113瓶 後継者
ランケアの町では、ろくに情報が得られず‥残 念 だった。
帰ろうかと思った時‥紫の封筒を渡され・・・。
塔町に納品 依頼を 受けたから、まずは 作らないと。
ヒュンッ
家に戻ったけど・・埃っぽい。うーん・・先に掃除かな・・。
・・・掃除して、終わる頃には‥日が沈んでた。
晩御飯 食べて・・お風呂に入る。
明日は‥錬成して‥数 作れれば‥納品まで・・行ける・・かな?
塔町だから、シェルタたちに‥会えるかも。
・・マエロルさんや、ボッカさんにも。
綺麗になった部屋で・・ぐっすり・・眠る。
チュンッ チュンッ
今日も、元気いっぱいね・・・。
朝食を食べ、さぁ・・錬成 開始だ!
まず・・手間の かかる‥飲薬から。
出来た頃には、お昼。パンを食べつつ‥錬成。
ムニを100粒とか・・大変。
まぁ、一度に 5粒 そこら出来るから・・なんとか‥なるかな。
小腹が空いたので、果物ジュースを飲んで・・休憩。
途中に届くメモには・・情報とは名ばかりの‥何かで・・。
コビトに‥仕分けと、要らなくなった紙を『 札 』に、変換して貰ってる。
眠気覚ましや、毒 回復系は・・さくっ と終わる。
素材が、2種類か‥1種類 程度しか 無い からね。
ふぅ・・疲れた。眠い・・・。数えつつ・・袋に入れていく。
粒は、中袋・・いっぱいになった。
眠気覚ましは‥小袋だと・・やはり、小さいから中袋になった。
簡易 組み立て木箱に・・飲薬を入れ‥鞄に仕舞う。
・・あとは、届けるだけだ。明日・・行こう。
早々に‥眠った。
家に届く情報・・私が、居る場所に‥届くの・・不思議。
これも、魔石品の特性‥らしい。むにゃ・・くぅ・・・
・・・。
曇りの日は・・起こされないなぁ。
さて‥支度も済んだし‥うん・・行こう。まぁ、転移で良いか。
塔の裏手は‥日中に、人が居ないから・・そこに飛んだ。
周辺に・・誰も・・わっ 誰か来る! 見えないのに‥低い塀に隠れた。
・・・お墓の所に‥居たみたいで、通り過ぎた。
周りを怪しむように‥見てたけど・・はぁ・・行ってくれた。
よし・・タイヌイ解除して、ギルドに納品だ。
塔の中・・前とは・・違って、賑わってる~!
コリでの…商人の店が、所狭しと並んでるせいだね。
うん。こっちの方が良いよ。
「お久しぶりです。ビルゴさん」
「ん? おぉ!リモンくん・・ようこそ。あ、ギルド長のかい?」はい。
丁度、手が空いてたのか‥シュピカさんが荷物を受け取って‥中身を確認し、ギルド長から‥と、報酬の入った袋を受け取った。
「良い商品を、ありがとうございました」いえ。
でも、使う所・・あるのかな?
「最近は、塔に登るグループが増えて来てね‥」と、レオーネさん。
お元気そうですね・・皆さんも。
「塔に挑戦するのは良いけど‥商人の店の内容によっては、回復薬が足らない事が多くてね」それで、今回の発注・・という事に なったらしい。
・・それに、今ではもう‥ほとんどの冒険者が、あの・・・。
『かける傷薬』を‥買わなくなったみたい。
一部はまだ、使ってる人も 居るらしい けど・・。
普通のは嫌がり、飲薬 や ムニを 要求するようになったみたい。あはは‥。
今では‥どこでも、この2種類が‥最も需要が あるって。
作り方は・・別に、秘匿してないから・・じゃん じゃん 作れば良いと思う。
・・そう言ってたら‥私の後ろで商売してた人が・・口を挟んできた。
「そうは言うが、おまえさんが作るのと‥他の奴が作るのじゃ、効果が違うんだよ」同じ作り方・・の ハ ズ なのにね。相変わらず‥謎の『錬成』能力ね。
私のは、即効性が・・ある。
他の人のは‥ 数分‥かかるらしい。
効くのは 一緒なんだから‥と言ったのだけど、冒険者で‥ 一度でも、即効性のあるものを使うと‥そうじゃないのを使った時の‥文句が 酷いみたい。
なんだか、可哀そう。作った人や 売った店の人が・・・。
もう・・私は作らず、人任せにした方が・・良いかも知れないね・・・。
お話の キリ が 良い時に・・離脱っ!
シェルタ達に会えるかと、塔の出口に向かって 歩いてると、つん つん された。
え?! 何??
「やっぱ、リモンだ!」あ、クレオ!久しぶり~!
最近は‥みんなで作った お守りや、服‥。シェルタ達が拾って来る、魔物の素材も・・ここで売って‥生計を立ててるらしい。
「シェルタたちは?」
「今日も、塔に挑戦してるはずさっ」へぇ・・。
2階層から、まだ上には 行けてない みたいだけど・・頑張ってるって。
「そうだ。リモン‥」『おーーい!クレオーーーっ!』
ん? なんか、呼んでるよ?
「あ、シェルタ達だ。おーーい! ここだよーー!!」
声が響くと、走って来る人影が‥店を縫うように・・来た。
「おおっ! リモンじゃん!」ヴェレーノも、久し振り!
「おまえ、来てたのかよ」うん。ギルドの依頼でね。
懐かしい顔に‥会えて・・嬉しいよ。元気そう。それに・・。
「2人とも、顔つきが変わったね」カッコよくなってる。
「‥そんな事より、おまえに見て貰いたいもんがある」何?
それは、拠点に‥ある・・らしい。
って事で、久し振りの・・アルクス団の拠点に。
「あ!リモンだぁ!」みんな、久し振りだね!
「フェリータ、アレ・・持って来てくれ」
「‥あ・・うん」
中は・・あんまり、変わってない気がしたけど‥。
少し見ない内に、けっこう・・みんな、成長してる。
「リモン‥これ」ん? あれ?‥これって。
「そう。あの ” おっさん ” の・・」
え・・おっさんって‥アフティさんって事?
どうやら、塔に登れるようになってから・・開いてみたらしいけど・・。
「何が書いてあるか・・ちっとも、分からなくて‥」ドロルちゃん‥。
手紙の包みの中には・・メモの紙‥数枚。
数行しか書いてない‥みんなには、読 め な い 文字の手紙‥。
そして・・見慣れないメダルと、小さな手帳。
・・最後に、鑑定しても分からない‥‥魔石。
数枚のメモには、古代語を訳したのか・・単語が‥。
少し間違ってるよ・・アフティさん。
1枚め・・ 『ハザオンの本』
2枚め・・ 『マルールの薬』・・いや‥『鍵』だよ・・。
3枚め・・ 『モルドーモの鳥』・・って事は、案内鳥?
・・あと『3つの印』・・だけ書いてある。
アフティさん率いる‥ [ アルクスの後継者 ] も、同じように探してたのだろう。
手帳には・・びっしりと、翻訳をした形跡が・・・残ってた。
でも・・字が、汚いし・・変換されない言葉も在ったし‥メモみたいに使ってたみたいね。アフティさんの、努力の結晶‥って感じがした。
最後のページには・・とある契約の解除の仕方・・が、載ってた。
それは‥とても暴力的な‥方法で。
でも、少し納得した。これは‥読めたみたいで、シェルタ達も知ってた。
うん・・でも、間に合わなかったら‥みんな、死んでたよ‥。
寒気が走る。今からでも、もう 一度‥文句を言いたい。
手紙には、たぶん・・古代語で書かれてる。
『我 アフティの後継者として、印を授与されし者なり』
あれ? アルクスの・・後継者じゃ‥なくて??
「アフティ・・って、名前・・偽名だって、知ってたか?」
うん・・まぁ。一応 鑑定で‥本名 不明って出てたし。
「名前は、受け継いだものだ・・って、前に言ってたんだ」
その時に・・武器も受け取ったみたい。
印・・って、コレ?
ちょっと、ソルさんが持ってた‥騎士団の証‥みたい。
丸く・・薄い。銀色に光った中に・・ん?
「どうしたの?‥リモン」
首を傾げた私に、クレオが聞いてきた。
「これ・・・。どっかで、見たような‥気がして‥」
どこ・・だったかな? 近い所に…あった・・ような・・・。
うーーん。
悩みだした私を他所に、昼飯だからと‥タオくんが戻って来た。
ギフトも・・戻って来て、まだ‥私は唸ってた。
「リモン‥悩むのは、あとにして」…はい。
ご飯を頂く。去る前に・・野菜でも、置いていこう。
「いただきます」ぱくっ 美味しい!
フェリータに‥料理、前より美味しくなったね!って言ったら照れてた。
そして・・ヴェレーノに、睨まれて…相変わらずね・・。
途中・・「あ! 思い出した!」
印は・・塔の周りに描かれてた‥あのマークだった。
大きな声を出して、びっくりさせた事を謝りつつ‥食事を終える。
「ラーナちゃん、これ・・良かったら使って」
防具用にと、作ったものの・・女子用の バレッタ に なってしまったもの。
前髪‥隠さなくて良いのにって思ったから、渡して‥好きに使ってもらう。
・・もちろん、ドロルちゃん や‥フェリータにも渡した。
「俺らには・・何か無いのかよ」
シェルタから催促されたので・・。
ポンチョを改良して、防御力を上げた雨具を‥みんなに、あげた。
シェルタは 赤。ヴェレーノは 紫。クレオが 黄緑で、ギフトは 黄色。タオくんは…青のイメージで考えてたから‥みんな バラ バラになった。
「ありがとな」どういたしまして。
喜んでくれたなら、良かった。
「そういえば、薬師・・見つかった?」ううん・・まだ。
ルカーの残党に会ったよ‥とか、変な手紙で行ったら‥危なかったよ‥とかの話をしてると・・急に、シェルタが遮った。何?
「タオ、どうした?」ん?
「…薬師・・探して・・る」うん。
「そういや、最近また・・マエロルさんが動き回ってるよ」そうなの?
「・・マエロル‥言ってた」
「…エシェック・・赤い州の・・」エキャルラット州?
「森の奥に・・」という事は、デトリチュスの森だね。
奥は・・行った事が無いな・・・。
「あの森って、デカい‥リーユイ・・・ピリ?ってのが、居るって話だぜ」
うん・・ 一度だけ、見た事・・あるよ。
「行く時は、気をつけろよ」うん‥ありがと。
「今日は‥泊ってくでしょ?」・・・。
行こうかと思ったけど、みんなして・・そんな顔 し な い で。
・・わかった。泊まります。お世話になります。
「良かったわ」
「悪いな・・リモン」いいよ。
「これ、何か分からなかったよ‥」
鑑定しても・・無反応な魔石。返そうとしたら・・・。
「預かっててくれ」何で?
「‥最近、アフティの荷物を受け取りたいって 奴らが来てさ」何それ。
「他のは良いけど‥魔石だけは、持ってろって…前に言われてたんだ」
『魔石だけ』は? そっか・・何か、ありそうだね。
「じゃあ、預かっておくね」
必要になったら、手紙を出すように言っておく。
「リモン‥野菜、何か余ってる~?」あー・・うん。
夜の楽しい食事、眠るまでの・・長い時間・・・。
みんなと、別れた後の話を・・たくさん した。
ふわぁ・・。みんな、寝てる‥‥。
「シェルタは‥起きてるね・・」
「リモン‥」んー?
「もしも、この先・・」うん・・。
「何かあれば・・。無くても‥俺らを頼れよ」
「うん。ありがと・・シェルタ」もう、寝よう。
「おやすみ‥」「あぁ」
翌日は、ドロルちゃんに起こされ‥朝食。
昨日‥シェルタたちの苦戦してる、塔内の魔物について‥。
フィールドで遭遇した事が、ある魔物だったから…アドバイスを伝えておいた。
・・バラダーで、苦戦してるみたい。がんばれ。
マエロルさんが居るのは、以前 住んでた場所らしい。
「フェリータ、また来るよ‥」
「うん。またね・・リモン」
クレオからの催促で…甘く無い『ドマテス味の魔力回復ムニ』と『ぺぺル味の苦味のある体力回復ムニ』を、50粒づつ‥バラ売り・・で、売るように渡した。
「1粒づつ‥売るなんて、想像してなかったよ‥」
「別に、小袋で売っても良いよ」
バラ売りを、体験してみたいそうなので・・うん。
頑張ってね‥クレオ。
みんなと別れ・・・マエロルさんの家に。
「…リモン殿」あ・・お元気に、なったんですね!良かった!
「その節は、ご心配を おかけしました」
「普通の子供と同じように、接して下さって 構いませんよ」
・・もぅ。首・・振らなくて良いって。
「タオから、聞きましたか?」はい。
どうやら、森の奥・・と 言っても、どこかの休憩地点に居るらしい。
「‥彼が『特殊な薬を作れる』と知った者達によって、命を狙われてるらしく‥」
え?! 何で‥そんな・・・・。
・・・・・ ま さ か ・・ね。
まさか、私のせい? うーん‥そうだったら、申し訳ないなぁ。
「リモン殿は、中級とも戦えると聞いてますので、問題は無いかと」
「‥そうだと良いけど‥」
池には、近づかないように・・言われる。はい。アレ‥出て来るものね。
さらに奥には、赤い帯が張られてるらしいから‥危険な場所と思えって。
そうなんだ。気をつけます。
私が前に渡したの・・まだ、大事に持ってくれてるみたい。
「トラッシュの事を思い出す時に‥抱えてます」
トラッシュくんに似せた‥ぬいぐるみ。気に入ってくれたなら良かった。
・・正直、ずんぐり むっくり に なったけど・・・。
「それじゃあ、また・・」
「えぇ。お元気で…」はい。
※塔町に来た直後に すれ違ったのは マエロル。姿は見えなくても 耳が良いので 足音などで 何か居る とは 思ってた。
※キトゥリノ州 アンビジョの塔に 挑戦 出来るのは 冒険者ランク 4 以上の証を持ってる者のみ。2階が スタート地点。内部 構造は よく分かって無い。まだ最上階には誰も到達 出来てない。
※普通の傷薬 = 飲めない。傷口に直接 中の液体を かける事で回復するもの。魔力回復も 掌に かける事で使う。リモンが飲み薬を出すまでは 誰も 他の薬を 作って無かった。
※とある契約の解除 方法 = シェルタが ルカー の ボスと 契約した事を 解除する為‥気絶する くらいの大怪我を負わせ 強制 解除という内容だった。
※アルクス団 男子たちに あげた物は 実家に帰る前に 渡すつもり だ っ た 物。
※そんな顔 = 寂しそうな顔
【ぺぺル】
苦味 と 甘味を 兼ね備えた味の野菜。皮のような部分は 黄色・赤・緑と様々。味に あまり違いは無い。中は空洞に 種が入っていて ピーマン に 似ている。甘く無い物を作る際に 使ってみた。
【赤い帯】
道を塞ぐように 張られている 赤い紐。上級が 出やすい場所に繋がる と 周知する為のもの。騎士団 や 冒険ギルドが 定期的に来て確認や 再 設置している。帯には 何の効果も付与されてないため 行こう と 思えば通れる。しかし通った先は 自己責任になるので、捜索を依頼されない限り 遺体は放置されている。
次回、デトリチュスの森で、遭遇する お三方と・・・




