83話
この物語には自己解釈やオリジナル設定が含まれています。
オリジナルの妖怪が登場することもあります。
素人がただ思い付きで書いている物語なので最後まで温かい目で読んでいただければと思います。
志乃が静かに屋敷で過ごしていると喧しい声が聞こえる。
今日は陽葵と約束していた日で、野々香も陽葵に連絡を取っていたようで一緒に入って来ていた。
陽葵「浜名瀬さん、来たよー。」
野々香「志乃、志乃。何処いるの?」
志乃「静かにしろ。それに樹霧之介達はまだ来ていないんだからまだ始められないぞ。」
野々香「それなら来るまで3人で遊ぼうよ。」
陽葵「いいね。何する?」
志乃「勝手に進めるな。」
ハラミ「俺を忘れるなよ。」
野々香「いたんだ。ずっと陽葵の陰に隠れているから分からなかった。」
ハラミ「陰に隠れている事知っている時点で知っているだろ。」
野々香「仲間外れにされたくないなら出て来なよ。それとも私が怖かった?」
ハラミ「あ?そんなことあるか。」
陽葵「喧嘩しないでよ。」
志乃「ならそこ2人で何か競うか?」
野々香「お、いいじゃん。」
ハラミ「負けないからな。」
陽葵「私は?」
志乃「やりたいなら参加すればいい。できるならな。」
野々香「何するの?」
野々香の問いに志乃は紙の式神を取り出してそれを小鳥の姿に変えた。
陽葵「可愛い。式神ってこんな事も出来るの?」
ハラミ「それを追いかければいいのか?早く始めてくれよ。」
志乃「そうだな。今からこいつを放つから先に捕まえてきた方が勝ちでいいだろ。」
ハラミ「狩りなら負けねえぞ。」
野々香「これって妖術使っても良いよね?」
志乃「ああ。だが屋敷を壊すようなことはしないでくれよ。」
野々香「結界、張ってるんでしょ。大丈夫だよ。」
志乃「それでもだ。何かすればその時点で負けにするからな。」
野々香「分かったよ。早く始めて。」
志乃「分かった。両者準備しろ。」
志乃の言葉で野々香とハラミは小鳥の式神に狙いをつける。
志乃「始め!」
掛け声とともに小鳥の式神が放たれると野々香が風を操って小鳥の式神を風の渦に閉じ込めようとするがそれをするりと避けて飛んで行ってしまった。
野々香「な。意外と早い。」
志乃「そんな直ぐ捕まるような事はしない。」
ハラミ「くそ。俺の念力も避けやがる。」
志乃「追いかけないと見失うぞ。お前ら探知苦手なんだから見失えば見つけるのは苦労するだろ。」
野々香「烏達がいればそんな事ないもん。」
志乃「お前は烏に頼りがちだ。今日くらいは自分だけでやってのけろ。」
野々香「分かったよ。どちらにしろ連れて来てないし。」
既に追いかけて走り始めているハラミの後ろを野々香は追いかけて行く。
陽葵「私も参加して良い?」
志乃「別に良いができるのか?」
陽葵「私だって身体強化や式神の練習してたもん。」
志乃「そうか、まあやれるだけやって来い。」
陽葵「あー。疑ってるでしょ。私だってやる時はやるんだから。」
そう言って陽葵も小鳥の式神を追いかけて行った。
小鳥の式神は屋根に飛んで追いかけるもの達を煽っているので野々香とハラミは屋根に飛び乗って追いかけるが途中で見失ったようで屋根の上を走り回る音が聞こえる。
野々香「志乃ー、鳥がいなくなったよ。どこ行ったの?」
志乃「勝手に動き回るようにしてあるから知らん。中には入らないようにしているから外だけだ探せ。」
野々香「もう少しヒントあってもいいじゃん。ケチ。」
志乃「私に話しかけているうちにハラミに負けるぞ良いのか?」
野々香「猫又もまだキョロキョロしてるから見つけてないよ。」
志乃「それでも探しているやつとよそ見しているやつでは結果が違ってくるだろ。平等のため私は手は貸さないからな。」
野々香「やっぱりダメか。」
志乃「分かっているならさっさと探しに行け。」
その時、軒下から陽葵の式神に追われて小鳥の式神が飛び出した。
野々香「そんな所に隠れてたの!家の中禁止のはずでしょ。」
志乃「中ではないだろ。」
小鳥の式神は陽葵の式神に追い立てられて陽葵の方へと誘導されているが、小鳥の式神は陽葵の手を直前でするりと躱して飛んで行った。
陽葵「あーもう少しだったのに〜。」
野々香「陽葵どうやって見つけたの?」
陽葵「浜名瀬さんの霊力は少しだけど分かるから動いている霊力を探したんだけど、捕まえるまではいかなかった。悔しい。」
野々香「なら見つけたら私が捕まえようか?別に良いでしょ?」
野々香は志乃にルールの確認をする。
志乃「陽葵が良いならな。だがこれは個人戦だ。手伝ったからといっても捕まえたやつ1人が勝者だ。」
野々香「少しくらい良いじゃん。」
陽葵「どちらにしろダメだよ。ハラミは私の式神だし、主人である私が裏切ったら可哀想だよ。」
野々香「別に良いじゃん。」
陽葵「それに助け合う事はあったけど競い合う事なんてなかったから私今楽しいんだよ。」
野々香「まあ、確かに。よし、負けないから。」
陽葵「私も。」
陽葵と野々香は気合を入れ直してハラミが追いかけている小鳥の式神を再度追いかけ始めた。
中々勝負がつかないでいると樹霧之介達が屋敷の隠里に入って来た。
樹霧之介「何しているんですか?」
志乃「追いかけっこだ。こいつら先に来てな、時間を潰していた。」
焔「何、先に面白そうな事してるんだよ。俺もしたい。」
そう言って猫の姿で駆け出そうとする焔を雫が首根っこを掴んで止める。
雫「今から皆で遊ぶんだからいいでしょ。」
焔「だけどあいつらだけずるい。」
志乃「ならこのままお前らも参加するか?」
焔「する!」
雫「ちょっと!」
陽葵「え!?今日これだけになるの?」
雫「今日は陽葵が提案した事なんだから陽葵の意見を優先するわよ。」
焔「仕方ないな。」
志乃「ならまずあの式神を全員で捕まえて、捕まえたやつが次鬼になって追いかけっこというのはどうだ?」
焔「やる!」
雫「私自信ないわよ。」
真琴「他はともかく、樹霧之介と浜名瀬さんは絶対無理。」
風見「かくれんぼならいいがワイは追いかけるのが苦手だな。」
茂蔵「おいらは探すのが苦手だ。」
樹霧之介「僕も隠れるのは得意ですが探すのは苦手です。」
志乃「ならチームを作るか。」
樹霧之介「チームですか?」
志乃「ああ、3人組を作って、、そうだな何しようか。」
焔「あれ追いかけないのか?」
志乃「それでもいいがお前らの今の実力も見たいから実践形式で何かしたいんだよな。」
焔「戦えるのか!?」
雫「あんたの炎熱いんだから駄目でしょ。」
9号「持って来たぜご主人。」
志乃「ありがとう。」
真琴「それは?」
志乃「鉢巻だ。これを巻いて奪い合いとかどうだ?」
焔「だけど妖術使ったら駄目なんだろ?」
志乃「怪我をさせない程度なら使っても良い。」
焔「難しいな。」
雫「最近は調整も上手くできているんだからいいじゃない。」
ハラミ「なんだ?する事決まったのか?」
そんな話をしているとハラミが小鳥の式神を咥えて戻って来た。
志乃「ハラミが捕まえたのか。」
ハラミ「俺が狩りで烏なんかに負けるかよ。」
ハラミが小鳥の式神を志乃に渡すと得意げに胸を張っている横で不機嫌そうな野々香が立っていた。
志乃「野々香はよそ見してたからな。」
野々香「それが無ければ勝ってたもん。」
ハラミ「負け惜しみか?」
野々香「そう思うならもう一度する?」
陽葵「もうまこ姉達来てるんだよ。」
志乃「油断したのはお前の失敗だ。それも実力の内なんだから認めろ。」
野々香「むむ、、今回は認めるけど次は負けないから。」
ハラミ「次も俺が勝つぞ。」
野々香「それで、これから何やるの?」
志乃「3人組を作って鉢巻の取り合いを考えている。陽葵はそれでもいいか?」
陽葵「え、私?私はいいよ。楽しそう。」
志乃「ならまずは組み分けするか。」
陽葵「私は浜名瀬さんと組みたい。」
志乃「私は審判で参加はしないぞ。」
陽葵「えー。」
真琴「私浜名瀬さんから鉢巻取る自信ないわよ。」
志乃「それに私が入ると1人余る。」
陽葵「なら前みたいに式神で参加できない?」
志乃「式神で1組作るのか?それでもここでするならここの事は私が1番知っている。不公平じゃないか?」
陽葵「なら式神も混ぜてチーム作ろう。」
真琴「どうしても浜名瀬さんと組みたいのね。」
志乃「他がそれでいいなら。反対のものはいるか?」
志乃がそう言うと手を上げるものはいなかったので話を進める。
陽葵「それじゃあチーム分けとルールも一緒に決めよう。ただ取り合うだけじゃつまらないでしょ。」
それから全員で話し合い、ルールとして3人の中でリーダーを決めてそのリーダーの鉢巻を取られたらそのチームはその時点で負け。
リーダー以外の鉢巻が取られても負けではないが鉢巻を取られたものは失格となりチームを抜けなくてはいけない。
鉢巻が落ちても他チームの手に渡っていなければ再度拾い直せばセーフとなる。
最後まで残っていたチームの勝利という事を決めた。
野々香「チーム分けどうする?私はこいつと再戦できるなら誰とでもいいよ。」
野々香はそう言いながらハラミの方を見る。
ハラミ「どちらが格上か分からせてやる。」
志乃「くじ引きで決めるか。」
そう言って志乃は一度奥へ行くと木箱を持って来る。
志乃「この中に鉢巻が入っている。取った色で分かれてくれ。リーダー用の鉢巻も一緒に入っているからそれを取ったらそいつがリーダーになる。」
真琴「リーダーもくじ引きなのね。」
志乃「別にリーダーだからといってそいつがまとめ役とかではない。チーム全体で役割は決めてくれ。」
野々香「引いてもいい?」
焔「早くやろうぜ。」
志乃「分かった。順番に引いてくれ。」
そして全員が引き終わり、チームは次のようになった。
藍色が樹霧之介、雫、ハラミでリーダーは樹霧之介。
茶色が真琴、野々香でリーダーは真琴。
紫色が焔、陽葵でリーダーは焔。
鼠色が風見、茂蔵でリーダーは風見。
そして2人のところに志乃の式神が入り、チームが出来上がる。
陽葵「浜名瀬さんの式神、こんなに大きかったっけ?」
志乃が出した人型の式神は人の大人くらいの大きさだった。
志乃「解呪が終わって霊力使えるようになったからな。だが霊力が無くなったら小さくなって消えるのは変わらないし、一度小さくなれば元には戻らない。そして消えた式神は失格として扱うからな。」
真琴「それでも浜名瀬さんと同じような事できるのよね。頼もしいわ。」
志乃「それと式神は命令を受けないと動かないようにしてある。指示を出すものが重要だ。」
風見「どんな命令でも聞くのか?」
志乃「誰々の鉢巻を持って来いみたいな曖昧な命令では動かない。できる事とできない事は聞けば首を振って伝えるからまずは聞いてみてくれ。」
真琴「範囲はどうするの?前に倉には近づかないでって言っていたでしょ。」
志乃「そうだな。倉には入らないでくれ。他の場所は結界で守られてもいるしある程度なら大丈夫だろう。」
野々香「ねえ、屋敷にあるものは使っても良いの?」
志乃「使えそうなら使っても良いぞ。危険な物や使ってほしくない物だったらその場で止める。」
それから少し話し合い、疑問がなくなると試合を始める事になった。
志乃「始めようか。東西南北に分かれてくれ。10分後に3号が花火を上げるからそれが開戦の合図だ。それまでは作戦たてたり、話し合いをしてくれ。」
それから各々分かれて合図を待っていると屋根の上に大きめの花火が1つ上がり、各チームが動き出した。
最初に動いたのは紫色の焔と陽葵のチーム。
戦いたいと言う焔に陽葵が引っ張られているようで、近くの鼠色の風見と茂蔵のチームに狙いを定めたようだ。
まず焔が飛び出すとそれを風見が風の盾で防ぎ、茂蔵が変化で体を大きくして喧嘩煙管で反撃する。
各武器には怪我をしないように布を巻いてあるのでいつもより重心がズレて茂蔵の攻撃は外れてしまう。
焔「茂蔵がくるのか。俺はそっちと戦いたかったのに。」
そう言って焔は鼠色チームの式神を指差す。
風見「そ、そっちには別の事を頼んであるんだ。」
茂蔵「それよりお前、リーダーなのに突っ込んで来ていいのか?」
焔「鉢巻取られなきゃいいんだろう?」
焔はそう言って尻尾に巻いた鉢巻を見せてくる。
茂蔵「余裕だな。」
焔「取れるもんなら取って見ろ。」
焔は尻尾を振って更に茂蔵を煽る。
茂蔵「こいつ。」
焔は猫の姿に変わると茂蔵を煽りながら距離を取る。
茂蔵「逃げるのか?」
焔「お前遠くに攻撃届かないだろ。なら距離取った方が有利なんだ。それとも追いつけないのか?」
茂蔵「言ったな。」
茂蔵が焔を追おうとすると風見が叫ぶ。
風見「見えない場所に行くとワイの盾も鎧も届かない。焔はそれが狙いだ。離れるな!」
だが頭に血がのぼった茂蔵は焔を追いかけ行ってしまった。
風見も追いかけようとすると風見の鉢巻に手が伸びてきたのでそれを風の盾で防ぐとそれは陽葵だった。
陽葵「気づかれちゃった。」
風見「まだ妖力以外は探知慣れてないからって陽葵さんの方をこっちに残したのか。あいつちゃんと考えていたんだな。」
陽葵「風見さんの事は焔さんから聞いたのは確かだけど、焔さん戦う事ばかりで苦労したよ。」
風見「それは、分かるな。特に今まであまり付き合いの無かった陽葵さんにとっては余計苦労しただろ。」
陽葵「分かってくれます?」
風見「いつもは雫が制御してくれているけど、ワイらもあいつの扱いには苦労しているからな。」
陽葵「それならその鉢巻取らせてくれます?」
風見「それはそれ、そこは譲れない。」
陽葵「風見さんは浜名瀬さんに頼みたいことがあるんですか?」
風見「おん?優勝した時の事は聞いてないが何かしてくれるのか?」
陽葵「前もそうだったし、今回も優勝か活躍すれば何かあると思うんです。」
その時また風見の後ろから手が伸びてきた。
風見はそれも風の盾で防ぐ。
それは紫チームの式神だった。
風見「油断も隙もない。」
陽葵「それも防いじゃうの?」
風見「ワイは油断しないぞ。」
風見は3枚盾を出して自分の周りを囲んで防御する。
風見「式神もワイを守ってくれ。」
風見はそう言うが式神は首を横に振る。
陽葵「もしかして式神上手く使えないの?」
風見「、、そうだよ。どう命令すればいいか分からないんだ。お前はどうしているんだ?」
陽葵「さっきは私が気を引くから風見さんの後ろから近づいて鉢巻を取ってって言ったよ。」
風見「そこまで詳しく言わなきゃいけないのか。」
風見が関心していると鉢巻に違和感を感じる。
風見の鉢巻には陽葵の式神が風見の風の盾をすり抜け、貼り付いていて鉢巻を取ろうと引っ張っているが力が足りず、取る事はできていない。
陽葵「うーん。やっぱり無理か、、」
風見「しつこいな、もう。」
その時、焔と茂蔵が床下から現れた。
まだ勝負は決まっていない様で焔が茂蔵を追いかけていたが狭い床下から出ると茂蔵は小さくしていた喧嘩煙管と自分を大きくして焔に攻撃を仕掛けるが猫の姿の焔は軽々とそれを避ける。
それを見ていた風見は指をさして式神に命令する。
風見「あっちの方に10歩、それから右に3歩歩いて前に手を伸ばして。」
焔「そんなので捕まるかよ。」
焔が茂蔵の攻撃を避けて式神を飛び越えた時、焔の尻尾がその式神の手に当たり鉢巻が取れた。
それに気づいた焔は慌てて拾おうとするが着地してからでないと方向転換ができない焔よりも先に茂蔵が走り寄りその鉢巻を手に取った。
焔「返せ!」
志乃「そこまでだ。」
焔が鉢巻を持つ茂蔵に飛び付こうとしたが志乃が間に入る。
志乃「決まり事を忘れたか?鉢巻が別チームの手に渡った時点でお前の負けだ。」
焔「う、、」
志乃「あっちで毛を梳いてやるから。」
焔「分かった。」
志乃「陽葵もリーダーの鉢巻が取られたんだ。こっち来い。」
陽葵「うん、、」
志乃は紫チームの式神を紙に戻す。
志乃「風見は先を読む事が上手くなって、茂蔵は変化の使い方が上手くなったな。」
茂蔵「そうだろ。」
茂蔵は誇らしげにしていて風見は少し照れている。
志乃「試合はまだ始まったばかりだ。頑張れよ。」
茂蔵「おう!」
風見「まだ負けるわけにはいかないからな。」
焔「なあ、俺は?」
志乃「陽葵にも言えるがお前らは真っすぐすぎるんだ。」
陽葵「だけど鉢巻を取れればいいんだよね?」
志乃「そうだがそればかり狙えば警戒されるだろ。もう少し考えろ。」
陽葵「なら、教えてよ。私だって武器を使えるようになりたい!警棒教えてくれるって約束したでしょ。」
志乃「約束はしていないがまあ、考える。」
陽葵「約束だよ。」
志乃「はいはい。」
志乃達はそう言いながら屋敷の中に入る。
そこでは2号と6号がまだ戦っているチームを映していて、全体の様子を見れるようにしていた。
2号「映す組が1つ減って楽になるの。」
焔「馬鹿にしているのか?」
2号「心の声が漏れただけなの。あなたの相手は面倒くさそうなの。喋らないで。」
焔「あん?」
志乃「2号に悪気は無いから喧嘩を売るな。毛、梳かないぞ」
焔「、、ごめん。」
志乃「2号も悪気が無くても相手が傷つく事は言うな。」
2号「私も嫌な事言ったの。ごめんなの。」
陽葵「管狐って喋れたの?」
志乃「ああ、霊力が戻ったからな。お前は知らなかったか。」
陽葵「うん。」
そこに6号が近づいて来た。
6号「私、あなたと一度お喋りしてみたかったんです。」
陽葵「え?何で?」
6号「私、お喋りが好きなのです。ご主人が無視しても喋り続けるあなたとなら一度語り合いたいと思っていました。」
陽葵「私も話してみたい。」
6号「良いですか?ご主人。」
志乃「ああ、だが余計な事は言うなよ。」
6号「そこの区別は分かっていますし、自分の役目は果たします。」
陽葵「ねえねえ、式神から見る浜名瀬さんの事聞きたいな。」
6号「それならご主人との出会いから語りましょうか?」
陽葵「うん。」
志乃は少し心配ながらも他のチームの様子を見ながら焔のブラッシングをする。
今動いているチームは野々香と真琴の茶色チームだった。
狙いはハラミがいる藍色のチーム。
真琴「じゃあ、作戦通りにお願いね。」
野々香「任せて、あの猫に一泡吹かせてあげるんだから。」
2人は姿を隠しながら藍色チームに近づくが、真琴が姿を隠すために使っている地面の色に似せた紙は絶妙に違和感があるため動くものに敏感なハラミがそれを見つける。
ハラミ「なあ、あれって何だ?」
樹霧之介「真琴の術みたいですね。」
雫「あそこまであからさまだと罠の可能性もありそうね。」
樹霧之介「そうですね。様子を見ましょう。」
真琴「気づかれてないみたいね。野々香もこっちに来ればよかったのに。」
樹霧之介達の話は真琴の耳には入らず動かない樹霧之介達を見て気づかれていないと笑う。
別の方向から近づく野々香はその様子を見ながら大丈夫なのか心配するが樹霧之介達は真琴を警戒し、逆に野々香には気づいてなさそうなので作戦を進める。
真琴と野々香の狙いはリーダーである樹霧之介の鉢巻で別方向から同時に仕掛けるのだ。
式神には合図と共に指定した場所を結界で囲み、相手の逃げ道を塞いでもらう。
真琴は見られながらも定位置に着いたのでまずは真琴が飛び出し、それを合図に野々香も樹霧之介の鉢巻を狙うが、真琴はともかく野々香の動きにも対応されてしまった。
真琴は樹霧之介が棒で防ぎ、野々香は雫が水を操り壁を作って錫杖を止める。
真琴「気づいてたんだ。流石ね。」
雫「あれで隠れていたつもりだったのね。」
真琴「え?」
樹霧之介「雫、作戦通りにお願いします。ハラミさんも。」
雫「ええ。」
ハラミ「お、おう。」
真琴「何か仕掛けてきそうよ。野々香も気をつけて。」
野々香「なら範囲から出よう。結界で閉じ込めればこっちに手出しできないよ。」
真琴「そうね。」
雫「させないわ。結界は私も作れるの。」
雫がそう言うといきなり野々香は霧に囲まれて周りが見えなくなってしまった。
野々香「これあなたがしているの?」
雫「そう。周りと隔離すれば式神に指示を伝えられない。そのまま各個撃破が私達の作戦。」
野々香「真琴もこの中にいるの?」
雫「いないけどそっちは樹霧之介が上手くしているはずよ。」
野々香「なら私はあなたを倒せばいいのよね。こんな事するなら自分の姿も隠せばいいのに余裕なのね。」
野々香は鉢巻を落とすために羽根を飛ばすがそれは雫に届く前に止まる。
野々香「2対1?それほど私は脅威って思われているって事で良い?」
羽根が止まったのはハラミの念力だった。
スピードがあるとはいえ、軽い羽根ならハラミの念力が効くのだ。
雫「脅威と言うより真琴と違ってあなたのことあまり知らないから警戒しているだけ。」
野々香「1匹じゃ勝てないからだと思った。」
野々香はハラミの方を見て、そう挑発する。
ハラミ「俺は戦闘は苦手だからな。」
野々香「臆病なんだ。」
ハラミ「俺はお前と違って自分の実力を知っているだけだ。」
野々香「私だって自分のできる事くらい知ってる。」
雫「えっと、試合中だけど続けても良い?」
野々香「良いよ、2対1でも負けないんだから。」
ここまで読んでいただいてありがとうございます。




