138瓶 変化
季節が 夏に 代わり、刺繍も出来て‥。
いよ いよ‥カルム様の お帰りだ。
お見送りに、父と来てて・・・
「カルム様・・まずは、これを受け取って下さいませ」
「?‥これは?」
「ささやかでは、ありますが‥お守りです」
「‥姫・・」嬉しそうな顔されたので、良かった。
細かい事は、こちらに書きました‥と、封筒も渡す。
また・・どこか分からない後ろの方に‥仕舞ってた。
私の両手を、両手で握り‥周囲の視線など気にしてないのか、見えてないのか‥。まっすぐ・・見てきます・・・。
照れる・・。顔を背けたいけど‥背けたらダメよね。
『おいっ! カルム! もう行くぞ!!』
「呼ばれてますね‥」少し・・気になったから‥言っておこう。
「カルム様‥」
「はい‥」
「誰ひとり、欠ける事なく・・無事に、ご帰還 下さいね。道中の無事を、お祈り申し上げます」
「!・・はい。お任せ下さい」
マントを翻し・・あ・・そのマント‥私の‥。
鑑定したけど、効果・・見えないの? 残念。
列に戻ると、父と共に少し・・離れた。
すると、皆さん‥何か出してる? 何してるんだろう?なんて、見てたら‥!?
ど・・ド ド ド ド …ドラゴン?!! 小さなドラゴン出して‥背に乗ってる…。
軍団長の声が響くと、すぐさま前列から順に‥空へ‥飛びあがった!!
・・前の方から‥なんか、怒鳴られてるけど・・あ・・カルム様?
最後尾に見習い達が、横 一列に並んで飛んでる所の‥さらに、後ろ中央に‥。
「お気をつけて・・」カルム様‥。
バッサ バッサッ ・・と、音させ・・飛び去って行った…。
帰りの馬車の中で、父上に聞いた。あれは・・何?と。
「おまえが、知らぬのも・・無理も無い。チェントロ国からは、ほぼ‥遠征に行かないからな‥」遠征時の移動手段として・・使う乗り物‥らしい。
以前に聞いた‥『空飛ぶ魔物』って、そういう事?!
鑑定したら・・全部 同じ名前だった。見た目が‥少しづつ違うのは、その兵士の魔力に比例するから‥って。
・・乗ってた魔物は『シャルカーニ』という名前だった。
「チェントロ国では、どんな魔物なのですか?」
どれでも、空は飛ぶらしいけど。
「・・・アギラだ」あれ?
「それって、照明の?」
「知ってたか」はい。名前だけは。
・・どうやら、大型の・・鳥に近い魔物らしい。
家に戻ると、私は降りたけど‥お父様は、また騎士団へ 戻って行った。
でもすぐ・・また、着替えてリモンに・・。
降りる間際に『団長の贈り物を、早く確認しろ』と言われたから。
・・はぁ・・えーと・・?
軍団長‥と言ってたけど、それ・・エキャルラット州だけじゃなかった。
・・緑と黄色。そして、何故か・・青も来てた。
お目にかかった事・・一度も無いのですが・・・。
プレゼントと共に、簡単なメッセージカードも付いてた。
・・皆様‥貴重な素材を、ありがとうございます。
それと同時に‥依頼っぽいのも書いてある。そういうのは、後日にして欲しい。
エキャルラット州からは、軍団長と副官の総意という形で‥どちらも素材。
それと、兵士達からの‥一行づつ メッセージ・・。
ウィリディス州は軍団長と、関わりのあった‥懐かしの‥ラオフェンさんや、ソルさん・・ラフェヌさんや、物資班の方々まで。ありがとうございます!
‥大事に使いますね。
キトゥリノ州は、軍団長と副官さんのみ。カエルレウス州は、軍団長だけ。
そこで・・今日は、終了。
帰宅して・・疲れた1日だったと振り返って‥眠った。
翌日からは、いつも通りに‥リモンとなり、お礼の手紙を書いたり‥両ギルドからの贈り物を開封していった。
ほとんど・・素材が多い。見知った人達からは、お守りや 雑貨もある。
ギルドも‥関わりの ある方々からの物が‥ほとんど・・だった。
なんだか、心が温かくなってきました。
・・ビハイルさんから、家に‥と…言われるけど・・。
これは、両親に‥相談 案件だな。
・・・え? リモンの婚約者?!・・要らないよ‥。
ラオフェンさんの妹さん‥売り込みしてるけど・・大丈夫なの?
‥ラオフェンさんからも、なぜか「婚約者が居るのですか?」と聞かれてる。
い・・居ません‥。リモンには、居ませんよっ。
そう、答えたいけど・・ラオフェンさんの妹さんから、求婚されたら‥どうすれば?!・・分からない。うぅーーん。
あと‥軍団長たちの依頼が‥共通してた。
『素材を集めて送るから武器を作ってくれ』だった。
まぁ、素材がくれば・・作りますよ‥と、返事に含めておいた。
それより・・半日しか‥まだ、経ってないはずなのに…何だろうか…。
だ る い 。
頭も重く・・痛くなってきた‥。もう・・家に・・戻ろう。
少し‥休めば・・きっと・・・。
エナが、起こしに来るまで‥眠ってたみたい。
寝てたから‥治ってるかと思ったのに・・体調が悪い。
「リモーネ様‥具合が、悪いのですか?」
「…うん・・。なんだか‥いつものような‥」おとと・・。
ふらつく・・・。
壁に、寄りかかってしまった。お行儀‥悪いと‥言われてしまうな・・。
「どうしたのです?‥リモーネ?」ぁ‥お母様…。
ソファに座らされ、母に寄りかかるようにして‥少し、楽になった。
お母様が、治癒魔法を かけて下さってるみたい・・。
いつもと・・違う。体が‥熱いし‥だるい。
「15になったから‥」・・・カミリア姉様?
「もう、変化が起こり始めているのね・・」何です?お母様‥。
「‥変化・・とは?」
「あなたの体は 今・・魔法を使えるようにと、体が変化している最中なのよ」
え・・・。
この変化してる間は、体調が悪くなるみたい。みんな・・経験してきたそう。
魔力のある・なしや、多い・少ないも関係 無く‥15歳になると‥。
「今日は、こちらを飲んで‥お休みなさい」
私 考案の・・野菜ジュース・・うん・・おいしい。
お父様も、心配して部屋の近くまで来てくれたみたいだけど‥。
お母様に止められてた・・。
ふぅ・・つらい・・気持ち・・悪い・・・。
ウラトノ薬を飲んだ時は、マズイ味の方に 気を取られてるから、変化の気持ち悪さなんて・・気づいて無かった。これは・・しんどい・・な・・・。
はぁ はぁ…熱っぽい・・・。
エナが、冷やしたタオルを‥おでこに乗せてくれた。気持ちいい‥。
・・眠れそう・・「ありがと・・エナ‥」すぅ・・・
『おやすみなさいませ‥リモーネ様…』
翌日・・まだ、少し暗い時間‥目が覚めた。
体の だるさも無く・・頭の痛みや‥熱も引いてる。
良かった・・治まったみたい。
何か・・夢のようなものを・・見た気がしたけど…覚えてない。
・・・ま、いっか。覚えてないんだし。
朝から・・お風呂に入る。いつ入っても良いのは‥いいね。
エナが、起こしに来た時には‥着替えて準備も終わってたから、驚かれた。ふふっ
元気になった事を伝えると、姉様 や アチェロも・・ホッとしてるみたい。
心配かけて、ごめんなさい・・。
これで・・もう、準備万端・・なのかしらね? 分からないけど。
「おはようございます…お母様、お父様」
「おはよう・・リモーネ。もう平気なのか?」はい。
「良かったわ‥。あなたは、魔法適性が、高いのかも知れないわね」ん?
「そうですわね‥。私なんて、3日も寝込んだのですよ」えぇ?!
「人によって違うのよ‥」へ・・へぇ・・。
お父様 と お母様は‥私の魔法の先生を、誰にするかと話し込んでしまった。
アチェロが‥少し不安そうな顔をしてる。
「今、心配しても‥仕方ないでしょう」気にしないで良いのよ。
「…はい。姉上」
今日は、父上を見送り・・リモンとして、贈り物の整理‥返事を書いて‥送る。途中・・緑の箱の 次に 赤い箱が 来て『武器を頼む』と・・はい。
緑は、ウィリディスの・・。確か・・大剣でしたね。
・・あ・・また、モカッダス岩 入ってる。
『神の武器』になるかは・・神のみぞ知る‥ですよ・・。
狙って作れないもの。
いいか・・作ろう。錬成っと。
・・なった・・なってしまった!!
2個めの・・『神の武器』だ。
【 】神の武器 ( 大剣 )
・・・また、私が付けるの? どうしよう。
安易に口走っては・・いけない。あ・・そういえば。
前に『この名前にしてくれ』と候補があった。
・・ぁ・・これだ。よし。
お! なった! 良かった~。
そっか‥名前の候補も、決めてくれれば 作り易いって 言っておこう。
前に、ビハイルさんと同名に‥と言った時、軍団長‥嫌そうな顔してたし。
・・こちらは‥棍棒・・名前・・はい。了解です。
時々 作って・・出来たので、誰か『受け取りに来て欲しい』と、お願いする手紙を送ると…すぐに、兵士が来た。お願いします。
大剣とか・・重過ぎて持てない物は、お願いした。
この間の、ビハイルさんのみたいに‥小さいのは、珍しいかも。
受け取りに来た兵士は、念のためだったのか・・魔道具の袋 持って来てた。
夕方・・帰宅。
食後に、お母様から・・明日から‥魔法の特訓を始めるって。
夕食時に言っても良さそうな話では?と言うと・・・。
アチェロが居たから、ダメなのだそう。
「15になる前の子供に『見せない・聞かせない・教えない』は、基本なの」
・・だからか‥。知ろうとした時に‥教えて貰えなかったのは。
「あなたも、気をつけなさいね」はい。
眠る少し前に・・魔法についての冊子を受け取る。
「声に出さないで‥読みなさいね」・・はい。
声に出して読む方が、頭に入るのに‥まぁ、仕方ない。
『聞かせない』ためよね。
翌日‥午前中は‥魔法を習う事に。
・・体内に魔力を感じて…放出する?!
「まずは、自分の中に " 在る " と・・認識するのです」
新しい・・魔法の先生は…なんと、ガロファノ兄様の‥奥様だった!!
胸に手を置き・・体内を探るように‥目を閉じ‥。
「命の鼓動とは、違うものを‥感じて」
確かに・・何か、空気のように・・これ?
「ウィオラ様の言うように、あなたには才覚が あるようね‥」
いえ・・無いと思いますよ‥。
「感じ取れたら、次は手から‥放出してみて」
・・と、言われましても‥。どうすれば??
「掌でも、指の先でも‥意識を集中して、その場所に‥魔力を移動させて集めるの」掌・・かなぁ・・。
目を瞑ると…何か、薄紫のようなモヤが見える‥気がする。
掌の中心に‥動かし・・が、難しい! 思った通りには‥動かない。
・・袋の後ろから‥押すような形で‥移動させて・・。
「!‥集めたら、出るように念じてみて!」
・・呪文は、無いのですか?‥先生‥と、言いたかった。
うぅーーん‥出てって! 出てー! 出ろっ!
・・発射! ダメか‥。 放出っ! ボン でも バンでも 良いから‥出てっ!
出 な い よ・・。
教えられる前に‥『安易に口にしては、いけない』と 言われてるから、必死に念じてるのだけど・・出る気配・・しませんよ?
「うーん・・。それなら‥。確か、婚約者が居るのよね?」はい。
その方に届けるように‥思ってみて・・と。
この魔力を‥カルム様に? カルム様‥無事・・戻れた・・よね?
ホゥゥゥ・・・ん?!
今、何か出た!!
「まぁ! 素晴らしいわ!」
で・・出た?! 出たよね??
「出て来た‥」
「えぇ。最初の‥その日に出したのは、あなたが‥初めてよ」
そうなのですか?
その日の夕食時には、先生も 一緒だった。終始‥ガロファノ兄様との‥惚気話を聞かされました。幸せそうなので‥良いですけど。
途中、こちらに帰って来た兄様が、真っ赤になって‥遠くで‥食事してたけど。
お疲れ様です・・兄様。先生は、途中で兄様に気付いて‥兄様の横に移動された。
しばらく、こちらで寝泊まりしてくれるみたい。
今日は、結局・・基礎の魔法の‥そのまた、初歩を‥ずっと、やってた。
明日は、ちゃんと リモンとしても動きなさい‥と、お父様に言われたから‥午前中だけになるね・・。楽しいのに…。
今まで、出来なかった事が‥出来るようになるの・・楽しい!
明日は、どんな内容だろう? 楽しみ~・・‥おやすみ・・・
※騎士団の空飛ぶ乗り物 = 1人に1つ 与えられてるのは魔石品で これを生み出す魔道具が 騎士団の下層に在る。国によって 姿が違う。チェントロ国では『アギラ』という大型魔物。その魔物の魔石が 証明機器に使われている。
※基本的に副官は 軍団長 横の所定の位置で 後続を誘導する任務がある。後列が狙われても 自身で対応する以外 無い為、見習いは行き来だけで 運が悪いと 亡くなり易い。しかし それを懸念した リモーネの言葉に応える形で カルムが 最後尾に移動し ( アヴィドに怒られてた ) 見習い達を 守って帰って行きました。その辺りの話は また次回以降で。
【シャルカーニ】(ハンガリー国・ドラゴン)
ロフォス国の騎士団が移動時に使う 魔石品で現れる 乗り物の事。国によって様々な姿と 言われている。なお基本は 空を飛ぶ物なのだが 地上を移動する際には また別の姿に変化する。人によって差異が生じるのは個人の魔力に よるから。余談だが アヴィド軍団長のは黒い3つの首が付いてる姿らしい。
※魔法について = 基本的には『見せない・聞かせない・教えない』が 徹底しており 誕生日後の 体の変化した後に魔法は教えられる。15歳 未満には 知られないように振る舞っている。体の変化時は 体調不良になりやすく 魔力の量が多く 適性が高い者は1日程度。量が多くても適性 普通なら2,3日程度。適性が低いと 長引く事が多い。逆に 魔力の少ない者は1,2日で変化が終わる。
※魔法についての冊子 = 魔法の取扱い方や 違反による罰則、属性の種類や 魔法系統の話ばかり。
【メチェーリ】(ロシア語・吹雪)
ガロファノの奥方。15歳になった リモーネと リモンの 魔法の先生になる人。水 や 氷を扱う術が 得意。元々 他国の貴族だった。女 / 23歳 / 既婚者 / 155cm / 水色の髪 / オレンジの瞳 / 杖 ( 水 / 氷 ) / ガロファノの武勇伝を語るのが好き。
※初歩として基本の形 = 1か所に集め 放出が身に付かないと 他の魔法が使えない為、反復練習する。声に出して「出ろ」と言うと 別の何かが 出 や す い 為‥安易に声に出す事は 禁止 されている。
次回、魔法についての あれ これ と・・母が また泣いて・・・




