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136瓶 誕生日

 ほぼ1日中・・クッキーを 焼く日 だった。

終わって、読書を‥と、思ってたのに‥母に呼ばれて戻ると‥。


はい・・刺繍・・がんばります。読書したかったな~

「刺繍をする位置は‥」はい。


・・え? どこでも?…お母様、それだと迷ってしまいます。

「ならば、この辺りになさい」


 マントの・・ド 真ん中じゃないっ!

うっ・・はい…急ぎます。


 今夜から、せっ せっ と‥縫い ぬい‥しなくちゃ。


 今日は、いつも通りに 父と カルム様・・帰宅。

潰す事になった店は、建物 自体も‥撤去 終了・・え・・早くない?!


「そうか‥知らなかったのだな」父上が 言うには、この世界で『店が 閉店する』と、数日の内に…更地にされるらしい。


 ただ‥住居と 一体型の場合は、看板や 店 部分だけ の 撤去となり、新たな玄関は‥作ってくれるそう・・。


夕食後‥カルム様に呼び止められた。どうしました?

「姫‥。その・・自分のを‥」あぁ刺繍ですか?


「なんとか間に合わせますね!」頑張ります!

「‥ありがとうございます」


 カルム様‥お礼は、早いよ。まだ 一針も、縫ってませんもの。


今日は‥明日に備えて、早く眠るようにと 言われたので、これにて。



 遂に‥15歳になるのかぁ・・リモーネ。


  何か‥変わるのかな?

まぁ いいか・・。おやすみ・・・すぅ・・・




・・・むくり。起きました。

あれ? けっこう‥日が高い気がするけど?


 エナ・・来てない? 鍵は・・閉まってないし‥いつも通りなのに。

まぁ いいか・・。着替えて‥ん? メモと・・何?このケース。


 紐のリボンで留められたものを‥‥ほどき・・。


あ・・ドレスだ!! 赤 と 白の‥フリル部分が白い。花と リボンが多い印象。


 よいしょっ・・と。


うん? 丈が・・少し長い? いつもは‥膝下なのに。



ひとりでも着れた。この・・腰に付いてる紐は‥どうすれば?

‥ドアを少し開けると・・あぁ‥そういう事?


 メイドたち‥総出で‥部屋や廊下の飾りつけをしてるみたい。

あ・・エナ、居た! ちょっと・・っ!


「あ・・姫様。おはようございます」おはよう。


「ねぇ、少し・・手伝ってくれない?」この腰の紐が‥。

すぐ、部屋に入り・・腰の紐を編み出して‥え? 後ろで、リボンにしてた。


「出来ました。姫様‥いつもより、朝食は遅くなりますので‥こちらで、お待ちくださいませ」・・そうなの? 分かったわ。


・・・エナは、飾り付けの為に‥また、廊下に戻って行った。



…暇ね。 起きたばかりだから‥お腹は、そこまで空いてないけれど。

あ・・そうでした。こういう時こそ‥刺繍しないと!


 全然・・暇では…なかったよ・・・。



『コン コン コン』はい?

『姫様、お食事の用意が出来ました』はーい。


簡単に片づけて・・服・髪を整える。

 エナと共に‥食堂に向かう道中は・・綺麗に飾り付けられていて…。


いつもの我が家とは、雰囲気が違うわね。キレイ・・。



食堂に‥1歩・・足を踏み入れたかどうか‥という時に、大勢から


『 お誕生日、おめでとう リモーネ! 』!?


・・びっくりした~…。


 凄い数と 量の お料理と・・兄様と‥奥様かな?‥ミュゲ姉様と旦那様‥カミリア姉様と婚約者様‥アチェロ…今日は、一段と 可愛く凛々しい服装ね。


 そして、両親と・・カルム様・・と、大所帯。メイド達も皆‥ここに。


「ありがとうございます。皆さま・・」

嬉しいな‥。こんな大勢に‥祝って もらえるなんて。


「リモーネ様が、本日の主役ですから‥こちらへ」

いつもなら、両親たちが座ってる席に。真ん中だ・・。


 少し 真ん中からズレるけど、カルム様も‥右横に座ってる。

豪華な料理は、メイド達により‥取り分けられ‥それ ぞれの前に運ばれる。


 成人された人達の前には、お酒だろう飲み物が。

私は、15になったとはいえ・・まだ未成年。ジュースですね。


  乾杯の言葉と共に、飲み‥席に座り直し・・食事を始める。


 食べてて気になったのは・・料理と皆のテーブルの左奥に‥山積みな‥カラフルな箱たち。も し か するのかな?


「‥気になりますか?」え・・カルム様・・は・・はい。

食後に、見るみたいで‥奥に置いて在るらしい。



 なんだか・・久しぶりな気がする。

緊張感とは違う‥穏やかな心で、食事が出来るのは。


 家に戻ってからも‥なんだ かんだで、いろ いろ 起こったからね・・。

ただ‥不安だーって、思ってた婚約者様は・・優しい人で良かった。


「どうしましたか?」

「いえ。婚約者様が…カルム様で、良かったなぁと 思いまして」


「…」


 本当に良かった。他国の方‥というのも、興味深いけど。

穏やかな物腰の人・・落ち着く。安心感 あるな‥。



 みんなが、食事を終えて‥少しした後・・。


お父様から贈り物についての話が出て‥その山積みのテーブル近くに移動した。

・・少しの距離なのに、カルム様の手を取って‥ぅぅ‥恥ずかしい。


 少し、私の顔も赤くなってたみたい‥。冷やかさないで‥お姉様っ!



 山積みなのは・・良いけれど。これ、横から適当に取ったら・・雪崩が起きそうよ?・・と、心配してると‥お父様が、一番上から取って‥渡してくれた。


 両手に納まるくらいの‥緑のツヤのある箱。キレイな色の緑のリボンだ。

リボン や 紙を 丁寧に外し、エナが 別の小さな机に、置いてくれた。


 何? 花?? 少し‥重みを感じるけど‥。えー・・鑑定っと。



【 ウィラーダの花 】魔鉱石

エキャルラット州 コロカジールの洞窟 最下層の奥に、年1回程度しか出来ないと言われる魔鉱石。珍しい物。効力は、出来た年によって変わる為、謎とされている。今年の効果は、新しい物を生み出せる。



・・なんか、凄いのを貰いました。

「綺麗だけれど、何なのかしら?」お母様たちは、首を傾(かし)げてる。


 もしかしてコレ・・。

「ガロファノ兄様から・・でしょうか?」

「よく、分かったな。俺だよ。ほら‥前に『珍しい素材が欲しい』と、言ってただろ?」えぇ。凄いものを・・ありがとうございます。


「大事にしますわ」


その後はメイドたちから・・執事など、他の従業員から細々とした物を貰う。

「みんな、ありがとう。大事にするわね」


 大きな箱・・私じゃ・・持てないよっ。

箱を置いて‥開けていく・・・。


・・横で‥少し わく わく した顔の お父様が居るから、お父様から‥かしらね?


え・・何・・これ、凄い! 何か‥いろ いろ 入ったセット?

「まぁ!‥あなたったら・・」お母様は、何と‥すぐ分かったみたい。


「‥えっと、何か凄いですけれど」これは?

「様々な刺繍糸と、図案の冊子が入った物ですわ」


 どうやら‥カミリア姉様も昔・・貰った事が あるみたい。


「リモーネは、刺繍が上手いと聞いている。早急に必要にもなったのだ‥良いではないか・・」と‥母に、やや抗議してます。お父様‥ちょっとカワイイ。


「ありがとうございます‥お父様。大事に使わせて頂きますね」

「‥うむ」・・喜んでる。


次は、カミリア姉様から。上品な髪用のブラシだ。

 これ・・姉様 御用達の? やっぱ、そうだった。


とかすだけで、ツヤ ツヤになる・・ブラシ。普通に、嬉しい!


 お母様からは・・今日、着てる新しいドレスと‥もう1着のドレスは‥。

「えぇ⁈ お母様の‥手作り!?」す・・凄すぎます‥母上。


「もし着にくいようなら、いつでも言って頂戴」直すから・・と。はい。



・・今度は、ミュゲ姉様から‥カワイイ! 髪飾りだ。

「今、付けて…あげますわ」

「ありがとうございます。ミュゲ姉様」


 今日のドレスと・・同じ色合いの髪飾り。鏡で見せられた。

うん。服装にも合ってるし‥似合ってる・・と思う。


終わり頃になって・・色の違う箱・・。

・・あれ?


「どうしたのですか?‥カルム様・・」

なんで、そんな青い顔してるのです??


「具合でも‥悪いのか?」

「い・・いえ‥その・・」目線が、この箱に‥向けられて‥。


 ともかく‥開けよう。


・・これも、素材みたい。じゃ・・鑑定っと。


【 ヴィリロス アブニマーチの魔石 】魔石

遥か級 魔獣の魔石。人の想いを貯め込み、相手が聴きたいと願えば聞ける。


は?! え・・『遥か級 魔獣』??

 魔石の効果としては、すごく素敵だけど。


・・とっても、キレイな宝石にしか見えない…もの。


「ありがとうございます。カルム様」

「…よ・・喜んで頂けたなら‥良かった‥です」


「素敵な宝石ね」

「そうですね‥」見た目・・青い宝石だから、アクアマリンとか?


「よし・・これで、全部‥見たか?」

置いて在ったテーブル周辺をメイド達が見て確認してから・・。


「はい。旦那様」

「では、これにて・・リモーネの誕生会は、終了とする!!」

あ・・終わった。


 プレゼントは、それ ぞれ・・私の部屋用 納戸や、クローゼットに運ばれる。


「ところで・・カルム様」

「…はい」


「これは‥何か、入ってるのですか?」メッセージ的な‥何かは‥。

ボフッ ・・という音が、聞こえた 気 が し た 。


「‥‥ぃ・・」ん? 聞こえないよ?

あ・・察しました。大丈夫です‥。


 どうやら、何か言葉が‥入ってるみたい。時間が出来たら、聞いてみよう。

カルム様・・今までに無いくらい、真っ赤になってる。


  首から上が‥全部。耳まで。


ど・・どうしよう・・え・・どうすれば?


「リモーネ。一旦 部屋へ お戻りなさい」

はい。お母様。・・・でも・・カルム様が。


・・・はい‥お母様に任せて‥ 一度、部屋に戻る。


 部屋には、エナが居た。え・・着替えるの?

「今度は…こちらの服を 着て頂きます。手伝いますので」


ミュゲ姉様に刺して頂いた髪飾りも外し‥服を着替える。


  今度は、白に 金の刺繍の服装。


 いつもの・・ふわ ふわ‥フリルな カワイイ感じ…ではなく、落ち着いた雰囲気な服装。


 赤い帯と、赤いだけの髪飾りを、付けられ・・靴も‥平たいな‥。


 また、バタ バタ と‥誕生会の飾りつけが外されていき・・。

え・・見たら‥ダメなの? むー・・仕方ない。


 机に戻って、刺繍の続きでもしよう。


よし・・なんとか、外枠は出来たかな。中は・・けっこう複雑だけど、先生の図案の裏に、細かく‥どこから どう縫えば良いかが、書いてある。


「ありがとうございます・・先生」


1段階‥縫い終わる頃・・呼ばれる。

・・再び部屋を出る。途中までは、いつもの家の中だった。



 今度は、食堂ではなく・・奥の‥カルム様と お話する部屋へ。


お父様、お母様・・カルム様も、私と同じ‥独特な雰囲気の服装を身に着けてる。

 カルム様のは、私と同じ感じだけど‥。お母様たちのは、色が反転してる。


赤の衣(ころも)に、金の刺繍・・白い帯・・だった。


 少し前に、簡単に教わった事を思い出し・・・席に座る。



カルム様も座り、両親が向かい合う形で‥あちらは、ソファが片付けられて無い。

 正座・・してるみたい。


ローテーブルには、契約の紙と・・白い分厚い感じの・・陶器の器。

 何か・・入ってるけど・・お酒?


厳(おごそ)かに始まり・・これが『婚約の儀』らしい。


 両親が、ぶつ ぶつ 何か唱えてるけど・・聴こえない。

鑑定しても・・液体が酒と判明しただけで、終わった。


 契約書に・・カルム様の名前・・私の名前を書く。

白い紙で作ってあるかのような、指輪を相手の・・小指に付ける。


・・・私から・・そして、カルム様から受け取ると…。


 不思議な事に…その紙は 線だけ になって、小指に‥吸収されたかのように消えて、無くなってしまう。


同時くらいに、契約書も…消えて、無くなってしまった。


「これにて、婚約の儀は‥終了となる」

「お互いを認め支え合い、その時までに‥」・・はい。


 『その時』とは、結婚する時・・らしい。


 16歳~20歳の間に、両家で決めた条件を達成すると‥住む側の家にて、会場が用意され・・移動後に、結婚式が行われるそう。


 私の場合は、まだ婚約の儀が 終わったばかりだから、条件うんぬんは・・これから‥って。何になるやら・・。


 だいたいは・・20歳までに『苦手な事』で、成果を出す事‥。

だから、カミリア姉様は‥刺繍になったんだ…。


 私の苦手な・・こと・・ねぇ。


再び部屋に戻ると、いつもの服装に着替えた。

 部屋を出ると、もう甲冑姿のカルム様を見つけた。


「今から、騎士団なのですか?」


「はい。いってまいります」

「いってらっしゃいませ。カルム様」


微笑んで頷(うなづ)いて・・出かけて行った。


・・今日の私は、リモン・・お休みします。

※違反により撤去となった店は、数日の内に 建物ごと 撤去され更地になる。住居でも ある場合は 店舗のみ 破壊される。壊すのは 魔法で 商人ギルドと提携してる 冒険者グループ。作業中は特別な腕章をつけている。


※カルムの「…」は、赤面してるだけです。そして リモーネは 見てないので 気づいてない。


【ウィラーダの魔鉱石】(アラビア語・誕生)

ピンク色の バラの花 部分のような形をしてる魔鉱石。岩に 花から生える形で 出来る。取られた時期によっては 丸1年 経っても出来て無い場合もある。長い時間をかけ 形になる 謎の鉱物。その年ごとに 効果が違うらしいと 言われている。※今まで 入手した者たちは鑑定 出来なかったし 本人は 金に換えてたので効果の記述は残ってない。


【ヴィリロス アブニマーチの魔石】( ヴィリロス = ギリシャ語・アクアマリン / アブニマーチ = ロシア語・抱く ) ヴィリロス アブニマーチという ロフォス国 最大の難敵で 遥か級 魔獣の魔石。中心部分に在り 素材として出て来る 貴重な素材の1つ。特性は 想いや 言葉を蓄え、い つ で も 聞ける というもの。


※遥か級 魔獣の魔石について = リモンが 頼まれて作った 超 巨大戦斧で ロフォス軍 団長が倒した際、副官も同行し それ ぞれ軍団長本人により1つ づつ 報酬で渡された物。カルムは この魔石を受け取って、最初の方は ただの お礼だったが 次第に リモーネへ の 愛を勢いで吹き込んだ。途中 気づいて止めた時点で 何を入れたか 分からなくなり‥そのまま箱に仕舞われる。魔石が綺麗とかより 何を入れたか 不安になって 青くなってました。


※カルム‥赤面後の「…ぃ」は‥「はい」と言ったけど‥後ろが小さく聴こえただけになったせい。


【婚約の儀】

婚約の儀には『魔力を ある程度 持ってる血縁者』が 男女 居る事で行える。貴族は 大抵 子の親が行うが 平民は 神殿で頼んで行っている。契約書と 小指に付ける指輪は 神殿で作られた物。婚約の契約書に 婚約する者達が それ ぞれ 名前をフルネームで書き、その者達の前に居る者らが 契約の文言を唱える。すると 小指に付けられた指輪は 契約書が消えるのと同時に 消 え る。契約は 魂に刻まれるが 本人達に自覚は無い。なお 陶器の器に 酒が入っていたが、あれは 神に捧げる酒であり 婚約者たちは飲まない。ただ‥婚約する者達が どちらも 成人 ( 20歳 以上) であれば 少しづつ飲む事は 許されている。


次回、リモンの休日なのに・・。あれや これやと‥やって来て・・・

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