130瓶 ヴァーベン家
長老は、不思議な印象だった。
全てを 知 る も の ‥。
レックスさんに お土産を渡した翌日‥早朝に・・・
港の船が・・漁に出るのと同じ頃・・起こされ‥。
知らない ご老人の後を…ついて歩いてる所です。
トランさんに聞きたくても、口を開くと 怒られそうで…出来ない。
・・どこまで‥行くんだろ?
え? どこ・・あ・・訓練所だ‥。ここ?
・・いや、ここも通り抜けて‥どこへ??
しばらく、廊下を進むと・・また、広い場所に出た。
でも こっちは‥酷く‥あち こち 傷だらけだ。
ぅわっ おととっ 躓いた。危ない。
・・あれ? 私服だけど・・見知った顔の人が‥立ってる。
こっちに 気付いた。でも、動かないや・・。
「おはようございます!リモン殿!!」
相変わらず、元気いっぱいですね・・。
やっと‥到着?
「おはようございます・・ビハイルさん」
「トラン殿も、おはようございます!」
「おはよう・・ビハイル殿‥」
「挨拶は良い! それよりもじゃ…この・・これを‥」ん?
「ビハイル! 早よっ 取らぬか!」怒られてる‥。
四角い箱から出したのは・・・。
見た事・・ありますね・・それ。
・・最近・・見た・・・気がしてます・・・うん。
「リモン殿、素敵な武器を‥」
「待て!ビハイル!」遮られてる‥。
「これを、作ったのは・・本当に‥おまえのような 子供 なのか?」
「父上!・・リモン殿は、以前にも‥それは素晴らしい武具を!」
ウィリディス州での‥討伐前に、武器と 盾の納品した事だろうね。
『父上』って、呼んでた?! え・・お父さんなの??
てっきり・・おじいさんかと…失礼しました。
「リモン殿、今の内に 教えておきますが‥」ぁ‥トランさん。
「目の前の方は、ヴェーベン家の現・当主様と、ご子息様です。ヴァーベン家は、国内の‥あらゆる武器の性能を、確認する家柄でして‥」
・・なんか、前に‥聞いた事がある・・気もする。
「‥それで、どのような御用でしょうか?」
武器の作り方は、秘密で‥としか、答えられない。
それに、石碑巡りは‥期限付きだから。早く行きたい。
「‥これは‥何を作ろうと思って、作った?」え・・。
「ビハイルさんの武器として・・作りました」
素材は、入ってた物を使っただけで‥他には、使って無いよ‥。
「これの名は?」え”・・言わないと・・ダ メ ?
「‥すみません・・『ビハイル』に なってしまいました」しく しく 。
「おぉ!私の名前が、武器の名に⁉ 素晴らしいですぞ!リモン殿!」
ビハイルさんだけ、喜んでる。本人が良いなら‥いい・・よね?
「武器の名が、本人の名‥なのですか?」そうなんです。
「自分で付けると‥思って無くて‥口走ったまま・・」
「…武器は、作った方が‥名前を付けてるものと、思ってましたが‥」
そうなの?・・私が今まで作った武具は、勝手に名前が…付いてたけどね。
「このような物になった要因は、何と考える?」
・・そりゃ、アレじゃない? 貴重な鉱石・・・。
「『モカッダス岩』という 希少な、鉱物を使ったせいかと」
『モカッダス岩?!』
トランさんと、おじいさん・・いえ、ヴァーベンさん‥ハモった。
「そのような 希少な物を、素材として送ったのか?!」
「はいっ! 自分が取って来た物ならば、良いと言ったのは…父上では ございませんか!」・・あれ、取って来たの?? すごー・・。
「凄いですね・・ビハイルさん」前々から、凄い人とは思ってたけど・・。
なんか、さらに 嬉しそうな顔になってる。
「…やはり、モカッダス岩か・・」
「取るのも困難と言われる‥伝説の鉱物…ですよね・・」
不思議な事に、この神の武器・・作った時‥。
いつもなら、普通に作る際のレシピが、出るはず‥だけど‥‥。
これには、出 な か っ た 。
だから、同じ物を量産・・は、出来ないと思う。
「…同じ素材ならば、同じ物を作れるのか?」
「いいえ」レシピが 出てないもの。
「たぶん…同じ素材を、同じ量 使っても・・それ ぞれの魔力量は違います。同じ物になる可能性は あっても、全く同じ物には なりません」
・・それは、他の武器でも 同じこと だから。
形が同じ物‥というなら 量産は 出来る。素材さえ・・あればね。
でも、全部‥攻撃力が 変 わ る 。
たぶん‥それは、私が正攻法で・・作ってないから。
鍛冶屋の職人さんが作るのと、たぶん『違う』。そのせいだと思う。
「…ふむ。そうか・・ところで・・・」はい? まだ、何か?
「年は・・いくつだ?」え? 変わってないですよ。
「14です」
「なぬっ?!」・・なぬって‥言われてもね‥。
「父上‥まだ‥のようです」
「ふむ。では・・最後に ひとつ、問う」はい。
「長老に・・『何』と、言われた?」何・・って・・。
何 と 答えれば? いろ いろ 言われたけど…。
「‥星を‥集めよ・・と、言われました」
まだ、聞きたそうだったけど‥。
トランさんが「質問には答えたので」と、お辞儀して戻ろうとするから…。
私も、2人に お辞儀して‥その場を離れた。
施設の入口で、キトゥリノ州に繋がる 内側の門を 通り抜ける。
「あ!‥すみません・・リモン殿…」どうしました?
「食堂に・・寄り 忘れてました‥」あー・・。
騎士団の甲冑姿では、他では‥食事が しにくいらしい。
「それなら、はい・・どうぞ」
朝昼 兼用で・・野菜と お肉の炒めサンドを食べる。
「…申し訳ありません・・ぉぃしい」
「気にしないで下さい。今日は、仕方 ありませんよ」
・・でも、どうして…いきなり?
「どうやら‥あの武器は、ビハイル殿 本人しか‥持てないらしいです」
騎士団内で、ちょっとした ウ ワ サ に、なってたらしい。
作りたくて 作った訳じゃないんですよ・・と、言って‥信じてもらえると良いけど‥難しそう。でも‥あの素材、ビハイルさんが ご自身で?
「あの、希少な鉱物って‥どこに在るのでしょうか?」
「…さぁ・・自分は、存じません」そうなんだ。
食事を終え、今日のノルマ‥もとい、石碑を読みに行きましょう!
「石碑・・あと、どこに在るのですか?」
「ここは、町の地下街と‥カエルレウス州では、城内ですね」
「お城って・・僕、入れないのでは・・」
「聞いたのですが、今回だけ 服装は自由で 良いそうです」大丈夫?
「石碑 管理者が、案内をしてくれるそうですよ」へぇ
だけど・・お城は、先じゃなくて後になった。まずは・・・。
キトゥリノ州 エレフセリアの町・・。
地下街なんて、どこから行くのかと思ってたら・・騎士団 施設内から、普段‥行かない方向の道に進み…。
地下牢に続くのでは?と 思うような、階段を下り‥やっぱ、地下牢ある・・。
今は、誰も捕まってなかった。
そこを進んで行くと、兵士の詰め所のような場所と・・手洗い所が。
寄るか?と 言われるけど、今は 大丈夫と答え・・突き当りの壁に到着。
「少し、待っていて下さい」はい。
ごそ ごそ と‥どこにポケットが、あるのですか?って‥言いたくなるような背中側から、手帳?を取り出して…。
壁の‥長方形 や 四角い でっぱりを・・押してる。
ガコンッ !?
ゴゴゴッ ズズッ…
壁だった所! 扉のように・・開いた!!
・・ストッパーのようなものを、かませ‥手帳は、仕舞ってる。
「お待たせ致しました。リモン殿・・参りましょう」はい。
薄暗い中を‥進む。暗いなー・・。
「…あのー」
「どうしましたか?」
ここ、地下だし・・暗いんだよ・・。
「これ…撒いても、良いですか?」服に付かない改良版。
「‥それは?」
「壁や 床に付いて、光る粉です。半日も‥もちませんが・・」
それは、改良した際に 効果が 半減したせい なんだけどね。
「‥はい。どうぞ」ありがとうございます。
粉・・撒いたら、目の前に魔物!・・とかに、なりませんように。
瓶を傾けると・・撒けるけど‥偏る。
だから、綿に棒さしただけの・・で、粉 付けたら‥軽く振る。
セーカで・・吹き飛ばして広げてく。
セーカ、レベルアップしたら・・風が 吹き出るようになったんだ。
・・今までは、風も無いのに乾いてたけど。あれも、謎だったね・・。
よし・・これで、見やすくなった。
「とても、便利ですね・・」そうですね‥え?・・売りません。
・・なんか、売って欲しそうだけど…。
「どうして・・ですか?」
「洞窟の内部 調査などで、下層に降りて行くほどに‥暗くなっていくので‥」
ふむ。普段は‥たいまつ持ってる兵と‥コンビで、動くらしい。
でも、それだと‥咄嗟の時に動きにくいし、たいまつ持ちが危険。
「これを 最初の入口で撒けば‥たいまつが必要 無く、安全に調査が出来ます」
確かに。
今回の事を、きっと報告するだろし、依頼で来たら作りますよ‥と 伝えておいた。粉を撒いた事で・・ここが、地下街という事が‥認識 出来た。
建物の名残。ほとんどが、壊れてるし・・使われてない。
「この地下街は‥過去の大戦時に、魔物や 魔獣に蹂躙された町だそうです。その後、この上に…新たな町が建造され、今の・・」
エレフセリアの町以外にも、大樹の周りの町は・・どこも、こういう場所が 在るのだとか‥。という事は・・アルドルも?
「改修しないのでしょうか?」
「‥しないと思います」そうなんだ・・勿体ない。
「‥なぜ、そう思ったのですか?」ん?
「今は・・過去に出たような『恐ろしい魔物』や 魔獣が居なくても、いつか‥また出た際に、この地下の町が‥ある程度 使える状態なら、避難所に良いと思って‥」
つまりは、地下シェルター。避難する場所…在るのか・・怪しいし。
塀が‥どのくらい、守ってくれる物なのかも不透明だし。
「備えあれば憂いなし‥と、思っただけです」
やるか、やらないかは‥国で、決めればいい。
「…」
いくつかの、横道を通り過ぎた頃・・・。
「リモン殿・・到着しました」
「これまた、長ーーい‥石碑ですね」
明るいとはいえ、文字を書くには暗い。どうしよう。
・・石碑の文字は、変換された文字が浮き出てるから・・読めるけども。
「これで、どうでしょうか?」
・・杖? 細い‥杖のような、棒の先端に、光が灯ってる。
「ありがとうございます!」明るい。
あぁ・・これ、7英雄の・・活躍とか、その後の復興に関する話。
『 歴史 』だ。
ん? 何・・?
『 トドメキアン 』?・・何の言葉か、分からないけど・・でも、人の名前っぽいんだよなぁ・・長いけど。
その名前の何かが、大樹と融合して、国を‥町を・・人を…守る『 白い塀 』を、創り出した‥って。
相棒のように、傍に居た魔獣は・・聖獣になり、大樹の地下で‥。
それって、長老に逢った時の…あの、更に地下に居た・・アレって事?
…その後・・『7英雄は、力の宿った物を この地に残し、各国に散って行った』。
国は、11か国ある。 その内の1つが‥ここ、チェントロ国。
ここには、居ないから・・10か国の ど こ か に?
今は、行く方法を知らないから、確かめようが無いけれど‥。
別荘の書庫の・・本には、何か無いのかな?
戻ったら、探してみよう。
ふぅ「書けました」
「では、戻りましょう」はい。
来た道を戻り・・壁を元に戻し・・施設内から、カエルレウス州へ 移動する。
そのまま‥城の入口の兵士と会話し、印章と ピンクの依頼紙を見せると・・中に通された。入口のフロアで・・待たされてる。・・緊張する‥無駄に。
数分 程度・・待った・・だろうか・・・。
奥から、足音を響かせ‥こちらに来る気配。
「お待たせ致しました。商人リモン殿と、護衛のトラン殿‥」
挨拶しようとしたら、止められ‥お辞儀だけする。
そのまま、身振りで「こちらへ」と。
城の中は・・白い柱や 装飾が印象的で、壁や 床の敷物・・家具などは、鮮やかな青 や 紺が 使われていた。とても・・オシャレで・・。
金色は・・・見当たらなかったのが、少し‥不思議だった。
お城といえば、金ピカ‥というイメージが…強いせいかも。
ここも、地下に在るようで・・階段を、下って行く。
どこも・・牢屋は、地下に在るよね。逃がさない為だけど・・。
って・・え? 中に入るの? 牢屋に???
※ビハイルに送った『神の武器』は、ビハイル本人しか 持てない物になった。
※セーカ Lv.3 = 風が 吹き出るようになった。持った状態で『吹いて』と 思うだけで 切り替わる。黄色1色になっている。
次回、最後の石碑と・・・




