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浜名瀬志乃の学び舎日誌  作者: 火乃香


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83話

この物語には自己解釈やオリジナル設定が含まれています。

オリジナルの妖怪が登場することもあります。

素人がただ思い付きで書いている物語なので最後まで温かい目で読んでいただければと思います。

志乃(しの)が静かに屋敷で過ごしていると喧しい声が聞こえる。

今日は陽葵(ひまり)と約束していた日で、野々香(ののか)陽葵(ひまり)に連絡を取っていたようで一緒に入って来ていた。

陽葵(ひまり)浜名瀬(はまなせ)さん、来たよー。」

野々香(ののか)志乃(しの)志乃(しの)。何処いるの?」

志乃(しの)「静かにしろ。それに樹霧之介(きりのすけ)達はまだ来ていないんだからまだ始められないぞ。」

野々香(ののか)「それなら来るまで3人で遊ぼうよ。」

陽葵(ひまり)「いいね。何する?」

志乃(しの)「勝手に進めるな。」

ハラミ「俺を忘れるなよ。」

野々香(ののか)「いたんだ。ずっと陽葵(ひまり)の陰に隠れているから分からなかった。」

ハラミ「陰に隠れている事知っている時点で知っているだろ。」

野々香(ののか)「仲間外れにされたくないなら出て来なよ。それとも私が怖かった?」

ハラミ「あ?そんなことあるか。」

陽葵(ひまり)「喧嘩しないでよ。」

志乃(しの)「ならそこ2人で何か競うか?」

野々香(ののか)「お、いいじゃん。」

ハラミ「負けないからな。」

陽葵(ひまり)「私は?」

志乃(しの)「やりたいなら参加すればいい。できるならな。」

野々香(ののか)「何するの?」

野々香(ののか)の問いに志乃(しの)は紙の式神を取り出してそれを小鳥の姿に変えた。

陽葵(ひまり)「可愛い。式神ってこんな事も出来るの?」

ハラミ「それを追いかければいいのか?早く始めてくれよ。」

志乃(しの)「そうだな。今からこいつを放つから先に捕まえてきた方が勝ちでいいだろ。」

ハラミ「狩りなら負けねえぞ。」

野々香(ののか)「これって妖術使っても良いよね?」

志乃(しの)「ああ。だが屋敷を壊すようなことはしないでくれよ。」

野々香(ののか)「結界、張ってるんでしょ。大丈夫だよ。」

志乃(しの)「それでもだ。何かすればその時点で負けにするからな。」

野々香(ののか)「分かったよ。早く始めて。」

志乃(しの)「分かった。両者準備しろ。」

志乃(しの)の言葉で野々香(ののか)とハラミは小鳥の式神に狙いをつける。

志乃(しの)「始め!」

掛け声とともに小鳥の式神が放たれると野々香(ののか)が風を操って小鳥の式神を風の渦に閉じ込めようとするがそれをするりと避けて飛んで行ってしまった。

野々香(ののか)「な。意外と早い。」

志乃(しの)「そんな直ぐ捕まるような事はしない。」

ハラミ「くそ。俺の念力も避けやがる。」

志乃(しの)「追いかけないと見失うぞ。お前ら探知苦手なんだから見失えば見つけるのは苦労するだろ。」

野々香(ののか)「烏達がいればそんな事ないもん。」

志乃(しの)「お前は烏に頼りがちだ。今日くらいは自分だけでやってのけろ。」

野々香(ののか)「分かったよ。どちらにしろ連れて来てないし。」

既に追いかけて走り始めているハラミの後ろを野々香(ののか)は追いかけて行く。

陽葵(ひまり)「私も参加して良い?」

志乃(しの)「別に良いができるのか?」

陽葵(ひまり)「私だって身体強化や式神の練習してたもん。」

志乃(しの)「そうか、まあやれるだけやって来い。」

陽葵(ひまり)「あー。疑ってるでしょ。私だってやる時はやるんだから。」

そう言って陽葵(ひまり)も小鳥の式神を追いかけて行った。

小鳥の式神は屋根に飛んで追いかけるもの達を煽っているので野々香(ののか)とハラミは屋根に飛び乗って追いかけるが途中で見失ったようで屋根の上を走り回る音が聞こえる。

野々香(ののか)志乃(しの)ー、鳥がいなくなったよ。どこ行ったの?」

志乃(しの)「勝手に動き回るようにしてあるから知らん。中には入らないようにしているから外だけだ探せ。」

野々香(ののか)「もう少しヒントあってもいいじゃん。ケチ。」

志乃(しの)「私に話しかけているうちにハラミに負けるぞ良いのか?」

野々香(ののか)「猫又もまだキョロキョロしてるから見つけてないよ。」

志乃(しの)「それでも探しているやつとよそ見しているやつでは結果が違ってくるだろ。平等のため私は手は貸さないからな。」

野々香(ののか)「やっぱりダメか。」

志乃(しの)「分かっているならさっさと探しに行け。」

その時、軒下から陽葵(ひまり)の式神に追われて小鳥の式神が飛び出した。

野々香(ののか)「そんな所に隠れてたの!家の中禁止のはずでしょ。」

志乃(しの)「中ではないだろ。」

小鳥の式神は陽葵(ひまり)の式神に追い立てられて陽葵(ひまり)の方へと誘導されているが、小鳥の式神は陽葵(ひまり)の手を直前でするりと躱して飛んで行った。

陽葵(ひまり)「あーもう少しだったのに〜。」

野々香(ののか)陽葵(ひまり)どうやって見つけたの?」

陽葵(ひまり)浜名瀬(はまなせ)さんの霊力は少しだけど分かるから動いている霊力を探したんだけど、捕まえるまではいかなかった。悔しい。」

野々香(ののか)「なら見つけたら私が捕まえようか?別に良いでしょ?」

野々香(ののか)志乃(しの)にルールの確認をする。

志乃(しの)陽葵(ひまり)が良いならな。だがこれは個人戦だ。手伝ったからといっても捕まえたやつ1人が勝者だ。」

野々香(ののか)「少しくらい良いじゃん。」

陽葵(ひまり)「どちらにしろダメだよ。ハラミは私の式神だし、主人である私が裏切ったら可哀想だよ。」

野々香(ののか)「別に良いじゃん。」

陽葵(ひまり)「それに助け合う事はあったけど競い合う事なんてなかったから私今楽しいんだよ。」

野々香(ののか)「まあ、確かに。よし、負けないから。」

陽葵(ひまり)「私も。」

陽葵(ひまり)野々香(ののか)は気合を入れ直してハラミが追いかけている小鳥の式神を再度追いかけ始めた。

中々勝負がつかないでいると樹霧之介(きりのすけ)達が屋敷の隠里(かくれざと)に入って来た。

樹霧之介(きりのすけ)「何しているんですか?」

志乃(しの)「追いかけっこだ。こいつら先に来てな、時間を潰していた。」

(ほむら)「何、先に面白そうな事してるんだよ。俺もしたい。」

そう言って猫の姿で駆け出そうとする(ほむら)(しずく)が首根っこを掴んで止める。

(しずく)「今から皆で遊ぶんだからいいでしょ。」

(ほむら)「だけどあいつらだけずるい。」

志乃(しの)「ならこのままお前らも参加するか?」

(ほむら)「する!」

(しずく)「ちょっと!」

陽葵(ひまり)「え!?今日これだけになるの?」

(しずく)「今日は陽葵(ひまり)が提案した事なんだから陽葵(ひまり)の意見を優先するわよ。」

(ほむら)「仕方ないな。」

志乃(しの)「ならまずあの式神を全員で捕まえて、捕まえたやつが次鬼になって追いかけっこというのはどうだ?」

(ほむら)「やる!」

(しずく)「私自信ないわよ。」

真琴(まこと)「他はともかく、樹霧之介(きりのすけ)浜名瀬(はまなせ)さんは絶対無理。」

風見(かざみ)「かくれんぼならいいがワイは追いかけるのが苦手だな。」

茂蔵(もぞう)「おいらは探すのが苦手だ。」

樹霧之介(きりのすけ)「僕も隠れるのは得意ですが探すのは苦手です。」

志乃(しの)「ならチームを作るか。」

樹霧之介(きりのすけ)「チームですか?」

志乃(しの)「ああ、3人組を作って、、そうだな何しようか。」

(ほむら)あれ(小鳥の式神)追いかけないのか?」

志乃(しの)「それでもいいがお前らの今の実力も見たいから実践形式で何かしたいんだよな。」

(ほむら)「戦えるのか!?」

(しずく)「あんたの炎熱いんだから駄目でしょ。」

9号「持って来たぜご主人。」

志乃(しの)「ありがとう。」

真琴(まこと)「それは?」

志乃(しの)「鉢巻だ。これを巻いて奪い合いとかどうだ?」

(ほむら)「だけど妖術使ったら駄目なんだろ?」

志乃(しの)「怪我をさせない程度なら使っても良い。」

(ほむら)「難しいな。」

(しずく)「最近は調整も上手くできているんだからいいじゃない。」

ハラミ「なんだ?する事決まったのか?」

そんな話をしているとハラミが小鳥の式神を咥えて戻って来た。

志乃(しの)「ハラミが捕まえたのか。」

ハラミ「俺が狩りで烏なんかに負けるかよ。」

ハラミが小鳥の式神を志乃(しの)に渡すと得意げに胸を張っている横で不機嫌そうな野々香(ののか)が立っていた。

志乃(しの)野々香(ののか)はよそ見してたからな。」

野々香(ののか)「それが無ければ勝ってたもん。」

ハラミ「負け惜しみか?」

野々香(ののか)「そう思うならもう一度する?」

陽葵(ひまり)「もうまこ姉達来てるんだよ。」

志乃(しの)「油断したのはお前の失敗だ。それも実力の内なんだから認めろ。」

野々香(ののか)「むむ、、今回は認めるけど次は負けないから。」

ハラミ「次も俺が勝つぞ。」

野々香(ののか)「それで、これから何やるの?」

志乃(しの)「3人組を作って鉢巻の取り合いを考えている。陽葵(ひまり)はそれでもいいか?」

陽葵(ひまり)「え、私?私はいいよ。楽しそう。」

志乃(しの)「ならまずは組み分けするか。」

陽葵(ひまり)「私は浜名瀬(はまなせ)さんと組みたい。」

志乃(しの)「私は審判で参加はしないぞ。」

陽葵(ひまり)「えー。」

真琴(まこと)「私浜名瀬(はまなせ)さんから鉢巻取る自信ないわよ。」

志乃(しの)「それに私が入ると1人余る。」

陽葵(ひまり)「なら前みたいに式神で参加できない?」

志乃(しの)「式神で1組作るのか?それでもここでするならここの事は私が1番知っている。不公平じゃないか?」

陽葵(ひまり)「なら式神も混ぜてチーム作ろう。」

真琴(まこと)「どうしても浜名瀬(はまなせ)さんと組みたいのね。」

志乃(しの)「他がそれでいいなら。反対のものはいるか?」

志乃(しの)がそう言うと手を上げるものはいなかったので話を進める。

陽葵(ひまり)「それじゃあチーム分けとルールも一緒に決めよう。ただ取り合うだけじゃつまらないでしょ。」

それから全員で話し合い、ルールとして3人の中でリーダーを決めてそのリーダーの鉢巻を取られたらそのチームはその時点で負け。

リーダー以外の鉢巻が取られても負けではないが鉢巻を取られたものは失格となりチームを抜けなくてはいけない。

鉢巻が落ちても他チームの手に渡っていなければ再度拾い直せばセーフとなる。

最後まで残っていたチームの勝利という事を決めた。

野々香(ののか)「チーム分けどうする?私はこいつと再戦できるなら誰とでもいいよ。」

野々香(ののか)はそう言いながらハラミの方を見る。

ハラミ「どちらが格上か分からせてやる。」

志乃(しの)「くじ引きで決めるか。」

そう言って志乃(しの)は一度奥へ行くと木箱を持って来る。

志乃(しの)「この中に鉢巻が入っている。取った色で分かれてくれ。リーダー用の鉢巻も一緒に入っているからそれを取ったらそいつがリーダーになる。」

真琴(まこと)「リーダーもくじ引きなのね。」

志乃(しの)「別にリーダーだからといってそいつがまとめ役とかではない。チーム全体で役割は決めてくれ。」

野々香(ののか)「引いてもいい?」

(ほむら)「早くやろうぜ。」

志乃(しの)「分かった。順番に引いてくれ。」

そして全員が引き終わり、チームは次のようになった。

藍色が樹霧之介(きりのすけ)(しずく)、ハラミでリーダーは樹霧之介(きりのすけ)

茶色が真琴(まこと)野々香(ののか)でリーダーは真琴(まこと)

紫色が(ほむら)陽葵(ひまり)でリーダーは(ほむら)

鼠色が風見(かざみ)茂蔵(もぞう)でリーダーは風見(かざみ)

そして2人のところに志乃(しの)の式神が入り、チームが出来上がる。

陽葵(ひまり)浜名瀬(はまなせ)さんの式神、こんなに大きかったっけ?」

志乃(しの)が出した人型の式神は人の大人くらいの大きさだった。

志乃(しの)「解呪が終わって霊力使えるようになったからな。だが霊力が無くなったら小さくなって消えるのは変わらないし、一度小さくなれば元には戻らない。そして消えた式神は失格として扱うからな。」

真琴(まこと)「それでも浜名瀬(はまなせ)さんと同じような事できるのよね。頼もしいわ。」

志乃(しの)「それと式神は命令を受けないと動かないようにしてある。指示を出すものが重要だ。」

風見(かざみ)「どんな命令でも聞くのか?」

志乃(しの)「誰々の鉢巻を持って来いみたいな曖昧な命令では動かない。できる事とできない事は聞けば首を振って伝えるからまずは聞いてみてくれ。」

真琴(まこと)「範囲はどうするの?前に倉には近づかないでって言っていたでしょ。」

志乃(しの)「そうだな。倉には入らないでくれ。他の場所は結界で守られてもいるしある程度なら大丈夫だろう。」

野々香(ののか)「ねえ、屋敷にあるものは使っても良いの?」

志乃(しの)「使えそうなら使っても良いぞ。危険な物や使ってほしくない物だったらその場で止める。」

それから少し話し合い、疑問がなくなると試合を始める事になった。

志乃(しの)「始めようか。東西南北に分かれてくれ。10分後に3号が花火を上げるからそれが開戦の合図だ。それまでは作戦たてたり、話し合いをしてくれ。」

それから各々分かれて合図を待っていると屋根の上に大きめの花火が1つ上がり、各チームが動き出した。

最初に動いたのは紫色の(ほむら)陽葵(ひまり)のチーム。

戦いたいと言う(ほむら)陽葵(ひまり)が引っ張られているようで、近くの鼠色の風見(かざみ)茂蔵(もぞう)のチームに狙いを定めたようだ。

まず(ほむら)が飛び出すとそれを風見(かざみ)が風の盾で防ぎ、茂蔵(もぞう)が変化で体を大きくして喧嘩煙管で反撃する。

各武器には怪我をしないように布を巻いてあるのでいつもより重心がズレて茂蔵(もぞう)の攻撃は外れてしまう。

(ほむら)茂蔵(もぞう)がくるのか。俺はそっちと戦いたかったのに。」

そう言って(ほむら)は鼠色チームの式神を指差す。

風見(かざみ)「そ、そっちには別の事を頼んであるんだ。」

茂蔵(もぞう)「それよりお前、リーダーなのに突っ込んで来ていいのか?」

(ほむら)「鉢巻取られなきゃいいんだろう?」

(ほむら)はそう言って尻尾に巻いた鉢巻を見せてくる。

茂蔵(もぞう)「余裕だな。」

(ほむら)「取れるもんなら取って見ろ。」

(ほむら)は尻尾を振って更に茂蔵(もぞう)を煽る。

茂蔵(もぞう)「こいつ。」

(ほむら)は猫の姿に変わると茂蔵(もぞう)を煽りながら距離を取る。

茂蔵(もぞう)「逃げるのか?」

(ほむら)「お前遠くに攻撃届かないだろ。なら距離取った方が有利なんだ。それとも追いつけないのか?」

茂蔵(もぞう)「言ったな。」

茂蔵(もぞう)(ほむら)を追おうとすると風見(かざみ)が叫ぶ。

風見(かざみ)「見えない場所に行くとワイの盾も鎧も届かない。(ほむら)はそれが狙いだ。離れるな!」

だが頭に血がのぼった茂蔵(もぞう)(ほむら)を追いかけ行ってしまった。

風見(かざみ)も追いかけようとすると風見(かざみ)の鉢巻に手が伸びてきたのでそれを風の盾で防ぐとそれは陽葵(ひまり)だった。

陽葵(ひまり)「気づかれちゃった。」

風見(かざみ)「まだ妖力以外は探知慣れてないからって陽葵(ひまり)さんの方をこっちに残したのか。あいつちゃんと考えていたんだな。」

陽葵(ひまり)風見(かざみ)さんの事は(ほむら)さんから聞いたのは確かだけど、(ほむら)さん戦う事ばかりで苦労したよ。」

風見(かざみ)「それは、分かるな。特に今まであまり付き合いの無かった陽葵(ひまり)さんにとっては余計苦労しただろ。」

陽葵(ひまり)「分かってくれます?」

風見(かざみ)「いつもは(しずく)が制御してくれているけど、ワイらもあいつの扱いには苦労しているからな。」

陽葵(ひまり)「それならその鉢巻取らせてくれます?」

風見(かざみ)「それはそれ、そこは譲れない。」

陽葵(ひまり)風見(かざみ)さんは浜名瀬(はまなせ)さんに頼みたいことがあるんですか?」

風見(かざみ)「おん?優勝した時の事は聞いてないが何かしてくれるのか?」

陽葵(ひまり)「前もそうだったし、今回も優勝か活躍すれば何かあると思うんです。」

その時また風見(かざみ)の後ろから手が伸びてきた。

風見(かざみ)はそれも風の盾で防ぐ。

それは紫チームの式神だった。

風見(かざみ)「油断も隙もない。」

陽葵(ひまり)「それも防いじゃうの?」

風見(かざみ)「ワイは油断しないぞ。」

風見(かざみ)は3枚盾を出して自分の周りを囲んで防御する。

風見(かざみ)「式神もワイを守ってくれ。」

風見(かざみ)はそう言うが式神は首を横に振る。

陽葵(ひまり)「もしかして式神上手く使えないの?」

風見(かざみ)「、、そうだよ。どう命令すればいいか分からないんだ。お前はどうしているんだ?」

陽葵(ひまり)「さっきは私が気を引くから風見(かざみ)さんの後ろから近づいて鉢巻を取ってって言ったよ。」

風見(かざみ)「そこまで詳しく言わなきゃいけないのか。」

風見(かざみ)が関心していると鉢巻に違和感を感じる。

風見(かざみ)の鉢巻には陽葵(ひまり)の式神が風見(かざみ)の風の盾をすり抜け、貼り付いていて鉢巻を取ろうと引っ張っているが力が足りず、取る事はできていない。

陽葵(ひまり)「うーん。やっぱり無理か、、」

風見(かざみ)「しつこいな、もう。」

その時、(ほむら)茂蔵(もぞう)が床下から現れた。

まだ勝負は決まっていない様で(ほむら)茂蔵(もぞう)を追いかけていたが狭い床下から出ると茂蔵(もぞう)は小さくしていた喧嘩煙管と自分を大きくして(ほむら)に攻撃を仕掛けるが猫の姿の(ほむら)は軽々とそれを避ける。

それを見ていた風見(かざみ)は指をさして式神に命令する。

風見(かざみ)「あっちの方に10歩、それから右に3歩歩いて前に手を伸ばして。」

(ほむら)「そんなので捕まるかよ。」

(ほむら)茂蔵(もぞう)の攻撃を避けて式神を飛び越えた時、(ほむら)の尻尾がその式神の手に当たり鉢巻が取れた。

それに気づいた(ほむら)は慌てて拾おうとするが着地してからでないと方向転換ができない(ほむら)よりも先に茂蔵(もぞう)が走り寄りその鉢巻を手に取った。

(ほむら)「返せ!」

志乃(しの)「そこまでだ。」

(ほむら)が鉢巻を持つ茂蔵(もぞう)に飛び付こうとしたが志乃(しの)が間に入る。

志乃(しの)「決まり事を忘れたか?鉢巻が別チームの手に渡った時点でお前の負けだ。」

(ほむら)「う、、」

志乃(しの)「あっちで毛を梳いてやるから。」

(ほむら)「分かった。」

志乃(しの)陽葵(ひまり)もリーダーの鉢巻が取られたんだ。こっち来い。」

陽葵(ひまり)「うん、、」

志乃(しの)は紫チームの式神を紙に戻す。

志乃(しの)風見(かざみ)は先を読む事が上手くなって、茂蔵(もぞう)は変化の使い方が上手くなったな。」

茂蔵(もぞう)「そうだろ。」

茂蔵(もぞう)は誇らしげにしていて風見(かざみ)は少し照れている。

志乃(しの)「試合はまだ始まったばかりだ。頑張れよ。」

茂蔵(もぞう)「おう!」

風見(かざみ)「まだ負けるわけにはいかないからな。」

(ほむら)「なあ、俺は?」

志乃(しの)陽葵(ひまり)にも言えるがお前らは真っすぐすぎるんだ。」

陽葵(ひまり)「だけど鉢巻を取れればいいんだよね?」

志乃(しの)「そうだがそればかり狙えば警戒されるだろ。もう少し考えろ。」

陽葵(ひまり)「なら、教えてよ。私だって武器を使えるようになりたい!警棒教えてくれるって約束したでしょ。」

志乃(しの)「約束はしていないがまあ、考える。」

陽葵(ひまり)「約束だよ。」

志乃(しの)「はいはい。」

志乃(しの)達はそう言いながら屋敷の中に入る。

そこでは2号と6号がまだ戦っているチームを映していて、全体の様子を見れるようにしていた。

2号「映す組が1つ減って楽になるの。」

(ほむら)「馬鹿にしているのか?」

2号「心の声が漏れただけなの。あなたの相手は面倒くさそうなの。喋らないで。」

(ほむら)「あん?」

志乃(しの)「2号に悪気は無いから喧嘩を売るな。毛、梳かないぞ」

(ほむら)「、、ごめん。」

志乃(しの)「2号も悪気が無くても相手が傷つく事は言うな。」

2号「私も嫌な事言ったの。ごめんなの。」

陽葵(ひまり)管狐(くだぎつね)って喋れたの?」

志乃(しの)「ああ、霊力が戻ったからな。お前は知らなかったか。」

陽葵(ひまり)「うん。」

そこに6号が近づいて来た。

6号「私、あなたと一度お喋りしてみたかったんです。」

陽葵(ひまり)「え?何で?」

6号「私、お喋りが好きなのです。ご主人が無視しても喋り続けるあなたとなら一度語り合いたいと思っていました。」

陽葵(ひまり)「私も話してみたい。」

6号「良いですか?ご主人。」

志乃(しの)「ああ、だが余計な事は言うなよ。」

6号「そこの区別は分かっていますし、自分の役目は果たします。」

陽葵(ひまり)「ねえねえ、式神から見る浜名瀬(はまなせ)さんの事聞きたいな。」

6号「それならご主人との出会いから語りましょうか?」

陽葵(ひまり)「うん。」

志乃(しの)は少し心配ながらも他のチームの様子を見ながら(ほむら)のブラッシングをする。

今動いているチームは野々香(ののか)真琴(まこと)の茶色チームだった。

狙いはハラミがいる藍色のチーム。

真琴(まこと)「じゃあ、作戦通りにお願いね。」

野々香(ののか)「任せて、あの猫に一泡吹かせてあげるんだから。」

2人は姿を隠しながら藍色チームに近づくが、真琴(まこと)が姿を隠すために使っている地面の色に似せた紙は絶妙に違和感があるため動くものに敏感なハラミがそれを見つける。

ハラミ「なあ、あれって何だ?」

樹霧之介(きりのすけ)真琴(まこと)の術みたいですね。」

(しずく)「あそこまであからさまだと罠の可能性もありそうね。」

樹霧之介(きりのすけ)「そうですね。様子を見ましょう。」

真琴(まこと)「気づかれてないみたいね。野々香(ののか)もこっちに来ればよかったのに。」

樹霧之介(きりのすけ)達の話は真琴(まこと)の耳には入らず動かない樹霧之介(きりのすけ)達を見て気づかれていないと笑う。

別の方向から近づく野々香(ののか)はその様子を見ながら大丈夫なのか心配するが樹霧之介(きりのすけ)達は真琴(まこと)を警戒し、逆に野々香(ののか)には気づいてなさそうなので作戦を進める。

真琴(まこと)野々香(ののか)の狙いはリーダーである樹霧之介(きりのすけ)の鉢巻で別方向から同時に仕掛けるのだ。

式神には合図と共に指定した場所を結界で囲み、相手の逃げ道を塞いでもらう。

真琴(まこと)は見られながらも定位置に着いたのでまずは真琴(まこと)が飛び出し、それを合図に野々香(ののか)樹霧之介(きりのすけ)の鉢巻を狙うが、真琴(まこと)はともかく野々香(ののか)の動きにも対応されてしまった。

真琴(まこと)樹霧之介(きりのすけ)が棒で防ぎ、野々香(ののか)(しずく)が水を操り壁を作って錫杖を止める。

真琴(まこと)「気づいてたんだ。流石ね。」

(しずく)「あれで隠れていたつもりだったのね。」

真琴(まこと)「え?」

樹霧之介(きりのすけ)(しずく)、作戦通りにお願いします。ハラミさんも。」

(しずく)「ええ。」

ハラミ「お、おう。」

真琴(まこと)「何か仕掛けてきそうよ。野々香(ののか)も気をつけて。」

野々香(ののか)「なら範囲から出よう。結界で閉じ込めればこっちに手出しできないよ。」

真琴(まこと)「そうね。」

(しずく)「させないわ。結界は私も作れるの。」

(しずく)がそう言うといきなり野々香(ののか)は霧に囲まれて周りが見えなくなってしまった。

野々香(ののか)「これあなたがしているの?」

(しずく)「そう。周りと隔離すれば式神に指示を伝えられない。そのまま各個撃破が私達の作戦。」

野々香(ののか)真琴(まこと)もこの中にいるの?」

(しずく)「いないけどそっちは樹霧之介(きりのすけ)が上手くしているはずよ。」

野々香(ののか)「なら私はあなたを倒せばいいのよね。こんな事するなら自分の姿も隠せばいいのに余裕なのね。」

野々香(ののか)は鉢巻を落とすために羽根を飛ばすがそれは(しずく)に届く前に止まる。

野々香(ののか)「2対1?それほど私は脅威って思われているって事で良い?」

羽根が止まったのはハラミの念力だった。

スピードがあるとはいえ、軽い羽根ならハラミの念力が効くのだ。

(しずく)「脅威と言うより真琴(まこと)と違ってあなたのことあまり知らないから警戒しているだけ。」

野々香(ののか)「1匹じゃ勝てないからだと思った。」

野々香(ののか)はハラミの方を見て、そう挑発する。

ハラミ「俺は戦闘は苦手だからな。」

野々香(ののか)「臆病なんだ。」

ハラミ「俺はお前と違って自分の実力を知っているだけだ。」

野々香(ののか)「私だって自分のできる事くらい知ってる。」

(しずく)「えっと、試合中だけど続けても良い?」

野々香(ののか)「良いよ、2対1でも負けないんだから。」

ここまで読んでいただいてありがとうございます。

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