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39瓶 枯渇の原因

カイチェットの森の調査、初日と違い‥大所帯で、森を散策した私たち。


‥奥の洞窟から、大量のプッペを見つけた日…。

さらに、その先の地下の休息地で、休んだのでした。

朝、良い匂いで・・目が覚めた。


む く り と起き、目をこすりながら「おはようございます」と言えば‥。

「おう!おはよ!」「おはよう」と、皆さん口々に挨拶してくれた。


・・天幕とか片付けてる! 慌てて起きて、自分も片付ける。


良い匂いの正体は、何やら料理が準備されてて・・。

「リモンは、ここに座れ」と促されるまま座る。男ばかりなので、胡坐あぐらかいて座ってても‥変な目で、見られないのは良いね。


「ほいっ」と手渡された、スープの入った器を受け取る。

カトラリーは持ってるので、出した。


【 ざっくりベへタルの煮込み 】

様々な野菜の入った煮込み料理。体力30回復。暖かい。


 具 沢山なスープという感じ。

「食べて良いぞ」


「いただきます」美味しい。温まる。

少し熱いかな?と思ってたけど、丁度いい。


「昨日の肉サンドには‥負けるだろうが‥」と、兵士のソルさん。

「美味しいですよ」と伝えると、皆さん微笑んで‥それぞれ食べだした。



「ところで…今日は、この先に行ってみるのか?」と、ヴァルナーさん。

「…そうですね。この先まで行ってみたら、入口に戻りましょう」


「この先って‥何も無かった気がするけどね…」と、ラフェヌさん。そうなの?

「確かに、自分が見習いの時も‥ここへ来た事がありましたが、この先は‥ただ広いだけの空間でしたよ。何も居ませんでした」


 ふうん? でも…今は、違うかも‥じゃない?



・・だって、この騎士団 所属の お二人は、天井のプッペに、驚いてたくらいだもの。この先の所も、変化してるかも‥だし。



「何も無いと確認 出来るなら、それで良いです」

要は ” 確認したって事実 ” が、大事な訳ですよ・・。




朝食を食べ、食器や鍋を‥近場の水辺で洗い、水を汲んでおく。

・・後日、錬成してみたいからね。




「では、行こうか」


ソルさんの声で、前を向き‥少し進むと・・・。



早々に、道が塞がれてる。

「こんな物・・以前、来た時には無かったぞ・・」




鑑定してみる。

【 ザンザーラ プッペのサングエ アハ 】何それ・・?



ザンザーラの雌が作り出す、物凄く固い繊維。強度が高く、剣では壊せない事が多い。砕く か 燃やす と良い。


 サングエ・・どっかで聞いたような??



「‥何か、分かったのかい?」

「これ、ザンザーラの雌が作る‥繊維みたいです」


「こんなもん、借りた剣ならっ!」キィイイィィィィン


「ぅうっ・・斬れん」



「‥一応、棍棒は在るけど‥自分は使えないし・・燃やすにしても‥」

なんて、ぶ つ ぶ つ 声が‥漏れてたみたい。


『 え?! 』みなさんの声が、ハモって響く・・。

その声に顔を上げると、驚いた顔で固まってる・・。


・・え?


「壊せる物、在るのか?!‥持てるかどうか、出してみてくれ」


 ソルさんに言われるまま、小さな鞄の入口から、棍棒の持ち手を出し、持ってもらいながら・・引き出す。‥これ、仕舞うの・・・大変だった。重くって。


「けっこうな‥重さが、あるな・・」

でも、軽く持ち上げてますけどねぇ・・この方。


「みんな、離れてくれ」


数歩・・後ろに下がった。それを確認して、高く振り上げっ!


   轟音と共に、砕けた!

   『おおっ!!』


「人が通れる程度で‥良いだろう」と崩してる。



「ありがとうございます」

なんか照れたように「兵士としては、当然‥出来ないとな‥」

‥なぜ、照れてるんだろう?


棍棒は・・さすがに重いのか、返却される。


「中には、何かが居るんだろう‥。十分、注意して進もうか」

「そうですね、ラフェヌ殿は、俺の後ろに居て下さい」

あはは・・僕は戦えないからね・・と指示に従ってる。


 中に入ると、上よりは狭いけど・・かなり大きな円形の洞窟だ。天井には‥いくつかの穴が見える。ここにプッペは、ぶら下って無かった。


 中央だろう部分に、大きな洞穴のようなものがある。また、地下へ行く‥道だろうか?・・と進もうとすると、ソルさんに腕で止められた。


ソルさんの方を見上げると、無言で 首を横に振る。

・・・何か、警戒してる?


遠くからでも、鑑定・・使えます!って事で・・やってみた。



・・・・うそ・・・。地下への道じゃない‥。しかも・・ソルさん、止めてくれて、ありがとうございます・・。私達には・・無 理 。




【ザンザーラ・ドロットニング】上級・大型・狂暴

ザンザーラを生み出す大元。その土地の 魔力を生み出す所 に陣取り、その魔力を吸う形で、ザンザーラの卵を産み、プッペを見守る。自らを守る為の洞穴を作り、その中で生涯を過ごす。千年以上 生きる個体も、居るとされる。討伐は、騎士団に要請する事。素材・・不明。誰も倒した記述が無い。



「戻りましょう‥」小さく言う。…若干、血の気が引いてる私の言葉に、無言で皆さんが頷き‥開けた所から…出た。


はぁ‥危ない。みんなが出て‥少しホッとしてると・・「危ない!」


突然‥地面に倒れる形となった。・・ソルさんが、守ってくれたみたい。

‥穴を塞ぐように、白い糸のような物を‥飛ばして来たみたい。


空いた穴から、少し私の方へ飛んでくると判断して、庇って下さった。

「無事か?!」「はい。ありがとうございます。助かりました」


・・全然・・分からなかった。こわー・・。


落ち着くまで、少し待ったのち・・。

 私たちは、森の出入り口へ‥戻った。




今日は、昨日と違って‥良い天気だった。


「俺は、本部に戻る。今回の発見を伝えて、討伐する事を要請しておく」

「はい!お願いします」自分には、とても出来ない。


蛹みたいなの倒すなら‥出来なくはないけど・・。



また帰りそうになってる、ソルさんを引き留め‥報酬を選んでもらう。

「…ダスク殿に聞いてたが‥凄い量だな」‥選択肢のこと?そうかな?


「俺らは、まだ居れるぜ?」「西の方は調べないのか?」

「もちろん、調べます」


「まだ行くなら、俺も同行するが?」え・・いえ‥えっと、疲れたのでは?と 聞いたけど、今日は まだ元気だそうで…。


・・そうですか。元気が有り余ってる‥男性陣を引き連れ、この入口 右側の道を、進む事になった。



 右に入ると、目の前に 大きめな岩 が‥在る。その両側に道が続いてる。

さらに、横に入ると、野宿した広場へ・・続くのだけど‥。



「行ける道が多いな・・」

「今日は、左の道にしましょう」岩の左を進む事にした。


少し開けた場所があり、奥には岩がごろ ごろしている。

・・ソルさん‥警戒してる?


「どうしたんですか? 何か出るんですか?」


「あ‥いえ。今は‥居ないようですね‥」

「ここは、トポ ウェフダーが出やすいんだ」


・・生き物・・ではあるけど、特徴を聞くと…なんだか、モグラみたい。


「魔力で満たされてる時は、活発に‥飛び出て来るけどね‥」

「今は、あのプッペのせいで、動き回れないんじゃないですか?」って、クラティスさんが‥珍しく発言する。


「‥うん。確かに、そうかもね」ラフェヌさんも‥納得しちゃった。


「あれを警戒しなくて良いなら、先へ進もう。この先は海岸だ」

…ネタバレされました。いや、別に良いですけどね・・。


 奥へ進むと、確かに目の前には海が見えてて、その手前に砂浜が・・。浜辺に繋がる場所が在るんだ‥。


・・これで魔物が居ないなら…海水浴‥出来そうなのにね・・。でも‥きっと居るから、危ない。それよりも‥周囲の岩が・・。


「これ、鉱石ですか?!」こんな、森の中に在るなんて・・。


「鉱石と言っても、クズ石だけだよ」なんだか、残念そうな言い方の‥ラフェヌさんの言葉を、聞きながら鑑定する。入って来て奥の海岸近くにある岩と、入口 左手にある鉱石は、違うものみたい。何 なに?



まず、奥の・・。

【 タン岩 】・・・タンって何?

海岸付近で、よく見られるもの。岩そのものと言うよりも、それに付く形で育つ苔の一種。食べれはするが、多くを採れない為、食べる者は少ない。体力5回復。


・・苔で‥食べれるんだって。少し採取したい。

「ちょっとこれ、採取しますね‥」一応 断り入れてから、新しい素材をガラス瓶に入れてく。えっと…スペードで。


ガリ ガリ・・と、音を立てて、苔を削る。匂いは・・海苔?みたい。


そして、反対にある・・岩の方は・・・?


【 フイ ブーヨせき

何の効果も、確認されなかった石。岩の中に在れば グレーの色だが。取り出すと緑の石に変化する。この為、ウィリディス州では壁の飾りとして、埋め込まれる事が多い使われ方。微量に 闇 属性を含む。


え・・・闇属性の石なの?

「これも、採るのか?」と、みなさん 見てくる。


「はい!新しい素材なので‥」

私は うき うき した顔で、小さいピッケルを出し、コン コンし始める。



「…俺らは、昼飯の準備でも するか・・」「そうっすね…」




 ふー・・沢山 取れた!

闇 属性・・ゲットだぜ!とか‥言いたくなるアレよね・・。



「リモン、飯‥出来たぞー」と・・私が用意するハズだったのに、皆さんに準備させるなんてっ!なんたる失態…。


「食事‥ありがとうございます」申し訳ないです・・。

苦笑いされつつ、硬いお肉・・干し肉だった。それと、スープ。


朝のとは、また味が違うけど、美味しい。


「午後は、奥へ進むか?‥あっちの‥」

・・・まだ行って無いだろう方向を‥指さす。


「みなさんが、宜しければ‥お願いします」


‥今日で、調査自体は、終了しそうだね・・。

食後の片付けは、私が…水とセーカで綺麗にして、お返しした。


「そのセーカっての、良いな‥」と言ってたけど、値段 聞いたら「買うのは、無理だな‥」と・・。そうだね。定価‥大穴銀貨1枚ですものね・・。


‥私は、安く 買えたけど。

食休みで、いろいろ お話して‥奥へと進む。


浜辺に出るのは…さすがに「 やめとけ 」と言われた。


 盾 持ってても‥貫く攻撃してくるのも居るんだって!・・盾を、過信しては・・いけないね。気を付けるに…越した事は無い。


 無理しなくても‥海の幸なら、港で買えるんだし・・。



浜辺を真正面に見て、右の道の奥へ来た。大きな木が立ってる。


【 捧樹の巨木 】

捧樹が 立派な巨木となった姿。全ての傷薬 回復薬から 樹液 を作り出せる。エキスから濃い成分を 集めてくれる事もあるが 本数が必要。恵みに感謝し敬う事。


「これ、捧樹の巨木ですね・・」すごーい・・大きい!

緑の葉では無い‥。枯葉になってる。


‥穴の大きさは、一緒みたい。


「この木は、枯れてるのではないか?」

ソルさんが‥上を見上げながら言ってるけど‥どうなんだろ?


・・鑑定では、枯れ木…とは書かれてないから、生きてるのでは?

「試してみますね」


私は、体力 回復用の‥傷薬。‥薬草 利用の、100回復を…穴に入れてみた。

「‥勿体なく‥ないのか?」

横で、怪訝けげんな顔されてるけど、無視です‥無視。



『‥ぉぉ‥生き返るわい・・』捧樹は、全部しゃべるのかな?

スポッ と、穴に吸われてはまった。少しして、ポテッと落ちる。


少し、風も無いのに揺れて‥枯葉だった葉に、緑が戻る。

『少しだが、お礼じゃ‥』と、いつも通り‥樹液をくれたので、貰います。


これ、必要だからね。でも、こんな所で得られるとは、良い事 知った!


『…いかんっ』え?


急速に、緑に戻った葉が、また枯葉に戻って行くっ!!


『あやつが‥地の底に居る内は‥‥戻れぬ‥すまぬ・・』

「大丈夫ですよ。近い内に、騎士団が討伐してくれますから!」きっと。


樹液、あんまり出ない内に、止まってしまった。



「‥やはり、あの上級が退治されないと、森は‥戻らなそうですね・・」


自分には、アレを倒せる程の‥戦う力は、まだ身についてない。

‥なんだか、悔しい。そういうチートは‥私には無いもの。


「リモン殿‥我らが、必ず退治しますから‥」

「はい!お願いします!」


 入口の方へ戻ろうとしたけど、そこは枯れ木が道を塞いでたので、捧樹の巨木のさらに、先へと進んでみた。



‥池? が、在った。


綺麗な水の湧き出る、休息地・・みたい。ただの池だったし。

 生き物は・・流石に居ないみたいだけどね。残念。


「これで、全域でしょうか?」

「いえ・・あと、一所あります」



 鉱石とか、採掘した…あの場所から、戻って、右側の道へ進む。

でも、これと言って・・・・何も無し。


「これで、全域の調査が出来ました。ご協力に感謝します!」

深々お辞儀して、報酬を選んでもらう。


「僕も・・良いかな?」と、ラフェヌさん。

「もちろん、良いですよ」


「…素材・・でも?」はい。

「ラフェヌ殿‥ホントに、あんな高価な物を、頼むつもりですか?」ん?


「この間 見た時から、欲しくてたまらないんだ!」

…もしや・・ ア レ でしょうか?


アクセサリー屋で、兵士のラオフェンさんに、取り上げられるまで持ってた…。


「‥これでしょうか?」

あの時 削られた方じゃなく‥。綺麗なままの方を‥取り出した。

【ざっくりベへタルの煮込み】(ベへタル=スペイン語・野菜) ざく切りにした野菜を、鍋で煮込んだ物の事。冒険者たちは、大抵スープを作って食べるもよう。


※サングエ=血液の事。

【ザンザーラ プッペのサングエ アハ】ザンザーラのプッペが宙吊りになってる紐のようで、サングエによって、強度が増した、檻の役目を持つもの。雌が己を守る為のモノとして、作る事が多い。


※騎士団の兵士は、任務終了と判断すると、上司に報告義務があるため、すぐ帰ろうとします。そういう風に習うし、実務経験として身についてる行動。


【トポ ウェフダー】( トポ=スペイン語・モグラ / ウェフダー=アラビア語・孤独 ) 低級・獣・地中に生息。ボトルグの森では、人の足音を感知すると、地面から人に突撃して来る。人に当たると、くっついて離れない。攻撃する訳では無いが、(まと)わりつく。引き離すのに、苦労する者が多い。

素材/爪・髭・魔石 (物に付く特性)


【フイブーヨ(せき)】( フイ=中国語・灰/ブーヨ=イタリア語・闇 ) 見ためは、普通の小石が岩に、埋まってるように見えている。微量だが、闇属性を秘めている。ただし、微量過ぎて『クズ石』認定されている。光を吸収して、グレーから緑に変化する。ウィリディス州の建材で、使われてる事が多い。


次回‥しばしの休息と・・思いきや・・・

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