91瓶 フェイリュア
囚われの村人と‥村に戻り、村長たちの お話を聞いた。
依頼は、商人から‥。経緯は分かった。
団長さん達は‥その名前に、聞き覚えがある‥みたいだったけど。
私は、子供たちの事・・伝えないと。
「あの子達に何が?!」落ち着いて下さい‥。
「今は、騎士団に 保護されてます‥」あんまり、良くない形だけど。
「商人が‥世話してるんじゃないの?」
「いいえ。そのようには‥見えませんでした」
孤児のような姿だった‥そう伝えると、泣き崩れてしまった・・。
‥孤児とはいえ、誰かに教育されてる‥と、感じさせる態度だった。
よもや、村の子供達だなんて。思わずだよ・・。
「エタン‥という少年が最年長で、みんなを引っ張っていましたよ」
私が出会ってから‥別れるまでの事を・・話した。
私 自身は‥彼らの事…『家族と離された子供』と 思ってた。
子供だけでの生活を、整えてあげようとした事には…礼を言われる。
でも・・あの子達は‥。
「そう。門から 出ようとした のね・・」
村からも出た事は、無かったし‥魔物も…見た事が無かったそう。
だから‥外に 危険なものは無い と思ったんじゃないか‥という事だった。
「親である と 証明する物を持って行けば‥」
あれ?・・そんなの‥どう やるのだろ?
「それなら、村長が管理してる書類が在るから。それを出して貰うわ」
なるほど。有るなら大丈夫です。
「商人のとこより、騎士団の方が‥まともに、食事が出るでしょうから」
反抗的な態度を取らなければ‥大丈夫よ・・。
と、その時・・何か・・来た! 干渉されてる!!
「カセィールさんっ! 何か‥」「団長!」
私が呼ぶ声と‥ディロスさんの呼ぶ声が、重なった!
‥ディロスさんって‥洞窟の方!
あ・・・ちょい待て。
「これ、預かってて下さい。ケガした人には、これを食べさせて!」
お母さん達に、傷薬ムニ の 袋を渡し・・・走った!
後方で『あなたは、行かなくても‥』って声が、聞こえたけど‥。
「ディロス!無事か?!」あ・・団長さん。
「‥こいつらです‥黒装束の…」と、こちらを向いたまま・・・。
俺の『後ろ見て』・・みたいな感じで‥。
結界に阻まれ‥壁に ぶつかって…貼り付いてる状態の・・黒装束の人達。
その後ろで‥小太りな・・なんか、グアイビとかいう商人と‥同じ格好してる奴。肥り加減も同じで‥。ガミ ガミ 指示 出してるみたい。
「…何やってんだ?‥こいつら・・」
「さぁ? 入って来れないみたいで」
横で、二人の そんな話を聞きながら・・。
えっと・・痺れ矢で、良いかな‥。
アイツ。あの後ろのが‥きっと、みなさんを巻き込んだ‥奴だ。
まったく。子供たちが悲惨な目にあったのも・・あ ん た のせい。
結界に群がる‥黒い人達の、隙間を狙い‥発射!
「うっぎゃぁあああああぁぁっ」・・そんな、大袈裟な。
「今、何した?!」
「は? 攻撃したら出るんじゃ?!」
うん。み な さ ん は ・・ね。
私・・設置した人なので、戦えるんだ。この 中から でも。
「おまえら~!‥お‥俺を助けろぉ~!!」
後ろの方で‥藻掻いてる。やれ やれ・・いつまでも煩いのね。
『・・・』ん?
横を向くと‥カセィールさん と‥ディロスさん、こっち‥見てる。
「何ですか?」
「…いや・・なんか‥凄いな・・おまえ」 は?
「思い出した!」え?
「‥あいつら・・フェイリュアって!」
名前の響きは、綺麗なんだけどねぇ。
「あぁ!そっか・・」
『盗賊 集団!』・・ダメな部類の人達だった・・みたい。
「宝探し ハンターだ!」壁に貼り付き言ってる・・黒いのが。
「おまえらの話を、聞いたんだよっ」外で ” 頑張ってる人達 ” が、べら べら と事の経緯に繋がる話をしてくれた。
もっと後ろで・・・。
「そんな事まで、しゃべるなー!」と言ってる声は、届いてない みたいね。
得意気になって‥興奮 気味に話す人や、頑張って攻撃しようとする人‥。
中には‥無心で入ったものの‥攻撃しようとして、外に‥飛ばされた人‥など。
「つまりは、こういう事か?‥まず、俺らの会話を聞いて‥3か所 調べたと…」
「そうだ。しかし、それも暗号になっており‥分からず!」暗号ねぇ…。
「‥村で情報を集めようとした際に、洞窟に関係しそうな話‥伝承を聞き‥」
「そうだ!‥他にも 知ってるだろう と思ってだな‥」
・・だから、村に留めておく為の‥『依頼書』だった。
「商人の恰好で、情報集めの部隊から‥。子供は邪魔だから、町に連れてくと、連絡を受けた後‥我々は・・こちらに来たのだよ」ふふん・・・じゃないわよ。
「それで、来たものの‥誰も何も知らんくて・・」
「そうなのだ!知らん奴と 区別する為に、気絶させて運び‥洞窟の牢に押し込んだのよ!」嬉しそうに語るな~‥この人。大丈夫? 頭・・。
「で、今は‥何してんのさ・・」ディロスさん‥。
「今は・・新たな調べの為に、村民を返して頂きたく!」
いつまでも…あんたらの思う通りに事が運ぶと、思ってないでよね!
「せぃやっ」と・・スライム玉で作った・・新弾 投げた。
「ん?」服に触れたか どうかのタイミングで、爆ぜる!
「ぎょぇえええぇぇ!」
飛び散ったから、周囲も・・。
「ぎぃゃああぁぁぁぁっ!」「うぎゃぁぁぁぁっ!!」
もれなく・・当たったみたいだね。痺れてる。はぁ‥。やれ やれ。
・・いつまでも、結界前で‥どーの こーの‥煩いのよ。
「…リモン・・今の‥何だ?」
あれ? どうしました?‥そんな、怖いものを見た‥みたいな顔で・・。
「‥グロム‥じゃないよな?」はい。
材料が違うし、名前も違うのよ。
「今のは‥『バロン』というアイテムです」
‥スライム玉と、痺れ薬で作れた。たぶん、ディングル草でも出来そう。
黄色のにしたのは、単純に自分は・・雷 = 黄色のイメージだから。
「‥グロムより・・爆発しなかったな‥」
はい。それは、スライム玉の お陰かな。
グロムは‥殺傷能力 高いと思う。爆弾だし。
だけど・・バロンは‥当たると弾けるけど、痺れ‥などの状態 異常しか、起こさない。私には・・無効 付いてるので・・相変わらず、効果の検証は出来なかった。
けど・・・。
「バロンの検証に役立ってくれて、ありがとうございます」にこ にこ
痺れてる人・・観念したみたいだね。良かった。
気絶された方々を、牢屋に連れて行った。それはカセィールさん や 男衆で‥。
女性たちと‥私は、村の散乱した物などを‥片付ける事になった。
「けっこう‥大量に廃棄になりそうね・・」そう‥ゴミの山になってる所を見て、女性のひとりが‥あ・・この人‥。
・・パルムの お母さんだ。
ん・・あれ?‥でも、これとか・・欲しい‥。これも・・。
「あの‥これの中に、欲しいの有るんですけど‥貰って良いですか?」
「こんな中に?」はい。
「いいわよ。どうせ捨ててしまうから」
「ありがとうございます!」わ~い!
厚手の手袋した状態で‥ガラスの欠片 や その粉を、小袋に入れてく。
それと、これ、木材になる。素材で使えるし・・。
これも、壊れた食器も・・。
え!‥これ、紙では?! 欲しい!
よし。これも・・けっこう あるなぁ‥。
さすがに・・腐った野菜とかは‥要らないです。
農業しないし。鼻 痛くなるもの‥。そも そも、持っていたくない…。
「ぉーい‥ここに‥ゴミが‥って、ほとんど 無い じゃないか!」
「それが、あの子が欲しいのが‥あるからって‥」
服の切れ端とか・・いろ いろ あった。大量!大量! ふふふ。
「おい‥リモン」・・・ん? 呼ばれた?
「はい?」
「‥上機嫌だな」はい。いろ いろ 素材を 拾えたので。
まだ、こっちに来てから‥まともに採取すら‥出来て無かったもの。
これで、また・・いろんな錬成 出来る!
「ゴミが大量って話じゃ‥」あ・・他の人達も来た。
ルインさんは、町の騎士団に要請に行くと‥出て行ったけど‥。
そういえば・・・。
「そんな事より、カセィールさん」
「ん?なんだ?」
「トゥードーさんは、見つかったんですか?」「!?」
・・あ・・忘れてたね・・すっかり・・・。探しに行っちゃった。
そういえば・・伝承‥か・・。
聞いてみたいけど、それよりも まず‥聞かないと。
「エシェックっていう・・薬師?」
「去年、来たんじゃ‥なかったか?」今年は?
「今年は、まだ出会ってないぞ」・・・来てない。そっか。
こっちには‥居ないのか・・。じゃあ、やっぱり大きな町に‥。
「いや、村を通らなくても、近くの橋を渡って‥国境の町の方へ、行ってるかも知れないぞ」「わかりました。ありがとうございます」
‥橋を渡る・・・。うん。明日‥行けるようなら、行こう。
山の‥素材も取りたいと・・村長に言うと・・・。
「えぇ。構いませんよ。ただ・・昼間に行って下さいね」はい。
もちろんです!‥夜は怖いのが、出るって話だし。
・・大型と遭遇したくない。小型でも‥素早く動くのは、苦手なんだよ‥。
とりもち…みたいなの・・欲しい。‥無いけど。今の所。
「食料は‥ 一応・・あるわね」
「じゃあ、大鍋を出そうかね!」
どうやら、収穫祭みたいな お祭りを開いた時に出す・・大鍋らしい。
男性・・10人くらいで・・運んで来た。そんなに‥重いの?
中身の入ってない‥お鍋を覗く。
底の方に・・『魔石品』‥って、書いてあるけど?
とか思ってたら、すぐに刻まれた野菜や‥野草‥が、放り込まれてく。
ここに居たら‥邪魔だな・・離れよう。
「リモン・・ちょっと、いいか?」はい?
「どうしました? 団長さん‥」
・・え?‥呼び方も、どっちかに固定してくれ?
じゃあ・・・・団長さん‥で。
「よし。じゃあ、2つ・・聞きたい」はい。
「1つは‥ディロス や ルインを、治した薬‥売ってくれるか?」
「そんな大金・・持ってるんですか?」
怪訝な‥そんな眉間に、シワ くっきり させなくても・・。
これは、騎士団でも 買えない値段の物です よ。
滅多に手に入らないような、特殊で採取 困難な素材が…使われてるから。
1粒の トゥットなら、25万 R‥。
紙のようなヴェーシは、1枚・・50万Rですけど・・。
はい。みなさん・・。同じ反応で、固まってます。
‥私が、金額 決めた訳じゃないからね・・。ホントの所。
勝手に‥書かれてるの、しゃべってるだけ・・だし。
‥あぁ・・悩んじゃった。
「もう1つは、何ですか?」
「ん?‥あぁ・・えっと、俺らの調査に‥協力してくれないか?」
調査? そういえば・・黒服 倒す前に『同業者』って、言ってましたね。
「俺らも、ずっと探してるんだ‥」
「まずは牢屋で調べもの‥してたようですし、それを回収しては?」
‥お喋りな黒服さんが『暗号』って言ってたけど・・。
そも そも‥古代語で書いてあったんじゃないかな? たぶん。
で、暗号なのかも・・。
アルクスの遺産・・みたいなイメージなのかな?
‥どれがアルクスか なんて、名乗ってない人は‥知らないけど‥。
メドレグや、洞窟の扉は・・アルクスの人だったね。
協力は良いけど‥いつまでも、居ないよ?
・・その夜。
大鍋を囲み・・みんなで、食事をする。
・・食材が足らなくなってきたって言った時に、モーグーを放り込んだり、お野菜の残りを提供したら喜ばれた。
でも‥これ以上は・・食べれません‥。ごちそうさまです。
ひとり、広場の近くにあった、家の横に‥天幕を張って‥寝た。
みなさんは、お酒 と お話で‥遅くまで‥盛り上がってたみたいだった。
「リモン・・朝だぞ」むにゃ・・うぅーーん!
着替えて、天幕から出たら‥騎士団の人が来てた。
「おはようございます」けっこう明るい。寝坊したかな?
「おはようさん‥リモン」
「リモン殿、おはようございます!」はい!‥勢いで返事しちゃった。
天幕を片付け‥騎士団が数十人で来てる。あぁ。あの人らを受け取りに?
「まぁ そうなんだが‥。おまえが、騎士団の天幕 使ってるのが…気になるらしくてよ‥」ふむ?
「これはウィリディス州で、軍団長から ザンザーラの上級 討伐の前に、武具の提供の報酬として、受け取りました」『おぉ!!』
「しかし、そのような2色を使った物を‥我々、見た事が無くて‥」
「これ‥赤いマントの、ビハイルさんから受け取ったので‥」その人に聞いて下さいと言ったら・・・また・・固まってる。
もしもーし! 兵士さんたち! 起きて!
「ハッ…」起きた。よし。
・・ビハイルさん・・有名人なのかな?
「それで、無事 護送‥という形になるのですか?」
「はい。それは‥ぬかりなく」それなら、良かった。
「リモン、こっちに来てくれ」はい。
兵士さん達に お辞儀すると‥皆さん、お辞儀で返してくれた。
カセィールさん達が、借りてる家に戻って来た。
中に入ると‥見慣れない道具や紙、小さな本が‥テーブルに置いてある。
「よう、やっと起きたのか?」ディロスさん‥はい。今しがた‥。
「リモン、トゥードーは見つかったよ。君の薬の お陰で、わりと元気だよ」
そうですか。今は別の所で・・なるほど。元気なら、いいです。
トゥードーさん・・追いかけて行った後、攻撃を受けたみたいで‥。
今は、兵士の詰め所で‥休んでるらしい。
「それより、これ・・この3枚を、読んでくれ!」
※一般人は 親子関係を証明する物を、町なら 商人ギルド・村なら 村長が 管理しており把握している。子供が何かで捕まった際には その子の親と証明する紙を発行して貰う事で 証 となり牢から出して貰える ( 捕まった内容に よりけり) 。
※グアイビは 54瓶 情報屋にて 子供誘拐した人物として出ました。
【ギョット】(イタリア語・大食い)
遺跡 盗掘団の団長。『フェイリュア』と 名乗り活動している。団員たちは 黒い服。本人は とても高そうな服装着ている。男 / 46歳 / 独身 / 小太り・鼻がデカい / 165cm / 茶髪 / 黒い瞳 / 思い通りにならないと癇癪を起こす。
【フェイリュア】(英語・失敗)
この ” 失敗している世界 ” を正し、遺物を 正しく使える者 ( 自分達 ) の手に戻し、正しい世界を創る‥という信念を掲げて 人を集めている。しかし 実態は た だ の ‥遺跡 荒らし。遺跡の情報などを持ち帰る 情報部隊や 荒らし周る実動隊などに 分かれてる。団員は 黒い服 を 身に着ける。一部の団員からは『宝探しハンター』と思われてる。
※リモンの作った結界は、設置した 本人 以外 が『攻撃』しようと するだけ で、結界外へ 飛ばされる。結界を設置した 本人は 自由に行動が出来る。攻撃も可能。結界は‥外からの攻撃は弾く。魔法攻撃も結界に当たった時点で消える。
※グロム = 属性付きの 素材1つで 加工された 爆弾 のこと。
【バロン】※風船のこと
痺薬 と スライム玉 ( 今回は 黄色 ) で 錬成した 水風船 のような物。対象に投げると すぐに爆ぜて 中の液体が 周囲に飛び散り状態異常を起こす。スライム玉が 薄く伸びたような状態で 液体を内包した物。今回は痺薬が やや凝縮された状態で 必中 付きの 麻痺玉になりました。
次回、橋へ 行ったり‥伝承 聞いたり・・・




