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浜名瀬志乃の学び舎日誌  作者: 火乃香


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84話

この物語には自己解釈やオリジナル設定が含まれています。

オリジナルの妖怪が登場することもあります。

素人がただ思い付きで書いている物語なので最後まで温かい目で読んでいただければと思います。

鉢巻を取り合うゲームで野々香(ののか)(しずく)とハラミと対峙していて、(しずく)の結界の中には霧が立ち込めて周りが見えなくなっている。

初めは姿を現していた(しずく)だが野々香(ののか)と話した後霧の中に姿を隠したので野々香(ののか)は霧を吹き飛ばすために風を起こすと少し見通しは良くなるがまたすぐに霧が濃くなってしまう。

何かしかけてこないか警戒するが不自然なほどになにもない。

野々香(ののか)「うざったいな。」

何もない事に憤りを覚えた野々香(ののか)は結界の中に風を起こし、竜巻を作った。

(しずく)「ちょっ!」

(しずく)とハラミは強い風で飛ばされないようにするのに精一杯でその場から動けなくなってしまった。

霧は竜巻に巻き込まれたが視界を塞ぐという役割はまだ保っていて、辺りを見ることはできない。

そんな時、風に耐えている(しずく)の腕を何か掠める。

それは竜巻に巻き上げられた羽で、風に乗っている事によって柔らかい布なら割く事ができるだろう。

霧のせいで羽が隠れて視認できない事によりハラミも止める事が出来ない。

このままでは危ないと(しずく)は結界を解いて竜巻から距離を取る。

竜巻は結界が解けると霧ごと霧散して消えたが、その際に巻き込まれていた羽や石が周りに飛ぶ。

樹霧之介(きりのすけ)(しずく)、ハラミさん、大丈夫ですか?」

(しずく)「ごめん。足止めできなかった。」

ハラミ「こいつ意外と無茶苦茶やりやがる。」

樹霧之介(きりのすけ)達藍色チームはまずは野々香(ののか)を足止めしてその間に全員で真琴(まこと)の鉢巻を狙うという作戦だったようだが、野々香(ののか)(しずく)の結界を破った時点でその作戦は成り立たなくなってしまった。

結界が無くなると野々香(ののか)は錫杖を打ち鳴らし、それを聞いた茶色チームの式神が結界を張る。

野々香(ののか)「今度はこっちの番で良いのかな。」

時間を掛ければ不利になると思ったハラミは念力で野々香(ののか)の鉢巻を狙うが気づかれ、鉢巻を取られないよう押さえられてしまう。

野々香(ののか)「先にあんたからね。」

野々香(ののか)はハラミに標的を絞り風を起こすとハラミはそれに巻き上げられるが、すぐに風は止み空中から落とされて地面に着地しする。

ハラミ「何だったんだ?」

何をしたかったのか分からないハラミに6号が飛ばした志乃(しの)の声が聞こえる。

志乃(しの)「ハラミは鉢巻取られたから脱落だ。こっちに来い。」

それを聞いて慌てて首に巻いていた鉢巻を確認するが無く、野々香(ののか)の方を見れば嘲笑った顔をして藍色を鉢巻を見せてくる。

ハラミ「あいつ、、」

野々香(ののか)「雑ー魚。」

その言葉に怒ったハラミは野々香(ののか)の方に駆け出そうとして出て来た志乃(しの)に抱き上げられる。

志乃(しの)「ハラミ、決まり事は守れ。野々香(ののか)は煽るような真似をするな。」

野々香(ののか)「弱いのがいけないんじゃん。」

ハラミ「あん?」

喧嘩する2人を見て志乃(しの)は溜息をつく。

志乃(しの)「2人で喧嘩したいのであれば野々香(ののか)も失格にするぞ。そしてここから出て行け。」

野々香(ののか)「う、、ごめんなさい。最初の勝負負けたの悔しくて調子に乗りました。」

志乃(しの)「それは誰に謝っているんだ?」

野々香(ののか)「ハラミもごめん。」

ハラミ「いいさ。俺が戦闘向きでないのは分かっている。」

志乃(しの)「それと野々香(ののか)、あまり攻撃力の高い術は控えてくれ。」

野々香(ののか)「だけどこうしないとあの結界解けなかったもん。」

志乃(しの)「それでもこれは模擬戦なんだ。」

そう言う志乃(しの)に抱かれたハラミの肩の部分には竜巻で飛ばされた石か羽が当たったのか血が滲んでいた。

野々香(ののか)「あ、、ごめん、、」

ハラミ「俺は平気だ。樹霧之介(きりのすけ)(しずく)、頑張ってくれよ。」

樹霧之介(きりのすけ)「ええ、負けません。」

(しずく)「ハラミの敵は討つから。」

樹霧之介(きりのすけ)(しずく)はそう言ってハラミを見送るが樹霧之介(きりのすけ)はともかく、(しずく)はあまり戦闘向きではないので真正面からの戦いは避けたいところ。

だがリーダーの鉢巻さえ取れれば勝ちとなる。

(しずく)樹霧之介(きりのすけ)真琴(まこと)の鉢巻取るまで保つかしら。」

そうぼそっと呟く(しずく)野々香(ののか)は容赦なく風で(しずく)の鉢巻を狙う。

(しずく)はそれを上手く躱し、水で防御すると水は風を受けて飛沫となり野々香(ののか)にかかる。

野々香(ののか)「このくらいじゃ目眩しにもならないよ。」

そう言いながら(しずく)と距離を詰めるが、急に野々香(ののか)の動きが鈍くなる。

(しずく)「やっと効いてきた。」

野々香(ののか)「何したの?」

(しずく)「私が得意なのは目眩しじゃないの。相手に状態異常をかける事よ。」

野々香(ののか)「うわ、陰湿。」

(しずく)「口悪いわね。だけどこれが効いてきたなら私にも勝ち目はあるはず。」

野々香(ののか)「手の内明かすくらい余裕なんだろうけど、少し甘く見過ぎかな。」

野々香(ののか)は錫杖を扇子に持ち替えると風の刃を放つ。

(しずく)「ちょ。危な!」

野々香(ののか)「動けなくても妖術が使えるなら余裕、余裕。」

(しずく)「さっき浜名瀬(はまなせ)さんに注意されたばかりでしょ!」

野々香(ののか)「これに当たっても布が破けるだけで怪我はしないから平気。転んだ時は知らないけどね。」

(しずく)「でもそんな事するってことは体、動かないのよね。勝利条件は鉢巻を取る事なんだから動けないなら避けれないでしょ。」

野々香(ののか)「近づけなければ取れないでしょ。」

(しずく)野々香(ののか)の風を避けながら近づこうとし、野々香(ののか)(しずく)を近づけまいと術を放つ。

そんな攻防の横では樹霧之介(きりのすけ)真琴(まこと)も睨み合っていた。

樹霧之介(きりのすけ)は周りに木が無いため木の棒を操って真琴(まこと)の動きを封じようとするが真琴(まこと)は紙で棒に直接触れずに捌き、真琴(まこと)が紙で樹霧之介(きりのすけ)の動きを封じようとすれば樹霧之介(きりのすけ)真琴(まこと)の癖を知っているので難なく躱わす。

両者とも相手の癖や動きを知っているため、鉢巻を取られることはないが決定打にも欠けていた。

中々決着がつかない試合を遠くの方から鼠色のチームの風見(かざみ)茂蔵(もぞう)が様子を伺っていたが、野々香(ののか)の術を見てから漁夫の利を取れたとしても勝てるのか不安になっていた。

そこで風見(かざみ)茂蔵(もぞう)は小さく小回りが利くので外よりも室内の方が戦えると思い、良い場所がないか屋敷内を探す事にし静かに廊下を歩き色々な扉を開けていると、薄暗い部屋の棚に壺や瓶が並んだ場所を見つける。

物が多く奇襲も仕掛けやすそうな部屋で隠れられそうな場所を探して茂蔵(もぞう)は壺に化けて身を隠した。

風見(かざみ)「さっきあいつら観察していた場所に移動して気づかれたらここに来ることはできるか?」

式神は風見(かざみ)の問いに頷く。

風見(かざみ)「なら追いかけて来たらある程度距離あけてここに移動して連れて来てくれよ。」

式神は頷いて外の方へと移動して行った。

風見(かざみ)はそれを見送ると自分も隠れるために棚の上に行こうとして1つの壺を倒してしまい、風見(かざみ)がそれを起こそうとして蓋が開き、中身が溢れてしまった。

茂蔵(もぞう)「何してるんだよ。」

少し離れた場所から見ていた茂蔵(もぞう)もやって来て一緒に壺と中身を戻そうとしてると近くにいた管狐(くだぎつね)達が数匹やって来た。

一方で志乃(しの)達は藍色チームと茶色チームの戦いを見ていて風見(かざみ)茂蔵(もぞう)の事は見ておらず、少し離れた場所から聞こえたゴトンという音を聞く。

志乃(しの)「何か音したか?」

6号「したと思います。位置的にはあちらでしょうか?」

陽葵(ひまり)「え?そう?」

4号「あっち、薬室だわ。」

4号は基本薬室にいるがハラミの怪我の手当てのために志乃(しの)達と同じ部屋に来ていた。

志乃(しの)「2号、管狐(くだきつね)達が何匹かいるみたいだ。映せるか?」

2号「ちょっと待つの。」

4号「待って、この匂い酔霧茸(すいむたけ)よ。ご主人この部屋に結界張って皆を集めて。」

それを聞いた志乃(しの)は慌てて結界符(けっかいふ)を付けた棒手裏剣を部屋の角、8箇所に打ち込むと部屋全体に結界を張った。

陽葵(ひまり)「何?どうしたの?」

志乃(しの)「全員ここから出るな。人に効くものではないが陽葵(ひまり)も出るなよ。」

陽葵(ひまり)「何で?手伝うよ。」

志乃(しの)「いいから出るな。」

そう言って志乃(しの)は出て行った。

樹霧之介(きりのすけ)達は式神の結界内にいるため心配はない。

問題は茂蔵(もぞう)風見(かざみ)、それと薬室を見に行った管狐(くだぎつね)達だ。

志乃(しの)が向かう途中、くしゃみの音と共に風が吹いて粉末が飛び散る。

見に行った管狐(くだぎつね)の中に10号がいて酔霧茸(すいむたけ)の粉末を吸い込んでくしゃみをした時に妖力が暴走して風が吹き、より酔霧茸(すいむたけ)の粉末をばら撒いてしまったのだ。

少し離れた場所に移動していたが、近い場所にいた鼠色のチームの式神を向かわせていたのでその式神と合流すると茂蔵(もぞう)風見(かざみ)、数匹の管狐(くだぎつね)を抱えていてどれもぐったりとしていた。

これ以上酔霧茸(すいむたけ)の粉末を吸わないように式神ごと結界で包み、結界を張った部屋へと式神に運んでもらうと志乃(しの)樹霧之介(きりのすけ)達の方へこの事を伝えに行く。

部屋に運ばれた茂蔵(もぞう)風見(かざみ)酔霧茸(すいむたけ)の粉末を吸い込んでしまった管狐(くだぎつね)達を4号が診て、他のもの達は心配そうに見ていた。

10号「クシュン。」

茂蔵(もぞう)「気持ち悪い、、」

風見(かざみ)「頭、ガンガンする、、」

陽葵(ひまり)「どうしたの?」

4号「酔霧茸(すいむたけ)の粉末を吸って妖力酔いになってるだけよ。」

(ほむら)「なあ、それは何なんだ?」

4号「酔霧茸(すいむたけ)は妖力を増やしてくれる薬に使っている物。このままじゃ強すぎて吸ったらこうなっちゃうけどね。」

(ほむら)「治るのか?」

4号「抜けるまで安静にするしかないわ。」

陽葵(ひまり)「だけどそれあなたは扱っているんだよね?」

4号「殆ど私がするのは処方だけ。調合はご主人がしてるわ。」

陽葵(ひまり)「へー。」

(ほむら)「なあ、ここから出る事はできないのか?」

4号「空中に舞ったら危険度が増すわ。だから部屋から出ないで。」

ハラミ「あいつに任せればいいだろ。」

(ほむら)「だけどじっとしているだけだとつまらない。」

その時ドスンッと大きな音が連続して聞こえてくる。

陽葵(ひまり)「何の音?」

7号「大百足(おおむかで)の奴だろうな。あいつ酔うと暴れるから。」

5号「きっと、ここで楽しそうな事しているって覗いてたから吸ったんだ。」

陽葵(ひまり)「大丈夫なの?」

1号「ここはご主人の結界もあるから平気ですよ。」

陽葵(ひまり)「そっちじゃなくて浜名瀬(はまなせ)さん、外にいるんでしょ。」

6号「ご主人なら平気、平気。大百足(おおむかで)の扱いは慣れてるから。」

12号「だけど大百足(おおむかで)、ご主人と遊んでもらってズルい。僕も行きたいな。」

4号「止めなさい。大百足(おおむかで)は体大きいから動けているけどあなたが外出れば動けなくなるよ。」

その頃、樹霧之介(きりのすけ)達は酔霧茸(すいむたけ)の事は知らずに試合をしていた。

中々勝負が着かず、結界内なので(しずく)は目眩しの霧を出して野々香(ののか)に近づこうとしたので野々香(ののか)は空いている結界の上に向かって風を起こして霧を晴らそうとしたが上にも結界が張られててそれができなくなっていた。

野々香(ののか)「何で?」

そう疑問に思っているとドスンという音と共に大百足(おおむかで)とそれに追われた志乃(しの)が目に入る。

真琴(まこと)「え?何で大百足(おおむかで)浜名瀬(はまなせ)さん襲ってるの?」

野々香(ののか)は結界を解こうと錫杖を拾ってカンカンと音を出して式神に伝えるが結界は解かれない。

その間に大百足(おおむかで)志乃(しの)に追いつきその巨体で志乃(しの)にのしかかり大きな音が響いた。

樹霧之介(きりのすけ)志乃(しの)さん!」

それを見ていた樹霧之介(きりのすけ)達は助けに行こうとするが結界から出る事はできない。

(しずく)「早く結界解除してよ。」

野々香(ののか)「さっきからやってるけど式神が反応してくれないの。」

真琴(まこと)「なら壊せるか試してみる。」

野々香(ののか)「できるの?」

真琴(まこと)大百足(おおむかで)の足も切断できたんだから試す価値はあるわ。」

樹霧之介(きりのすけ)「それなら隅に寄りましょう。」

志乃(しの)「今結界の外には酔霧茸(すいむたけ)の粉末がばら撒かれてるんだ。この中にいろ。」

志乃(しの)はいつの間にか結界内に入って樹霧之介(きりのすけ)達の背後に立っていた。

樹霧之介(きりのすけ)志乃(しの)さん。無事だったんですね。」

志乃(しの)「自分の式神にやられる事はない。」

真琴(まこと)「っていうか酔霧茸(すいむたけ)の粉末?何でそんな物が撒かれてるの?」

志乃(しの)風見(かざみ)茂蔵(もぞう)酔霧茸(すいむたけ)の粉末が入った壺を倒してそれを見に来た10号が風でばら撒いてしまったんだ。」

野々香(ののか)「何そのピタゴラスイッチ。」

志乃(しの)「とにかく、そういう事だから換気が済むまでここに居てくれ。」

真琴(まこと)大百足(おおむかで)は大丈夫なの?」

志乃(しの)「遊んでやったら寝たからあいつの周りにも結界を張った。」

(しずく)「あれ遊んでたの?」

真琴(まこと)「それで換気ってどこに流すつもり?」

志乃(しの)常闇(とこやみ)の封印を少し解放して吸い込ませるつもりだ。」

樹霧之介(きりのすけ)「大丈夫なんですか?」

志乃(しの)「霊力も戻っているから平気だ。だからお前らはここから出るなよ。」

樹霧之介(きりのすけ)「僕達にできる事はありますか?」

志乃(しの)「ここから出ればお前らも酔うぞ。すぐ終わるから。」

そう言って志乃(しの)は出て行き、しばらくすると樹霧之介(きりのすけ)達を囲っていた結界は無くなり管狐(くだぎつね)が部屋に案内する。

野々香(ののか)「結局、試合の結果ってどうなるの?」

陽葵(ひまり)「引き分けじゃない?」

志乃(しの)「お前らは突っ込んで負けてたけどな。」

陽葵(ひまり)「う。」

(ほむら)「今度はそんな事ない。」

野々香(ののか)「続きしようよ。こんなんじゃ納得できない。」

樹霧之介(きりのすけ)「ですが茂蔵(もぞう)風見(かざみ)はまだ鉢巻取られてないんですよね?」

野々香(ののか)「棄権で良いんじゃないの?」

酔霧茸(すいむたけ)の粉末を吸ったもの達はまだ動けそうにない。

真琴(まこと)「だけどもう時間遅いわよ。あのままじゃ勝負つかなそうだしどうするの?」

陽葵(ひまり)「ならさ、志乃(しの)さんの鉢巻取った人が勝ちにしない?」

野々香(ののか)「それ良いね。」

志乃(しの)「勝手に決めるな。」

(しずく)「このままじゃモヤモヤするし、鉢巻取られてないもの達で決着つけましょう。」

陽葵(ひまり)「おー。」

志乃(しの)「お前は失格になっただろ。」

陽葵(ひまり)「私の鉢巻は取られてないよ。」

(ほむら)「ズルいぞ。」

志乃(しの)「まあ、私の管理不足でもあるからな。鉢巻の有無に関わらず参加して良いか。」

(ほむら)「なら俺も参加して良いのか?」

志乃(しの)「ああ。鉢巻は着けてこいよ。」

(ほむら)「おう!」

樹霧之介(きりのすけ)志乃(しの)さんの鉢巻、チームで取るんですか?」

陽葵(ひまり)「もう個人戦で良いんじゃない?」

志乃(しの)「それだと不利なやつがでないか?」

陽葵(ひまり)「なら取れたら私達の勝ちで良いでしょ。」

志乃(しの)「分かった。」

真琴(まこと)「余裕そうで怖いわね。」

陽葵(ひまり)「しっかり作戦立てれば大丈夫だよ。」

志乃(しの)「なら私は中庭に立っている。準備ができたら来い。」

陽葵(ひまり)「あ、浜名瀬(はまなせ)さん。」

志乃(しの)「何だ?」

陽葵(ひまり)「結界使って誰も近づけなくするのはなしね。」

志乃(しの)「そんな事はする気無い。」

陽葵(ひまり)「あと式神で人数増やしたりとか、管狐(くだぎつね)もできれば使わないで。」

志乃(しの)「なら私は体術だけで防御する。それで良いだろ。」

陽葵(ひまり)「うーん。分かった。皆もそれで良い?」

全員が了承したので志乃(しの)は中庭に移動し、作戦会議が始まる。

それから志乃(しの)が中庭で待っていると(ほむら)野々香(ののか)が現れた。

志乃(しの)「2人だけ、ではなさそうだが?」

志乃(しの)が横を見ると不自然な地面が移動していた。

真琴(まこと)「やっぱり隠れるのは意味無いんじゃない?」

樹霧之介(きりのすけ)「いえ、それでも見られなければ何しているかは分からないはずです。」

(しずく)「これが隠れているかと言われたら微妙なところだしね。」

真琴(まこと)「隠れんぼの時も見つかったからね。」

(しずく)「当たり前だと思うけどね。」

真琴(まこと)浜名瀬(はまなせ)さん、鋭いもんね。」

(しずく)「、、そうね。」

野々香(ののか)志乃(しの)、よそ見しないでよ。」

志乃(しの)「何するかは知らないが先にお前らの相手をするか。」

野々香(ののか)「あの時とは違うんだから。」

(ほむら)志乃(しの)なら平気だろうが避けてくれよ。」

野々香(ののか)が竜巻を起こすと(ほむら)がそこに炎を纏わせる。

志乃(しの)(ほむら)はまだ炎の操作に不安なところがあった。野々香(ののか)の風で火力を高めつつ操作するか。」

野々香(ののか)「そう、体術しか使わないならこれ、避けるしかないでしょ。」

だが志乃(しの)はその近づいて来る竜巻に蹴りを入れると竜巻は無くなる。

野々香(ののか)「霊力使うのは約束違う!」

(ほむら)「そうだ。ずるいぞ。」

志乃(しの)「身体を霊力で強化してそれで様々な効果を生み出すのも体術の内だぞ。」

野々香(ののか)「そんなの聞いてない。」

志乃(しの)「身体強化に霊力使っているのは知っているだろ?」

野々香(ののか)「そうだっけ。」

(ほむら)「なら数で勝負だ。多ければ一度に消せないんだろ。」

今度は(ほむら)紅羽(くれは)を辺りに飛ばす。

志乃(しの)「勉強しているのは良いが隙間が多ければ意味ないぞ。」

志乃(しの)は蝶の隙間を縫って(ほむら)に近づくと鉢巻を奪う。

野々香(ののか)「数なら私も。」

志乃(しの)「その前に鉢巻の無いやつは退場しろ。」

志乃(しの)は持っている2本の鉢巻を見せると野々香(ののか)は自分の鉢巻を確かめるがいつの間にか無くなっていた。

野々香(ののか)「いつの間に。」

志乃(しの)「私が近づいても隙だらけなのが悪い。私の隙を作ろうとしてお前らが油断してたら意味無いだろ。」

志乃(しの)は後ろから近づく樹霧之介(きりのすけ)が振り上げた木の棒を腕で防御すると、樹霧之介(きりのすけ)は木の棒を操り志乃(しの)の腕に絡めて動きを止めようとする。

動かすのは妖力だが木の棒自体は普通の棒なので絡んだ木の棒は志乃(しの)の動きを少しだけ止めた。

そして志乃(しの)の横から水弾が飛んできて志乃(しの)は動く方の腕で防御するが濡れてしまい、逆方向から布を巻いた薙刀が足を狙って来るが志乃(しの)は跳んで避け、腕に巻き付いた木の棒を折る。

樹霧之介(きりのすけ)「分かってはいましたが志乃(しの)さんの動き、止める事できませんね。」

(しずく)「私の状態異常も効いてなさそうだし。」

樹霧之介(きりのすけ)達は志乃(しの)を囲むように志乃(しの)から距離を取る。

そしてその距離は自分達の鉢巻が取られず、志乃(しの)が誰かと距離を詰めようとすれば他の2人で志乃(しの)の動きを妨害できる距離だ。

それでも構わず志乃(しの)(しずく)と距離を詰めて鉢巻を狙う。

だがその時に隠れるために使った真琴(まこと)の紙を踏むとその下から木の枝が伸びて志乃(しの)に巻き付いた。

樹霧之介(きりのすけ)「草が生えてないからって油断しましたね。」

樹霧之介(きりのすけ)達が最初隠れていたのは木の玉をばら撒くためだった。

その木の玉を樹霧之介(きりのすけ)が操って志乃(しの)の動きを封じたのだ。

志乃(しの)真琴(まこと)の紙をわざわざ残したのはこの為か。」

樹霧之介(きりのすけ)「はい。本当に隠したかったのは僕達じゃないんですよ。」

志乃(しの)「わざとバレやすく移動してたのもこの為か。」

真琴(まこと)「え?妖気が分からなければ見つからなかったよね?」

志乃(しの)「え、あ、、」

真琴(まこと)「分からなかったよね?」

志乃(しの)「…。」

(しずく)「後で自分で見てみなさい。」

真琴(まこと)「え、、」

真琴(まこと)(しずく)の言葉に志乃(しの)樹霧之介(きりのすけ)が頷いたのを見て落ち込んでいる。

可哀想ではあるが志乃(しの)は木の枝を解くと油断している真琴(まこと)の鉢巻を取った。

それから志乃(しの)は木の玉が隠れていそうな真琴(まこと)の紙がある場所を避けて(しずく)の鉢巻も取り、今度は樹霧之介(きりのすけ)に狙いを付ける。

志乃(しの)に狙われた樹霧之介(きりのすけ)はまだ持っていた木の玉を棒に変えて防御し、再度志乃(しの)の腕を絡めて動きを止めようするが志乃(しの)が触ってからそれができないようになっていた。

樹霧之介(きりのすけ)志乃(しの)から距離を取り、それを志乃(しの)が追いかけようとすると志乃(しの)は結界に弾かれる。

その結界は志乃(しの)を囲んでいて、志乃(しの)は結界に閉じ込められていた。

志乃(しの)「紙に隠していたのは木の玉だけじゃなかったみたいだな。」

陽葵(ひまり)「そうだよ。まこ姉と(しずく)さんの鉢巻取られた時はハラハラしたけどこれで浜名瀬(はまなせ)さん、動けないでしょ。」

陽葵(ひまり)真琴(まこと)の紙の中から出てきた。

この結界は陽葵(ひまり)が張ったものみたいだ。

志乃(しの)「だがそっちも手出しできないだろ。」

その時上からハラミが落ちてきて志乃(しの)の頭に乗って鉢巻に手をかけるが志乃(しの)は鉢巻が取られる前にハラミの首根っこを掴んで持ち上げ、ハラミの首に巻いてある鉢巻を取る。

ハラミ「頑張ったのに、、」

志乃(しの)「最初の野々香(ののか)の風で上空に行き、そのまま念力で止まっていたんだな。」

ハラミ「そうだよ。自分では浮かせる事はできないからバレないために野々香(ののか)に竜巻起こしてもらったんだ。それから頑張って浮いていたのに、、」

志乃(しの)「上と下の両方での待ち伏せは悪くはなかったぞ。」

陽葵(ひまり)「だけどハラミが失敗した今、どうやって浜名瀬(はまなせ)さんの鉢巻取ればいいの?」

陽葵(ひまり)が悩んでいると樹霧之介(きりのすけ)は結界内に落ちている木の玉が目に入り、それを操り志乃(しの)の鉢巻を狙う。

志乃(しの)「さっきばら撒かれた酔霧茸(すいむたけ)だがこんな使い方もできる。」

そう言って志乃(しの)は服から巾着袋を出すとその中の粉末を手に取り、樹霧之介(きりのすけ)が動かす木の玉にその手で触れると木の玉は暴走し、そこから伸びた木の枝は結界内を埋めつくした。

そしてそれは結界にヒビを入れて結界を砕き、伸びた木の枝の中から志乃(しの)が出て来る。

陽葵(ひまり)「それはありなの?」

志乃(しの)「あり、とは?」

陽葵(ひまり)「体術だけって言ったじゃん。」

志乃(しの)「体術でも武器や道具を使う事はあるぞ。」

陽葵(ひまり)「それはもう体じゃないんだから体術じゃなくない?」

志乃(しの)「武器も道具も体の延長だ。」

陽葵(ひまり)「そんなの屁理屈じゃん。」

志乃(しの)「分かった。もうこれは使わないでおこう。」

陽葵(ひまり)「なら結界の中から始めて。」

志乃(しの)「良いがあくまでもこれは鉢巻を取ることが勝利条件だぞ。」

陽葵(ひまり)「分かってる。」

志乃(しの)陽葵(ひまり)の張る結界に入る。

志乃(しの)「試合再開で良いか?」

陽葵(ひまり)「うん、良いよ。樹霧之介(きりのすけ)も良い?」

樹霧之介(きりのすけ)「はい。いつでも来てください。」

志乃(しの)「なら。」

志乃(しの)が結界に蹴りを入れると結界は砕けた。

陽葵(ひまり)「え。」

志乃(しの)「これなら武器も道具も使ってないから良いだろ。」

陽葵(ひまり)「良いけど、初めから出れたって事?」

志乃(しの)「だがこの強度なら他の術を教えても良さそうだな。」

陽葵(ひまり)「本当!」

志乃(しの)「ああ。」

志乃(しの)は喜んでいる陽葵(ひまり)の鉢巻を取る。

陽葵(ひまり)「酷い。」

志乃(しの)「油断している方が悪い。」

陽葵(ひまり)「なら、さっき言っていた事は油断させる為の嘘?」

志乃(しの)「それは本当だ。樹霧之介(きりのすけ)、明日からの修行、たまに陽葵(ひまり)も参加しても良いか?」

樹霧之介(きりのすけ)「勿論です。」

志乃(しの)「そういうことだ。勉学を疎かにしないのであれば休みの日はここに来て良い。」

陽葵(ひまり)「本当!」

志乃(しの)「ああ。妖ノ郷(あやかしのさと)にはハラミでも入れるようにしてもらう。他の妖怪に迷惑かけるなよ。」

陽葵(ひまり)「え?あの入り口は?」

志乃(しの)「直接来られると面倒だからあれは使えないようにする。」

陽葵(ひまり)「えー。」

志乃(しの)陽葵(ひまり)と話している間に樹霧之介(きりのすけ)は木の玉から木の枝を生やして鉢巻を狙うが気づかれ、樹霧之介(きりのすけ)の鉢巻も取られてしまった。

志乃(しの)「これで試合終了だな。」

3人が部屋に戻ると先に失格になったもの達が待っていた。

野々香(ののか)「あ、志乃(しの)!私もここで修行したい。」

志乃(しの)「お前には篁音(たかね)がいるだろ。それに喧嘩する奴は呼びたくない。」

野々香(ののか)「それは謝ったじゃん。」

志乃(しの)「まあ、最後には協力し合っていたものな。」

野々香(ののか)「そうでしょ。」

志乃(しの)「なら今度篁音(たかね)に私に対して借りを作っても良いのか聞くか。」

野々香(ののか)「あ、それは、、」

志乃(しの)「お前の修行には私より相応しい奴がいるんだ。」

野々香(ののか)「でも、、」

志乃(しの)「遊びに来る分には良い。だがお前も学校行っているなら勉学に励め。女優になるんだろう?」

野々香(ののか)「、、分かった。」

不服そうな野々香(ののか)だったが来ても良いと言う言葉に少し嬉しそうだった。

志乃(しの)「ほら、今日はもう帰れ。」

樹霧之介(きりのすけ)達は動けない茂蔵(もぞう)風見(かざみ)を置いてそれぞれ帰って行った。

次の日になると酔霧茸(すいむたけ)の粉末を吸い込んで寝込んでいたもの達は元気になり、志乃(しの)樹霧之介(きりのすけ)達の修行を付け、その中には陽葵(ひまり)もいた。

ここまで読んでいただいてありがとうございます。

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