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デートの選択肢について

すみません、予定より期間があいてしまいました……。

【うーん、この服で大丈夫かな……デートとか久しぶりだから……】

公子(きみこ)ちゃん!】

【あ、女ケ沢さん! お待たせしてしまいましたか!?】

【大丈夫よ、アタシが早く来ちゃったの。うふふ、デートなんて久しぶりだわぁ。公子ちゃん、その服似合ってるわよ】

【女ケ沢さんこそ……】



【A かっこいいです】

【B 素敵な眼鏡ですね】





「何でよこの選択肢」

 たまらず美夜はツッコミを入れた。


 親友から渡されたシナリオを校閲している最中なのだが、ツッコミどころが満載の内容である。

 その親友は隣で優雅に紅茶を飲んでいる。


「褒められたらとりあえず褒め返す。社会人で大事でしょ」

「そこじゃないよ……ピンポイントで眼鏡褒める普通?」

「初デートではないね普通。いつもと同じ眼鏡だし。なので好感度はAのほうがよく上がります。メガネゲーだからと安易に褒めていい訳ではないのだよ」

「そんな罠を」

「なお、二回目のデートでは眼鏡を変えて来てるので褒めるのが正解」

「うわぁ……」

 フリーゲームだからと気を抜いてはいけないのよ……と笑う親友。彼女はプレイヤーをどうしたいのだろうか。

「タイトルとあらすじからしてネタゲーのはずなのに……」

「世の中ギャップ萌えが流行ってるんでしょ?」

「多分このギャップは求めてないと思う。……そういえばさ、やっぱり主人公のデフォルトネームは必要ないと思うな」

「そう? 主人公って一発で分かるデフォ名にしたけど」

「【主殿(とのも)公子(きみこ)】はちょっと考えすぎというか……」

 考えすぎてよく分からないことになっている気がする。


「まあそうね、フリーゲームだしね。名前くらいちゃんと入力してもらおうか」

 あっさり美夜の意見を採用し、親友は修正を始めた。



****



 ――などという会話も昔したな、と思いながら美夜は待ち合わせ場所に急いでいた。


 今日は創との水族館デートである。もう冬なので屋内水族館にした。イルカショーも屋内らしい。都内ですごいなと思う。

 駅の改札を出ると、そこにはすでに創がいた。

「すみません、遅れてしまって」

「電車遅延は仕方ないよ。無事に来れて良かった。――美夜さん、今日の服華やかでいいね」

「創さんも……かっこいいですね」

 ふと先ほどのゲームの選択肢を思い出してしまい、無難な言葉が口から飛び出してしまった。

 創は微笑む。

「ああ、水族館だからね。ちゃんと眼鏡は選んできたよ」


 何故眼鏡の話になった?


「塩害に強いフレーム、っていうのがあったからそれにしたよ」

「水没を見越した選び方」

 製造元も水族館での水没は想定していないと思うのだが、それはなんとか言わずに留めた。


「じゃあ行こうか。……ショーやってるかな」

「水没目当てじゃないですよね? わざと水没狙ってませんよね? ちょっと創さん、こっち見てくれます!?」



 なお、水没は免れたが、席を探している時に他人とぶつかった弾みで指紋をつけた。そうきたか。

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― 新着の感想 ―
[良い点] | 冫、) < たった1ヶ月は間が空いたなんていいませんよ! ありがたき幸せ! [一言] おいおい…メガネに指紋とか全メガネキャラ敵にまわしたわアイツ……ッ というか、今後のお付き合い、…
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