114瓶 炎と 刃と 本人と
紫の封筒で、塔町へ 商品の納品に向かった。
納品は無事に終わり‥アルクス団とも再会。
‥そして・・・。
塔町で、マエロルさん や シェルタ達…アルクス団の面々、ギルドの人達‥と、話せて・・懐かしくもあり‥良かった。
そして・・デトリチュスの森に…居る‥と。
マエロルさん情報では、最近の話と…聞いている。
今だ。もう目の前かも・・。
エキャルラット州‥森の広場に飛んで来た。
捧樹に・・納品依頼も無さそうな‥普通の傷薬を入れ、樹液を受け取る。
捧樹を見つける度に入れては‥貰ってる。入れる度に‥情報をくれた。
『エシェックとやら、中央で‥休んでるな』中央?。
『刃 持つ者が・・何やら大人数で動いておる』えー・・。
『炎の名を持つ者らが‥刃を、追いかけている』何それ。
奥へ 入る前の休憩地で‥昼食を食べる。近くの捧樹は・・。
『奥に向かうなら用心せい。刃が、刃物を研いでおる』
『炎は彼らを見失っておるように見せかけて、木の上におる』
ふぅ…。刃やら 炎やら・・何なのか‥。グループかな?
武器を構えた状態で、奇襲を受けても 大丈夫なようにして‥奥へ‥と進む。
森の奥へ‥来た と 思った瞬間には、何か飛んで来たっ!
キィィンッ カンッ カッ
飛んで来たものは、弾かれ‥周囲の樹に刺さった。
はー・・びっくりしたー・・。構えてても、反応しきれないよ‥。
舌打ちのような音が聞こえたら、足早に‥駆け寄って来る『何か』‥集団だ。
周辺感知で見えてる姿は、シルエットだけ。
・・来るだろう位置に・・楔は、投げておく。
『イントルビディート!』 へ?!
きゃーっ 雷みたいな稲妻が、横から飛んで来た。思わず首を竦めた。
キャーの声は、心の中だったけど・・。びっくりしたー。
・・・もしや…魔法?
魔法攻撃も、楔によって防げた。よしっ!
5・・6人?居る‥みたい。
こんな大人数との戦い方なんて、知らないよっ。
各個 撃破・・? どっから・・? 動こうにも、動けない。
少し、動く度に・・魔法攻撃 来るっ!
楔 単体じゃ、そう何度も防げない。その内‥ヒビが入りだす。
どうしよう・・日を、改める?
そう思い始めた頃・・・。
周囲を囲む奴らの頭上から‥攻撃の音・・‥周囲で悲鳴が・・・。
‥‥静かに・・なった。
そして、それ ぞれが‥倒した相手を引き摺って来た。
赤い髪の お兄さん・・誰・・だろう?
・・捧樹の言ってた『炎』‥‥?
お礼・・言った方が、良い‥よね?
「えっと‥ありが‥」え? 首を振られた。
「囮に使って、悪かったな‥少年」囮って、私?
「ボスの作戦のお陰で、一掃 出来ましたぜ」今度は、緑の髪の男性だ。
「さすがに、これ以上は‥大変ですからね」‥茶髪な女性まで‥居る。
「みんな、上手くいったみたいだな」
「これで‥報奨金は、根こそぎ‥我らの物・・だなぁ」
大きな体の‥黒髪の男性が来た。
?? 報奨金・・って何?
「ひとり、話に ついて来れない子が居るわよ」金髪の女性まで‥出て来た。
「僕らの勝利です・・重い‥この人・・」子供??
「あー・・悪いな」
いえ・・・お構いなく。
「そうも‥いかない」えー‥。
この少し先に休憩地が在るらしく、そこを拠点に森で『ルカーの残党 狩り』をしてたらしい。報奨金っていうか、懸賞金だった。
つまりは、冒険ギルドで‥『指名手配』されてた連中って事。
『ルカー』か を 示すのは、ギルドの証か‥体の ど こ か に、刺青が入ってるらしく、見つけて‥追って来たらしい。
「ちなみに、1人‥いくら・・ですか?」
「1人に付き‥小銀貨5枚だな」そこ そこ・・だね。
「残党は、大抵が『ニヒ』だからね」
ニヒは、構成員みたいなもの‥らしい。だから、安い。
・・安い‥と、私は思ってしまうけど‥冒険者にとっては、そうでも無いみたい。
「クラークみたいな大物なら、もっと高いだろうけどよ」
「それで‥皆さんは?」冒険者グループだろうけど・・。
「おまえは、子供で商人の‥リモンだろ?」はい。
「俺らは、冒険者グループで‥アオスブルフだ」初めまして。
「‥君が、商人なんだねぇ」はい・・まぁ。
「行商人とは・・何が違うんでぃ?」え・・えーと…。
「おい、質問すんな。俺らは、こいつら連れて町に戻る。もう、この森にはルカーは、居ないから‥安心しな」そうですか。
他にも‥残党情報が、あればなぁ・・なんて、言ってるので‥。
「それなら、ランケアの町で‥商人のコラールって人と、一緒に居た『薬師』と名乗った、ルグレって人の護衛が、確か‥ルカーの‥」
「ホントか?!」・・名前は・・要らない‥‥はい。
これで、少し…気が 楽になる…というものですよ・・。
挨拶少なく‥リーダーさん達…ぞろ ぞろ と‥去って行った。
さて・・私は、薬師エシェックさんを・・・探そう。
だいぶ、奥まで来た。捧樹も‥少なくなってきた。
池は‥見つけても、近づかず‥遠巻きに見るだけにして・・進んできた。
森、固有の魔物は‥そこまで、苦戦するような相手では無かったので‥少し、余裕すら感じられるようになってきた頃・・。
薄暗くなってきた‥。
進もうか・・迷った挙句に‥ 一歩 足を出した 瞬間っ!!
また、何か飛んでくるっ! 武器で凌げたら‥良かったけど‥。
キィィンッ また、お守り発動。
『…何者だっ!』奥から、男性の声が・・する。
「商人の‥リモンと言いますっ」
『‥リモン・・だと?』はい。
「薬師の‥エシェックさん・・ですか? 話を‥」
『…魔力回復の‥ムニ・・とやらは、持ってるか?』はい。
小袋を‥奥へ 放り投げた。
・・・。
『‥!っ 本物・・の、ようだな…』
信じて‥貰えたかな?
『そろ そろ‥夜になる。こちらへ 来なさい』はい。
暗がりで‥見えて無かったけど、奥へ 進むと‥ランプの灯りで‥。
「こちらに入って、これで塞げ」はい。
小さな‥穴から、中に入り・・草や 枝で 作られた壁で‥穴を塞いだ。
「初めまして‥。商人のリモンと申します」緊張する。
本人だっ! やっと 会 え た ‥。
「‥私を探してるのは、おまえ・・だな」はい。
リモーネの調べてた‥情報通りだ。
「なぜ・・知っている?」ん? 何のこと??
「かなり前に、調べて貰ったので‥」これは、手帳に書いてあった。
「…そうか」
「不躾とは思いますが‥。母の為に、薬を作って頂けませんか?」
素材が必要なら、探します。
「お礼になるかは、分かりませんが‥」リモーネの用意してた、素材を出す。
『ノクスレーテ』という粉、『イズムルート』っていう鉱物。
そして・・。
「‥!っ・・それは、要らん」え?‥ダメ?
仕方ないから、仕舞い直した‥。
雷衝卵という セントライの卵‥‥は、要らないそうです。
え・・虫系‥嫌いなのですか?‥そうですか・・。
「‥ギルド長から‥自慢されたのだが・・」は?
どうやら、あの‥『神薬』が欲しいみたい。いっぱい有るので‥どうぞ。
「そんなに、ほいっと くれて、良いのか? 商人だろう?」
商人は、仕事にしたかったから・・ではなく、ただの手段なので‥。
そう言うと、驚いた顔をしてる。でも、ホントの事だし。
作って貰えるなら、何でも良い。
「まず‥確認して良いか?」はい。何だろ?
「‥そなたは、5つの素材で‥何か…作れるか?」え‥はい。
何かを‥確認するように、考えるようにして‥聞いてくる。
「作った物には、何がある?」ほとんど、魔石品ですね‥。
コビト や ポストを見せる。感心した声を‥出したりしてた。
途中‥お腹空いたので・・。え・・待って‥そんなの食べないでっ!
・・美味しく無さそうな‥固いパンを食べようとしてたので、作っておいた野菜炒めサンドを渡して‥野菜ジュースも‥差し上げた。
作った物を‥説明してくと、終始‥感心してる。
「リモン・・俺が、作って やっても良いが‥」お!
「‥おまえに、素材と レシピを渡す」何故に??
「え・・どうして‥ですか?」
「おまえは 既に、5つの素材から‥薬も作れる」それは‥まぁ。
‥どうやら‥薬の作り方は、私の・・飲み薬を作る過程に、似てるらしい。
「必要なのは、魔力量が多い素材を使い、高い魔力量を体内に流し込めば‥治る」
そう なの?!
『魔力』は 魔力でも、魔法じゃダメなのは、体内では無く‥表面だけだからって。
「だから、飲薬にする必要があるんだ」なるほど。
「素材とレシピを渡す。おまえ自身が作り、おまえが渡すと良いだろう」
ただし・・作り方は‥秘匿する事‥って。
「これで、生計を立ててるからな‥」はい。
なら、飲薬のレシピや‥ムニのレシピも渡す。お返しに。
だって、魔力量の高い素材なんて・・・。
‥入手困難な素材に載ってるような物‥ばかりなんだもの。
貰ったのは・・『ノクス リカバリ』魔物のミルク・・大丈夫?それ‥。
『ソウル アンカー』魔樹の枝。枝なのに・・宙に浮いてる。謎。
『ノクス フラクタ』闇の力が宿った魔石。
そして・・『アルケイン ブレイク』という、光る植物の根。
魔力量・・分からないよ? 見えないもの。
「あとは、生まれた土地の薬草を混ぜろ」って事は‥エキャルラット州の。
「はい。ありがとうございます」
夜も更けたので・・鞄に仕舞い‥寝袋を出す。
「‥それ・・良いな‥」
「作って貰いました」と言うと、注文してみようと‥言ってた。
おやすみ・・なさい。
朝‥良い香りで、目が覚めた。
「あ!スルクロ茶!」
「‥なんだ、そなたのような子供でも、知っているとはな」
自分も‥貰ったけど、飲み方や 量が 分からない と言うと、紙に‥書いて渡してくれた。これで、いつでも飲めそう!やったね。
「そうだ‥これ・・良かったら、どうぞ」
薬の件で、ご迷惑かけた事には違い無かったから、タイヌイの改良版で、ブレスレットになった『自分の身を隠す』装備。名前は 一緒。
「これは?」
「それを腕に着けて‥『カクレ』と思えば、姿が消え‥感知されなくなり、『モドレ』で‥姿を現せます」
「ただし、これで見えなくなるのは・・人に対して‥だけです」
魔物 や 塀・・門 は、無理。
「それなら、厄介な相手からも‥逃げ易そうだな」はい。
そういえば‥と、聞いてみたら・・やっぱ、嘘だったか。
・・変だと思ったのよね。
エシェックの弟子‥とか言って、情報‥ろくに何も無かったもの。
「今後は、おまえの弟子も‥そこら中に出て来るぞ」えー‥嫌だなぁ。
そんな話して、朝飯を食べ‥片付けして、先生は 去る と言う。
「いろ いろ‥ありがとうございました。道中、お気をつけて」
「あぁ。そなたにも世話になったな。また手紙を出そう。リモンよ」
それは、嬉しいです。
森を出る所まで・・ご 一緒した。
エシェック先生‥私より、ずっと強い人だった。
「そなたの母君が治る事を願っている。来年には‥国外へ 行くと思う」
・・うん。年末の‥薬を寄贈した後‥選ばれれば‥という話だけど。
「そなたも、選ばれるかもな」
どうでしょうか?・・興味は無いけど‥。
「それでは…。いってらっしゃいませ」
「あぁ。では、またな」
見送った早々に・・魔物に襲われてたけど‥すぐ、魔法で倒してる。
凄い・・あの方。
私は・・見えなくなるまで‥見送って、キトゥリノ州の家へと‥飛んだ。
魔力量の高い・・素材‥と、使う人の‥生まれた場所の薬草。
5つ・・並べる。
レシピでは、いろ いろ 書いてあるけど・・・。
だいたいが、下ごしらえって感じ。あとは・・混ぜるだけだ。
でも、私は‥この『錬成』で・・いっけーーー!!
上手く・・行きますようにっ!!
パアァァッ
ころんっ え? 2本・・出て来た。何で??
凄く‥装飾が凝っていて‥ゴテ ゴテ してる。
中は・・深紅の液体だ…。
金の入れ物に、銀の装飾が施された‥仰々しい‥小瓶。
指の先から・・手首辺りまで‥ありそうな‥長さ。
細長い部分は片手で掴めるくらいで、その下が‥丸く‥液体が見えている。
・・これが、そう・・・なの?
【 アルケイン ヴァッサー 】特殊 薬
魔力500回復薬。魔法を受け付けない体になる マナリジェクト症の治療に、効果が ある と言われる薬。魔力量の高い素材を混ぜ合わせる事で、体内から治療する薬となる。作れる薬師は 少ない。1000 m
・・出来た。出来たよ・・・でも‥。
何で・・2本?? 1本で、良いのですけど??
【 鑑定 Lv.7 】
魔力量を、単位 mで見れるようになった。
あ・・え? 鑑定スキル・・上がった。
見れるようになった・・。
これ、1本で・・1000m 凄い。
図鑑から、それ ぞれの素材が‥4つで1000近い‥。
私の錬成で、凝縮したから・・2000くらいになって、2本になった・・とか、そういう事かな?? 分からないけど、1本は‥保存しておこう。
・・あと、問題は‥帰る・・だけだ。
あ・・依頼、終了って伝えないと・・・。
心・・ここに在らずなまま、依頼を終わらせ‥ポストは寄贈し‥
※デトリチュスの森 [ 森の広場 ] = 森入口の広いエリアの事。手前・中央・奥と分かれている。
※刃 = ルカー 残党 ※炎 = 冒険者グループ
【イントルビディート】(イタリア語・しびれ)
雷属性の魔法。雷を 狙った方向へ 発射 出来る。比較的 簡単と 言われる部類。魔力 消費も少ない。
※服に付けてる『攻撃を弾く お守り』に、魔法まで弾く効果は無い。
【指名 手配】冒険ギルド管轄 依頼
『ルカー』の残党・1人に付き 小銀貨5枚。3人以上 同時に連れて来ると そのグループや 人物に対しての 報奨金が 支払われる。3人以上で + 大穴銀貨1枚。5人 以上で + 大穴銀貨3枚 増える。散ったルカーを 一掃するのが目的。
【アオスブルフ】(ドイツ語・噴火)
『炎』の意味を持つ 名前のメンバーが 中心となった冒険者グループ。リーダーは 赤い髪の男性。最近は ルカー 残党を探して エキャルラット州で活動している。メンバーは 名前で選ばれてる 変わった集団。
【エシェック】旅の薬師
ギルドに所属せずに 旅をしながら 薬の研究をしている薬師。魔力を 体内に大量に取り込む事で 治せると気づき チェントロ 国で 唯一‥マナリジェクト症の治療薬が作れる人。王に謁見した事もあり 騎士団の印章も所持している。25歳までは別の仕事をしていた。男 / 35歳 / 薄い黄緑の長い髪を 1つで結んでいる / 黄緑の細い瞳 / 176cm / 虫が苦手 / 杖 ( 炎・氷・雷 ) / 赤紫のマントを 貰えそうなくらい強い / 穏やかな雰囲気だが 言いたい事は 言う タイプ。
【ノクス リカバリ】
魔物の素材。魔物から入手 出来るが 人も飲める。ただし 味は独特なクセがあり 苦手な者も多い。白いが 無調整 豆乳に 近い。魔物‥と言われてるが 実は 獣の突然 変異体。
【ソウル アンカー】
魔樹・ソウルアンカーという 船の碇のような形に 曲がった状態で浮いてる魔物の樹。尖った部分を向け 飛んでくる。その枝や 根も 切っても 空中に浮いたまま。浮いてるので攻撃が当たり難い。
【ノクス フラクタ】
魔石では あるが、小石のような形をしている。フイブーヨ石の さらに年月かけて 魔力が凝縮した物。鉱山の地下 深くに眠る と 言われるくらい 簡単には 見つからない。
【アルケイン ブレイク】
特殊な山の頂上に 生えてると 言われる大樹の 子供のような植物の根。本来の名前は 古語で 発音が難しく 誰も 呼 べ な い 。この為 素材 単体に 名前が付けられ 呼ばれるようになった。根は 淡く光を放ち 光属性を含む。魔力量が最も高いのが根らしく、枝は光ってない。
【タイヌイ 改良版】
手首に付けるブレスレット。細い輪。『隠蓑』と 同じ効果を持つ。改良版は 心の中で思うだけで 発動する点が違う。身を隠すのには最適。ただし魔物には無効。塀や 門の近くでは 強制 解除される。足音も消せないので注意は必要。
【アルケイン ヴァッサー】
薬師・エシェック考案の マナリジェクト症を治す薬。深紅の液体は 魔力量の高さ が 見てとれるもの。これを飲めば治る。なるべく多くの魔力量を含む素材を 使う事が条件の1つとなっている ( 作る過程で 魔力量が減る事を 考えての条件 ) 。リモンは壊す事 無く作った為に 2本 出来てしまう。魔力と 魔力量は 比例しない。魔力 回復薬としては 500 も 回復するが そも そも そんな量の魔力を持つ者が 少ない為 需要は無いと言われている。
※魔力量 単位 = m
次回・・遂に‥家へ・・・




