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95瓶 漁村の森

 漁村の海岸 付近で‥嵐の際に無くなった と 思われてた石碑が 見つかる。

カラカテの好物が、本当に?と思える物だったけど・・一応 用意する事に決めた。


‥今日は、森に行きたいですね・・。

扉を出ようとした時‥やって来たのは、ニーリーだった。

・・え? 何か‥あったのかな?


「どうした? ニーリー‥」

「はぁ‥えっと‥いや その‥」ん?


「ぅっ‥」え? 店長さんの顔見て、嫌そうな顔してる。

振り返っても、にこ にこ 笑顔なだけだよ?


私が首を傾(かし)げてると‥なんだか、ちょっと気まずそうに‥。

「‥おまえの、手伝いしようと思って」手伝い?


‥これと言って、困ってませんけど‥。でも‥。

「ありがと!ニーリー」気遣ってくれた事、嬉しいよ!

「…うん」


「森の方に行きたいから、これから宿に向かうつもりなんだ」

どなたか、来てくれるかなって。


 フィールドと違って、森や洞窟には‥固有の魔物が、出るからね‥。

ひとりでも、戦えなくは無いけど‥怖いので…ね。


「ニーリーは、森に入った事・・ある?」

「ううん。オヤジに『入るな』って、言われてる」そっか。


宿に行って、カセィールさん達の泊ってる‥2階 奥の部屋に来た。

コンッ コンッ コンッ


『誰だ!?』

「リモンです」直後、ドアが開く。


リガさんが、開けてくれた。ニーリーが一緒で、少し驚いた顔した。

「こんにちは」

「何か‥分かったのか?」


えっと、それは‥こっちの紙に書いた。

「これを読んで下さい」直接、話そう とも思ったけど、ニーリーに話を聞かせて良いかは、分からなかったから。事前に書いておいた 紙を渡した。


・・たぶん、カラカテの好物‥とされる3色のアレ。


あ・・怪訝(けげん)な顔‥。シワ‥寄ってますよ‥団長さん。

「これ、ホントなのか?」さぁ?


「朝、漁師の皆さんが掘ってくれた石碑で‥」ぁ‥はい。しーって。

「あの石碑、砂だらけだったぞ‥」うん。あの後、砂を払ったんだよ。


「それより、どなたか‥森に同行してくれませんか?」

私との約束も‥守って欲しいんですけど?


「‥俺が行こう」リガさんが来てくれる事に。頼もしや。

「お願いします!」この子も一緒か?と、手で聞いてきた。


「ニーリーは、どうする?」武器・・ある?

「一応、槍は習ってるけど・・」槍が使えるの!? 凄い!


宿から出て、ニーリーが 槍を持って来る ‥と駆けて行く。

「海の子は、森に入ったら‥怒られるんじゃないか?」

「それならそれで、頼みたい事あるから‥その時に、考えましょう」


‥遠くで‥言い争ってる声が聞こえた・・気がする。

ニーリーと、おじさんかな?


あ・・。ニーリー‥来た。槍 持ってる。

「はぁ‥はぁ・・お待たせ」

「大丈夫?‥おじさん、何か言ってた?」


「‥リモンの手伝いで行くだけだ‥って、言ったんだ」

森から、外に出ないように言われたみたい。大丈夫。分かってる。


「ニーリー、これ付けておいて」小さな お守りを渡した。

『反射板(セクメク)』を胸の所に付けてもらう。よし。

ん? 見上げると、不思議そうな顔のリガさん。


「‥付けたい…ですか?」リガさんは、要らなそうなのに?

「気には・・なる」ほう‥。どうしますか?


 頷(うなづ)いたので、1つ‥差し上げた。

後日、皆さんには‥ワシャク爪のお守りを、渡す予定ですけどね・・。


「じゃ、行こうか。少年が前だ」「はい!」

私 と ニーリーが 横並び。リガさんが、周囲を警戒してくれる。


 ニーリー‥ちょっと緊張してる?


「‥漁の時も、そんな感じになる?」

「え?‥いや・・。最初の頃は、そうだったけど‥」


「じゃ、ここも漁を、する場所だと思ってみて」

「‥うん・・やってみる」


ニーリーのは、普通に・・槍・・だね。

棒の片方の先端に、刃物が付いた‥槍。簡易的なもの。


「槍が扱えるなんて、良いなぁ‥」なんて、呑気に言うと・・。

「こんなの、誰でも使えるんだぞ」えー?


「‥僕‥使えないよ」 首・・傾(かし)げないでよ。


ちょっと借りて‥やってみせたら‥痛い! やっぱ、ぶつける~‥。



「もう!‥そんなに、笑わないでよ!」

リガさんまで、笑うの堪えてるの‥分かってるんですからね!


 むぅ‥。やっぱり、長物は・・無理そう。

「使えない奴が居るなんて、初めて知ったよ‥くくくっ」ちょっとー。


「ごめんって」‥ニーリーの緊張は、取れたみたいだから‥ま、いっか。


 気になった素材を、採取していく。


カエルレウス州の薬草! 青い! 深緑に近い‥濃さの青・・・綺麗。



‥小さい・・濡手葉? 小さ過ぎて‥採るの‥悪い気がして・・やめた。



あ・・これ・・。変わってる~‥。

「‥そいつは、扱い難しいぞ」え? と思う頃には、触れてて‥。


 小さく、ガラスが割れた音がして・・・。

あー・・爆(は)ぜちゃった。


 昔ながらの金魚鉢みたいな形で、風鈴くらいの大きさの、透明な 花のような部分 に、水のような青みがかった液体が‥入ってたんだけど・・。


 ちょっと触っただけなのに、壊れちゃった。

中の液体みたいな所も‥無くなってる。勿体ない。


「‥すまん」「いえ‥言われる前に触れたみたいで・・」


 また見つけた。わりと、群生してるみたい。


・・・不思議だけど、足で近くを踏んでも‥割れない。

手で触れようとすると‥弾(はじ)ける。何故に???



あ・・鑑定、忘れてた。お!?




【 ヒール草(そう) 】薬草

その昔は、この草の水を飲む事で 傷を癒した と言われる。当時、乱獲された事で絶滅しそうになったせいか、人の 手で触れる と 花 部分が 爆(は)ぜるようになり採取困難な薬草となって今に至る。採取には特別な器具 が 必要。魔力濃度の高い地域・暗所に群生している。


へぇ・・。でも、乱獲されたせいで‥遺伝子が変化したのかもね。


・・手では? 手は、手でも・・ピンセットでは?

ちょっと、やってみよう。


「何だ?それ…」

「ピンセットって言う、道具だよ」細かいのとか扱う時の‥。


ピンセットで茎の部分を‥摘まんで、引っこ抜く・・・予定でした。





 ぷちっ   あ・・切れちゃった。


仕方ない。瓶に入れて・・よし。直接 触らなければ‥大丈夫そうね。

「‥それ‥いいな・・」リガさんも欲しそう。


「鍛冶屋で、注文してみては?」と、言っておく。


他にも、サブル・・生えてたり‥。もちろん、採取する。




‥何・・これ? くる くる・・してるけど・・葉っぱ?



【 ロコ草 】危険・植物

葉のように見える所に無数の花が咲く。その花の花粉を吸うと、正気を失い暴れるようになる。半日 そのまま なので、扱いには注意が必要。一度(ひとたび)暴れれば、効果が無くなるか、逆の効果を持つ ロルリ草を使うこと。


・・え”・・怖い‥。小さい花? 咲いてるようには見えないけど‥。

念の為‥息を・・「駄目!ニーリー!」


同じように屈んで、花の近くを見てたから‥。危ないよ・・。


「‥何だよ」むすっとしても、だめ。


「これの治療薬、今 持ってないんだから」

「危ない物なのか?」はい。


「‥ただ、まだ花が咲いてないから‥大丈夫かも‥ですけど」断言は出来ない。

ふたりに、少し離れてもらった。深呼吸してから、多く吸って止める。


 息を止めつつ・・採取。瓶に入れ‥すぐフタを閉める。

「ふぅ・・よし」


「そんなのも、採るんだな‥」

そうですね。何に使えるかは・・分からないけど。


・・と、そんな感じで‥採取した。


「そろ そろ、戻ろうか」はい。




お昼は、漁村に戻ってから・・日陰で‥。


 自家製‥って 言って良いのか‥相変わらず 謎だけど。

フィッシュサンドを‥ニーリー や リガさんと食べた。


「うまい!こんなの、食べた事ない・・」驚いてる。

お魚は、いつも刺身で食べるせいか、あんまり焼き魚は 食べないみたいね。


「確かに・・美味いな‥」良かった 良かった。


さっぱり系な野菜ジュースを出すと‥ニーリーが、露骨に 嫌な顔をする。

「さては、野菜が嫌いなんだね‥ニーリーよ」

「‥な、何だよ‥。変な口調で・・」


「飲んでダメそうなら、残りは 僕が 飲むから」

「えっ!…うん・・」ニーリー‥頑張れ!


 ごくっ


「どう?」今までは、大人の‥兵士ばかりに飲んで貰ってた。

同じ 年頃の男子は・・どういう感想になるだろうか?


「‥飲める」美味しい?不味い?



 「…」どっち?!


「あ、リガさんも どうぞ」「あぁ」


 私の中で『冒険者』と言えば、スクレットの人達だった。


「うん。飲みやすいな‥」それだけ?

「美味しいですか?」


「…普通・・かな」普通かぁ・・。

酒でも入ってれば・・みたいな事 言ったので、ジト目で‥返しました。



だからね、リモンは未成年な訳でして。味見したら ダ メ なんですよ・・。

「‥すまん」

「リモン・・飲めるけど‥」飲める・・だけ? そっかー・・。


まだ まだ 改良の余地あり・・だね。了解。

「貴重な ご意見を、ありがとうございました」


‥新しい味も、いろ いろ工夫してみないとな・・。


「そういえば、リモン」何?


「明日には、祭り・・始まるぞ」え!?

「って事は、カラカテ‥浮上するの?!」


「そうなのか?!」思った以上に‥早く‥遇える!

「うん。村長が 朝・・言ってたんだ」


 じゃ、今夜・・作らないと・・。


「‥リモン、カラカテ様の鉢に入れるのは、3日めの最後だから」え?

「あぁ‥。急がなくても良いって事?」うん・・って。


そっか。夜更かし しないと!・・なんて、思ってたけど。


「…」ん? どうかしたの?ニーリー‥。


「リモン‥」何?


「‥祭りが終わったら‥帰るのか?」帰る?

「まだ、薬師 見つけてないから、町には戻るけど」帰る‥とは、違うかな。


「あー‥。ここらの出じゃないのか」うん。エキャ‥

「ひとまず、カセィールに報告に行くよ。ごちそうさん」


「はい。ありがとうございました!」



「‥リモン‥お祭り、楽しめよ!」うん! ありがと。


‥おじさんにも挨拶したかったから、ニーリーと戻る事に。


ニーリーが武器 持って歩いてるからか、村の人‥周囲を警戒する。

「違うよ。魔物は出てないよ」



  森・・・。


行きは‥出たのに、村から行ったら‥何も 出なかったのよね。

・・不思議・・って言ってたら、ニーリーが・・。


「もしかしたら、海と 一緒で‥森にも加護が あるかもな」

なるほど。そうなのかもね。


「そういえば、入口に居た‥ルーラ?‥あれって・・」

「あぁ。昔っから入口に居るけど、普通は武器とか見せれば‥通れるぞ」

  そうなの?!


「‥でも、あんなに‥かわいいのに・・」脅すのは‥嫌だな‥。

「リモンは、優しいんだな」え? そう??


「あいつに、魚渡す奴・・初めてだ」

普通は・・魔物に、何も渡さない。襲わなくても‥襲ってきても‥。


襲われたら・・倒してしまうものね・・・。


「喜んでたよ‥あいつ」


「あの魚・・食べたかな?」

「うん。大事に‥食べてたよ」

ペットなの?‥と 聞きたかったけど、聞き返されそうで‥やめておいた。


 気に入ってくれたなら、良かった。

ニーリーの お父さんに挨拶して、お礼を言って‥。


「祭りで、小鉢に何を入れるか・・決めたか?」

「はい。用意は・・急がなくて良いって」ニーリーが。


「まぁ、そうだが‥。早めに準備はしておけ」はい。


‥どうやら、抽選になった時‥すでに、入れる物が 有る か 無いかで、変わりやすいって話だった。なるほど・・。用意してれば、優先してくれるって事よね?


「ありがとうございます」

お辞儀して、宿へ 行こうとすると‥引き留められた。


「今日は、泊ってけ」え?‥そんな、悪いし・・。


‥錬成・・したい。


「オヤジ‥。リモンにだって、都合が‥あるんだ」

「‥うーん‥。そうか・・」


「じゃ、明日は・・泊るって事で!」今日じゃなくて、明日で。


・・そんな、ふたりして‥嬉しそうな顔・・似てる・・・。


 さすが、親子ね。



「よし! 明日だな!」はい。

「じゃあ、今日は‥もう、宿に戻るのか?」うん。


個室、借りないとね。


 二人に挨拶して、宿に戻ると・・すんなり借りれた。

前回 同様・・個室。でも・・なぜか、お金を払わず。


「えっと、代金は?」

「カセィールって人から、前金 貰ってるから、要らないよ」


・・団長さん‥。


「そうですか‥では、お借りします」・・タダで‥借りる事になった。


‥何だろうか? プライド的に‥子供に払わせるのが、嫌なのかな?

謎だな・・。でも、ご厚意は 有難く 頂戴しよう。


 お陰で、すんなり部屋も借りれたし・・。錬成しよっと。

鍵はかけて・・。お守り付けて・・よし。


 まずは・・カラカテ様に捧げる‥3色の1つを・・・。

※村は 町と違い 高い塀に囲まれて ない 為、境界線が曖昧になっている。この為 村の子供は境目の塀 や 森に 近づいては い け な い と 小さな頃から教えられて育つ。すべては 法律を守るため。


※カエルレウス州の薬草 = 群青の色。

魔力濃度の高い土地だからこその効果がある。


※濡手葉は、魔力濃度の高い場所では 逆に 成長 出来ない特性があり この地では 小さいまま。


【ヒール草(そう)】(英語・治す) 薬草

英雄の居た時代には、摘んで飲むと 体力も 魔力も これ1本で回復する‥という効果のある草だった。一旦 絶滅しかかり 代わりの物としての 傷薬 や 回復薬が 出来たと言われる。人の手 や 温度を 感知して壊れるようになった。今では 採取 困難の薬草に 認定されている。


※サブル = アロエのこと


【ロコ草(そう)】(スペイン語・狂気) 危険な植物

寒い季節に 花を咲かせる。触れると 花粉が飛び散り 周囲に居るもの の 気を狂わす。香りは特に無く 上に伸びる形で 蔓(つる)が伸びるように 円を描いたような葉。


※ロルリ草は 涼しい場所に 生える草で ロコの花粉などで 興奮した人の 気を落ち着かせる 効果を持つ。


次回、カラカテの好物・・用意しないとね・・・

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