10、繋いでいたもの《視点…リリィ》
「お待たせ、れいちゃん。」
私がそうれいちゃんに声を掛けると彼女は真っ赤な瞼をこちらに向けてきた。
目が今にも壊れてしまいそうなほど泣いている。
「どうしたのっ!!」
私は思いっきりれいちゃんを抱きしめようとするが、私は幽霊だ。
……………………彼女を抱きしめる事はおろか、彼女の頭を撫でる事すらできない。
_______死んでしまっていてる自分をひどく恨んだ。
「…………………………………………大丈夫だよ。」
「大丈夫なわけないでしょっ!!」
私は即答する。彼女は私がそう言うとダムが決壊したかのようにボロボロと涙を溢し始めた。
「もう生きたくない」
彼女はそうぼそりと呟いた。
彼女の事だ、やっぱり一人で抱え込みすぎている。
_____________昔の私みたい。
少しそう思ったが、私の過去はあまり思い出せなかった。
過去の私はどんな世界を生きていたのだろうか。友達が沢山いて、幸せな日々を送っていたんだろうか。病気などを患っていたのだろうか。それとも誰かに憎まれてしまうような生き方をしていたのだろうか。
今となっては思い出すほかにはなす術はない。
私がれいちゃんと話し終わって、廊下を歩いていると向こうから三栖先生がやってきた。
聞き覚えのある歌だ。
________________そうだ、そうだよ。
これは、私が高校生の時に付き合っていた彼のために、作った曲じゃないか。
________それなのに何故、何故、
三栖先生が知っているの……?




