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124瓶 白い池

花嫁修業も無事 終わり‥。

 依頼も、不備が見つかり 破棄となる。


誕生日に 何が欲しいか 聞かれて‥困ってしまった。

 さて、今日は久しぶりの・・・

 リモンに 変 身 ・・というのは、要らないが。薬を飲んで・・。


そういえば、今度‥薬が切れたら、当分 飲まないで‥と、言われたけど。

・・何で‥だろ?


男子服に着替え・・今日は、採取・採掘だから‥長袖・長ズボンで。


 防具は、向こうの家に着いてから・・にして、町を出る前には武器も装備し、構えて‥行かないとね‥。まだ‥きっと、ワシャクが出るだろうから。


ワシャクの素材、けっこう高いし‥需要あるみたいで、よく依頼の紙が出てる。


 門兵さんに「久しぶりだな」と言われた。ですよね・・。

挨拶も早々に、早く行かないと‥帰る時に 夜になってしまうのは マ ズ い。


ペリペティアの森までは‥飛んでも良かったけど、戦えるか 確認したかった。

問題 無かった後に飛んだ。戦い方、忘れてない。教えて貰った事も‥覚えてた。


 予行練習に‥ワシャク戦して、森の鉱山へ。

2階層までは・・降りたんだよね。地下2階って事になるのだろう。


 今日は、途中の鉱物は採掘しない。このまま、3階層へ 降りてみる。


ギルドの話じゃ、4階層までは‥敵が ” 襲って 来ない ” と、聞いたからね。

 でも今日は、ひとまず・・3階層 探険よ。


1階層は、ツクルス や サボ石が あって・・。

 2階層は‥重く綺麗な ジャッド や 他の鉱物が多くて‥。


さて‥3階層は?  降りて行く時、一応・・武器は‥構える。


 最近は、オリヘンで ” 猛毒の霧 ” が、発生した事でって、ホントは‥猛毒の『キノコ胞子』の霧が・・だけど。森に行かない人が‥増えたみたい。


 人で、溢れてるよりかは‥良いけど。


わぁ~…・・鍾乳洞みたいな内装になった。


・・あれかな? 白い池が在るって言ってた。

確かに・・白い。何で、白くなってるかは・・分からない…らしい。


 水を掬(すく)っても、透明だったみたいで・・って、事は‥池の底とかが、白いだけ‥とか? 掬う‥手桶は、別荘の風呂場に置いてきちゃった。


あ・・前に、掬う為にと買った・・お椀で良いか。道との境めが‥分かり難い。

・・気をつけないと‥じゃぼんっ‥って、落ちそう。


一応、お風呂場にも、印‥置いてある。どうせ 帰ると、すぐ お風呂だもの。



 掬ってみたけど・・確かに、透明だ。


お椀を地面に置いて‥鑑定してみる。池には・・そういえば、してなかった。


・・・は? え?!





【 シェファフの卵 】特殊 魔物

その姿は、透明ゆえに 卵でも 成体でも 透明で、よく分かって無い。調べようとした者も 過去には居たが、いずれも、すぐに消息不明となった。泉のように見えるが、すべて 卵。近づかない事を お勧めする。成体も透明な姿になるが、人を襲わないと言われている。



・・・え・・卵・・なの?? 水じゃ…無いんだ・・。


カタッ ん? あっ・・


さっき掬って、床に置いた お椀…。欠けてる…え・・ちょっと待って‥。

 靴‥こんな・・小さな穴‥開いて無かった・・。


・・なんか・・ ヤ バ い ‥?!


ただの水を かけたけど‥食べてる‥というか、飲んでる?

・・さっきまで、ただの液体に見えてたのに‥。白い粒に なってきた。


消臭系で透明な粒の・・吸いきれなくなった時の、白い粒に似てる‥。


 ぁ・・不純物を食べてる・・とか? なら、これでっ!


ちょっと勿体ない! けどっ えいやっ バシャッ・・

 あ・・・進行が、止まった感じ。


 手も、なんかヒリ ヒリ するから‥これで、洗って‥。濡手葉(ぬれてば)で‥以前、錬成した『清水(きよみず)』は、不純物 ゼロ なのよね・・。


 ここ・・危険な場所じゃん。襲われないけど、いや・・『水』と思う場所に・・近づくのが、そも そも 危険。


 調べてた人が『 消息 不明 』って‥これに、消されたって事じゃ・・。



 清水が 無かったら‥危ない。

周囲 鑑定・・ここには、成体になってるのは、居ないみたいだけど・・。


・・さっきまで、白い粒だったものは…お椀が消える頃になると、ヒルードーくらいの大きさになり‥池へ・・ぴょんっ ぴょん ‥と、飛んで戻って行った。


 持ち帰りたくない‥。どっかに付いてたら嫌。

ササッと 着替え‥鑑定して、祭壇の‥隅の石畳の所で‥燃やした。


・・・怖い。 あいつら・・。


一応・・注意を 促(うなが)しておこう。

 帰りに、ギルドへ 寄り‥鉱山3階層の『白い池の正体』を 伝えた。


池に、近づかない事・清水を持って行く事を、徹底してもらう。

・・清水は、軍に協力要請するって。


 普通に作ると、どうしても不純物が発生するらしい。そうなの??

魔法が使える人が作らないと ダメみたい。知らなかった…。


・・もう夕暮れだ。帰らないと。



帰宅し、風呂に入る。いつもなら‥ゆっくり浸かって居られるのだけど‥。

・・部屋の外で、メイドが騒いでる? お母様の声もする。


 何? どうかしたのかな?

急いで‥着替え‥ホント、着にくいなぁ‥この服。


セーカで、髪を サッ と 乾かし‥部屋を出る。

「リモーネ様、大変です!」どうしたの‥エナ、落ち着いて‥。


「アチェロ様が、突然‥倒れられ‥」え・・・。


友人に会って来る‥と 出かけ。

  帰宅後‥少ししたら、苦しんで…倒れたと‥。


「アチェロ?!」

「‥リモーネ‥」アチェロの部屋‥お母様も、カミリア姉様も居る。

アチェロの体・・何これ・・黒い・・まだらに…。


・・赤い顔もしてる・・熱が出てる?

「帰って来た時は‥普通だったのよ・・」


  鑑定・・。


え? 『 体内に 異物 』?


異物って 何よ・・。

「何を口にしたの?! アチェロ!」


 そうでもないと・・。


 外傷‥無し‥口も、爛(ただ)れてない‥。

体の中で‥何かが‥暴れてる・・みたいな・・・。


「…友達が・・くれた・・白い…ぉ・・お菓子‥」

「その友達とは、誰なの?!」


白い菓子? 『 キン コン 』ん?


家のチャイムが鳴り、メイドが走って行く。

 直後‥ここまで聞こえるくらい、大きな声が響いた。


「私(わたくし)が、治して あげますわ」

カミリア姉様・・治癒魔法を かけてるみたい。


一瞬‥まだらが 消 え た。だけど・・ものの数秒で‥また、なって・・。


「痛いっ‥母様‥姉様ぁ・・うっ‥ぅぅ…」アチェロ…。

表面だけの回復じゃ、ダメだ。中から治さないと・・。


お母様も、一緒になって‥治癒魔法を かけてる。

 この・・声・・。聞こえて‥無いのだろうな・・・。


メイドたち、困った顔してる・・。対応は‥私が しないと。

「声の主は‥どなたなのです?」

「リモーネ様‥。それが、平民の‥」


急ぎ、玄関に向かった。そこには、膝をつき・・すすり泣いてる女性が。


「どちら様でしょうか?‥我が家に、何の御用なのでしょう」

「‥ゎ‥私は、ユトピの母で‥あの子が、熱を出して‥体は、黒い まだらになり‥。助けて…頂きたいのです‥」病気と、思ってるみたい。


「母も、姉も‥私の弟、アチェロも同じ症状で‥懸命に治療していますが‥」

今は・・動けない。私は 使えないし・・。


「お願いで ございます!‥その後でも良いですから、助けて‥ぅうぅ…」


・・今、持ってる薬‥効果が あるとしても、アチェロは‥子供だ。

大人を・・瞬時に回復させる薬は、逆に 危なくて 使 え な い 。


‥神薬を薄めて‥シートに包めたら‥。

でも・・この方を、振り払っては‥行けない。どうしよう。


「一体・・何事だ?」!

「父上!お帰りなさい!‥それが‥」


 アチェロが、何か口にした後‥特殊な症状が 出てる事・・。

母 や 姉が 治癒を施してるが、一時的にしか 回復しない 事を‥手短に伝えた。


「こちらは?」

「アチェロの友人の‥母君かと」


「子供を ここへ 連れて来なさい」

「!‥あ、ありがとうございます‼」


 おばさんは、一旦 家から離れて行った・・。


父上は‥見張りの人に何か伝え…私は 一緒に、アチェロの所へ 向かった。

・・現役の父の魔法ならば・・・と、やってみてる‥けれど・・・。


 やっぱり、一時的に 回復する だけ。


白い‥と 聞いて、今日の‥池での事が蘇る。いや、そんな訳 無い。

・・あれを素材にする‥‥なんて・・ありえない。


 空気に触れただけで、成長を始めるような‥ガラス瓶すら‥溶かすようなのは、扱えないはず・・。違うもの。・・たぶん。


 そんな事より、まずは・・アチェロを、助けないと。


「エナ、アチェロを‥私の代わりに見守ってて。何か、あれば‥教えて頂戴っ」

「はい。リモーネ様は?」


「なんとか‥してみるから」

部屋に入って・・一応、鍵をかける。


神薬も、強い薬だ。でも、今は‥使うしかない。


・・前に 瀕死 回復どころか、気絶 回復する薬を作ったけど・・。

さすがに、もう 無 い 。


コビトを出し、意見を貰う。

「どのくらい・・薄めれば良い?」

『薄める‥のではなく、細い針くらいの量で良いかと』


細い・・針…。刺繍のは、ダメだ。

・・ぁ・・ピンセットの‥細い部分‥これで。


小皿に、少し垂らし‥先端に付ける。

 これを‥オブラートとして作ってあった残りに‥1滴‥。


針で穴を開けた程度の量。2つ‥いや・・他にも要るかも。


 こういう時は、沢山 用意しておいた方が良い。


でも、1滴たらすのでも・・大変。


‥そうだ! オブラートの元となる・・紙だけのあった・・切ってないもの。

風呂場で、濡らした状態で 鏡に貼り付け‥。薬を上から‥かける。


全面に染みたのは・・垂れる事なく留まり‥よし。これを小さく切る。

『それなら、お任せを』え?


『リモン様は 弟君に、最初のを‥届けて下さいませ』

コビトを、信じるしかない。


「じゃ、このくらいに・・出来たら、コレに 入れておいて」

そう、ガラス瓶を置き‥部屋から出た。


『お願いよぉ‥アチェロ‥頑張って!』カミリア姉様の声‥。

『あなたの魔法でも・・駄目だなんて…』お母様の声‥。


「アチェロは?!」

「‥ねえ・・さ、ま…」


「父上、お願いが あります」

「‥何だ…?」


「薬を、使わせて下さい」

嫌そうな顔してる。分かってる。ここは、治癒術 一家の家だ。


その力で…多くを救って来た、実績が ある事も‥知ってる。


 でも、その力でも‥治せなかったら?


「アチェロを救いたいのは、私も 一緒です!」お願い!お父様‥。

「…薬って、そんなの・・どこから」


「…分かった。ただし、1度だけだぞ」はい。

「ありがとうございます」


「アチェロ、これを・・口に入れて」入れるだけで良いの。

急激に回復‥とは、ならないようにした。


 コビトは、薄めなくても‥とは言ったけど、清水(きよみず)で‥薄めてある。

急激に治るには、けっこう『しんどい』って 知ってる。


「はい・・姉様‥」ぱくっ


みんなで見守る中・・淡い光に包まれたアチェロ。

 光の揺らぎが動く度…あの、黒い まだらが‥治っていく…。


あぁ・・良かった…。

「…父上、母上‥姉様方‥。ぼく、もう・・・大丈夫です」

お母様たちが、アチェロに抱きついてる間に、部屋に戻ると・・。


  コビト、ありがと!

よし よし して、鞄に仕舞い‥小瓶を持って‥あの、おばさんの子供も・・。


 メイドたちに聞いて、連れて来られた子供にも、1枚‥ピンセットで取り‥口に入れて貰う。同じようになって‥治ったみたい。良かった。


「ありがとうございます!」

「あの‥アチェロは?」


「もう、大丈夫」大丈夫だよ。

「良かった。‥‥‥」ん?


「もう ひとり、一緒に‥食べた子が 居るの‥」え?!

「それって‥どこの…」


「失礼します! ロチェス班長は、御在宅でしょうか?!」

「父なら、おります」メイドに呼びに行かせた。


「どうした?」

「大変な事に…」ごにょ ごにょ

高い位置で・・よく聴こえないわね・・。


「リモーネ」はい?

少女 と その お母さんを、見送った直後に呼ばれる。


「先程の薬は、まだ あるか?」はい。

どうしたんだろう?


「どうやら、町で‥同じような子供が‥」え・・?!


「これ、使って下さい。これも、持って行って」

ピンセットで挟まないと、取れないくらい、薄いし小さいの。


「物資班は、来てるか⁈」

「はっ!」


「これを、子供の口の中に‥1人1枚 与えよ」

「‥これは?」


「商人リモンの薬だ。…そうだな?」はい。

「分かりました」


 持って行って‥すぐに、数枚を摘まんで ガラス瓶に入れて、分けられ‥それぞれ、ピンセット持って・・・町に散って行った‥。


「これで、町中(まちなか)の騒ぎも‥」

「量‥足りる・・でしょうか?」もう少し、作っておこうかな。


「‥そうだな。今後も‥起こらぬとは、限るまい」はい。

「姉上!」アチェロ!


「横になってなくて、良いの?」

「もう、全然‥痛く ありません」だからって・・。


「それより、オルデンは‥大丈夫でしょうか?」

「今…兵士さん達が、お薬 配ってるから」


「アチェロ。報告が来るまで、部屋で 休んで居なさい」

「はい・・父上」


アチェロを部屋に連れ帰る。父は・・玄関先で、町の様子を眺めていた‥。

【シェファフ】(トルコ語・透明)

卵 ~ 成体に至るまで、透明な姿の魔物。人を襲う事は 稀 だが、それは 成体のみ の話。成体になる前までは『全てを 喰らい 尽くすもの』と 言われている程に 周囲にある物 ( 生物 含む ) を 貪欲に食す。無機物 と 鉱物によっては 削られる程度で済む事も ある。何故 透明なのかも 未だに不明 と されている。


※コビトを呼んで 転移の石を 出してもらい 転移。祭壇の所で 鑑定すると ズボン等にも付いていたので、全て着替え‥燃やした。炎には弱かった。


【ユトピ】(フランス語・理想郷)

アチェロの友達。母の手伝いで 買い物に来ていた際、商人と名乗る人物から お菓子を貰う。それを友人達に渡し 一緒に食べるが 夕方頃には アチェロ 同様の症状が出て 苦しんでいた。女 / 10歳 / 平民 / 三つ編み おさげの赤い髪 / 赤い瞳 / 80cm / 貴族なのに 良くしてくれる アチェロ へ お礼のつもりで…。


※神薬を薄め紙になったもの = 状態異常 全 回復薬になった。子供用と考え作ったもの。


※オルデン = アチェロの友達。平民の男児。


次回・・白い菓子の 中身と・・・

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