃない・・・と思った。
まぁ 言っても‥「お前如きが、そんなはずはない」‥とか、言われそうな予感も、あったからね。
‥書状・・返してくれないなー・・。
いつもは、見せるだけなのに。
「トレゾール!‥お越し頂いたぞっ」と言う声に、嬉しそうな顔だな‥この人。
「私を呼んだとは、何事だ?」
「は! こちらの者を、ご存じでしょうか?」
「ん?」ぺこり‥私は、会釈した。
「おお!リモン殿!」デカい!声がっ!
「…え?‥ご存じ‥なのですか?」
「どうされましたっ?」兵士 兄さんのセリフを無視して、私に声をかけてきた。
「‥書状を見せたのに、通してくれなくて。この町に知り合いは?と言われたので‥呼んでもらいまして」と説明すると、いきなり・・・。
ゴンッッ!! 「ぅっ」
え・・・・・・
「書状を早く返せ!」「‥・・・」
素直に従ってるけど、殴ったよ?!‥鉄兜みたいなの被ってるのに‥凹んでる・・兜…。
・・び っ く り し た ー‥。
「見習いが、失礼しました!」書状、返してくれた。良かった。
「…見習い?」
「ささ、私と共に町へ入りましょう。あとで、キツーーーーく! 叱っておきますので!」と言いながら、中へ入るように促される。
・・殴られた兄さんは、目が回ってるのかも・・知れない。
何も‥しゃべれてないし。
「‥リモン殿、申し訳!」「だっ大丈夫です!助かりました」
そうですか?と、直角お辞儀のまま、顔だけ上げて‥そんな顔してる。
「はい。来て下さって助かりました。白紙の話も、話して良いか迷って‥」
どうやら、見習いに白い紙の話をしても、戯言と思われた可能性があったらしい。
知 ら な い んだって。
だから、知り合いの兵士の名を伝え、呼んでもらうのが一番なのだとか。
宿まで、送って頂いた。それと、盾の方‥明日は、間に合わない事を伝えた。素材の採取が‥思わしく無かったからと。
「ふむ。武器は・・?」
「武器なら、20本は有りますよ」
こうして、明日は‥武器の回収のみにする・・と言って、去って行った。
「‥兵士に送られて来たけど‥。何かあったの?」
私は、門で水色のマントの兵士に足止めされて、入れなかった事を伝える。
「ぁあ‥もう、そんな時期なんだね・・」ん?時期??
「時期って?」
「騎士団 見習い達の、実務 試験 時期なんだ」
…試験??
あまり、詳しくないと言う店主からは…。
騎士団兵は、見習い として入って1年間は‥様々な学習をして、武器の扱い方とかまで含めて、鍛錬や勉強をするのだとか。
‥その1年後、次の段階として‥実務経験を積ませるらしい。
だから、一般兵に同行する形で、活動する事が多くなるんだって。
「同行?‥門には、いつもの兵士さん達、居なかったですよ?」
「しばらくはザンザーラに注意しなくても、良いからじゃないかな」
今まで、門を守ってたのは‥赤いマントの人だった。ビハイルさん と同じ。
赤いマントの人は、一般兵とは‥比べ物にならないくらいに、強い人達なんだって。だけど、魔物の脅威は無いと判断されたら、一般兵に代わるそう。
なるほど。ザンザーラは、中級だけど…。その討伐は‥既に終わってるものね。
‥まぁ変な所で、見つけたのも居るけど・・。もしかしたら、そっちの討伐の為に、交代したのかな?…そんな気もする。
「見習いになると、改めて説明しないと いけなくてね‥」
事業の事、売上などの報告とか、門での出入りの やり取りとか・・。
「偏見 持ってる子は、今年も居るみたいだし‥。いちいち、人を呼ばないと‥入るのも‥ままならなくなるんだよ」と、私みたいに困る人が‥多くなるみたい。
「それじゃあ、なか なか 出るに、出られないですね・・」そうなんだよ…と店主。毎年の事なんだし、もう少し・・どうにか‥ならないのかなぁ?
部屋に戻って、鍵を閉め・・。お風呂に入る。
ふぅーー・・きつかった・・胸が‥。アレ・・飲んでおこう。いや、明日で良いか。
商館に行って、素材採取の‥採掘?の‥依頼 出そうと思ったけど。
・・・入れなくなるような人には、頼めなくなるし‥。偏見持つような人なら、受けてもくれないだろうし・・。困ったなぁ・・。
‥やっぱ、また冒険者 連れて‥兵士も引き連れ・・いや‥うーーん。はぁ~
今日は、見つけたのだけ・・錬成して、明日‥商館で、相談しよう。よし。
※エキャルラット州の薬草=普通の緑色 / ウィリディス州の薬草=青緑の濃い色
【コルボー】(フランス語=カラス) ウィリディス州にある、アトス山の低い場所に生息する鳥。素材は特に無く、ため込んでた、お金を落とす。
※小銀貨1枚=100R ( 100円程度 )
【ジンライ】(英語=嘘)
表面だけ、ジンのように光るものを、塗られた木の棒。短めでチョークくらい。コルボー対策具として、5本で1セット@50R
次回、素材の事で‥ビハイルさんが人を連れて来て・・・




