132瓶 婚約者
石碑 巡りツアーは、無事に 終了。
報酬‥重かった。トランさんに渡せたし‥本でも‥なんて思ってたのに!
‥母から「帰って来なさい」と言われ帰宅後すぐ‥あちらは?
… ど な た ・・なのだろう?
軽い挨拶の後・・相手の前に座る事になる。
「リモーネ‥」はい。
男性が、こっち 見た。優しそうな、穏やかそうな人だな‥という印象。
「‥こちらは、カルム・クルデーレ。あなたの婚約者となる方よ」
・・・はい? え⁈ 今、 ” 何 ” って 言いました??
こ・・婚約者?! 目の前の人が??
ハッ 失礼しました。相手の人‥哀しそう‥いえ・・嫌がった訳では‥。
「カルム殿、こちらは末娘の リモーネよ」
「…お初に お目にかかる。カルムと‥申します」
「リモーネ・ヤトゥロスです。初めまして」
お見合いも 未 経 験 だけど、こんな感じで‥良いのかしら?
「リモーネ、カルム殿は 他国の方なの。失礼の無いようにね」はい。
スッ と 立ち上がる お母様に続いて立とうとしたら、止められた…もしかする?
「あなたは…カルム殿と、お話してなさい‥ね」うっ…はい。
え?‥はい?・・『様』を付けて呼ぶように・・分かりました。
…しかし、何を話せば…いきなり過ぎて、何も思い浮かばないよっ!
えっと‥えっと・・何か・・ぁ・・鑑定しておこう。
・・今日、来たのは‥予定通りだったのかな?
う"げっ…口に出しそうになって、慌てて 息を呑み込んだ。
・・何・・この人の ステータス・・怖っ!
初めて‥見ましたよ‥‥9千なんて、体力 持ってる人…。だって 州軍は‥カエルレウスの人だけ…見てないけど、基本的に 千 前後なのに。
き ゅ う せ ん ・・何・・怖 過ぎて、話題 どう こうじゃ‥無くなったよっ!
魔力も900とか・・強いんだ…この人。
ん?‥なるほど、そうでしょうね・・・。
説明の所に、ロフォス国軍 所属の白って‥なってたし。
・・・ん? ロフォス‥国?
あ、そういえば 母上が『他国の』って、言ってたねぇ。
あの…「ロフォス国とは、どういった所‥なのでしょうか?」
「!・・ロフォスは、一面 草原に覆われ、大小 様々な丘のある国ですよ」
驚いた後の・・この、笑顔‥優しそうな人。親切に、教えてくれた。
・・丘の・・あれ? つい最近‥その文言を‥聞いた気が…。
「あの‥聞いても良いですか?」
「はい。なんなりと」すみません。
「『黒の兵』と聞いて、思い浮かぶ方は・・居ますか?」
・・長老の『敵じゃない』は、怪しいけど。
「黒の‥。それならば、我が国の…軍団長でしょうか」え?
「黒は・・髪の色ですか?」
「確かに、髪も黒いですが‥。それ以上に、ご本人 特注で作らせたという『黒の鎧』が、あの方を『黒の』と…呼ばせてる所以でしょう」
・・特注で・・鎧が、真っ黒って…。何それ・・変な人・・・。
でも『軍団長』なのでしょう?
強さ を 誇示する為‥とか…かなぁ??
「…その、軍団長が‥カルム様の上司なのですか?」
「‥はい」
大変ですね…。他の人は、普通の甲冑で‥その人だけ、黒でしょ? 目立つね‥。
「それだけ、強いので‥誰も、文句を 言えないのが‥困りものです」
「カルム様・・よりも?」
チェントロ国の軍団長 や 冒険 ギルド長 全員 居れば‥な ん と か 互角?と 思えるステータスなのに‥。それ以上って・・。
「私 以上です」
・・聞く所によると・・その人‥。
11か国の中で トップ の 能力値らしい。何それ・・怖 過ぎる!!
しかも、同格の能力者が・・他の国に‥もう ひとり 居るって。
今‥魔王獣 出ても・・その人らが 居れば、大丈夫じゃない??
‥なんとも言えない‥顔・・してたみたいで‥。
「・・大丈夫ですか?」あ・・はい。心配されてしまった。
カルム様とは、いつの間にか‥普通に話せてる。
この方よりも、怖い人の話をしてたから…かも。
「そういえば、今回の訪問は‥以前から、こ の 日 と‥決まってたのですか?」
母から、何も聞かされてませんでしたけどねぇ・・私。
「実は・・予定よりも、早く到着しまして‥」
そうだったのですか?
・・え”…その黒い軍団長・・自由 過ぎない??
理由が‥『商人 リモンを、見たいから』って、どういう事なの?!
「その商人リモンという少年は、この国の方ですよね?」えぇ‥はい。
・・そこから、この間のトランさん並み な‥尾ヒレ噂の過大評価を‥話してる。
うぅ・・恥ずかしい。リモンの時みたいに、途中で 止 め た い 。
今は、リモーネだもの・・我慢 し な い と ・・くぅ
「リモン殿に、依頼したい事が2点ほど・・ぉっと‥すみません」
・・これは、言ってはいけない事でした・・って。
聞き返したいけど・・止めておこう。
「‥その‥私からも、構いませんか?」
聞きたい事ですか? どうぞ。
「ありがとうございます。自分、今年‥24になるのですが‥」ん?
・・あぁ。年齢差の事を‥気にしてるみたい。
リモーネは、確かに14だし‥もうすぐ、15になるとはいえ‥。
でも、中身・・30歳の私・・凛だからね。
カルム様、まだ まだ お若いですよ。私よりも。
「気になりません。仲良くして下されば、嬉しいです」
「…はい」
あれ? 少し・・顔が赤い? カルム様・・。
『コン コン コン』はい?
扉が開いて・・ぁ・・お母様。
「‥お話し中、失礼しますわ。少し、宜しいかしら?」
「はい。構いません」・・カルム様の顔‥戻ったみたい。
私の隣に、再び座り直す・・ん? 少し斜めに座ってる?
「リモーネ、伝え忘れていましたけど‥」何ですか?
「こちらの カルム殿は、数日間‥。この家に、滞在します」え?
「普段‥日中は、騎士団に行きますので‥」
あぁ・・そっか。軍団長の‥ お も り ・・ですね。
「ですから、明日から‥日中は 会えませんが、夕食は 一緒ですからね」
「分かりました」
・・家族に紹介と、馴染ませる為でも‥あるらしい。なるほど。
「カルム殿も、ここを我が家と思い‥お寛ぎ頂けると、良いのですが」
「ところで‥何日ほど、居るのでしょうか?」
「…」 ん? 変な事・・聞いた?かな・・。
「‥約‥5日程度と、聞いていますわ」そうですか。
お土産、何か渡したいね。何にしようかな・・。
「予定よりも早く来たばかりか‥長居まで‥申し訳ない!」は?
「‥えっと?」
「あなたの言い方が、悪かったのですわよ」え?!
「す‥すみません。カルム様・・決して そのような意味では‥」
‥いきなり 帰るとか言われたら、困るから‥先に聞いただけなのに。
「そういう時は『いつまで居られるか?』ですわよ」あー・・はい。
「それから‥」
まだ、あるのですか?・・ぅ・・いえ・・なんでも‥。
「‥それから、4日めには‥あなたの誕生日会をしますからね」え‥。
そんな時に、誕生日するの?!
‥本当は、誕生日の日に合わせて、来る予定でしたのに‥と、母の口から 小さく零れてた言葉を聴いた。そうだったんだ‥。
予定が早まったのは・・ロフォス軍団長さんのせいですよ・・母上!‥と、言いたかったが・・止めておいた。カルム様が、また謝り出しそうだったもの。
ひとまず、今日は…家の中を案内されたり、騎士団に挨拶に行くらしい。
「さぁ、リモーネも立って‥。ご挨拶なさい」はい。
「それでは、カルム様‥。また、夕食時に」
「はい・・」
礼をして、部屋を出ると・・父から届いたという、封筒を受け取る。
え・・紫じゃんっ。緊急?
「お部屋で 読んで、対応なさい」はい。
母にも礼をして、部屋に戻った後・・・手紙を開く。
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リモーネ、至急 支度して‥別荘へ 行け。
ロフォス軍団長が 来ている。早急に、会わせろと 煩いらしい。
なるべく汚れてない、綺麗な服装でな。別荘に着いたら灯りを忘れないように。
すぐ、迎えの兵士が来るはずだから、玄関に居なさい。良いな!
父より
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・・軍団長!! もぅっ 忙しいっ・・仕方ない。
綺麗な・・うーん。
まだ、袖も通して無かった服が在る。これで、良いかな。
ブローチを付け直して、お守りも‥ボタンに‥よし・・付いた。
・・書き置きは、毎回 同じだから‥流用してる。
転移!
・・よし。荷物 確認・・帽子‥被って‥と。ポチッ とな。
『 キン コン 』早っ! 目の前に・・ 居 た とか?
「はい・・」
『商人リモン殿! 早急に支度をして頂きたく!』の辺りで‥玄関を開くと‥。
兵士2人が居た。知らない人達だ。
「すみません‥。軍団長に、至急‥お連れするようにと言われてまして」
「ご同行・・願えますか?」はい。
‥でも、どうして 2人も 居るんだろ?
え?・・あぁ、時間差で「呼んで来い」って‥言われたみたい。
すみませんね・・家の都合で‥出れず‥えぇ。
少し‥駆け足になって‥軍内を移動。
軍団長の部屋に到着すると、入口の兵士が‥すぐ中に伝えて、開いた。
ぶわっ!!!
いきなり、強風を 顔に受けたみたいに‥苦しっ・・何?!
「どうした?‥入って来い‥リモンよ」は・・はい。
「失礼‥します」この風みたいなの・・皆さんは‥気づかないのかな?
軍団長の部屋って、基本‥窓 無いのに。
‥なんとか、軍団長の机の前まで‥ぃゃ、近くまでは‥来れた。
これ以上は・・何か 分厚い風の壁に 阻まれてるような、行っては イ ケ ナ イ ような? 何か‥分からないけど、顔を上げる・・え・・黒い‥鎧!?
ひえっ 聞いたばかりの‥軍団長じゃ?!
「リモン、来てくれて助かった」何が・・ですか?
軍団長の横に立ってる・・真っ黒な鎧で、全身 包んでる人‥ 一歩 前に?!
くぅっ この人が‥風を起こしてるの?!
さっきより、強い風を感じるよぅ。うぐぅ・・
「こちらは、ロフォスから来られた、軍団長で‥」
「俺様は、アヴィド・アウダークスだ。おまえが、例の子供商人か」
アヴィド‥さん・・えぇ・・って、相槌も‥ままならない。
忘れない内に‥鑑定しておこう。
・・・ふぎゃっ!?! 危ない‥声に出る所だった。
体力‥いち・十・百‥千・・万?! 6万??
・・ひょえぇぇぇ‥怖いよう・・怖 過ぎるっ!!
ひぃぃ・・この風も‥殺気とか言う?
いや‥殺気だったら、ここに居る兵士‥ほぼ、気絶するんじゃない?
私も含めて・・。それよりも‥これ、気になる…。
説明の中の‥特殊スキルに‥『心読』って・・何??
この風みたいな威圧感よりも、更に 怖 く な っ て しまった。
・・エキャルラット州の軍団長さんが、何か‥いろ いろ 話してるけど。
それ、私に‥関係 あります?
うぅ・・気持ち悪い。早く去りたい‥。何より‥あの目つき‥ぅう・・。
避難したい。どこか・・隠れたい‥。
なんとなく・・あそこなら・・・と、斜め横に‥少し づ つ 動いて‥。
白いマントだし、副官さんの後ろに到着。ふぅ・・息が 出来る。
‥あの人、マジ ヤ バ い 。怖いっ!
「‥どうして、そこに・・移動したんだ?」
あんたが、怖いからですよっ!‥と、言いたいけど‥言えない哀しさ。
「へ ぇ ?」ん?
さっき以上に、上から目線的な 見方してますけど・・あの黒い人‥。
いや、顔は白い。髪は 黒い ストレートで サラ サラ。目は、紫色だ。
体力‥6万越えで‥怖 過ぎるけど、魔力は‥なんか・・少ない。
攻撃 特化系の人かも。魔力 少ないから、魔法は苦手かもね・・。
「ほう?‥おまえ、俺の能力値が・・見えてるのか?」え…。
・・・ ま さ か ・・。
わた・・いや、僕の心の声・・聴こえてるの??
「聞こえてるぞ」
げっ‥ヤバさ‥倍増・・・。
ひぃぃぃっ…・・いや‥待て。物は考えようだ。
この‥『喋ったら怒られそう』な空間で、会話が出来るって事では?!
こっちの想いが、理解 出来るなら・・。
口を 固く結んでても‥通じるなら!!
さっさ と、用件を言って下さい!!
うぐっ‥近づかないでよっ‥苦しい‥‥。
・・誰かに 渡して貰うとか、出来るでしょっ!
こっちの身にも なってよね・・・もぅ。
怖 過ぎて‥いつの間にか私‥この副官さんに、しがみ付いてた。
「大丈夫ですか?‥リモン殿」優しい声だなぁ‥。
ど こ か で‥聞いた気も しますが・・・。
上を 見上げると、背に抱きつく形の‥私を見る‥顔・・え!?
カルム・・さ・・いや・・えっと・・。
「なんだ?…俺の事は 知らなかったのに‥。カルムの事は 知ってんのか?」
ぇ・・えーと・・避難 場所として選んだのが、よもや‥この方の後ろとは。
・・大丈夫じゃないです。副官さん‥。あの黒い人‥マジ・・怖い。
【カルム・クルデーレ】リモーネの婚約者様。
ロフォス国軍 統括 軍団長 副官の白。クルデーレ家は貴族。貴族だが 一般人と 大差 無いらしく 実力で今の地位に就いた。元々は 赤。アヴィドに副官 任命されてからは ずっと白。元々は 婚約者が居たらしいが…。男 / 23歳 / 茶色の髪 / 緑の瞳 / 188cm / 基本は 穏やかで優しい物腰 の は ず だが 何故か恐れられている。無表情だと 女性や子供に 怖がられる事が多い。リモーネに会った直後は い つ も のように『怖がられてる』と思ってたが 国の事を聞いた後くらいから 普通に話してくれる事に 安堵していた。「仲良くしてくれれば」の言葉に 惚れた ようです。
【ロフォス国】(ギリシャ語・丘)
位置的には チェントロ国 カエルレウス州 漁村の塀の反対側 辺り。一面 平原が広がり、大小 様々な丘がある。空を飛ぶ魔物や 遥か級の魔獣なども 出る。騎士団は 全国でも優秀な者が 多く集まっている。全国1位 その内の1人が『黒のアヴィド』軍団長と 知れ渡っている。ほぼ 魔物素材での流通を 確立している国。隣国には、ガーバート・チェントロ・カムプスが在る。
※お辞儀は、日本での『お辞儀』と同じ。礼は‥ほら、よくドレス姿の人がする スカートを 少し持ち上げて 軽くお辞儀する‥アレです。
※軍団長の部屋に入る際の風 = ロフォス 軍団長の 能力の高さ と 覇気 によるもの。しかし騎士団兵は その甲冑により 緩和されてる為 気づいてない。強風のように 本人から 吹き出ている。副官・カルムの後ろだけ‥影のように見え 移動‥息が出来た。
※軍団長室に 窓が 無い理由 = 作られた当初は 窓が 在ったらしい。しかし軍団長の座を 狙う者により度々 壊された挙句に 窓 自体が 無くなったと言われている。
【アヴィド・アウダークス】( アヴィド = イタリア語・強欲 / アウダークス = フランス語・大胆 ) ロフォス国軍 統括 軍団長。全国1位の能力を有する人物として知れ渡っている。同 全国1位の ブルカーンの軍団長と 時々 戦ってるらしい。本人 特注の『漆黒の鎧』を 常に着用している。少々 子供っぽい所もあるが 実力は半端では無い為 恐れられている。男 / 23歳 / 189cm / 黒髪 サラ サラ短髪 / 紫の瞳 / 黒 / 副官は カルム以外に2人 居る。世間で話題の『商人リモン』と 会う為に軍を動かして来た。特殊スキル『心読』は 相手が 脳内で考えてる事を 読み取れる 能力。リモン本人と出会い 気に入ったようで‥。今後も無茶振りが来そうです。
※リモン自身は 気づいてない が けっこう 顔に出るので、アヴィドとの会話で 何を考えてるか‥周りの兵士 ( 州軍 団長や その副官 ) は なんとなく理解している。
次回、その怖い人からの依頼が・・また‥とんでもなく・・・




