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116瓶 家族

リモーネは 旅立つ その日に 不慮の事故で亡くなって、

  代わりに‥現代で 亡くなった私・凛が 彼女の体に入る事になった。


彼女の願いを 叶える為、商人となり‥各地を巡りながら薬師を探した。

 遂には見つけ、薬を入手し‥家に戻ったの…リモーネとして。

 母の病は治り、普段と変わらぬ生活に戻ったのを、アチェロと喜んだ。


 私は・・というと『記憶が曖昧で』を、確認する為と言われ‥家庭教師を、招いていた。


 母が元気になった 翌日の朝から 授業を受け、受け答えをしてる内に…先生の方が授業を断念して、早々に…お帰りになった。


「あなたは 商人として、各地で仕事をしてた経験があったものね。だから‥」

ご自身で納得したようで‥その後、その家庭教師は来なかった。


 1日だけの ご指導だったけど、ミステル先生‥ありがとうございました。


 その後は、他の兄弟姉妹の教育の先生から、様々な事を「やってみて」と言われ、言われるがままに、すんなり出来てしまった・・私。


 まぁ 正直な所‥リモーネの体が反復練習してた お陰だと思ったのよ。


 なんせ・・現代では観る事はあっても、実際に した事も無い‥社交ダンスが、転びもせず‥踊れたのだもの。


 それには・・母も感心してたのよね。

いえ‥私自身の記憶には無い事だから‥喜んで良いかも 分からないよ。


 家族全員とは、私が戻り‥倒れた後の食事の時に会った程度。

それ ぞれ、食事の間に‥鑑定は済ませてある。


 リモーネの苗字は‥ヤトゥロス。

   治癒術師 一家として 有名らしく‥貴族だ。


貴族街に豪邸が、在るくらいだものね。


 さて、覚える為にも読み直しておかないと・・・。



 両親は『父上・お父様』『母上・お母様』で良いけど‥。

誰かに説明する際に、すんなり名前が出ないのは、怪しまれそうだもの。


 父は、エキャルラット州軍 所属の緑。治癒術師の中で、班長やリーダー?をしてるという話だった。


班長‥は、分かるけど‥。リーダーが 謎。また、聞かないとね。


 父の名は、ロチェス 51歳。ラオフェンさんみたいに、キリっとした顔立ちなのに、治癒術師という‥不思議な感覚になったのよね。


 なぜか いつも、白いスーツのような カッチリした服装で ビシッ と きめてるのが、印象的な人。


顔を合わせる度‥外に出てないか⁉と、言われるのは‥もう 止めて欲しいけど。



 母は、ウィオラ 50歳。穏やかな印象を持たせる笑みの中に、しっかりと自分らしさのような、芯の強さを感じてる。


 元々は、父と同じように‥このエキャルラット州軍の治癒術師の ひとり として、活躍してたみたいだけど…。結婚後‥長男を産む直前に、引退したみたい。


 アチェロと同じように、ストレートで綺麗な赤い髪だけど、普段は後ろで纏(まと)めてるのよね。降ろしてるのを見るのは寝る時くらい‥。



 兄弟は多くて‥長男・長女・次女・私・弟の順。リモーネは、三女だった。

行動力が高いのも、三女とか三男よね・・・。



まず、一番上の‥長男は、ガロファノ 25歳。


 既に貴族の女性と結婚して、その家に居る事が多い。たまーに‥ふらり と 帰って来て、しれっと 一緒に食事をしてるのも、不思議。


兄の奥様が家に来る事は、今の所・・無いみたい。どんな人かな?


 兄も…父 同様に、兵士では あったけど…。何故か治癒術師じゃなかった。


 母が「魔術の訓練を、疎(おろそ)かにしたせいね‥」と、嘆いていたのが印象的だった。そういう事も‥あるのね。


 でも、ステータスで見たら‥私の初期値と変わらないくらいの魔力は持ってるし、今からでも‥出来るんじゃないの?と思った。


 まぁ、魔法を どのように会得するのか‥知らないけど。

それは・・教えられなかったな・・・。


 長女は、ミュゲ 22歳 既婚者。

お相手は‥エキャルラット州軍の 紺 兵士らしい。


 赤く、少しうねってる感じの長い髪が特徴的で、母のように穏やかな雰囲気を纏(まと)ってるのよね。優しい感じで綺麗な人。


・・ただ、この姉も‥時々、夕食時に居るのよね…。

どうやら、旦那様が仕事で戻らないと 連絡を受けた日に、来てるみたい。


 夕食後に、旦那さんが迎えに来る時も‥あるみたいだけど‥。

私は、まだ‥遭遇してないのよね。


もう ひとり の姉は、カミリア 17歳。既に婚約者が居るらしい。

 これまた、エキャルラット州軍の 青 兵士‥らしい。


身内が、軍 関係者ばかりになるのは・・必然なのかしら?・・謎ね。


 カミリア姉様は、元気で明るい ウワサ好きな性格で、婚約者様より・・これ、聞いた時‥吹き出しそうになったけど・・・。


『商人リモン』に夢中・・みたい。何故に?? はぁ~


「商人リモンは有名な人よ! 彼の作る商品は、どれも新しい物ばかりじゃない!」

・・まぁ‥うん・・でも、姉様よりも・・年下ですよ?


「そこは‥弟みたいで、可愛いじゃない!」との こと。うーん。

でも、私自身も‥アチェロが、可愛くって仕方ないので、分かる。


つい つい 抱きしめて、すり すり しては・・。

「姉上! 僕は、もう子供じゃないんです。止めて下さいっ!」・・と、怒られてるのよ。でも・・見つけると‥つい・・ね。


 アチェロは、最年少の次男。11歳。

母のようなストレートな赤い髪を ショートボブにしてる。

 大きな瞳が、可愛くって。


 怒らせてばかりも、申し訳 なくなって‥以前に作った『砂糖』を使って、お菓子を作っては‥「味見して」と、頼んでは渡している。


・・甘いの食べてると、しあわせそうな顔してるし・・機嫌も良くなるから。


 途中から、アチェロ限定ではなく・・パティシエ‥という職業は無いみたいだけど、シェフに教えて‥おやつの茶菓子として登場するようになった。


・・ただ…今に、辿り着くまでには…いくつか問題が‥。



 実家なのだから・・と、厨房の隅を借りれるかと聞きに行くと、何か作業中にも関わらず、それを放置で‥すぐに私の前に勢揃いして、跪(ひざまづ)き‥なんて事が起こって‥驚いたけど・・。


 放置するのは、危ないんじゃ?と思ったし、作業中に来てはイケナイと思った。

どうやら、アチェロも‥もっと小さい頃‥。


 その 一同に 勢揃いが楽しくて、よく行ってたら・・母に怒られた事があるらしい。何してるの・・まったく・・。


 厨房に‥オーブン・・じゃなかった。窯(かま)?が、在る場所を借りようかと思ったけど・・家から、出たらダメだし・・・。


 その内‥カミリア姉様から‥ ” 商人ギルドが『商人リモン』を 探してる ” なんて話を聞いたと言われ‥手紙・・届いて無いけど?と思ってたら・・・。


 父 帰宅後に、なぜか・・いきなり怒られ‥私は‥涙目に・・。

母が仲介する形で、両親の部屋に行くと‥怒られた理由が分かった。


でも・・だからって、いきなり怒らなくても‥と、思ったのよ。

・・母が、代弁してくれたけども。


 ちなみに、私が『商人リモン』として活動してた事は、両親の二人と‥アチェロしか、知らない『秘密』になってる。兄 や 姉たちには教えてない。


・・教えても‥なんて、言ったけど‥姉・カミリアは『ウワサ好き』で、口が軽い ので 危 な い と、言われて‥教えない‥という事になった。


 せっかく、キトゥリノ州 入った際の身体検査で、商人リモンは『男性』と確認されたのに・・家に居て、それが 今の私・リモーネ『女性』‥なんて、知れ渡ったが最後‥。商人リモンは、一生涯…休業だよ。


「とにかく、リモンを探せと‥軍内で騒ぎが起こってる」

「どうしたら良いのかしら‥」


「父上、母上‥リモンとして、再び活動 出来るように‥家から出る許可を、下さいませんか?」最悪、転移すれば良いのだし。


顔を見合わせ・・お互いに深い溜息を・・。すみません。


「‥それは良いとしてもだ。問題は・・」

「そうね。この家から出るのは・・聊(いささ)か・・」

まぁ、そうだね。


商人リモンは、どこにも所属してない‥フリーの商人だもの。


 どこかの家の『お抱え商人』と思われると、変な輩(やから)が‥家に来ないとも限らない・・。それは、結界で防ぐだけじゃ‥足らない。


 幼い‥アチェロが、居るもの。他のメイドたちだって、危ないかも知れない。


「前に話したと思うのですが、この『転移(ポポテ)の石』を使えば‥」

「しかし‥拠点となる場所は・・必要だろう?」


 そうは、言っても‥エキャルラットの どの町にも‥空き物件は無かった。

有るなら・・今後の為にと購入してたかも・・知れなかったけどね。


「ならば、こうしましょう」ん?

母は、父に‥ごにょ ごにょ・・?


「…そうだな。そうする他‥あるまい」何だろ?


「リモーネ、あなたに‥我が家の別荘を貸します」え?

「アルドルではなく、ランケアに在る‥別荘だ。私が遠征などで遠出した際に、利用する程度しか使った事が無い家だ」


・・別荘って発想・・無かったよ。そうなんだ。

「良いのですか?!」有難い!


「ただし、家で着替えてから飛ぶようにね」はい。


「それから、家は‥おまえ自身ではなく、商人リモンに『提供』という形で、貸す契約書を 書いて貰うぞ」

「はい。分かりました」


・・そうして、夕食前に‥両親の部屋で、契約書を取り交わし‥鍵を受け取る。


「最初は‥実際に行かないと、駄目なのよね?」そうですね・・。

場所を教えてもらい、家に行ったら‥結界と、印の設置が 必要だね。


「‥リモーネ」はい?

なんです? お父様‥その・・怖い顔は・・・?


「外出は・・許可するが…」うん。


「なるべく毎日、家に戻って 食事をするようにして頂戴」あー・・はい。

「長期で家を出る際には、皆には『花嫁修業に行った』と、伝えておく」


・・え? 14歳なのに?


「もう‥何を言ってるのです? 15歳になれば、婚約者を付けるのは‥我が家の し き た り ですよ」えー!? そうなの??


・・そんなに早いんだ‥。え?遅いくらい??

他所の家では‥女児が産まれた直後には、決める家も ある とか・・。


「あなたも、もうすぐ‥婚約者の相手が決まるから。そうしたら会えますよ」

・・ど な た に なるか…は、母の 一存で決まるらしい。


「父上は、選ぶ側では・・無いのですか?」

「私が選ぶと‥ウィオラに『ここが駄目』とか『性格がどう』とか言われるので、言わなくなったのだ」そ・・そうなんですね。


「良き人を、選んであげますからね」ふふふふ・・と 笑ってるのを、怖 い とすら思ったのは・・母には、言わないでおこう・・。



 翌日、久し振りに・・あの・・激マズ薬・・『ウラトノ薬(やく)』を飲む。

すぐに変化が起こり、ふっくらした胸は‥板に変わる。


 メイドにも知られぬようにと念を押され‥手洗い所‥トイレの方で、変身し着替える。そして、まずは・・ランケアの町のロムメット近くに飛んだ。


 久しぶりの・・・外だーー! と、心の中で叫んで‥両手を空に伸ばした。

はぁ~・・良い天気だし・・久しぶりだぁ。


 まずは・・別荘を探そう。


父 曰く「簡素な家だぞ」という言葉を思い出しつつ‥住宅街へ と向かう。



・・・けっこう、大きな家が目立つよ?・・ここ。

白い壁に‥赤い屋根が多い。


 何と言うか‥屋敷・・みたいな家が、並んでいる。

簡素・・という言葉に相応しいような家が、見つかりません。


 雰囲気が良さそうな家を眺めながら、地図を開くと・・・。


「え⁈ 目の前の?!」びっくりした・・。

オシャレな家だなぁ・・なんて、のんびり見てたら‥ココが、そう・・だった。


‥父様・・全然『簡素』では 無い ですよ・・。

立派な豪邸…とは言わないけど、お屋敷ですよ・・。広いなぁ。


 日本のような区切りの塀と、フェンスのドアを キィィ‥と 開き、中へ 入る。

芝生のような庭と、白い‥石畳の道を‥真っすぐ進み・・。


 両開きの大きな白い‥木製みたいだけど、ドアの所まで来た。

鍵を出し・・開く。ドアは重くも無く‥すんなり、開いた。


 暗い。とりあえず、入ろう・・。

『ただいま』とは言えず‥「おじゃまします」・・入って・・・。


‥うん。まずは‥掃除かな。その前に‥灯りは‥どこ?

【ミステル】(ドイツ語・ヤドリギ)

未成年の教育係として 様々な事を教える家庭教師。女性 / 38歳 / 既婚者 / 163cm / 赤い髪で 頭の上辺りで 団子 / オレンジの瞳。リモーネが しっかりした受け答えをするので 教える事は 無い と 判断した。


【ヤトゥロス家】(ギリシャ語・医者)

貴族。代々 エキャルラット州にある 治癒術 能力に 定評の ある血筋。生まれながらに魔力が高い事・治癒の術を 簡単に身に付ける事で 地位を確立してきた。リモーネは この家の 三女 として産まれ育った。


【ロチェス】(フランス語・蓮(ハス))

リモーネの父。現・エキャルラット州軍 治癒術師 班長のひとり。白いスーツを常に着用。男 / 51歳 / 既婚者 / 187cm / 杖 ( 治癒術+光 ) / 赤い髪 / 赤み がかった 黄緑の瞳 / 治癒 術師団・リーダーの ひとりでもある。自分の言動で リモーネが家出した事に しばらく落ち込んでたらしい。帰って来た事は 喜んでるが 再び どこかへ行くのでは?と ヒヤ ヒヤしている。


※緑・黄色・紫は 甲冑を身に付けない。服装が自由なので、人により様々。


【ウィオラ】(ラテン語・スミレ)

リモーネの母。マナリジェクト症で1年以上 耐えていたが、リモーネの薬で治る。体力も戻り普段の生活が出来るのも リモーネの お陰と思っている。記憶が曖昧というリモーネを最初は心配していたが、それほど重症では無いと判断。今後を見据えて教育しなくては!と意気込んでいる。女 / 50歳 / 既婚者 / 杖 ( 治癒術+水 ) / 161cm / 赤い ストレートの長い髪を 普段は 後ろで纏(まと)めてる / 赤い瞳。


【ガロファノ】(イタリア語・カーネーション)

リモーネの兄。貴族の女性と結婚した。子供は まだ。時々 奥様に怒られた時に 家に帰って来る。ヤトゥロス家の長男だが 治癒術師に な ら な か っ た。男 / 25歳 / 既婚者 / 188cm / 紺 / 普通よりも 少し長めの長剣 / 赤い髪 / 赤い瞳 / エキャルラット州軍の中では 高い能力がある と 認められてる。魔法は 補助に 使用。


※紺 = 一般兵の班長の色。一般兵は 青。


【ミュゲ】(フランス語・スズラン)

リモーネの姉で長女。しっかりした考え方の人。リモーネが居なくなった事を心配し 毎日 無事を祈っていた。戻って来たのと 母の病が 治った事に喜び、リモーネに 女性としての幸せを 願ってる。女 / 22歳 / 既婚者 / 158cm / 赤く うねった長い髪 / 黄緑の瞳 / 杖 ( 治癒術+水 ) / 基本は 旦那の家に住んでるが 時々 仕事で居ない家で食事をしたがらず 実家に来る事が しば しば。


【カミリア】(アラビア語・ツバキ)

リモーネの姉・次女。元気で活発な女性。婚約者とは未だに緊張が取れない。噂好きで 口が軽いし 嘘もつけない人。婚約者より『商人 リモン』に 夢中らしい。女 / 17歳 / 婚約者が居る / 155cm / 赤いストレートな髪 / 赤み がかった黄緑の瞳 / 杖 ( 治癒術+風・光 ) / 治癒術よりも 攻撃系 魔法の方が 得意。帰って来た リモーネと 会話 出来る事が嬉しい。時々 婚約者が来ると緊張して しどろ もどろに‥。


【アチェロ】(イタリア語・カエデ)

次男。リモーネに 協力し 服を貸し 旅立つ手助けをしてくれた弟。子供 扱いされるのを嫌うが 姉に抱きつかれるのは 嫌なのではなく 照れてるだけ。男 / 11歳 / 110cm / 赤い ショートボブの髪 / 大きな オレンジの瞳 / 魔法は まだ使えない / 将来は 父のような治癒術師になること。


次回、別荘を うろ うろ 探険し・・・

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