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小瓶3札 (黄色) / ギルド長 - リモンへの贈り物 -

※アルドル商館のギルド長 視点のエピソード・3です。

※長いので3回に分けての公開となりました。今回でギルド長エピ終了。

※今後、誰かのエピソード公開は、昼 12時 とします。

※気が向いたら、読めば良いお話です。興味の無い方はスルーで。

※今回は、主にリモンへの贈り物に関してのお話です。

「父さん!」

「分かっとる」


 作れる人間が、居るって事だ。リモン・・悪いが‥‥これも、この州と隣の州との協定だからな・・協力は・・してもらうぞ。



 次の日に、またキントリヒが‥リモンの挨拶に反応してる声を聞く。

「なんだ?もう行くのか?」まだ用意出来てない事が 多いんだがな‥。


「違います。いろいろ知らない事が あるなぁって‥」


・・どうやら、この町以外を知らんらしい。そうか・・そりゃ、いろいろ不安だろう。じゃ、誰に・・・なんだ・・? セウーの奴・・そわ そわして。


・・あぁ。教えてやりたいのか。ふっ 自分で言やーいいのによ。まったく‥世話がやけるぜ。


「セウー‥説明してやれ」 俺の声に大きく頷き・・自慢の図鑑と、チェントロ国だけの地図を書き写したもんまで用意して、渡して‥説明を始めたのを少し見てたが・・。セウーの奴も‥弟と渡って来たからな、詳しいから‥適任だろ。


‥少し、商人が増えてきたが…キントリヒが、なんとか やってるな・・。




「セウー‥そろそろ、戻ってくれ…」と、キントリヒ。


 いつの間にか、凄い人数になっていた。セウーに戻って 対処してもらいてーが‥。まだ途中だろ? 上から人‥呼ぶか?


「‥それなら、戻っても大丈夫ですよ」

「…では、必要になりましたら、お声がけ下さい」


 どうやら、リモンの機転で‥どうにか戻れたようだな。2人でやりゃー‥大丈夫だろ。こっちは、こっちで手続きやら、依頼書 作ったり、文句 言ったり、情報聞いたりしてる内に、セウーの説明も終わってたな・・。


 途中 セウーの説明前に‥キントリヒが 口を挟んだようだったが…。リモンの奴も、いろいろ聞いていたし、セウーも‥なんだ、その良い顔はよ。



夜。


「セウー‥今日は、どうだった? 教えれたか?」

「はい。質問にも‥答えられたと思います」


「良い顔してたぞ‥おまえ。もっとそういう顔見せりゃ」女にもモテるだろうに・・と言いかけたが、セウーは首を振り「自分は 求めておりませんから」・・まったくよう。少しは、キントリヒを見習え‥そういうとこは。


「リモンが女だったら良かったな・・」そうすりゃ、おまえも・・

「…それは、彼に失礼では?」セウーが睨んできた‥。


「悪かったよ。冗談だ」



あいつも‥そろそろ、出てくかも知れんな・・。準備しておくか。



次の日にキントリヒの大きな声で向く。「どうした!」

「あっ、いや、あの‥どうやら さっきの依頼‥急ぎだったみたいで‥」

ん? それが‥どうかしたか?


「‥伝えてません‥」セウー?…急ぎって‥伝えてねーってのか?!

「はい!すみません!!」はーーー・・っ・・仕方ない。


「で?誰が担当した?」「リモンくん‥です‥」リモンか・・。


「間に合わずに 苦情来たら‥減給な・・」「…はい」



戻ってた来たリモンの顔は、普通だな・・。間に合ったのか?

「これ、買い取りになったので‥」

「あぁ、お帰り。間に合ったかい?」


「はい。走ったので‥」「間に合ったなら良かったよ」


そうか。間に合ったか…。キントリヒ、減給 免れて良かったな・・。


「間に合ったので 元気出してください」‥リモンに慰められてるぞ…キントリヒ。


 っと、今の内か‥?


 暇なら、ちょっと頼みがある・・そう言って俺は、酷く曖昧な注文書を‥リモンに渡す。朝‥嫁にも手伝ってもらって用意してある。そこに‥本当の注文書もある。


「奥の部屋に、素材だけあるから・・それで作ってくれ」

「…何を・・ですか?」

「部屋に紙があるから、それを見ろ」


 ビボワーヌに、予定してる部屋に、案内させる。部屋の鍵が閉まったのを確認した後、フージーに ペルノを呼びに行ってもらう。兵士が到着したタイミングで・・鍵が開いたらしいが・・。そんなに短時間で出来るのか?


 新しい手法かも知れんな。


部屋に入った直後、調薬 独特な匂いもしなかった。

「出来たのか?!」ペルノも疑問に思ったのだろう‥。入るなり、いきなり聞いている。リモンは、部屋の隅に居るが・・どうした?


「ぉお!なんと、素晴らしい!」ペルノが、興奮状態になっている。大丈夫か?


「では‥報酬を渡しても?」「あぁ。頼む」


 ペルノは、リモンに「‥大変、助かりました!…これは、今回の報酬です」と言って、金貨だろう数枚入れた袋を‥手渡していた。ペルノはその後、魔道具の袋に、スコヴェル粉の瓶を入れていく。


「報酬 貰ったら、戻っていいぞ」リモンに言い、退出をうながした。


早く帰らせないと、このペルノが‥勝手な事を言い出し兼ねないからな。


 案の定‥。「リモン殿!ぜひ、我が軍の専属に!‥‥あれ?‥リモン殿?」

「もう、とっくに帰ったぞ…」専属になっちまったら、薬師を探しに行けんだろう。早めに帰らせて‥正解だったな。


「では、ギルド長‥リモン殿にはお礼を言って、専属にならぬか?と聞いておいて下さい!」と言って、帰っていった・・。あいつもピグロ同様・・話‥聞かない奴だったな。はぁ~…



 俺が商館の いつもの席に戻った少し後に、リモンが戻って来た。・・・風呂にでも入ってたのか? すれ違ってないから、そうだろうな。


 あれだけ在れば、今回の作戦は‥なんとかなるだろ。



・・・なんだ? リモンの奴、2階から戻ってくるなり、酷い顔をしてるな・・。




夕方


「リモンくん、どうしたんだろう?」


「どうかしたのか?」

「あ、いえ‥。今日、帰る頃にリモンくん‥なんか、浮かない顔してて‥」


「あぁそういや『 寝袋 』ってのが欲しいって、言ってましたぜ」

「ねぶくろ? 何だそりゃ?」


 どうやら、大きな袋なだけじゃなく、綿の挟まれた袋物らしいが…。

「そんな商品は知らんって言ったら‥酷く…がっかりしてたな‥」


「‥セウー・・なんか、似たような物って無いかな?」

「…自分たちは、野宿はしなかったから‥分からない」


‥セウーも知らんのか。


・・・綿と袋・・な。

「そういや、リモンは‥もう、この町を出るんだろ?」

「あぁ。準備が終わったら‥と言ってたが、もう行くんじゃないか?」

フージーまで、気にしてるとはな・・。


 フージーが、カウンターの下から‥何か‥木箱を取り出して持ってきた。

「何が入ってんだ?」俺が聞くと、フージーは蓋を開く。中には‥木の食器とカトラリー‥なんだ?この小さなマットは・・・?


「何これ?どうしたの?」キントリヒが、フージーに聞くと・・。

「ケントニスさんが食器で、ソルアがカトラリー。このマットは‥レアーレが持ってきた」「こんな小さなマットじゃ、役に立たんだろ」何に使うんだ?こんなもん・・と俺は言ったが、フージーは 肩をすくめただけだった。


「ぁ・・俺も、これに入れる!用意はしてあったんだ」

キントリヒは、カウンターの下の自分の荷物から‥何か出してきて入れた。

「スペードか‥伸びるタイプのだな」


何も言わずに、セウーが入れたのは…小袋とニジーか・・。

「セウー、その小袋は‥何が入ってるんだい?」

「これは、弟が‥」どうやら、レアーレ や セウーが、贈り物を用意してるのを見て、店の店主に譲ってもらった豆だと言う。一度、俺も飲んだ事があるが、子供が飲めても、喜ばないんじゃないのか?と思ったんだが・・・・。


「エフォールが、以前にリモン少年は、スルクロ茶を飲んで『おいしい』と言ってたから、気に入ってると思ったと、言っていた」ほう?


「セウーのは、採取用のものだな」

 セウーが 頷き「これからは、属性の付いてる素材も多くなるから‥」


 おまえのが、一番 高価だぞ…。

それを女に・・いや…これを女にやったら、引くな・・・。


「そうだった、これ‥頼まれてた」


ん?フージーが、また何か出して来たが・・ガラス瓶じゃないか。

「バルヘルトさんから、せめてもの餞別せんべつに渡してくれって。俺はそういうの分かんないから‥」ってチーズか・・そうだな。


「店で買えないもんは、喜ぶんじゃないか?」そうフージーに言うと、少し笑顔になった。おまえも、あんまり‥笑わん奴なのにな。


「じゃあ 自分はこれを‥」おぉ‥クセロも入れるのか・・って‥おい?


「これは、嫁になる奴に渡すもんじゃぁ‥」

「何を言ってるんです?父さん。門の外は危険なのですよ。衝撃 吸収の装備は、必要ですよ! ブルジュさんが勧めた店では‥何も買わなかったようですし」せっかく店主に頼んで、教えたのに・・・って、何やっとるんだか。


 だからって、おまえなぁ・・・。

俺の息子たちは‥女に興味が無いのか‥まったく‥悲しくなるぜ・・。


「あぁ!まだ居たね!」元気な女の声が聞こえて、ドアの方を向く。

「なんだ?どうした、パンジー?」こんな時間に・・・。


「あの‥リモンって子は、まだ‥旅立ってないかい?」

「まだですよ」「なら間に合ったね・・」


「これを、あの子に渡しておくれよ」

大きな袋だな・・。俺も、それを入れておこう。


「‥? やけに分厚いな・・パンジー‥これは何だ・・」

「旦那が、リモンって子が『寝袋』欲しいのに 無い って知って、がっかりしてたって話を聞いたからね。急いで作ったのさ」


「良かった。じゃあ、ギルド長‥忘れずに渡して下さいよ」

俺は、戸棚に仕舞っておいた。



 翌日・・何か…予感のようなものを感じて、朝早くから商館の‥いつもの席に座っていた。


キィイ・・

「ぉはよう…」「随分と早いな・・」

まさか、本当に こんなに早いとは、思ってなかったぞ。


・・もう「行くのか?」


軽装だが‥「武器は?」気づいたように、鞄から出して装備している。

 装備し忘れが 一番 危険だ。



こいつには、言っておく事があった。


「門で兵士に書状を開いて見せろ。それで基本的に、どこも通れる」

俺の言葉に、ちゃんと引っかかりを感じたリモンは聞き返してきた。


・・冒険者なら、見せるだけだ。


 商人は、この先…どこで店を構えるかも分からん。自分の商品を、新しく売り出す場合も‥あるだろう。そんな時、門を出る時・優遇された時・自分を売り込む為の金や‥新しく広めたいアイテムを渡すのが、積み重ねに必要だ。


 たまに、書状を信じない奴も居る事も、伝えておく。そういうやからには、金 や アイテム が、有効だ・・とも。


‥納得したような顔だな…。そうそう。あれを渡さないと、息子や他の奴らに、どやされちまう。戸棚を開け・・カウンターへと運ぶ。


「今まで、ここで働いて仕事した時に、出会った奴らからの‥餞別だそうだ」


要らなかったら、売るなり捨てるなり、好きにしろ‥と言ったら・・。

「貰える物は 何でも貰います 精神なんで!自分!」と言うから笑っちまったよ。


 そうかい。


 高価なもんもある。金に困れば、売ったっていい。俺は、そう思うが…あいつらは・・残念がるだろうよ・・・。


 昨日の夜にビボワーヌが、サポーネの材料の『サボ石』を入れてたな・・・まぁいつか、自分のサポーネを作って、持って来るかもな。


 ふっ ・・チーズに喜んでるな・・。

フージーが喜ぶよ。クセロの腕輪も、もう装備してるな‥。


・・おっと、いけねぇ・・。あれが大きくて‥入りきらんかったから、別の所に仕舞ったんだった。そうそう。これ これ。


「あと‥これは、商館メンバーからだ」というのは建前だ。


「パンセの家の娘が、形を整えたもんだ‥。少しは眠りやすいだろ」

「ありがとうございます!!」・・おいおい‥他の奴を起こすと面倒だぞ?

「声が大きい。他の奴が起きる・・」



荷物を仕舞ってる鞄は、ありゃあ‥魔道具か。良いもん持ってるな…。


「それでは。他の皆さんにも、また・・と」

「おう。元気でな」 気を付けて行けよ・・・。


お辞儀して出て行ったぜ。最後まで、礼儀のある商人だったな・・。




いつもの時間になって、今日の業務が始まる少し前の時間。

「今日‥行くのかな?」


「もう 行ったぞ‥」

「え?‥いつ・・ですか?」


「今朝だ。かなり早い時間だったな‥」おまえら、寝てた・・だろ?

なんて顔してんだ・・まったく‥。揃って同じ顔しやがって。


「…そっか、もう‥行っちゃったのか…。挨拶したかったな‥」

「オヤジ・・全部 渡したのか?」「おう‥全部、持って行った」


何だ? 何を気にしてる?

「‥その…どれか、嫌がってたりとかは?」


「別に そういうのは無かったな。クセロの腕輪は、すぐ装備してたし‥。おう、フージー‥お前のチーズを喜んでたぞ‥」「俺の…。いや‥俺が作った訳じゃ・・」


「装備してくれたのですね。良かった‥」

なんだ、クセロ・・いつもなら、素通りなのに聞いてたのか?



翌日、ケントニスの旦那やレアーレ、武器屋のロムフやパンジーにも去った事、喜んでた事を伝えた。


「なんだか、寂しいねぇ」ラーゴの嫁のキマが、商館に寄って話してた。

「その内、ここにも名前が轟くように‥なるんじゃねぇか?」



  俺は、そんな予感がある。


「また、この町へ‥寄って欲しいですね」

クセロが、そう言うなんてな。


‥薬師が、見つかる事を祈ってるぜ!リモン・・。

【ペルノの魔道具 (袋)】リモンの鞄とは違い、物の大きさや重さで入る量が変化する。騎士団管理の魔道具のひとつ。


【スペード】この世界でスコップの事。真ん中の部分が‥少し伸びるタイプ。クリームグリーン色。他所の国から来た、商人から買ったもの。


【ニジー】採取 専用のハサミの事。様々な種類があるが、特性が付いてる商品は‥基本的に高級品。セウーの入れた商品は、属性 無効化 & 状態異常 無効化。数万Rくらいの値段が付いてる。


【エフォール】(エフォール=フランス語・努力)

セウーの弟。兄想い。兄以上に、しゃべらないタイプ。『喫茶店ナイト』の店員として働いている。ココに決めたのは「給料が良かったから」 黒髪 / 水色に近いグレーの瞳 / 19歳 / 男 / 166cm


ギルド長、早々に‥リモンと手紙やり取りで、交流する事になりますけどね…。

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