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105瓶 懐かしい名前

予想外な所で、意味深な扉を 見つけたけど・・。

 

  アレは‥開けては イ ケ ナ イ 気がした。


まぁ、道中は塞(ふさ)いで来たし‥。怪しい集団が、出来て無い事を 祈ろう。

お昼は・・『キットカラ クルック』・・・はい?


・・・緑の野菜がメインな・・卵 と 肉の 炒め物・・に、見えるけど?



【 キットカラ クルック 】料理

キットカラの苦味を活かし、豪快に混ぜ炒めた料理。タフ・ガッルスの卵・スース肉を塩で、味付けしただけのシンプルな料理。



ふむ? まぁ、いいか。食べよう。


・・・あー!‥これ、食べた事ある味だぁ!


『ゴーヤー チャンプルー』に、そっくり!


この お菓子みたいな名称の『キットカラ』が、ゴーヤに近い苦味 と 色。

 形は‥きゅうりに似てる。


 ゴーヤみたいな形に、似て非なる物だね。


美味しい!


・・子供の頃は、この『苦味』が苦手で・・食べれなかったけど…。


 30歳になった頃には、その『苦味』が ” おいしい! ” に変わってたと知って、驚いたんだよね~。味覚って・・変わるんだなって、思ったものよ・・。


 懐かしい。 ライも‥頼めば良かった・・。うまー・・。


  もぐ もぐ


 食べ終わったら、宿屋の部屋を訪ねてみよう。

「80Rだ」はい。

「ごちそうさまでしたー!」


 美味しかった~。


人も、そんなに居なかったし・・過ごしやすかった。



えっと、ワシャクの爪‥納品は、宿のカウンターから 左 ね。


「おや、あんた‥また来たのかい?」あ、おばさん。

「今、食事してきました」

部屋を借りるのか?と聞かれたけど、そうじゃなくって・・。


「あぁ、納品かい。商人は大変だねぇ」

2枚の‥部屋の位置を教えてもらえた。助かる。

・・見取り図みたいなのを‥借りた。


「良ければ、貰ってくれれば良いよ」え?くれるの?

「では、有難く」今は、出したまま見ておこう。


おばさんが、〇を付けてくれたので‥より、分かり易い!

・・あとは、商人さんが 居 れ ば 良いけどね…。


 昼だし・・居ないかな?


コン コン コン


『…はい?』

「納品の依頼で 来ました‥」


 ガチャッ

目線が上だ・・下ですよ・・。


 若そうな商人風の人だった。

「こんにちは」声を かけると‥下を見てくれた。

「君・・が?」はい。


部屋に入るように促された。扉は 開いた ま ま で。


「てっきり、冒険者が納品に来ると思ってたんだ」

「ワシャクの爪‥3本でしたね」


 鞄から、にゅっ と出した瞬間‥驚いた顔になった。

初めて見る人に とっては、そうなるよね・・。


「それは・・魔道具?!」はい。私しか‥扱えないけどね。

試してみます?と聞いたけど、首を振った。そうですか。


・・持てなくて‥「ふんぬっ!」‥って、力 入れてる顔が‥面白いのに。


「おぉ! 立派な爪だね。それに大きい。うん‥ひび割れ無し‥色、ツヤも良いね」

3本を 中袋に 入れてた。これは、納品だから‥サインを書いて貰う。


「ありがとうございました」お辞儀をして、部屋から出て‥扉は閉めた。

さて、次だ。


 今度は、反対側の・・4人部屋に行く。居ると・・いいな。



・・酒場を通り越した先に・・あった。えっと・・ココ‥だね。


ふぅ 息を整えて。中から物音がするし…居るかな?

コン コン コン


『‥誰だ?』

「薬の納品に来ました‥。商人の リモン と申します」


 足音が響き・・ガチャリ‥少しだけ・・開いた。

まるで、チェーンロック分 開いてる形で、見降ろされる。


「‥おまえ・・」あれ? この‥おじさん。

横入りしてきたのに・・聞かずに、去ってしまった人だ。


「本当に、持って来たのか?」荷物が軽装だからかな?

「この中に‥入ってまして‥」と、飲薬の瓶を 出して見せる。


「そういう事か。少し待ってろ」はい。

一旦・・ドアは、閉められ・・奥の方で、ごにょ ごにょ?


 再び、足音がして・・ガチャッと、ドアが開いた。

納品の最中は・・ドア、開けておくものなの? また、開きっぱなし。


「失礼します」軽く お辞儀して・・中へ 入る。


商人の おじさんの後ろに・・・護衛だろうか?

 冒険者風の 2人の男性が 立っていた。


「あの…飲薬の効果は、50回復が良いですか?100回復も 在りますが‥」

「その前に、そのブローチを確認させてくれ」え・・あ・・はい。どうぞ。


・・取れませんよ。1回で・・確認は終わった。

子供なら ” 取れない ” と思っても、続けてるけどね・・・。



「本物だ」

「一時期、自分の偽者が出てましたが‥。既にウィリディス州で、捕まりました」


「なぜ、おまえが‥それを知ってる?」

「ウィリディス州で知り合った、兵士さんから話を聞きまして‥」


「‥もしかして・・おまえ・・・」な ん の ・・ジェスチャー?

冒険者で、色黒な方の兄さんが、何か・・聞きたそうなのだけど‥。


首を傾(かし)げてると・・商人が口を開いた。

「騎士団の・・印章を持ってると言うのか?」あぁ‥はい。


 鞄から取り出す。まだ、カエルレウスのマークは、薄っすらと色が付いた‥かな?くらいだけど…見せる。


 一様に・・驚かれる。

「どうやって手にしたんだ?!経緯は?!」

聞きたい事が…多くあるようだけど、その前に・・。


「それより、納品の方を 先に させて下さい」

「!‥そ、それもそうだな・・よし」やっと、本題に入れる。


 結局‥50回復になり‥飲薬(のみくすり)を、商人の持ってた木箱に入れていく。

・・・10本ね。


 それとは別に、傷薬 ムニ と 回復薬 ムニを・・中身を確認してもらってから、これも‥5袋づつ・・だから、10袋を入れていく。


「よし。買取になる・・全部で、いくらだ?」

「全部で・・4,250 R(リン) ですね」


 飲薬‥体力50回復は、単価 150Rで、10本。

傷薬ムニは、1粒30回復で‥1粒 単価が‥50R。


 それが、5つ入った袋…1袋で、250R・・。それが 5袋だから‥。あと‥回復薬の方は、40回復で‥1粒 単価は60R。5粒入ってるから‥これまた・・。



「・・!?」

「味と 効果は、保証しますよ」私が作った物だからね。


「分かった。支払おう‥」

大穴銀貨4枚・小銀貨2枚・大銅貨5枚・・はい、確かに。


「ありがとうございました」さっ さっ と帰ろうとすると‥引き留められる。

むー・・印章の入手 方法?


 ざ っ く り と ‥説明した。



 ギルド長から軍団長へ の口添えを頂いた後(のち)、軍団長から『カイチェットの森の復活』を 白紙で頼まれ、調査・武具の納品を経(へ)て‥討伐後、救助活動・・森の活性薬を作り、散布?して・・。それから・・貰ったのよね。


「…カイチェットの森の復活には、そういう事が遇ったのか・・・」

「なるほどな・・」


「とにかく、騎士団長に要請して ‥依頼を取り付けて、無事に完了 出来たら、貰えるようですよ」と言ったけど‥。


 その内容によっては、出来ない‥って事も・・あると思う。


「うーーーん…」

「お話が終わりましたら、僕は戻りますけど・・」


「待て!」今度は、何です?


「‥おまえは、まともな商人だと分かった。いつぞやの非礼を…詫びよう」

え・・はい・・・・。


「ちょっと前に遭遇した、少年の商人との 一件で‥少し、嫌な思いをしてな‥」

そうなんですか?


空きの木箱に、皆さん座りだし・・私にも、木箱に座るように言われた。


・・フタが割れて・・嵌(はま)らない? 大丈夫?

恐る 恐る・・座る。・・・問題 無し。


「あんな大店(おおだな)の服を着てるから、てっきり‥名の知れた商人なのかと、思ったのによ」「口ばっかで、全然 理解が出来て無い物、持ってきたり‥」


「しかも指摘すると‥謝るどころか、怒鳴って 喚(わめ)いてるような…子供だったな」


 ・・・。


それじゃあ、子供の商人に対して‥嫌な印象になってしまうのは、無理も無い。

・・・けど、全部が ” そう ” な訳…無いのに・・。


「大店の・・服を着ていたんですか?」それだとしても、個人の商人ランクは‥別になってるはず。何を‥身に着けてたんでしょう?


「…あったか?」え?

「・・・うーん…」

何かしら‥身に着けるのが、ルールなのに?


「そういや、ベルトも、帽子も・・何も無くて‥服だけ だったな‥‥」

「そうっすよ。だから俺らも、高いランクの商人なのかと」


・・確か、小冊子に・・最高ランクは、制服の上着みたいな物だったはず。

つまり‥『それ』と思った訳だね‥。


「ところで・・何を…その子に、頼んだんですか?」

「今回と、同じ内容さ」え?!‥そうなの??


 何度も・・深い溜息交じりに・・その少年の…いかに、おかしく‥異常な行動 や 言動だったかを説明され・・・少し、疲れてきた。



 どこでも・・ピグロ みたいな子供 は・・居るのね・・・。




「最終的には、大店の行商人 頭(かしら) が居たから、文句を言ったらよ‥」

「『それはピグロが、個人で 勝手に受けた依頼だ。我々は 関与していない』だってさ」


・・・!!? ピグロ?!


私の・・なんとも言えない‥変な顔に気付いたのか、商人が聞き返して来た。

「知ってる奴か?」‥はい・・・。


・・もう、あの子・・『指名手配』にした方が、良いんじゃないの?!



「そういや、最初は渋ってたんだが‥」ん?


「そう そう。最近よく聞く、商人リモンが作った・・みたいな話をしてたら‥突然、受けると 言い出したんだよな・・」


「そういや、おまえも・・」本人です。

「そうだった。すまん‥」


「因縁でも・・あるのか?」

私自身には、無いですよ・・。


「相手が勝手に、思い込んでるみたいで・・」やれ やれ‥だよ。

・・・だけど‥待って。『大店の服を 着 て い た 』??


 ヘクドって商人が捕まった事で、身動き取れなくなってたハズだったのに・・。ソルさん達からの手紙に・・書いてある…のかな?


‥子供騒動から・・冒険者の宝 探しで、すっかり 忘 れ て た けど…。


それにしても ピ グ ロ ・・・だなんて。こんな所で聞くとは…。


「あれ? あの子、商人資格は 剥奪(はくだつ)になった はず ですけど‥」


 あの・・爆発騒ぎの後には。

だから、他人の‥ヘクドって人の馬車で、町から 出たのだろうし。


 他所に来たとしても、それは 変わらない と 思うのだけどな・・・。

「商人資格 剥奪・・だと?!」はい。


「エキャルラット州 アルドルの町にある‥商人ギルド長に聞くと、理由が分かるかと」私の名前、出しても良いよ。


「‥。他の商人にも、注意を伝えた方が 良いな‥」そうですね。


 まったく。どこに行っても、何かしら や ら か す のが、ピグロ・・だね。

とんだ、とばっちりじゃない‥私。



・・ちなみに、ピグロの持って来た‥『飲薬』は、飲めた物じゃ無かった。


というか、傷薬を‥中の 草を出した後の 汁 を‥入れて、水で‥薄めた物らしい。

・・効果が、さらに薄くなるんじゃない?


「それよりも、臭(にお)いと‥味だ」

‥味見・・したらしい。頑張ったね‥。



「即、吐いたけどな・・」でしょうね。

「せめて果物とかの汁を、混ぜれば良いのに‥」

・・そういう発想‥無いのかしら?


「おまえが、作った方は‥何の味になってるんだ?」

「兵士が好む、ライムーン入りの さっぱり した味ですよ」


「ムニ・・の方は?」

「えっと、傷薬の方は‥キウ味で‥。回復薬の方は、クムトラ味ですね」


「回復薬は、だいたいが 甘いよな・・」そうですね‥。

「甘く無い回復薬は・・・無いのか?」


「一応、少し作りましたが‥」

甘い方が『美味しい』と、思うから‥あんまり作らない。


興味ありそうな顔してる。それじゃあ、試供品で出すか。


「ドマテス味・スリーヴァ味・テロン味 の3つですが、試供品として‥どうぞ」

・・私じゃ、おいしい か どうか・・いまいち、分からないからさ。


「食べて良いのか?」はい。味見でしょ?

回復云々じゃないからね。だいたい30~50回復 程度だし。


「催促したようで、悪いな‥」いえ。


「じゃあ、俺は‥ドマテスにするか」商人さんは、ドマテス。

冒険者の色黒な兄さんは、スリーヴァという名の、すっぱい果物。

もうひとりの兄さんが、テロンという名の・・ナスに近い植物。


 ぱくっ  もぐ もぐ・・・。


「どうですか?」

「普通に、美味いな‥」良かった。ドマテスは良さそう。


「すっぱっ!」あ ははっ


「うーん? 味が、あんまりしないね・・」そうなんですよね。

味にインパクトは 無い から、商品に なりにくい気がしてる。


 感想は、メモに書いていく。そろ そろ、手帳も新しいのが 欲しいな。


「ドマテスなら、もう少し原価を抑えられそうなんで、今後 商品化しますね」


・・安いと、買い易くなるだろうし。



 ピグロが作ったのか‥ムニは・・。



私のような 半円 の物ではなく、四角かったらしい。

・・何の型に入れたの?? 形は、良いとして‥。


   問題は、味よ・・・。



 まがい物の‥傷薬アメ・・のように、そのままの‥だったみたい。

だからね! 味は、大事だよ って事よ!!


と、ピグロの作る・・奇天烈(キテレツ)な薬の話で、盛り上がるのだった。

【キットカラ】(フィンランド語・ゴーヤ)

ゴーヤに 味が そっくりな野菜。ただ きゅうり のように細長く イボは無い。本来のゴーヤとは違い、中の『わた』は 取らずに調理される。緑色が濃い物が最も 苦味が強く お い し い と されている。


【タフ】(インドネシア等・豆腐)

木綿豆腐に近い味と 食感。白い四角い形なのも 一緒だが、市場(しじょう)には 出回らない。


※スース = ブタの事。なので豚肉。


※扉が 開いた状態での やり取り = それ ぞれの 身の安全を優先する行動の現れ。商談 や 交渉 決裂の際、すぐに逃げ出せるように する為のもの。必ずしも常識ある者が 来ると思って無い からこその 対策の 一環。一般的な宿の場合は 納品場所に指定する事が無く ギルド内の宿泊施設 利用時だけの暗黙のルール。


※リモンの鞄を持てるか試す際に見てる時は『頑張ってるなぁ』としか 考えてないが 後で思い返した際に 面白かった と思う時の事を言ってる ( 思い出し笑い)。


※長く商人をしてる人 や 護衛 勤務が長い人は、騎士団の『印章』の事は 聞いていても 形 や どんな物で出来てるかまで は 知らない人が多い。


【キウ】

キウイのような味で 皮が黄色く 中も 黄色い果実。大きさは普通のキウイと同じくらい。毛のような物は 生えてない。


【テロン】

ナスのような形で 白い皮の野菜。味も同じ。体力よりも魔力回復の珍しい植物。


※リモンの ムニ ( グミ ) = 元々の スライム玉の形 そのまま で 商品となる。一般的には 一旦 どろ どろにする。四角い型に流され 固められる。


次回・・商人との話が盛り上がり・・横道に反れ・・・

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