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少女スパイと七人の王様~異世界転生で手に入れた最強スキル「透明人間」で「スパイ」活動をしたらなぜか七人の王様に愛されました~  作者: リラックス夢土
魔王の章

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第12話 エドの理想のデートです



 空飛ぶ絨毯に乗って王都を離れてしばらく経つと大きな森が見えてくる。

 その森にさらに近付くと建物があるのが確認できた。


 エドはその建物の入り口と思われる場所の前に絨毯で降り立つ。

 絨毯から降りた私は目の前にそびえ立つ大きな建物を見上げた。



「ここがエドのお気に入りの場所なの?」


「うん。いつもここで過ごしていることが多い」



 エドが普段、過ごしている場所かあ。

 普通の建物より窓が極端に少ないわね。



 その建物は人が生活する屋敷としては窓などが少なく外から中の様子は分からない。

 王宮のような煌びやかさとは無縁のような質素な外見だ。



 この中に何があるんだろ?



「さあ、入って、ミア」



 エドが建物の入り口の扉を開ける。

 恐る恐る建物の中を覗き込むと薄暗い廊下が続いていた。



 変な化け物とかいないわよね。

 私はお化けが苦手なんだから。



 自分が透明人間になって人から見ればお化けと呼ばれても仕方ないけれど私自身はお化けが苦手だ。

 この世界は異種族が存在しいろんな姿の者たちがいるが彼らはお化けではなく命を持った者たちなので私の中では異種族はお化けとは明確に分かれて認識されている。



「暗いわね。よく見えないけど……」



 先に建物に入った私がそう言うとエドは自分も建物の中に入り扉を閉めてしまう。

 そうなるとさらに建物の中は暗い。



「こっちだよ。危ないから手を繋いであげる」


「え?」



 エドは私の手を掴みしっかりと自分の手を繋いだ。

 暗闇で視覚に頼れない分、繋いだエドの手の温かい感触が鮮明に伝わってくる。


 その感触に私は羞恥心を刺激されて顔が赤くなってしまう。



 手を繋いだだけじゃない! 意識し過ぎよ、ミア!



 心臓の鼓動もバクバクと速くなるが私は自分に落ち着くように言い聞かせる。



「ん? どうしてそんなに顔が赤いの? ミア」


「…っ! ど、どうして、エドは暗闇でも目が見えるのよ!」


「闇の属性の魔法のひとつに暗闇でも普通に見える魔法があってそれを使ってるから」



 そんな魔法まであるの?

 本当に魔法ってすごい能力だわ。



「そ、そうなのね。か、顔が赤いのはちょっと暑いから火照ってただけよ。それより私は何も見えないんだけどその闇の魔法って私にかけることはできないの?」


「ミアは闇の属性を持ってないから無理。でも部屋に着いたから光の魔法で明るくしてあげるね」



 エドに連れられて歩いているうちに部屋らしき所まで来ていたようだ。

 エドが呪文を呟くとパアッと部屋に光が満たされた。



「こ、これは! すごいわ!」



 私の視界に飛び込んできたのは大きな本棚たち。

 部屋の天井まである本棚にはビッシリと本が並んでいる。


 この部屋だけで本の数は数万冊はあるかもしれない。

 本好きの私でもこれだけ一度に大量の本を見たことはなかった。



「ここの本は全て俺が集めた趣味の本だよ。ここで本を読んで一日を過ごしてるんだ」


「すごいいっぱいあるわね。どんな本があるか見てもいい?」



 本好きの私の心は大量の本を見て浮足立つ。



「いいよ。おすすめの恋愛小説がたくさんあるんだ。ミアが気に入ったならその本をあげるよ」


「もらうのは悪いからいいけど、この国に滞在している間に借りてもいい?」


「もちろん。いくらでも読んでいいよ」



 エドはニコニコと私の申し出を承諾してくれる。



 エドが本好きなのは知ってたつもりだけどここまでとは思わなかったわ。

 ここはエド専用の図書館みたいなものね。

 それにしても一日ここで本を読んでたら魔王としての仕事はいつするんだろ?



「エド。ここで本を読んでたら魔王としての仕事ができないんじゃないの?」


「大丈夫。オルシャドールに任せてるから。オルシャドールにはたまには自分で仕事しろって言われるけど」



 う~ん、それは言われても仕方ないと思うなあ。

 オルシャドール殿下もエドがこんなだから苦労してるのね。


 でもここで本を読んでたら約束のデートってことにはならないんじゃないかな。

 私とのデートのことはもう忘れていいのかしら。



 エドからデートしたいと言われた時は驚いたがここで二人で読書をしてしまうとそれだけで一日が終わってしまいそうだ。



「ね、ねえ、私とデートしたいって言ってたけど、もうそのことはいいの……?」


「デートしてるじゃないか」


「え?」


「俺が好きな女ができたらしたいデートのひとつが『図書館デート』だったんだ」



 エドの頬が僅かに赤くなっているように見える。



 そ、そうか、これもデートって言えばデートよね。



 確かに文学系の恋人たちが図書館でデートするということは私も聞いたことがあった。

 前世ではそんな機会には恵まれなかったけど。



 なるほど。エドって無茶苦茶な性格してるように見えて文学系なのか。

 万引きするぐらいに本が好きだもんね。


 なんかギオンとかライとかとはタイプは違うけどエドみたいな文学系男子との恋もいいかな。

 まあ、でもエドが真の魔王になったらこの恋も実ることはないんだろうけど。





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