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4瓶 条件

 入れ替わって、ここ‥アルドルの町で、門から出る為の条件を確認しようと町を散策したのが、間違いだったのか・・? と思うほどに、この町は広すぎた。


・・・今日こそは、門まで辿り着いて、条件を聞くぞー!と寝た翌朝。

 ふ ぁ あ ぁ ぁ ぁ ・・・


 伸びをしながら、大きな あくび をして、カーテンを開ける。

今日も、いい天気だ。


 階下へ降りて行き、甘酸っぱい果実のジュースと、パン。それにスクランブルエッグとレタスみたいな葉っぱ! ・・レタスじゃなかったけど。


 パンに卵とレタスもどきを挟んで、ほおばる!

ジュースも美味しい♪ 目が 覚める!


 食後のひと息ついてから、着替えて(そろそろ、洗濯もしたいのだけど・・)、鞄と帽子で整えて、鍵を持って・・店主に鍵を返す。


「また来いよ!」という声を聞きながら‥宿屋を出る。まだ早い時間で、人が まばらだ。


 さてと、と小さく言いながら・・地図確認して、右へと進んで・・壁が近くに見えるくらいになってから、上・・・・。


 ぃや~・・どっちが北とかが分からなくて・・と地図と にらめっこ しながら、進むんで行くと・・大きな門が見えてきた。


 すでに全部 開いていた。半分くらい、閉じてるものだと思ったのに、そういう訳ではないんだなと・・感想を、ぶつぶつ言いながら歩く。


同じ格好のマントを付け、腰に武器があるように見える・・。

 やっぱ、兵士っぽい。


「お仕事中、すみません・・」と手前に居た兵士に、声をかける。

兵士「何か用か?少年…(少年だよな?)」


単刀直入に、門の外へ・・

『自分のような子供が出るのに、条件はありますか?』と聞くと即・・


「‥まずは、商人ギルドで登録してからだろうな。それで許可の書状を持って来い」と教えてもらう。そうなんだ・・・。


 丁寧にお礼を言って、お辞儀をして商人ギルド・・えっと、ロゼク連盟への道を確認してあったから、その方向へ進む。門の所は出入りが多いらしいから、往来が多い時は、なるべく通らないように・・と、先ほどの兵士に注意された。・・今の時間帯は、まだ大丈夫だけど。


 遠くなっていたので、やや大きめな声でお礼を言い、反対側に居た兵士を横目で見ながら、過ぎようとした時・・・。


 同じくらいの背丈の男子が 横切る。



・・・直後「ちょっと待てっ!」と、兵士に捕まったようで「離せっ!」と言ってるのが聴こえ、少し振り返る。


兵士「また、おまえか・・いい加減にしろ! 商人ギルドには行ったのか?」

少年「ちゃんと行った!登録したし! もう、通してくれよぉ」

 半ば呆れたような顔の兵士は、少年に『何か出せ』というような素振りを見せる。でも 少年の方は何を意味してるのか、分かって無いようで首を傾げている。


兵士「まったく‥。許可書状を出して見せろ」手振りで理解出来なかった少年に言葉で催促をすると、何か思い出したかのように「これだろ!」と渡していた。


 やり取りが終わるな・・って思ったから、前を向いて向かおうと思った矢先、後ろから兵士の声で「違う!」と投げ返されたのか、コンッと音を立てていた。再び、振り返ると「えーー??なんでー?!」って叫ぶような声と、うんざりするような顔の兵士の大きな溜息姿を見て・・あんまり、見てない方がいいかも・・と、少し早歩きに、その場を去った。



・・・とにかく、登録して・・・。

 門から出る為の『許可書状』が必要って事だね。



ところで、ギルド関連って・・・何時からやってるのかしら?

っと・・・あっ!・・そうだった。


ついつい、忘れそうになるけど・・・自分、今・・・・


 ” 少年 ” だった。


・・男装という名の・・・・うん。言葉使い、声・・気を付けないと。それから、自分の名前も、リンじゃなく・・えっとー・・” リモン ”って言わないといけないんだ。


 たぶん、登録時は『リモン』の名前で登録するだろうし。でないと許可どころの話じゃなくなって、個人的に面識の無い家に戻されて・・・・。


 サアァァァ・・と、血の気が引いていく。


やだヤダ! せっかく、異世界来たんだし。

 何より、ただ戻るんじゃ・・何にもならない。


・・・うん。 十分、気を付けよう。



 地図を何度か確認しながら、通りに出てた人に道を尋ねながら・・・やっと、辿り着いた。 艶のあるこげ茶の壁に、重厚な感じのドアが付けられている。


 おっ し ゃ れ ~



 開くかな?と思いながら・・ポーチを上がっていく。扉の取っ手を握り、引く。シャララランッ とキレイなドアベルの音が響く。


「いらっしゃいませ」と声が聞こえた。


・・・言うんだ。言わないのかと思い込んでたけど。会釈して正面のカウンターで、やたらニコニコ顔の店員のような人に、声をかける。


店員「アルドル商館へ ようこそ。本日は、どういったご用向きでしょうか?」

…やたらと丁寧だな・・この人。とか思いながら『商館』と言った事で、ここが商人ギルドと思って、登録したい事を伝える。


店員「…でしたら、ここの右側から中へ入って頂き、奥の者にもう一度、登録の旨をお伝え頂けますか?」と促される。



・・・頷く。小さなフェンスドアを押して通る。


もしかして、入口間違えた・・のかな?



 あの店員さんの居る方は、たぶん注文する人用の場所だったのかも・・・と、少し考えたまま、奥へと進むと・・右側に外へ通じる‥細身のドアが見えた。うん・・やっぱ、入口‥間違えたんだ。


 こっちは、先ほどとは違い、簡素な造りになっているし、シンプルな家具が置いてある。受付は…顎鬚のお髭が立派な、やや小太りのおじさんが、何か書類を確認していた。


 仕事中なのだろうと思ったので、兵士に声をかけるように話かけると、目線だけこちらに向けたものの、書類の方へ向いてしまったので、登録したい事を伝えると、今度は紙を一枚出して「書け」・・と、言われる。


・・・登録用紙っぽい。名前と、性別、年齢・・くらいだ。


一応 書く。日本語で。 これ、大丈夫かな? 翻訳される?


「書きました」と紙を渡すと受け取り・・ちょろっと見て、何か書きこんでるような様子の後、名刺サイズの透明なカードと、グレーのベルトを渡される。


・・・? カードは、証だと思うけど・・・こっちのベルトは何??


 私が首を傾げてると、奥で作業してる女性に声をかけて「あっちで、説明してやれ」と言う。女性が「こちらへ」と言うので、ベルト と カードを持って、軽くお辞儀して女性の居る、机だけがある場所へ。


女性「登録は、初めてですね?」と言うので、頷くと説明が始まった。


 商館しょうかん=商人ギルドでは、どこで登録しても、商館の設備は使える。・・どんな設備があるのやら・・・。


 カードを紛失しないように と注意され、再発行はランクを3つ下げ、1000(リン)必要で、2度めの再発行まで可能だけど、3度めは無くて・・商人ギルドでは登録不可&抹消という形になるんだって。仏の顔も三度まで・・って言う事だな。ここは、二度だったけど。


 受け取ったベルトは、登録初期の者が身に着けるアイテムだって。パンフレットと言うより小冊子に、いろいろ細かい注意事項とか書いてあるらしい。なんか、昔のスーファミソフトに付いてきた、取扱説明書みたいな感じの長方形の冊子だった。それを貰って鞄に入れた。



 初期ランクは、この グレーの布ベルト 。これを「今、身に着けて」・・と言われたので、さっそくベルトを通す。持ってなかったので、ちょうどいい。


 ランクを上げるには、依頼の数をこなす必要があること。どのような商人を目指してるかでも、内容が変わるみたいだけど・・。今は『行商人』かなって伝えると・・・一番簡単で、最も多いらしい。


 資金も無いのに、お店は始めるべきじゃないからね・・。ふと、前日の看板だけ豪華なお店を思い出す。あんなのは、嫌だし。


 依頼を受けれるのは、同じランク色の紙のもの以外は、受けられないけど・・。ランクが上がれば、そのランクから 下のランクの依頼も、受けられるそうだ。


女性「それから…もし今後、ご自身でアイテムを作った場合は、あちらの・・」と言って、さっきのカウンター左側の階段を上がった先で、売るように と言われる。2階は、アイテム売買の場所らしい。なので、作ったもの、素材、用途不明なアイテムなどは、そこへ持って行けば良いらしい。


・・逆に、そこら辺の道具屋で買い取ってもらおうとすると、店によりけりらしいが、二束三文で・・・。つまりは、物凄く・・安く買い叩かれるらしい。


 商館が無い町はあるのか?と聞いたら、あるみたい。そういう場合は、売らずに商館のある町で売る方が、無難だそう。少しでも高く買い取ってもらう方が良いもんね。


女性「…何か他にご質問は、ありますか?」と聞いてくれたので・・・

「門を出ても良いという許可書状をもらうには、どうすれば良いのですか?」


 その言葉に、先ほどのおじさんが、こちらを向いて「まず、依頼をこなせ!」と、やや怒鳴り気味に言った。その声に、ちょっとびっくりして目を見開いたけど、女性は少し笑って「まずは、ランクアップしてからですね」と言った。


 冊子は、後で読むとして・・。設備の説明もお願いした。先に聞いておけば、忙しそうな時に聞かなくて‥済むと思ったので、先ほどの女性・・受付嬢のビボワーヌさんは、快く案内を引き受けてくれて、1階にはギルド長の先ほどのおじさんと基本的な受付カウンター、さっきココに入って来た時に、通った扉の真横に在ったらしい(全然見て無かったけど‥)カウンターは、掲示板にある依頼を受けたり、報酬を受け取る場所。それから、ここの反対側にあるカウンターでは、2階で売られたアイテムは、あそこで買えるらしい。


 案内され、依頼用カウンターの横の掲示板まで案内されると、ビボワーヌさんは「戻りますね」と言うので、丁寧にお礼を言うと、やや目を丸くして驚いていたけど、私が首を傾げると、首を振って「いいえ」と言って、先ほどの場所へと歩いて行った。



・・・掲示板を見上げる。


グレーの・・ グレー・・・・・これかな?


 ・・素材採集だ。


 門から出られませんけどね・・。と思ったのが顔に出てたのか、カウンター内に居た、若そうなお兄さんが「採取はねー」って言うので、振り向くと・・・


「採取は、町中で出来るよ」と言う。


・・・え?



「紙を取って、よく見てごらん」って言われる。

言われるままに、紙を取る。 書いてあるのは・・『草 5束』


・・・?


 薬草 じゃなくて??



「草でしょ? そこら辺から取ればいいんだ」


・・・なぜ、草?

「束って、どのくらいで1束なんですか?」


知らないの?といった顔で見てくる。知らないから、聞いたんだっての・・。


 ・・だけど、明確に ” このくらい ” は無くて、取って来た人が掴めるくらいで1束だそうな。けっこうアバウトだな・・。いいのか?そんなんで・・。


「ところで、依頼って一度に受けれる数は、決まってるんですか?」

「うん。決まってる。ランク初期の子は、1回だけだね。ランクが上がっても、最大3回分だけだよ」と教えてくれる。ふむ。1度に3枚までか。

「同じ内容の依頼の場合も、3回ですか?」と聞いたら・・


少し考えて「同じのは、受けないように」と言われる。


 例えば、今の この紙のように、依頼*草 5束 というものが、今見ただけでも、4,5枚ある。だけど、同じ依頼内容のものは、重複で10束納品・・とはいかず、そもそも・・受けられないらしい。 なるほど。


「じゃあ、この依頼受けます」と手に持ってる紙を渡す。

「了解!」と何かハンコ押してる。


「じゃあ。この紙と依頼内容をよく確認して、今日中に納品してね」

紙を受け取り、受付横の出入り口から出る。


 昨日は…通って無かった場所で、大通りに人が多いのが見えるが、ここら辺は少ない。草が生えてる所はどこだろ?と思いながら、向いの壁に寄りかかって、紙っぺらを確認する。


紙には、ランク0 ・・ん? 0(ゼロ)? あぁ、初期って意味だね。


 草の絵は。束ねられてる・・。束ねる為の物は、何か聞かなかった・・。わざわざ・・買う?いや待て・・うーん・・と悩んでると、近くの草を引っこ抜いてる子供を見かける。見てると、小さな手に、いっぱいになったら、その中の1本を取ってくるっと回して、折り曲げて留めてた。なるほどなー・・。私も、あれ(草) でやろう。


 往来おうらいの多い所は、草が見当たらなかった事を思い浮かべ、子供たちのように・・裏路地で、多く草が生えてる場所を見つけ、5束分 出来た。


問題は・・・・・・商館の場所が、分からなくなってるって事・・・。


 とにかく、大きな通りに出よう!



ふと…止まって、草を鑑定してみた。


[ 雑草 ]

 そこら辺に、はえている草の総称。草・とも言う。傷薬の材料。



・・・はい?


・・え? 草=傷薬なの?? 確かに緑色だった・・けど・・。


 と、頭が痛くなるのを感じながら、やっと大通りに出る。塀が見える位置なので戻りやすい。


 さっさと納品しよう。報酬は少ない。だけど1日に何回受けれるかは、聞いてなかったと思って、納品時に聞こうと考えながら、商館へ戻るのだった。

【卵】ガッルスの卵。料理名は特に無く、卵を焼いたもの・・と表記される。


【レタスもどき】レチュガという、柔らかい葉っぱ。食用。


【甘酸っぱい果実】主に『ベリー』と付く名前の果物が混ざっている。


【門兵】一番 階級が低い兵士。

最近は、子供が勝手に門の外へ出ようとするので、気が抜けないという報告が上がっているらしい。


商館(しょうかん)】商人ギルドのこと。

ロゼク連盟というのは商人ギルド全体の話。町の名+商館という名前で呼ぶ。高価な商品の売買用の店舗と商人登録や細々した依頼を受け付けたり、様々な商品の売買を行う方が、一般的な入口。


【小冊子】商人ランクや、商館のある町と特徴、注意事項などが記載されている。縦の長方形。


【文字の翻訳】能力で変換されてる為、文字を書く際は日本語になってる。だけど、実際にはちゃんと、この世界の文字を書いている。主人公自身は翻訳される為、見えない。


【グレーの布ベルト】簡易的なベルト。一応金具は付いている。商人になりたてが身に着けるもの。


※ビボワーヌさんが驚いた理由=主人公が年齢によらず、とても丁寧なお礼を言ったから。社会人としては普通な事と思われる言い方。


次回、主人公は無事に商館へ・・戻れるのでしょうか? すれ違った少年と会う・・かな・・

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