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ファンタジジイアドベンチャー!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第六章 南の島でエルフと妖精を探そう! 編

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88/90

第80話 ジジイも見惚れる見事な花火でお別れ!

「ガハハ、ワシは愉快じゃ」

「ホレそこのハーフエルフ、俺にもっとお酌をせい」

「我は満足である、これから見られる物も更に満足させるであろう、括目せよ」


 早めに洞窟温泉に入って出来上がったジジイ×3、

 出てきてホテル最上階でこれまた早めに宴会を始め、

 綺麗所をはべらせている、ハーフエルフの美人さんも2人。


(お座敷芸とかいうのもこの後、してくれるらしいわ)


 その前に私はこの港町ブランザに、

 最後のとっておきのお土産を打ち上げる事にした、

 ビジランテ様にホテルに許可を貰い、一応、各ギルドにも事前報告を。


「さあティナさん、いつでも出来るぜ」

「はいビジランテ様、今回は魔力が尽きるまで」


 窓際で大弓を支えてくれている老アサシン様、

 私はコンベル様と一緒に魔法の矢を出現させて、

 それぞれの腕には各妖精がしがみついている、眩しい光の矢……!!


「では海の上へ、派手に行きましょう」

「はい、光魔法も精霊エルフ魔法も精霊ようせい魔法も混ぜて」

「遠い島まで届くといいな」「私の魔力ちからなら、色も変えられるはずよ」「ティニア、お願いするわ」


 大弓を引いて、

 一気に海へ放つと、

 大きな大きな魔法花火が綺麗に……!!


 パシューーンッ!!!


「うん、綺麗な白い花火だわ」

「ここまで綺麗なものは、わたくしどもしか無理ですね」

「さあ、どんどん行きましょう」「ボク、魔力まだいっぱい!」「次は黄色で行くわ」


 こうしてティニアに色んな色を付けてもらい、

 海の上で何発も何発も魔法花火が打ちあがる、

 港の方々も喜んでくれていそう、そして遠くのエルフ島にも気配が伝われば……!!!


「どうだ、これがワシのパーティーの力じゃ」

「俺もここまで綺麗なのは初めて見た、酒が進むぜ」

「我が四人の妻も見ておるだろう、見事、お見事である」


 最後の方は魔法の矢を三本同時で連射、

 たまに魔力補給をしつつ、ありったけを込めて……

 さすがに30分以上もしていると疲れ切って、そろそろお終いの空気に。


「では最後は7発一気で」

「ラストですね、派手に行きましょう」

「終わったらボク、気絶しちゃうかも」「じゃあ7色で行くわよ」


 そして7本同時の矢が……!!


 パシュパシュ、

 パッシューーーーンッッ!!!


 それを観たジジイ×3も超ご満悦。


「うむ、これもまたワシらの伝説になるだろう」

「これを観ながら飲み干すエルフ種は、最高だぜ」

「我はこの日のために戦ってきた、と言っても過言では無いのである」


 ……ふう、終わったわ、

 静寂に包まれるとホテルの下からは、

 大きな拍手が聞こえてくる、歓声までも……


(疲れ切ったわ)


 窓際から離れて大の字になる私、

 その上をへろへろになった妖精2人が飛んでくる。


「腹減った~」

「お腹が空いたわ~」

「はいはい、コンベル様」「ど、どうぞ」


 沢山の葡萄に、

 僅かに残していた魔力で浄化をかける、

 それを喰らい尽くす勢いのエアリーとティニア。


「わたくしも少々」

「コンベル様もお疲れ様でした」

「この後の洞窟風呂が、心地良くなりそうです」


 ビジランテ様も弓を部屋の中へ仕舞う。


「オレも良い物を見せて貰った」

「あ、地味に疲れましたよね、ありがとう」

「いえいえ、洞窟風呂へ行く前にティナさんも夕食を」


 そんな思い出深い、

 ブランザでの今回最後の夜を過ごしたのち、

 翌朝にはホテルをチェックアウト、花火のお礼を深々とロラン様にされる。


「そういえば沖に、『最強の五人』の像があったのはご存じですか?」

「えっ、気付きませんでした」「最も長年の波で、95%は流されてしまいましたが」

「駄目じゃないですかそれ」「今は絶好の釣り場ですね、次回起こしの際は是非とも」


 などという余計な情報を聞いたのち、

 馬車でいよいよ出発、次なる行先はコンベル様が執事をしていた、

 辺境伯領だけれどルートは任せば連れて行ってくれるそうです、胸に妖精を入れて。


「では運転はお任せ下さい」

「暇になったらエアリーの所へ行くわ」

「はい、しばらくはお願いします、たまにビジランテ様と交代を」


 馬車に乗り込むと、

 見送りに教会の皆さんの他、

 人間に擬態したエルフのルビシーお婆さんも。


「きっと、きっと伝わったはずですじゃ」

「はい、あの花火は皆様に感謝を込めて」

「また来てくだされ、皆も待っておりますゆえ」


 こうして馬車に乗り込む私達だったけれども……!!


「大変だティナ」「どうしましたエルディス様」

「エルフ酒が、もう、あと2本しかないぞー?!」

「呑み過ぎですよ、まったく、1本くらい残して大きな街で売りたいのですが」


 無理ねこれじゃ。


「よし、割れないように俺が抱きしめておこう」

「それ絶対、いつのまにか飲み干してるでしょガイア様」

「こういうのは呑んでこそである」「スクウィーク様まで、まったくもう」


 私の耳元で囁くビジランテ様。


「安心して下さい、1本だけ馬車の床下に隠してあります」

「さすが元『最強の五人』の良心、助かります」「馬車が走るようですよ」

「ティナ、またボクの同族に会えるかな」「エアリー、会えると良いわね、ううん、きっと会えるわ」


 こうして港を出発した馬車は、

 辺境伯領で新たなエルフ、そして妖精を求めて走り始めた、

 新たな魔王を討伐する旅は、いよいよ本格化して行く……。


「ところでティナよ」「はいエルディス様」

「そろそろ、ワシらの新しいパーティー名を決めるか」

「えっ、今更?!」「俺はティナに決めて貰いたい」「我もである」「だそうですよティナ様」


 そんな話が出つつも、第七章へ続く。

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