16瓶 謎の依頼書
門の外への許可書状は、受け取ったものの・・。いろいろ準備しないと!
・・一応の武具と、薬、雑貨・・。ひとつ、忘れて‥寝袋。
しかし、その前に資金が・・って事で、仕事します!
この世界に来て、だいぶ経ったな・・と思う、今日この頃。
最初は 右も 左も、ステータス画面にさえ 四苦八苦してたのに今じゃ・・商館での仕事・アイテム錬成・人々との交流…。お金の価値も、なんとか分かってきた。
この世界では、お風呂は中々 入れないけど、食べ物は 美味しいし、人々は優しい。・・・まぁ、問題児くんは‥居るけど・・・。
・・食べ物は、そのままより…やっぱり、調理した方が、効果が高くなる。
だけど 私は『錬成』で、それを可能にしてる。
・・昨日 野菜や果物を合わせて、出来た飲み物や、お料理が・・それを物語っている・・。なんだかなー・・。
薬草と果物・・は、失敗した。
薬草の 苦さ の方が強くて、回復量が 増えた だけ で、終わったし。
・・ただ、普通の傷薬と、すごく甘くなった飲み物を合わせたら・・一応、飲める物になった。・・一応・・ね。苦いは・・にがいんだけど…と、考え事してたら、商館に到着した。
旅資金が…少なくなってしまったので、寝袋の為にも・・・仕事します。
「おはようござ…」「おはよう!」・・相変わらず、元気なお兄さんだな。
「あれ?今日は、何か仕事探し?」資金が・・って 言いたくない けど。
・・・赤いの・・無いな・・。黄色のは、在った。
仕方ないから、黄色の・・カプカの種 3個?・・とか、薬草 15枚・・とか、青い傷薬を5個とかが多いな。
今日は、ギルド長・・朝から忙しそうだ。いろんな人に、指示を出してるみたい。
黄色の紙の・・傷薬bを5個の・・と、カプカの種3個は、持ってるので、種の方は‥すぐ渡せると伝え、傷薬bは・・納品だ。もう ある。手続きしてもらってる間に、地図で確認すると、雑木林まで行って・・右の角の家みたい。
・・ついでに‥採取かな。
「まだ、この町に居たんだね」
「はい。まだ‥準備が整えれてないので‥」
「いってらっしゃい!」
「はい!行ってきまーす!」そう言って、商館を出る。
・・よく見たら、急ぎ の納品…って書いてあった! 走っていこう。
雑木林・・って私は、つい言ってしまうけど、地図上で コ コ は『森』なんだよね。・・・でも、違和感あるから・・使う気は無いかな。
「ごめんくださーい」って、薄暗い店内に 足を 踏み入れた。
・・・だ・・・大丈夫かな?
『…は・・はーい・・ちょ・・っ』ドテッ
・・・大丈夫だろうか? 転んでるみたいだけど・・・。
「いたた・・」
「‥こちら、パンセさんの・・お店?・・ですか?」
「ううん。店は‥もう無いんだけどね。ちょっと知り合いに頼まれちゃってね」
どうやら‥元々、雑貨屋を営んでいたけれど、最近・・辞めたらしい。
・・昔の常連さんから、傷薬を都合つけてくれ・・と頼まれたけど、その時はまだ‥薬草が採れなくなってた時期と 重なってたから、在庫で残ってた分を 渡したみたい。
「でも、そのお客さん…。今度は 薬草が出てる からって、どこかで聞いたらしくて。店は閉めたって言ったんだけどねぇ・・。ホント、最後ですよって事で受けたのさ。わざわざ持って来てもらって、すまないねぇ」
「いえ。仕事ですので」と薬を出していく。
・・効果は、指定 書いてなかったから・・青ければ‥良いと思う。
「‥鑑定が出来るのが、あたしの父さんだけ だったから、あたしは出来ないのさ」
「そうなんですか?」みんな‥出来るものかと、思ってました。
「でも、こんなに綺麗な青だから、大丈夫さ・・」
「やぁ‥パンセさん、こんにちは・・。薬は?・・おぉ、あるじゃないですか!」 突然、後ろから男性の声がして、右側へ避ける。
「ホントにもう、これで最後ですからね!‥うちは 閉めたんだから…」
「はいはい。分かってますよ。次回からは、別のお店へ行きますとも…」
その人 傷薬を鑑定しないままお金を払って、5個全て受け取って去って行った。
「…はぁ~‥。ぁあ、待たせたね。これ、今回の報酬で 良いかい?」
「え?・・と、納品だったので 受け取りサイン で良いんですけど・・?」
「いや、うちのは…急ぎにしてあっただろ?」はい・・。
「そういう時は 買い取りの時と一緒で‥報酬は、その時に店側が払うのさ」
・・そうなの? なら・・と、先程の人が払ったお金を 受け取る。
「あんた、名前は何て言うんだい?‥私は、パンジーさ。父さんの名前が、パンセ だけどね。この町の専属で、働いてるのかい?」
「いえ。専属じゃないです。自分は、リモンと言います。パンジーさん」
「…リモン?」 ・・・なんだろうか? と、首を傾げてると・・。
「あぁ!あんたが、リモンだったんだねぇ!」
え?・・何? 私、何かした??
「最近 商人になったばかりだってのに 薬草が無い時期に‥効果の高い傷薬 や 回復薬を納品したり、もうカルブンクルスになって、門から旅立つ予定の商人だろぅ?」
…えーと・・自分の事だろうけど、なんだか‥自分の事と認識 出 来 な い 気が・・。・・薬草無い時に、効果の高い‥。草でしたけどね…材料。
あれは、錬成のせいですけどね!! 不可抗力ですけどね!
「‥あはは…」 笑うしかない。
「今じゃ、あんたは この町の有名人さ!あんの、おバカとは違うねぇ‥」
・・あの おバカ ?
「知ってるかい? バルヘルトさんの店に、ボムを投げつけたってのに『俺は悪くない』って言い張ってる子供だよ‥」
・・あー・・はい。知ってますね・・それ‥。
「ははっ‥おや いけない。いつまでも引き留めて 悪かったね。他所へ行っても、元気に 頑張るんだよ!」「はい。ありがとうございます。失礼します」
・・元気な、おばさんだったな。転んだけど・・大丈夫だったのかな?‥聞くの忘れたけど。それにしても・・有名人ねぇ・・。
まぁ『悪い事』で、有名人じゃないだけ マシ だよね・・。
一応、報告に行った方が良いよね・・紙も…手元にあるし。
商館に戻って来たので、キントリヒさんに‥声をかける。
「あぁ、お帰り。間に合ったかい?」はい。走ったので‥と言うと「間に合ったなら良かったよ」と言った。
どうやら、私に渡す前に『急ぎだから』って伝えるはずが、言い忘れたのを‥セウーさんに指摘されたんだって。自分で確認して良かったです・・。
「間に合わなかったら、完全に 俺 の せいだよ~」って思って項垂れてたらしい。
「間に合ったので、元気出してください」と言うと、にこっ・・と笑った。
切替え 早っ。
奥で、セウーさんがこっち見て『申し訳ない‥』みたいな顔で 頭下げてる。
いや・・・セウーさんは、悪く無いよ・・。
「‥おい・・えーと、リモン!」 へっ? はいっ・・と、振り返ると・・ギルド長が呼んでる。何でしょうかね?
「‥暇か?」ひま・・まぁ・・今は「はい…」
「じゃあ、ちょっと頼まれてくれ‥」と‥また、白い紙を渡される。
? 何だ・・これ? この間のと 違 う 。
『 を10個 』・・・・何を?
「奥の部屋に、素材だけ あるから・・それで作ってくれ」
「…何を・・ですか?」
「部屋に紙があるから、それを見ろ」
・・何~・・・??
また、ビボワーヌさんが・・案内してくれた、
今度は、1つ手前の・・茶色のドア。
「作業なさる時は、内側から鍵をかけて‥行って下さいね」
・・はい。・・・・作業?
・・何か、作れって‥言ってたな・・。
部屋に入ると、そこは・・6畳くらいの広さで、ど真ん中に 四角いテーブルだけが置かれていて、その上には‥蓋の無い・・四角い・・木の箱?
中を覗くと、黒い丸いもの・・何これ?『鑑定!』
あぁ、カプカの種じゃん。 なんで、こんなに いっぱい?
・・・何だろう。何か、嫌な予感がするのですけど? 気 の せ い かな?
気のせいだと‥良いなぁ・・・。
近くに紙があった。赤い紙だ。
・・・うげっ! 予 感 的 中 !
作れってよ・・これで、あの 劇物 を・・・・。
あれれ? 私‥言ってませんよ?・・作れるって。言ってませんけど、作れるって思ったのかな?! ひえー‥バレてた~‥。しくしく。
・・作りたくないけど、白い紙だし・・作らないと・・・・。
『作業する時は、鍵を閉めて』…というビボワーヌさんの言葉を思い出し、鍵をかける。かけてどうする?・・・えーー・・と、確か・・10個作れって書いてあったな・・最初のには。あぁ‥だから、最初の紙には‥何の絵も書いてなかったのか・・。なんか、納得。今にして。
‥やる気は 出ないけど、お仕事なので・・頑張ります‥しくしく。
3つ持って・・錬成・・はい、ひとつ。 これの繰り返し。
・・しっかし、凄い量だな。
種 出した後の果肉は、廃棄なのかな? それとも何かに‥使うのかな?
とか、考えながら 黙々 と錬成していた。
ん? やばっ! なんか、頭がっ くら くら・・する・・。
すぐ、壁際へ移動して、治まるのを待つ。どうしたんだろう?
ステータス・・あれ・・・
自分の体力は、確か・・230くらい・・在った…はずだ。
・・でも今は、6・・少なっ! え? くらくらしてる原因??
えーーと、昨日作った・・カロミリャのジュース(体力20 回復) と カロミリャとカロッテ、レチュガの 野菜ジュース(体力25 回復) を合わせたジュース(体力50 回復になったの謎だけど)を、ひとまず・・飲む。おいしい。
・・ふぅ・・少し、落ち着いた。
今まで、全然 気にして無かったけど・・。錬成するのは、体力を消費するんだね。・・これからは、ステータス画面を都度 確認した方が良さそう。
で? あと残り何個・・・。まだ、けっこうあるなぁ~‥。
そんじゃ、ペッシェって言う、桃 に近い味の‥白い果物 と 草で作った傷薬(体力30 回復)を錬成したら・・念願の!・・飲む傷薬r(体力45 回復)が出来た。ちなみに、この『r』は、リモンのrらしいよ。
缶ジュースくらいの大きさ、やや細めの瓶に 入った状態のこれを…試し飲み!
・・うん。飲めるね。 でも、まだちょっと‥苦味が口に 残る 感じする。
ふぅ~・・よし! 残りを、やりますか!
数分後・・・で、出来た・・・。 疲 れ た ~ ・・。ステータス‥あぁ・・また、30くらいになってる。じゃあ・・今度は、ペッシェ2つで、ジュース(体力40 回復)にした甘いのと、傷薬(体力30 回復)を合わせた・・名称 同じな‥傷薬r(体力70 回復)を飲む。これは、普通に美味しく‥飲めました。
・・この ペッシェ っての、最高だよ。
ただ ちょっと、こればかりだと…甘くなり過ぎる‥けどね。
あ・・出来たの数えると・・・16本。あ・・2個余ってる。
うーん・・あったかな?
ご そ ご そ ・・
・・うん。種にしてあった 残りが‥あったから1つ出して・・はい。
もう1本。
10本のノルマは、達成してるから・・これで、良いよね?
・・お風呂に入りたいです。薬草入りの・・・。
部屋の鍵を 開ける。
ドアも・・ドアは、いいか。鍵が開いた音に反応したのか、人の足音が聞こえるので、片付けを済まして‥部屋の隅に移動。なんか、甲冑のような…金属音を含む足音がする。
「出来たのか?!」・・いきなり開いた途端に 聞こえたのは…知らない声。
・・箱の方へ大股で歩き、出来てる物を数えてる。
甲冑の人は、騎士っぽい。あ・・ギルド長も来た。
・・・ギルド長と何やら話している。ふいに、私の方を向く・・。
「‥大変、助かりました!…これは、今回の報酬です」と、革袋を渡される。
勢いのまま、来たので‥ちょい戸惑った。「報酬 貰ったら、戻っていいぞ」と言われたので「失礼します・・」と言って、早々に 部屋から出る。
お風呂・・入って無かったので・・入らせてもらう。なんか、いちいち‥断らなくても、入って良いんだってさ。なので、お借りします。
お湯を入れてる内に、今日・・パンセ‥ならぬ、パンジーさんの店から商館へ戻る時に、寄って・・薬草とか採取してきたんだ。なので、薬草を1枚・・湯に入れる。そういえば、錬成の時に・・何の気なしに3つとか持って、錬成してたけど・・なんかね、いつの間にか・・錬成も、レベルアップしてて。
・・・3つまでの素材、アイテムは 錬成 出来るんだってさ。気づく前にやってましたよ・・私。遅い。
・・お風呂‥‥外でも・・いや、それはなんか、いろいろ ヤバそう だから、発想 却下だな。こういう・・安全に囲まれてるなら・・って思うけど。
あ・・甲冑の・・。ギルド長も‥戻って行ったみたい。
革袋のお金、見てないんだよね。・・・あれって、いくらに なったんだろ?
・・帰りに、市場も寄ろう。ペッシェ・・まだ、売ってるかな?
明日・・・良い天気なら、出発・・しようかな…。寝袋は、出たら聞こう。
でも、もうちょっとだけ・・入っていたい・・・・
※鑑定が出来る人々=基本は、商人のみ。冒険者や職人には、出来ない人が多い。例外は居る。
【パンジー】42歳・女性・既婚者(商館2階のズイアスの奥さん)/オレンジの髪と青い瞳。ふくよか。父親のパンセが、怪我で店に立てなくなってから、しばらく店を 切り盛りしていた。ここ最近になって、店を閉めた。ご本人は、袋 関連を作る職人。元気な人。少々ドジな所もある。
【白い紙の依頼書】主に、ギルド長 や 騎士団 からの注文書。受取った者は、必ず従う方が無難。基本的に能力の高い人にしか、この紙は‥使われない。
※錬成に必要なポイント=体力でした。今までは、消費量が少なかった為、全く気付いてませんでしたが、今回‥大量に作った事で気づきました。
※カロミリャ (りんご/果物/体力10回復)・カロッテ (人参/野菜/体力5回復)・レチュガ (レタス/野菜/体力9回復)・ペッシェ(桃/果物/体力20回復/甘い)
※果物×果物/野菜×野菜=ジュースになりやすい。3つ以上で料理になる。
【傷薬r】リモンが作った、新しい傷薬。飲める。ジュースと傷薬で出来た。
次回、遂に・・門の外へ向かいます!・・・寝袋‥あるかな?




