99瓶 ぷすん
ニーリーの家に泊まって、翌日。
2日め の お祭りを楽しもうと 出かけたのに…。
カラカテが 大暴れしていた。
知った人達が‥大怪我してるのを見て‥すぐ薬を渡す。
そして、ニーリーが見つけた先で‥おじさん達と合流。
おじさんが・・助けた子供は・・。
おじさんの体で、見えて無かったけど…近くに 居た。
この子・・は・・気絶してるだけだ。ダメージは‥無い。
でも、いつまでも コ コ に居たら‥危ない。
子供が起きて騒ぎ出すのも‥マズい気がする。
「安全な所へ 避難 出来るようにします。少し 待ってて下さい」
じゃら じゃら と 入ってる袋を出し‥船のある位置から・・楔を打つ。
この楔は、中級の攻撃には 耐えれた けど、上級の攻撃は・・分からない。
・・ 一瞬で壊される危険性は・・ある・・。
そう思って、2枚重ねて・・刺す。避難所とした所まで、続くように・・・。
屈んだまま移動って・・けっこう、キツイね・・。ふぅ
ニーリーには、おじさんの所に居て‥と。
海面を叩いてるのは、なんだろう? ディロスさん‥見当たらない。
昨日・・カラカテの足に居たままの…ルーラも居ない。
避難場所で、団長さん達・・起きてた。良かった。薬が効いたのですね‥。
「団長さん‥今から、あの船の所に居る皆さんを、ここに移動させます。動ける人は‥近くなってからで良いので‥手伝って下さい」と、周囲の人にも声をかける。
「あの‥」女性が声をかけてきた。
「? はい」
「このくらいの‥子供は・・居ませんでしたか?」
「お子さんは、無事です。気絶はしてましたが、命に別状 ありません」
「連れて来るので、こちらで‥お待ち下さい」
団長さんに、残った楔の袋を渡し、今の半分の結界を、円になるように‥囲むよう、お願いした。結界になった方が‥強度が増すから。
「任せろ」
息を整え、落ち着いて‥戻る。無駄に・・刺激したくない。
戻ると、おじさんは‥治ってた。良かった。
「これの内側を通って、この先の中へ‥屈んで、移動して下さい」
元気な おじさん達が、先を進み‥。
ニーリー、子供を抱えた おじさん‥と続いた。
・・やっぱり、ディロスさん‥居ない。
『リモン・・どうしたんだ?』小声のニーリー。
『先に行ってて‥』
周辺感知は、地上ばかり探してた。
・・まさか、海に落ちたの?
・・・・・・・あ・・も し か し て ・・?
カラカテが、水面 叩いてるの・・変だなって、思ってた。
その真下に‥誰か・・・居る。
でも‥カラカテの叩きつけた反動の、水の勢いで‥その人が、攻撃されてる事に気付いた‥。あれ じゃあ、海面には出られない・・。
息が、どこまで持つかも‥分からない。
どうしよう。どうすれば・・えっと・・・。
『リモン!』あ・・ニーリー‥戻って来たら‥ダメだよ。
「どうしたんだよ?」
「どうしよう。団長さんに知らせなきゃ‥」
なんで?・・上手く‥動けない‥。
「団長って、リガって人の横に居た、茶髪の人だろ?」うん。
「俺が、伝えて来る。言ってくれ」
「ディロスさんが、海中に居る。どうすれば良いか‥」
「!?‥分かった。伝えて来るから待ってろ」うん。お願い。
私・・腰が抜けてるの?ってくらい、動けない。
何も思いつかない‥落ち着け・・・落ち着かないと‥。
・・・あれ? あの・・砂浜の‥所に何か・・・。
良く見えない。思わず、そのまま‥立ち上がってしまった。
ゴンッ 痛い!
うぅ・・船に・・頭ぶつけたー・・・。
‥ルーラちゃん・・埋まってる?! いてて‥
魔物だけど・・うーんと、分かんない。
人のステータスは、見えるけど・・・。
魔物は、説明しか出て来ない。
今、ダメージ 受けてる状態なのか、寝てる のか、気絶してるだけ なのか・・分からない。‥素材 出た‥とかで、消えてないから・・生きてる?
ぷすん
へ? 何の音?
ぷすんっ ぷすんっ
・・なんだろ・・嫌な・・予感がしますけど・・・。
『キュー…』あ・・生きてるみたい。良かった。
ホッ とした、次の瞬間・・・目の前は・・なぜか、真っ赤だった。
衝撃と共に・・大きな木々が バリ バリ といった音を響かせ、倒れるような轟音が鳴り響き・・・。
…遠くで・・誰かの・・自分を呼ぶ声が・・・聞こえた・・気がした。
ぷすんっ
まだ、聞こえる。
全身・・の、感覚が‥無い?
・・いや、少し動かすだけで‥痛みが走る・・・。
怪我・・酷い? それなら・・・。
鞄・・あった。アレ・・。粒を1つ・・取れた。
前を見る事も出来ず、暗い中で‥粒を1つ、口に運ぶ‥痛い・・けど・・・。
頑張って‥よし・・口に届いた。唇も‥中々‥開かない。
少しで良いの・・入れば・・・それで。
ぁ・・入った。よし。今度は・・噛む。シートの方が‥良かったかな?
舌も‥動かし辛い‥。よいしょ・・。噛む。痛っ
噛んだ途端、顎の所に激痛が走った。頑張れ‥私。
噛めた。薬剤・・・出る。
ふぅ・・なんとか・・なりそう・・・。
‥ディロスさん、助けに・・行かないと・・・。
何だろ・・眠い‥。眠くて・・仕方ない…。いや、起きてないと・・。
ニーリー・・おじさん、みなさん・・心配‥してる・・だろうな・・。
あー・・もう・・眠いよぅ…。
眠くて・・ダメ・・。このままじゃ、眠ってしまう・・。
ムニ・・の、すっぱいの・・まだ、有った‥ハズ。
・・・これを・・食べれば‥おき・・・・・‥‥‥‥
『ここか?!』
『たぶんだが、そうだ』
『瓦礫を どかすぞ!』『おぉ!!』
『ニーリー、慌てるな。こういうのは、どかす順番が あるんだ』
『でも・・リモンが‥』
『あいつなら、自力で怪我くらい治してる。そんなに 心配すんな』
『リモンのお陰で、ディロスを助けられたんだ‥』
『よし、この大きいのを動かすぞ! 手伝ってくれ‥』
…なにか・・声が・・・・聞こえる・・・気がする・・・・・。
『せーの!!』
‥たくさんの・・人・・の声・・と、足音?
私、何が・・あったんだろ?
えっと、お祭りの会場に来て、騒ぎになってて・・。
カラカテが、暴れてて・・・。
おじさん達を・・見つけて・・・移動・・させた・・よね?
‥ニーリー・・無事かな‥。
子供・・親御さんの所に・・行けた?
・・私は・・・どうしたの?・・何かを見つけて…。
そう、ルーラちゃん・・。砂浜に埋まってて・・・。
『リモン!起きろ!』
『しっかりしろ!』
・・驚いて・・だったかな・・。立ち上がって‥頭・・打った。
痛かったな・・。
『リモン!』 誰の・・泣き声?
『起きてくれ・・』誰・・・?
頭・・痛い。まだ、頭ぶつけた時の・・かな?
『無理に動かすな』
『傷は治っても‥動ける状態じゃぁ、無いのかも知れん』
『村長の家に運んで、あの人も起こそう』
『行くぞ、ニーリー』『‥‥ぅ‥うん』
『きっと、大丈夫だ。な!』『ぅう…』
泣いてるのは・・誰? リモンって・・誰・・だった?
…何か・・忘 れ て る ・・ような?
・・体・・動かないや・・・。鍛えてる兵士とは、違うね。
あの時・・すぐ、起き上がったのに…。私は、起き上がれない・・。
頭・・痛い。
‥ムニ・・食べよう。
『リモン!?』あ・・近くに、誰か居るんだ・・。
リモンって、誰の事? だれの・・事だった・・??
うーんと、えーと・・・。
手帳 見ないと、分からないや。
あの音も・・何だったんだろぅ?
『ぷすん』って。
なぞー・・。
『リモン・・早く起きろよ‥』誰?
『‥薬師を‥探すんだろ?』薬師を・・探す。
うん。リモーネの願いを、叶える為にね・・・・。
だから、町から出る為に・・商人に…。
そっか。そうだった。
リモンって、私じゃん。
商人になる時に・・書いた・・名前。
忘れてた・・・。
目・・開く・・かな?
ゆっくり、開く‥眩しい・・・。
「リモン!!」・・日差しを遮るように顔が、近づく。
あ・・・ニーリー・・無事だったんだね・・良かった。
・・巻き込まれたんじゃ ないかと・・心配だったんだよ。
「起き上がれるか?」うん。やってみる・・。
・・大丈夫そう。
「はぁ~‥良かった…」
「ニーリー!」がしっ と抱きついた事…。後になって、恥ずかくなったけど‥。
「⁉ リ・・リモン⁈」
「ニーリーが無事で、良かったぁ!」「…」
「‥今の声は?!」
ドアが、勢いよく開いて・・誰かが入って来た。
「おじさん・・」
「おい!おまえらー! 起きたぞー!!」ふぇっ!
突然の大声に、しっかり‥目が覚めました。びっくりした。
続々と団長さんや、他の漁師の人達まで・・いっぺんに喋るから・・。
・・正直‥何を言ってるのか・・分からない。
話を、まとめると・・・。
避難場所に、移動した後‥‥。
ニーリーが 団長さんに 伝えに行って、その話を聞いてる最中に…、
ゴンッ という大きな音がした・・と。
それ、頭 ぶつけた時の・・ですね。
それまで海面を叩いてたカラカテの足が、その音の方を 薙ぎ払った‥。
吹き飛ばされた・・私は・・・。
家屋の何棟かを巻き添えに‥飛ばされ‥。
村の入口付近で、瓦礫に埋まってた・・・そうで・・。
「おまえ、顔…血だからけ…だったんだぞ」怖かった‥と、ニーリー。
「声かけても‥返事も出来て無いが、寝てるような感じでも無かったんだ」
眠たかったけど、寝てないんだ・・・。
気絶したのかな・・。うん。そうみたいね。
「怪我は、自分で治したのか?」はい・・なんとか。
あと、あの音『ぷすん』は、カラカテが ” 怒った時に 発する音 ” …らしい。
怒ってる時に、大きな音を立てたから・・。
音を出した方向を・・払ったらしい。
「でも、そのお陰で‥ディロスは海面に出れたし」
「俺らで、助けれたんだぞ」
ルインさんと、漁師の おじさん達・・そうですか。良かった。
ディロスさんは、渡した『ムニ』で、回復したみたい。
そこまで、酷い怪我じゃ‥無かったんだね・・。
「そうだ、ニーリー・・ルーラちゃんは?」
「あぁ、あいつ?」
「それって、入口の‥だろ?」はい。
「なんか、埋まってて‥自力じゃ、出れないみたい…だったから‥」
どうやら、ディロスさん救出して戻る際に見つけ・・・。
埋まってたのを、掘り起こしたって。
水をかけたら・・平たかったのが、元に戻ったって。
・・・平たかったの?! ちょっと、見たかったよ…。
「ニーリー、目…赤いよ?」泣き声は・・ニーリーだったのかな?
「…だって・・おまえ、ちっとも‥起きないから」
心配・・ありがと。
「もう、元気なんだろ?」うん。
「いや…今日は、祭りも中止になったから、ゆっくり休め」
「そうだ!」ん?
「言い忘れてたが、子供は親に返せたぞ」良かった。
どうやら、母親の所に行く手前で起きたらしく、おじさんに お礼を言ってたそう。
「良かったです」早々に、村から去ったって・・。
「あと、もう1つ」何ですか?
「今回、カラカテ様が持って来た小鉢は・・6つだった」
「予定してた1つは、投げ飛ばされた奴らで、しかも・・この騒動だろ?」
・・観光客の、ほとんどが‥帰ったらしい。
「結局、いつもの常連と‥この 団長さん。それと、おまえ‥になった」はい?
「おまえは、おまえで‥入れろって事だ」あぁ・・そういう事か。
「はい。分かりました」一応・・入れる物は・・既に用意して ある から。
小鉢という‥大きく透明な 丸型の瓶が、ニーリーの家に置かれた。私の分という事で・・。明日までに、用意しておけって。
今・・気づいたけど・・。ここ、ニーリーのベッドだ。
「ニーリーが、看病してたんだぞ」
「なっ! オヤジ!そんなの言わなくて、良いだろっ!」
「何、照れてんだ」
「ち…違う!」は は は ・・と、おじさんに笑われてる。
「本当に、ありがとう・・ニーリー」
「ぅ・・うん」
「中身を入れるのは、ここでも良いし、会場に運んでからでも良いぞ」
そうなんですか?
・・中には、中身の方が重くて‥傾けて移動 出来ない時も、あったらしい。
その対策として、会場で・・入れる人が、増えたとか。
どうだろ? うーーん。
「ほぼ、液体なんですけど・・」
「液体か・・。まぁ、それなら‥ここで入れても、いいかもな」
「液体って、何を入れるんだ?」
「味見・・する?」「え・・」
なんで、固まってるの?
フキアスープとー、モーグー と ガムジャスープとー・・薬草の・・・。
「最後のだけ、要らない」
「味見は、俺も良いか?」はい。
「ホントは、今日の午後とかに‥配る予定だったんですけどね・・」
「そうか・・。そいつは、残念だったな」
どうやら、さっ さっ と お帰り頂く為に・・・。
明日は‥昼間に、帰らせる儀式を するらしい。領域内に 村の人 以外が、入ったせいで、お祭りが‥阿鼻叫喚になってしまったからね。
・・私も、その 一人になってるのが・・哀しい。
せめて、好物・・とか書いてあったけど‥ホントなら‥良いな。
機嫌を直して‥帰ってくれると・・・いいね。
※助けられた子供 = 海に 投げ飛ばされた商人の 付き添いで来た 女性の息子。
※ルーラは、夜にはカラカテから離れ、砂浜を移動してたが‥。カラカテが暴れ出した後、逃げ惑う人々に踏まれ‥驚き硬直。その内‥埋まってしまったようです。
次回、カラカテに 気に入られる 小鉢は、どれになるか・・・




