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訪れる占いの結果

「なるほど……超音波洗浄機ですか。気にしたことがありませんでしたが、そのようなものが店にあったのですね」

「ありますね。店によっては自宅用も売ってますし、通販でもあります。まぁ普通に眼鏡を少し洗ってからメガネクリーナーで拭くだけでも充分だと思います」

「そうですか。それで、こちらが眼鏡用の」

「クリーナーですね」


 この会話で相手が誰だかおわかりいただけるだろうか。

 正解は大学生華道家の縣銀也である。


 ……美夜もたまにシナリオを思い出すだけであった金持ち眼鏡である。もう二度と接点はないだろうと思っていた。

 いや、言い訳をさせてほしい。まさか卵を買いに来た近所のスーパーの前で縣に出会ってしまうとは思っていなかったのだ。

 よそ見してた子供が車に戻ろうとしていた縣にぶつかり眼鏡が飛び、水溜りにポチャン。まさにその瞬間に出くわしてしまったのである。

 子供の母親は顔を引きつらせながら謝った。……某高級車に乗ろうとする坊ちゃんにぶつかってしまったのだから気持ちはわかる。

 そして縣は何でもない顔で言った。


「平気です、買い替えれば済むことですから」


「いや壊れてないなら拭けばいいだけでしょ」


 ついうっかり聞こえてきた言葉にツッコミを入れたのは悪かったと思う。しかし「……ではその方法を教えてください」とそのまま車に乗せられて眼鏡屋まで行く羽目になると思うか?

 サン=グラーシス先生の占いは大当たりをした。まさに【予想外な人物と再会しちゃう】だ。街歩きをしていないからゲーム通りランダムだったのか、それとも初めからこの流れだったのかは不明である。

 ただ『外歩くと出会うからちゃんとオシャレしてね!』と言ってほしかった。シャツにジーパンのシンプルスタイルだったからまだ許されるが、スウェットで出てたらどうなったことか。

 ホットケーキ食べたくなったからって外出るんじゃなかったと思いながら、美夜は彼にケア用品の説明をしていく。

 ちなみにケア用品の使用方法はほぼメガミの受け売りである。初めて役に立った。

「自宅用の洗浄機も大した値段ではないですから、買ってみます。あなたもいかがですか」

「私はいらないです」

 会社の休憩室にあるのでわざわざ自宅でやる必要はない。……最近はその前に割ることが多いのでなおさらいらない。



 なお、ゲームでは【えっ、いいんですか?】を選択すると好感度が増え、貢がれルートの開幕である。

 親友と友人Aが『いかに銀也の金銭感覚を正しつつも貢がれるかが鍵だな』『ある意味一番面倒な綱渡りじゃないのそれ』と笑っていたのを思い出す。

 最終的に【あなたの拭いてくれる眼鏡に、愛着もわきました】と言われて「この銀也(めがね)はワシが育てた」とドヤるのが攻略サイトの雑談で流行ったらしい。

 ……ちゃんと育てるのは他のお嬢さんにお任せしよう。







 御礼を言われながら元のスーパー前に帰された美夜はゲッソリしていた。

 興味がありましたらいらして下さい、と生け花展覧会のチケットをくれたが、絶対に行かないだろう。

 本来の目的の卵を買って帰路につく。


 しかし謎の強制力だったとしても雑すぎではないだろうか。縣は金持ちではあるが俺様ではなかったはずだ。教室見学に来てたことを覚えていたとしても、顔見知りでもない相手にだいぶ無理矢理な流れである。

 それとも美夜が(これは……教室通って一回目の話の流れ!?)などと慄いていてしっかり拒否しなかったのがいけなかったのだろうか。もしくは最終的に諦めて説明を始めてしまったことか。


『美夜はさっぱりした性格なのに人がいいからなぁ。騙されはしないと思うけど面倒事に巻き込まれないか心配』

 親友よ、生まれ変わっても心配された性格はそのままのようです。育った環境が前世と酷似しているからだろうか。

 ……いや今巻き込まれているのは親友が考えたシナリオだから、親友のせいかな?


「とりあえず週末心理占いは見ない方向で……あと何か変なイベントあったかな……」

 無理に回避するのもストレスだが、これは強制力が酷すぎる。

 占いは見なければどうということはない。サン=グラーシス先生は美夜の知らないところで活躍してもらおう。今後のご活躍をお祈りしております。

 ランダムイベントはこれだけだったから大丈夫だろうか。あとはルート終盤で起こる嫉妬イベントがあるが、あれは好感度一位の攻略対象以外とランダムに出会ってそれを見られて嫉妬されるイベントだ。ルートに入ってなければ問題ない。


 ――無事に卵を冷蔵庫にしまった時、スマホが鳴った。

「? 誰だ、ろ……」

 画面を見るとそこには「加賀見創」の文字。

 しかも電話である。

「……もしもし?」

 疑問符を浮かべながらとりあえず美夜は出るのだった。

静「だから絶対ルート入ってるって言ったじゃないですか!」

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