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ファンタジジイアドベンチャー!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第六章 南の島でエルフと妖精を探そう! 編

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第70話 風呂上がりにエルフ島へジジイからのご挨拶

「ティナさま、良いお風呂でしたね」

「はいコンベル様、エルディス様とガイア様とスクウィーク様はまだ洞窟風呂で呑んでらっしゃいますが」

「それでティナ、例の物《ブツ》は」「エアリー、下でビジランテ様が」「おーーーーい、準備できたぞーーー」


 窓から下を見下ろすと、

 50数年前の準メンバーだったメルソン様の大弓を抱えたビジランテ様、

 あの大きさだと宿の中へ入れて運ぼうとしたら、きっとどこかで突っかかる。


「ではエアリー」「いいぜ」「コンベル様も」「はい、いつでも」


 私の光魔法と、

 エアリーの精霊魔法(妖精)と、

 コンベル様の精霊魔法(エルフ)を合せて……!


「おお、浮く、どんどんどんどん、飛んでいる!!」


 少し足をバタつかせているビジランテ様、

 しばらくして無事、弓ごと大きな窓から入った、

 いやほんとに大きな窓で助かったわ、きっと海を見る用に広げてあるのね。


(それはそうと、外はすっかり夜です!)


 でも海はきらきらしていて綺麗、

 さて、ビジランテ様に弓を固定して貰い、

 海の上へ向けて矢を放つとしますか、その矢というのが……


「コンベル様、本当に気付いて貰えるのでしょうか」

「はい、まずはエルフ魔法の矢で仲間が来ている事を知らせます」

「その後が、ボクの生成魔法の矢なんだよね?」「そうですエアリー様、エルフが気付けば慌てるかと」


 という魔法の矢で合図を送るのです、

 まずはテストで光魔法の矢を、とその前に。


「ビジランテ様、下には連絡してあるのですよね?」

「はいティナさん、あのロランさんに、魔法花火のようなものだと」

「ちょっと眩しいけど音を消せば大丈夫よね、では……エアリーもコンベル様も、補助をお願いします」


 えっと、音を消すには無詠唱が必須、

 魔力を込めて……矢を具現化して……

 最初は大きな束、でも放てば……行けるわ!


「行きます!!」


 大きな光の矢を引いて、

 放つと途中で12本に分かれて海の上空へ!

 うん、綺麗だわ、最初のテストとしては上出来。


「コンベル様」

「はい、島のエルフの気を引きつけるには十分かと」

「では今度はコンベル様が」「やれるだけやってみましょう」


 相変わらず弓を支えてくれているビジランテ様、

 そして今度はコンベル様が魔力を込めると黄色い矢が!

 私とエアリーはあくまでも矢の魔力を増幅させる補助、やがて……!


「ていっ!!」


 今度は矢が弧を描いたのち、

 五方向に分かれて海へ落ちる、

 島へは落ちてないわよね? ってその島が見えないんでしたっけ。


「成功か?!」「エアリーさま、まあまあ出来たかと」

「じゃあ最後はエアリーよ、肝心の妖精へのメッセージだから!」

「ハートマークって作れるかなあ」「そんな器用な真似、出来るなら見てみたいわ」


 エアリーがまるで自分が矢になるみたいに、

 弓を引っ張っている、支えるビジランテ様も大変だわ、

 しばらくして伸びてきた矢は黄色ではなく黄金色、ゴールデンアロー!


(しかも、きらきらしている!)


 これならきっと、

 妖精たちにも気付いて貰えるはず、

 もちろん居ればだけれども……エアリーが思いっきり引いた!


「行くぜいっ!!」


 その言葉の直後、

 真っ直ぐに放たれたエアリーの矢!

 放たれた跡まできらきら光りを残している、そして……!


「わあ、凄いわ、くるくる矢が回転して綺麗」

「このような動きをするとは、さすが妖精の魔法ですね」

「わあい褒められた~、ボクの仲間も見てくれているかな~」


 こうして海の上をひと暴れした矢は、

 やがて夜の闇に消えて行った……良い余韻だわ、

 これでエルフにも妖精にも気付いて貰えている、と思いたい。


「ふう、もういいかい?」

「あっビジランテ様、お疲れ様でした」

「魔法の矢を放った時の反動が、結構痺れたんだが」


 弓を寝かせてへばるビジランテ様、

 見るとコンベル様もエアリーもぐったりしている、

 これは回復してあげないと、葡萄《ぶどう》を浄化しながら持ってくる。


「はい、コンベル様」「申し訳ありません」

「エアリーも、はいあーん」「んぐんぐ、一粒じゃ足りないよー」

「みんなありがとう、これで後は寝て待てば大丈夫よね、落ち着いたら休みましょう」


 さて、この釣果やいかに、って感じだわ。


「おーいお前たち、何をやっている」「エルディス様!」

「俺は風呂上がりの酒を皆と呑む所だ」「ガイア様、湯船で呑んでいたんじゃ」

「場所によって酒の種類が違うゆえ、我も今宵はまだまだ呑んでみせようぞ」「スクウィーク様……」


 邪魔にならないように、

 端っこで寝てしまいましょ。


「ビジランテ、さあ注げ」

「はいはいエルディスさん」


 もうジジイの世話は、

 ジジイにお任せします!

 おやすみなさぁいっ……と。

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