117瓶 新たな拠点
両親の許可を受け、商人・リモンとしての 活動 拠点となる‥
ランケアの町に在る『 別荘 』へ 来た。
お父様‥これの、どこが‥ ” 簡素 ” だと言うのですか⁈
広い玄関口の右側に‥靴箱のような棚があり、その近くに スイッチ‥あ・・点いた。玄関の前には、長い廊下 と 左右に部屋が在るのが見えた。
・・扉、開いたままだ。
掃除用具は‥と、探しつつ‥右側の部屋に入ると‥暖炉があった。
・・応接室かな? ソファと ローテーブルがある。
窓は 高さのあるアーチ型で、長いカーテンが かかってた。
ソファの色は緑‥というより、抹茶色? 柔らかな印象の‥革のソファだ。
ローテーブルも 艶のある木製で‥形が、ちょっと和風なイメージ。
部屋の内装も 緑 と 茶色。・・カントリーっぽくもあるけど、高級感は漂ってる不思議さ。あれ? この部屋の・・更に 右側にドア?
開くと‥簡易キッチンが。ぁー・・お茶を入れる場所かな?
廊下に戻り‥今度は、反対に左側の部屋・・はー・・広い部屋~…。
大きな? 広い‥うん。リビングという感じ。
奥に キッチンだ・・あ! もしかして・・・。
父の言ってた、フルノスだ! 少し広い‥。
うん・・火を起こせれば‥使えそう。
・・・いえ‥今まで購入した家にも、コンロのような物は‥有ったんだよ。
だけど‥使う為には・・・『魔力を 流して下さい』と、書かれてて‥。
スフェラ石を 近づけてみたけど、鉱物とか素材じゃ反応しなくて。
流し方・・知らないから…使えなかったんだよね・・しく しく。
・・だから、火を起こす‥前時代的と言われるような物を探してた。
ココなら、ツクルを使った お菓子 作りが、出来そう!
お菓子は、上手く出来たら‥家を貸して貰った お礼と称して、家に持ち込めるだろうし。このツクル‥使ってみたかったのよね~。ふふふ…
リビングも 広いなぁ・・・。
テレビは、さすがに無いけど。・・代わりに、巨大な額縁に 絵が 飾られてた。
風景画で・・とても、幻想的な雰囲気の ある場所‥。
・・鑑定してみたら、描いた人の名前と‥場所の名称くらいしか出ない。
他の国って事しか・・今の所、分からず。
リビングの広い空間の奥にも・・扉。
今度は・・どこに‥え? また、廊下だ。
中庭のような、少し小さめな印象の庭があり・・花 や 木が生えてる。
雑草・・も、少し生えてるけど‥まぁ、これくらいなら。
・・素材も入手 出来るなんて、丁度‥良いわね!
廊下の先から、2階へ 上がる階段と・・おや・・地下も在るの?
・・・そんな話…してたかなぁ?
そも そも‥見取り図うんぬんよりも、父の「部屋数は多いが‥」くらいしか、聞いて無かった気もする。
地下の前に、手前の2部屋を確認しよう。こちらは、どちらも扉が閉まってる。
・・鍵は、かかってなかった。
手前の部屋は・・うーん・・客間・・かな?
1部屋に、ベッドや、ソファなどがある。お客さん用っぽい。
その隣は・・あぁ、ここが‥手洗い所ね。ユニットバスみたいに、トイレ と お風呂のセットだ。商館の お風呂場みたい。
掃除用具は・・見当たらず。どこだろう? もしや、買う必要が‥あるのかな?
全部 見てから買うかを、決めよう。
さて・・地下 や 2階も 見たいけど、一旦 戻って・・。
玄関側の廊下から、奥へ と 進む。ガラスの扉と窓で 広い庭が・・よく見える。
・・広過ぎるから、庭っていうより・・むしろ『庭園』かも。
庭も・・素材、採り放題?! あとで、確認しよう。
その廊下を‥道なりに進むと、また部屋が2つ。手前の‥は?
書庫?! 多くの本が ある。わぁ…あとで、ゆっくり見に来ようっと。
入口のドアを開けたものの・・すぐさま閉め‥隣へ。
だいぶ・・奥の方に扉が在るんだなぁ…。何だろ?
ガチャッ キィィ‥‥
え・・? 何・・ここ? 研究室??
父上、何の研究をしてたのですか!?
・・・見ても・・分からないし、帰ってから聞く事にした。
忘れないようにメモしておこう…よし・・と。
戻ろうと振り返ると・・ありゃ? あんな所に、扉‥あった?
書庫の近くに、ドアを見つけた。
暗い壁と同じ色のドアで‥よく よく 見ないと、分からなかった。
「ここは・・何?」
開ける‥と、ん? 倉庫・・かなぁ。今は‥特に何も入ってないけど‥。
あ・・掃除道具・・あった! これは、借りておいて‥。
とりあえず、鞄に入れておく。バケツも有ると良いのだけど‥無い。
じゃあ、最初は‥地下に行こうかな? 2階が‥先かなぁ?
迷いながら・・階段手前で、2階からに決める。
ゆるやかな・・やや、螺旋 階段のような、曲がり具合の階段を登っていく。
階段 周りは‥廊下になっていた。ここと、反対側の部屋から入ってみた。
・・暖炉と、ソファ‥。カウンターのような場所もある。
そして、その奥には・・広々とした、テラスがあった。庭が 一望 出来るね。
アイアン系の家具のように、雨風に強そうな素材で出来た家具も 置かれてる。
・・これ、陶器で出来た‥鳥が水飲む‥アレ・・なんて言ったかな?
それが、置かれてたり‥様々な花が鉢植えの中で、咲いていた。
じゃ、次は‥うーんと、左右に部屋が分かれてるけど・・・。
まずは、このテラスの在る‥談話室だか会議室の 隣の部屋へ。
・・・子供部屋? カラフルな色使いで、可愛いオモチャ や ぬいぐるみが 置かれている。何より・・ベビーベッドが在った。
壁には・・子供が、描いただろう…絵も。
ちょっとした‥テラスも あったけど、人が ひとり出たら‥いっぱいに なりそうな 幅しか無い。隣と繋がってる。間には、オシャレな フェンスで 仕切られてる。
さらに、この隣は・・・。ダブルベッドは‥置かれてたけど、家財の 一切は‥無かった。使ってた形跡は あるけど・・。誰が‥使ってたのかは分からず。
じゃあ、反対の部屋を見ようかな。反対も・・今の部屋と同様に‥ほぼ 無かった。こっちは・・ベッドも無く、ただの空き部屋だ。
こちらにも、隣との境に‥小さなテラスが在った。あ・・これ、クローゼットだったのか・・。模様が溶け込んでて‥さっきは、気づかなかったけど…。
壁の 一角が・・扉になってて、中にはハンガーが かけられる‥うん。クローゼットくらいかな。広さ的には。
現代で、流行りだった‥大容量の方では無くて。
その隣は?
ぁ・・こっちは、使われた感じも残ってる‥ダブルベッドの在る‥部屋だ。
・・女性と、男性の‥両方の持ち物が置いてある。
なんとなく・・だけど、両親が使ってたのかな?
…広過ぎるから、私は‥1階の客間で・・寝よう。
あ・・そうだった。ここ、地下も在るんだったね。忘れて‥戻る所だったよ。
・・少し、暗いけど・・気をつけて…降りて行こう。
下まで来る手前で、スイッチを押し‥地下も、灯りが点いた。
・・なんか、広いし・・何かの…作戦室??
父上が『遠征時に利用していた』みたいな事を言ってたし、それで他の兵士も‥ココで過ごしてた時が、あったのかな? 知らないけど・・。
階段の すぐ横には、上の階にも在った、ユニットバス的な手洗い所で・・。
え・・・? 石碑? なんで・・こんな所に?
古代語で‥書かれてるもの。
ざっ と読んだら、塔を活用しての『アルクス計画』‥といった内容だった。
・・アルクス・・計画??
うーん。塔って書いてあるし、キトゥリノの『アンビジョの塔』で、最上階を目指せ‥とかいう・・アレっぽい。
‥だけど、周囲のメモは・・間違った解釈が書かれてる。
誰が書いたのか知らないけど・・違うよ。
その大きな石碑の横には・・ローテーブルと、ソファが‥いくつも。
・・ここで、いろ いろ 思案していたのかも 知れないね。
おっと・・階段の方へ 振り向こうとしたら、テーブルと4脚の椅子が・・。
壁に かかってるボードにも、何やら‥紙が貼られてて…。
『こういう時は、こうしよう』みたいな・・作戦が、書かれてた。
それが、魔物に対して‥の事なのか‥は、分からないけど。
じゃあ、反対には?
石碑の前には・・大きな厚手の敷物が敷かれてて‥その奥には扉が 2つ。
1枚ドアの先には・・なんか、兵士の宿舎みたい…内装が。
シンプルな 一人用のベッドと、小さな机と椅子‥。
まるで、ソルさんの部屋みたいな家具たち。
隣も、同じ構造で 同じものが、左右反対の位置に 並べられてた。
石碑の‥丁度、反対側の扉は?・・と、開くと…。
「また、書庫だ」でも、今度は…狭い。奥にも扉・・こっちは・・。
「倉庫・・」しかも、書類や、ガラクタが‥雑多に置かれている。
触って良い物かは、分からないから・・保留で。
これで、一通り‥見たよね。あー・・お腹空いた。
まずは‥何か食べよう。掃除は、それからだ。
『 キン コン‥‥ 』は? あ・・もしかして・・。
玄関まで、走って移動。転移・・使えば‥早かったのに!
「はーい・・」ちょっと待って‥。
ドアの‥小さな窓すら無いので、ドアを開ける以外 無いけど‥。
「どちら様で‥しょうか?」
「私だ」え? 父?!
目の前には、父が立っていた。えっと・・旦那様・・になるの?
とか なんとか考えてると、ずん ずん 家に入り・・玄関は閉め‥中に入って・・え・・ちょっと待って‥どこへ?!
・・え・・どこ? お父様・・とも呼べず‥ぁ・・周辺感知・・あ!居た!
階段 近くに飛んで・・地下へ。
「どうしたんですか‥?」
「商人リモンは、古代語が ” 読める ” と 聞いたが?」え”っ…。
「読めたのか?!」え・・はい・・まぁ。少し?
・・・何だろうか‥。
「ここは‥昔、使ってたのですか?」
「…いや、今も使われてるそうだ」え?
「商人に貸すと伝えた所‥書類など、引き取りに来ると 言われてな」
なるほど。電話‥みたいなのは、無いですものね・・この世界。
「おまえが『魔力 使用』出来れば‥な・・」え?何それ・・。
聞き返したのに「今は 覚えなくて良い」と 言われて‥むすっ とした顔で居ると‥頭を‥よし よし された。もぅ。
「近々、兵士 数名が来る。結界とやらは、家にだけ付けるようにな」
許可などの話をしたから‥そうですね・・はい。
「そういえば・・この石碑は他所から持って来た物でな‥」
え?! どこから??
・・どっかで、出土した?・・石碑。化石みたいに、埋まってたの??
「当時、古代語を研究していた ヴィーゾフ という老人が、調べていたのだが…」
途中、寿命で・・・お亡くなりになったみたい。
「他にも‥研究していた者らは 居たが‥」何ですか?‥こっち向いて。
今まで石碑に向かって、喋っていたのに・・急に振り向くんだもの‥。
「‥周囲の紙も読んだのだろう?‥合ってたか?」
うーん・・・。いいえ。
「また、正式に依頼が来れば、その時で良い。答えて欲しい」はい。
石碑は‥さすがに重いようで‥父、1人では‥動かせないようだった。
父と共に 帰宅する事になり・・私は、途中で別れ‥転移して‥部屋に戻ると、急いで着替えて‥詰め物して・・なんだか哀しいけど‥。
・・一度 飲むと、すぐには戻らないもの。仕方ない。
父 帰宅で・・昼食。その時に‥私の建前『花嫁 修業』の話が出された。
みんな納得した顔をしてるのは、今まで居なかったせいも あるよね‥。
「はい…。頑張ります・・」はぁ
別荘の掃除を‥と思ってたのに、メイドたちを派遣して‥今、やってるって。
え・・掃除用具・・持って来ちゃったけど?
「掃除用具は持って出ましたので、問題ありませんよ…リモーネ様」
そうなのですね・・。向こう行った後で困ってたら、申し訳ない気分になるけど。
戻ったら‥戻しておこう。
・・雑草‥抜きたかったな・・。
夕方、メイドたちを連れ‥ガロファノ兄様が戻って来た。
・・どうやら非番だったからと、メイドたちの護衛に 同行してたみたい。
「夜になる前に戻れて、ホッとしている」
「お帰りなさいませ、お兄様」
・・だいぶ、呼び慣れましたよ‥えぇ・・やっと。
最初は、気恥ずかしくて‥中々、言葉が出て来なかったけども‥。
「あぁ、ただいま‥リモーネ」
お疲れ様です‥メイドさん達も・・・。
夕方・・メイドの長である、ツェーンさんが‥父上に報告という形で‥。
「旦那様、回収した処分品ですが‥商人様が必要かと思い、倉庫に 一時 保管しておきました」
「そうか。ご苦労‥伝えておく」と言いながら、私の方を ちらっ と 見る父上。
有難い!ゴミは、素材として使える事も多いからね‥分かってて下さって嬉しい!
明日から、活動・・再開だ。まずは・・
※ランケアの町 = チェントロ国 エキャルラット州の 隣国との 国境の町
【フルノス】(ギリシャ語・窯)
奥に火種となる 木切れを入れ 火をつけて 赤くなる事で 様々な物が焼ける。オーブンと 同様 の もの。扉は‥無い。厚手の防火 手袋 と 燃えない木材の 木の板は 備え付けられている。この世界では 珍しい部類で 今では 現存する場所は 少ない。
※庭 = 素材 採取地という認識
※後日‥父に「いつから 読めるようになった?!」と 聞かれ「頭打ってから‥?」と言うしか無かった。間違っては‥ない。
【ヴィーゾフ】
既に亡くなっている、古代語 研究の 最初の人物。若い頃は冒険者をしていた。その時、古代語を調べるようになった‥と言われている。男 / 当時 76歳 / 既婚者 / 薄い緑の髪 / 青い瞳 / 杖 / 156cm ( 亡くなった時 )。老人となった頃に軍に協力していた ひとり として 記録が残ってる。
【ツェーン】(ドイツ語・10)
ヤトゥロス家のメイド長。女 / 45歳 / 既婚者なので 通い / 赤い髪 / 赤い瞳 / 158cm / ふくよか。
次回‥新しい結界と‥他の石碑を発見し・・・




