14瓶 セウー
劇物は、すぐさまギルド長にもらって頂きます!
・・・外へ出かける準備を・・始めないとね。
ギルド長の依頼を達成すべく、カプカの実で錬成していた際に、元々の材料で作ると、どうなるだろうか?という興味本位で作った挙句…出来た物が・・。
【 スコヴェル粉 】という・・・劇物が入った‥小瓶だ。
・・・門から外へ 出る際の許可書状を、よ う や く 手に入れた直後に、出した物を…ギルド長も 受付のお兄さんも・・目を大きく開けて 見たまま、固まっている。・・大丈夫かな?
「…おい・・どこで、手に入れた?」
え?・・えーと、錬成してたら‥と言って、大丈夫なのか 分 か ら な い 。
本来、どうやって作るのかすら、知らないのに!
「いえ、とぅ‥いえ、ギルド長。これは…すぐに、騎士団へ 渡すべきでは?」
「…そ、そうだな。これは預かるぞ!」
「はい。お願いします!」
ふぅ~・・危ない物、手放せてホッとした。
「それと、言い忘れてたが・・」 ん?
「門から出る日が決まったら、一度‥商館に来い」
「ギルド長、それだけでは 分かりませんよ‥」
「良いんだよ。その時、しゃべりゃー‥」
「もう暗い。早く・・帰って寝ろ」の声で窓を見ると、本当に真っ暗になってる!「じゃあ、失礼します!」って部屋から出て、宿へ。
地図 見れなかったら、迷子になってたな・・ってくらい、暗い夜道だった。
宿に帰ると、今日も‥問題児くんが…私を探しに来てたみたいだけど・・。
「追い払っておいたから、心配すんな」と店主に言われる。
ご飯、残ってたみたいで・・。いつもより少なめだったけど、食べれた。
・・そろそろ、ここの ご飯も‥食べれなくなるのか・・・。
「・・・お? おまえさん、赤いの付けてるけど、ランク上がったのか?」
「はい。そうみたいです」他人事のように言ってしまった。
「商人になってから、あっと言う間だったな・・。はー・・凄いなぁ」
「あんた!片付け終わったのかい?!」
奥さんだろうか? 女性が出てきた。何だろ・・誰かに‥似てる??
「あらっ? お客さん 居たのかい‥。騒いで ごめんなさいね」
いえ、大丈夫です。と首を振る。
「あら‥あんたかい?」 ・・はい?
「うちのキントリヒが言ってた、リモンって子は?」
「はい‥リモンは、自分ですけど・・?」 キントリヒ?
あぁ、あの‥依頼カウンターの、元気なお兄さんの方ね。
「もう、カルブンクルスかい!凄いわねぇ~」
「そんじゃ、そろそろ・・門の外へ行くのか?」
「はい。そうですね。ちゃんと準備してから…ですが」
「そうだね。しっかり準備してから行くんだよ」
「ごちそうさまでした」と一声かけて、部屋へと戻る。
遂に、ランク3に・・なった。
だから、赤いスカーフをGETしたのだ。スカーフだから、襟の下に潜らせて身に着けても良いだろうし、腕に巻いても、良いかもね。手首でも。
町の外は、どうなってるんだろ? これで、見れるのかな?と、地図を開いてみるけど・・・。町 以外が・・表示されない。
・・まぁ元々コレ、町のパンフレットだったんだもんね…って事は、世界地図くらい無いと、駄目なのでは?!・・・商館で、聞いてみようかな。
それと、今の手持ちを確認。素材も‥少しだな・・。服は、いろいろ買ったし、雑貨はあるけど、食器は無い。弓以外の武器・・短剣みたいなのを買う必要あるし、最低限の防具は‥欲しいよね・・。
あと、自分が使うとしても、傷薬・・えっと、そうだな・・。
今の自分のステータス・・あれ? なんか、久し振りに 開いたせいもあるけど、なんかいろいろ・・増えてる??
体力 230 魔力 94 危険回避率 80% 鋭さ 92
それから…状態異常 無効と、光・水・風の属性は、最初からあるものでしょ。
雷・氷の属性まで付いてるし、能力下降 無効・・が、付いてる。
・・・。
ぇ・・えー‥と、スキルって所に赤粒がある! なんだ?
[ 弓 Lv.1 ] 弓を扱える
あぁ、武器を入手したから? へぇ・・。
特殊にもある。見てみると‥あ・・また、レベル上がってる!
[ 鑑定 Lv.3 ] 今まで通り +商品のランク表示・・・?
・・何それ・・図鑑は?
・・・これの事かな? ☆のマークに、数字が書いてある。傷薬や回復薬・・どれも☆5 ばかり付いてるけど、どれが良くて悪いのかが・・相変わらず説明不足 過ぎて、分からない!
あ・・でも、素材には・・◇で数字。草は◇2。雑花も。 カプカの実は◇5だ。加工した・・というか、錬成したアイテムは☆5で・・。薬草は◇5だ。枯草は◇1だったけど。
細かく見てくと、なんか疲れてくるから、気になったら・・でイイか、
それから、貰った弓は・・黒い★で、2だった。そこそこ?
・・これからは、こういうランクにも、気を配った方が良いのかもね。
小冊子を広げる。ランクの所・・・今は 赤 。次は・・ピンク?…だってさ。
明日、商館へ行こう。地図の事や・・何に気を付けると良いのか・・とか。門の外へ出るのは、お風呂借りた・・次の日にしよう。外で、次の町へ入るまでは、お風呂に入れないのだろうから‥。
武器屋、防具屋…雑木林・・商館のお風呂・・と。
・・そういえば、ギルド長・・。出る前に「寄れ」って言ってたな。
何か依頼も受けよう。あとは・・あ・・そうだ、この黄色いネクタイ。これは、外しておこう。あの子、やたらとコレを奪いに来るし。また襲い掛かられても困るものね。無ければ、来なくなるかもだし。うん。仕舞っておこう。
さてと、眠くなってきたから・・・眠ろう。
・・・錬成・・・。アイテム同士って・・出来るのかな?・・やってなかったなぁって思って。明日、素材・・採って戻ったら・・・やって・・みょ・・ぅ・・・くー・・すぅ~・・
起きました。すっきりとした目覚めです! そして、いい お天気!
まずは、朝食を食べて・・。着替える。いつもの帽子と、首元にスカーフを結ぶ。
よし。準備 出来た。最初は、商館へ行こう。
・・げっ・・・・・。
ドアを開けたら・・問題児くんが居る・・。
「あれ?おまえ、黄色の飾りは?!」
「もう、無いです」仕舞ってあるから、持ってる・・けど…。
「…ふぅ~ん」なんか、眉毛を上げて‥心の中で笑ってそうな顔してる。
「じゃあ、失礼しますね」軽くお辞儀して、足早に商館へと向かう。
「おはようございます‥」「おはよう!」と元気なお兄さんの声がする。
最近は、挨拶されるようになった。
「なんだ?もう行くのか?」
いや・・外へ出るのは初めてなので、何に気を付ければ良いのかな‥と。
疑問を いろいろ口にしてると「セウー‥教えてやれ」と、あの無口兄さんを呼んでいる。お仕事中では?・・と思ったのだけど、軽く頷くと‥カウンターの下の方から、図鑑のような本や、紙切れを持って‥椅子の無い机の方へ・・持ってきた。
「こちらは、差し上げます」と、紙切れを貰う。広げると・・地図?
大きな樹が中央に、で~ん と在る周りに・・大きな町が在る‥みたいに見える。
机に広げられた‥大きな本の最初のページを開くと貰った紙と同じ絵が。
セウーさんが、長い指で「ここが 今 居る‥アルドルの町です」と言う。
樹を囲むようにして、4つの壁で区切られている。その樹から、右に沿った部分に出来てる町が、アルドルらしい。
その周囲には、山や川・・町・・他所の国との境目の関所 と、書かれてる場所がいくつか在った。
「この町は エキャルラット州にありますが、北の・・ここですね‥。こちらの町を抜けた先が、ウィリディス州で・・」 ぉお! 上が、そう なんだ。
「反対に、カエルレウス州へ行くには、アルドルの町の騎士団が、許可する印を持ってれば‥通れる門から行く道と、キトゥリノ州からチュリマー山脈を抜ける方法が、あります」
教えてくれる事、メモしてる。めっちゃ・・しゃべってる。声、そんなに聴いた事 無かったけど、穏やかで‥優しい声なんだな。
「何か他に、知りたい事は‥ございますか?」
「‥そうですね・・」町とかの位置 関係は分かった。
「許可書状で行ける範囲って、この国だけなのですか?」
頷く。喋らない。 残念。
じゃあ・・・。
「外へ出る際は、何に気を付けるべきでしょうか? 魔物ですか?」
「…魔物。そうですね。魔物は、洞窟や森の奥に行けば‥遭遇します。ひとりで戦うのに不安があるなら、冒険者ギルドで‥人を雇う方が安全ですよ」
喋った! ふむ・・冒険者ギルドで・・人を‥雇う・・か。
ひとりで、ダメそうなら・・そうしよう。うん。
「商人のランクって、他の町へ行っても・・変わらないのですか?」
「‥?」セウーさんが、首を傾げてる・・。えーーとー・・。
「他の町で‥ランクが上がったり、下がったりしますか?」
「はい。各町で商館が在れば 依頼を受ける事も出来ますし、施設を利用 出来ます。それは変わりません。依頼を正しく続けていればランクは上がって行きます」
なるほど。
「‥違反すれば、当然‥下がります」そうでしょうね。
「アルドルの町の外には、どんな魔物が居るのでしょうか?」
図鑑のような大きな本の数ページを一気に開いて・・いろいろな姿の絵が現れた。
「セウー‥そろそろ、戻ってくれ…」
忙しくなってきたからか、キントリヒ兄さんが、呼んでる。
「…」戻りたいけど・・みたいな顔で、こちらを見る。
「この本、読んでて良いですか?」「はい」
「それなら、戻っても大丈夫ですよ」
「…。では、必要になりましたら、お声がけ下さい」はい・・と頷く。
戻って行った。
それにしても‥‥これが、魔物なのか・・。
・・ほとんど、小動物みたいな姿が多い。小型・・って書いてある。
例えば、これ・・比較的 遭遇しやすい魔物で・・。
〈 フトールニク 〉低級・エキャルラット州 全域・日中
爪での引っかき攻撃や、噛みつき攻撃をしてくる。
肉は食べれない。素材 / 爪・牙・毛
見た感じは、ネズミとウサギの融合体みたいな姿。低級だから、弱い・・のかな?・・・それは良いけど、変な名前・・・。
それから・・・。
〈 ヒルードー 〉低級・全国 全域・夕方~夜
舌での巻き付き攻撃や痺れる粘液を出す。素材 / 肉・目玉・粘液
見ためは・・小さめの・・・カエル? 肌の色が、いろいろなんだって。
・・この辺りの魔物は、メモ帳に書いていく。
あと、野宿の方法・・・は・・?
「…何か・・お困りですか?」あ・・セウーさん、戻って来た。
「…あの、野宿する場合は・・?」
町とかに辿り着けない時は・・どうすれば・・?
・・迷子になって・・よく ありそうなので。
‥少し、考え込んでる。 すみませんね・・。
「なるべく‥岩の洞穴や太い木の近くで焚火をして、簡易 天幕を展開しておくしかないでしょう」天幕?
「それって、売ってるのですか?」「売ってるよ!」とキントリヒさんの声。
え? と振り返る。
あ・・セウーさんが、なんとも言えない困ったような 表情に・・・。
「ぁ‥ご・・ごめん・・セウー‥」
セウーさん、小さく溜息ついた・・。
「‥リュクセ薬屋か、バルヘルト店‥にも在ったのですが‥」
今は、まだ・・修繕中だものね。あれ?でも、リュクセ薬屋は‥前に薬 納品で、行った事がある! よし。後で行ってみよう。一度 行った場所は、地図で見れるし。焚火・・は、火種になるような物が‥欲しいよね・・。
「…当店2階の‥」 ・・?
「ズイアスかヴェネレの所で、取扱いがあったように思います」 おぉ!
「いろいろ教えて下さって、ありがとうございます!聞いてみます」
本も閉じて渡そうとして・・・重っ!‥セウーさんが、慌てて本を受け取ってくれた。危うく‥落としてしまう所だった。あんなに重いの?!‥びっくりした。
「お役に立てたなら…何よりです」と、少し照れたように笑った。
・・セウーさんの笑顔、ゲットだぜ!‥‥違う?
お辞儀して、2階へと行く。前に買取してもらったお姉さん以外の人・・と言っても、男の人が1人居るだけだ・・。まぁいいか。聞いてみよう。
「すみません‥」
「はいよ!何だい?」元気な人だな・・。
「簡易 天幕ってのは・・ありますか?」
「うーん? 君、野宿する予定でもあるのかい?」
「門の外へ行ったら‥あるかも・・なので…」
へえ~って言いながら、壁際の木箱から‥3枚出した。
「黒・白・緑・・とあるけど、どれにする?」
じゃあ・・緑で。白も良いけど・・すぐ汚れそうだから。
「はい。他に、何か欲しいのある?」
「焚火の火種は、どうしてるんでしょうか?」
「‥ぉお・・これだな。ほらよ」と、四角い黒の棒に、平たい黒い板・・かまぼこの板くらいの厚みの。何これ・・??
「この平たい板を下に置いて、木の枝を近くに置く・・。そんで、この棒を上からこの板に、下向けて叩くと‥火花が出て燃えるぞ」
ほえ~・・そうなんだ。「じゃあ、これと‥天幕の!下さい!」
「はいよっ! 2つで‥小銀貨3枚だな」
はい・・って払った。
・・よし。これで・・野宿は何とか・・なる・・・。たぶん。
たぶん・・としか、言いようがないけど・・。
「食料に‥日持ちする物を、なるべく持って行けよ。でないと途中で腐るぞ」
・・食料・・。そ、そうですね。気を付けます・・と言って、去る。
・・私のアイテムバッグでは、一向に‥腐りませんけども。それは、まぁ内緒で。
でもま、市場は寄ろう。昨日、結局・・寄れなかったもんね。
【カルブンクルス】商人ランク3の名前。アイテムの色は、赤/スカーフ。商人としては一人前になったと認められた者にのみ 与えられる。ランクアップには、登録した町の商館ギルドの、長の試練をクリアする必要がある事は、知られていない。
【セウー】アルドル商館の依頼カウンター勤務。基本・無口で静かなお兄さん(24歳/男)。紺の短髪に水色の瞳(他国出身)。身長180cmで彼女は・・居ないらしい。自分の仕事に誇りを持って働いている。
次回、旅支度の為に・・武具屋へ行きましょうかね・・・




