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ファンタジジイアドベンチャー!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第六章 南の島でエルフと妖精を探そう! 編

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第71話 港の教会でジジイは気付いた!

「はい次の方どうぞ~」


 翌朝、海の見える教会、

 豪華なビュッフェ朝食を終えていつもの辻治療へ、

 ただやってきた人々は口々に『もう少し時間が早ければ』と……


「ウチの子をお願いします」

「はい病気ですね、少しお時間を」

「あと、旦那が港へ戻ったら昔の怪我が」


 そう、成人男性は早朝から漁に出ていて、

 肝心の『本当に治して欲しい人々』が居ない、

 こればっかりは察しが悪くて申し訳ないと少し反省。


「……はい次の方~」

「おう、俺はこの腕が神経やられちまってもう漁に」

「これは少し多めに出していただかないと」「いくらだ」「自由です」


 コンベルさんにも手伝って貰って、

 目一杯の治癒魔法をかける、これは魔力を一気に奪われる、

 胸元のエアリーもちょっとうなるくらいに……私も頑張って……ふうっ


「おお、動く、神経が戻った!」

「お布施は自由ですが魔力が相当かかりましたので多めに」

「ありがとう、ありがとう、ありがとう」「はい、少し休憩を頂きます」


 3回お礼を言ったということは、

 エアリーに気付いている? 無意識かも、

 気のせいかしら、まあいいわ、控室はなぜか懺悔室をあてがわれた。


「はいエアリー、カットパインよ」「うんめ、うんめ」

「コンベル様も」「ありがたいです、先ほどの2連続は、さすがに」

「それでここまでエルフは」「1人だけ1部、8分の1ほどエルフの血が入った方が、ただ我々に気付いている様子は無かったかと」


 そう、エルフや魔力の強いハーフエルフならば、

 人間に化けているコンベルさんや私の胸元の妖精エアリーに気付くらしい、

 ただこれまで、いかにもエルフって感じの人はまだ来ていない、もちろん治療は始まったばかりだけれども。


(ちなみに4ジジイは冒険者ギルドです)


 回復役がこっちだから、

 勝手にダンジョン潜るとかはしていないはず、

 そのあたりはビジランテ様がしっかりしているでしょうから……


「ティナ、もういいぜ!」

「ではコンベル様」「はい、参りましょう」


 戻って治療を再開していると……


「これは、ティナ様」

「えっ、そうなの?」

「はい、間違いありません」


 上品そうなお婆様、

 人間にしか見えないが、

 コンベル様が気付いたということは……!!


「最近、神経痛でねえ」

「はい、では早速……いかがですか?」

「こ、これは、痛みが取れて……ありがたやありがたや」


 拝まれている、

 しかも私の胸が!

 ということは、そこに居るエアリーに?!


「お布施は自由ですので、それで」

「実はもうお一方ひとかた、治して頂きたい方がおりましてねえ」

「それは、あっ、漁に出られているとか」「いえな、私の住む島に」「あっ」


 エルフの隠し島ね。

 そこへコンベルさんが。


「失礼、それはお急ぎでしょうか」

「出来れば今夜にでも、人間の方が並んでらっしゃいますから」

「わかりました、わたくしコンベルと申します、それで定期便は」


 人間の方、て言ったということは、やはり。


「では今夜、商業ギルドでお待ちしておりますわ、それで」

「はい、失礼ですがお名前は」「ルビシーと申します、それでは」

「いやお布施払えよ」「はっ、はいっ!」「あっ、エアリー!」「命令になってしまったようです」


 コンベルさんの言う通り、

 エアリーすなわち妖精の言葉には抗えないみたい、

 少しで良いのに有り金全部出しちゃったみたいなので半分返す。


(丁寧にお辞儀して出て行っちゃった)


 何はともあれ、

 エルフはなんとか捕まえられたみたい、

 今夜かぁ、エルディス様たちに、ちゃんと伝えなきゃ。


「では次の方~」

「精神的ショックでここ十年、起たねえ」

「はいはい、これも立派な病気ですからね、って何があったんですか何が」


 ちなみに奥様が漁師で、

 この方が家を護ってらっしゃるそうな、

 という感じで辻治療で路銀を昼食前まで稼いだ所で。


「うおーい、情報収集してきたぞ」

「あっエルディス様、皆様」「結論から言う、エルフは居る!」

「でしょうねえ」「ただ冒険者ギルドはいかに勇者相手でも言えないそうだ」


 あっ、もう見つけたの教えないと。


「ええっと、貸切でどこかの個室で昼食を」

「おっ酒か?!」「お酒代はご自分でどうぞって陛下からの支度金ですよね?」

「そろそろ危ないかもな」「知りませんよ、尽きたらお酒は当分無しですからっ!」


 いやそんな、ジジイ揃って、

 素で寂しそうな顔しないでよ……。

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