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少女スパイと七人の王様~異世界転生で手に入れた最強スキル「透明人間」で「スパイ」活動をしたらなぜか七人の王様に愛されました~  作者: リラックス夢土
魔王の章

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第13話 ハッピーエンドの人生にしたいです



 エドの図書館で二人で読書をしていると心が穏やかになり落ち着く。

 商売をする旅に出てからゆっくりと読書をしたのはこれが初めてかもしれない。


 チラリと私の隣りで読書をしているエドの様子を見てみるとエドは口元に楽しそうな笑みを浮かべている。



 読んでいる本が面白いのかな。

 読書しているエドって幸せそう。



「エド。楽しそうにその本を読んでるけどそんなに面白いの?」


「これは何度も読んだ本だよ。内容は全部頭に入ってる。お気に入りの本だけど俺が楽しそうなのはミアとデートしてるから」


「へ?」


「だって好きな女と二人きりで読書できるなんて楽しいじゃないか」



 そ、そうだった。これは図書館デートだったわね。



 エドに私と読書することがデートだと言われると私もエドと二人きりでいることを意識してしまう。



 デートって言われるとちょっと恥ずかしいけど私もエドと一緒に読書をするのは嫌じゃないし落ち着くのよね。

 こんな穏やかなデートもいいかも。



「そうね。二人で読書するデートも楽しいわ」


「そうだろ? それにこの本の主人公はミアみたいな女の子で俺の初恋の相手」



 え? 本の中の主人公が初恋の相手なの?

 私がその主人公に似ているから私のこと好きになってくれたのかな。

 どんな主人公なのか気になるわ。



「その主人公ってどんな主人公なの?」


「自分の能力を使って困っているヒーローを助けてそのヒーローと恋をするんだけど異種族間の壁があったりで身分差があったりで悩みながらも問題を解決して最後はハッピーエンドになる話だよ」



 エドの言葉に私はドキリとしてしまう。

 そして私の脳裏にギオンやライの顔が浮かんだ。



 困ってるヒーローを助けて恋をするけど異種族や身分差で悩むなんて私そのものじゃない。

 どうしてエドにそのことが分かったんだろ?



「その主人公が私に似てるってエドはなぜそう思ったの?」


「う~ん、だってミアは困ってる人がいたら絶対に助けると思うしミアは可愛いからミアに助けられたらどんな身分の男でも恋すると思う。魔王の俺も恋したし」



 確かに私は困っている人を見捨ててはおけない性格だ。

 ギオンやライに結婚を申し込まれたのは事実だし。


 そして魔王であるエドからも好意を寄せられているし私もエドに対して好意を持ってると思う。

 でも私は彼らの好意に応えることはできない。

 現実的には異種族や身分差はどうしようもないのだから。



「でも現実では異種族の問題や身分差は無視はできないのよ。ハッピーエンドのその本が羨ましいわね」



 つい、そんな本音が私の口から洩れる。

 するとエドは私の顔を見た。



「ハッピーエンドの小説の主人公だって苦労や努力をするのが当たり前。最初からその主人公は自分が必ずハッピーエンドになると知ってるわけじゃない。だからもし自分の人生をハッピーエンドにしたいならそうなるように努力すればいいだけ」



 私はその言葉にハッとする。


 そうだ。自分の人生をハッピーエンドにできるかは自分の努力が必要不可欠だ。

 最初からギオンやライやエドとの恋を諦めてはいけないのかもしれない。



 でも私の恋には異種族や身分差に加えて誰を選ぶかの要素まである。

 三人を同じくらい好きな私は誰かひとりを選ぶことはできない。



 やっぱり私のハッピーエンドは難しそうね。

 それに恋した相手のことを思えば身を引いた方が周囲に迷惑をかけなくて済むし。



 ギオンもライもエドも一国の王様だ。

 自分のハッピーエンドのために多くの人に迷惑をかけることを私は望まない。



「そうね。私の人生もハッピーエンドにしたいわ」


「大丈夫。ミアの人生はハッピーエンドになる」



 自分の中では諦めていることでもエドに強い口調で言われると私は自分が救われる気分になる。



 現実には無理でもハッピーエンドになる夢を見るぐらいなら罰は当たらないかな。

 夢を見るのは自由だもんね。

 少なくとも恋のハッピーエンドは無理でもエドを真の魔王にしてエドの人生をハッピーエンドにしてあげなくちゃ。



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