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ファンタジジイアドベンチャー!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第六章 南の島でエルフと妖精を探そう! 編

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第69話 港町にジジイ共は来た事があるらしい!

「これが、海……潮の匂い」


 あれから数日かけて到着した港町ブランザ、

 丁度夕方で海が綺麗、は良いとして私達の馬車が、

 ほぼ同時に乗り合いの大型馬車と来たみたい、宿の客引きが何人か。


「さあ、我が宿『大竜宮』は海の幸が豊富ですよ!」

「今夜は是非『シーサイドヴィーナス』へ、素敵なショーが毎日開催!」

「このブランザで一番の宿『アンダースィーパレス』はなんと! かの勇者パーティー『最強の五人』御用達なのです!」


 えっ本当に?!


「エルディス様」「憶えておらん」

「ガイア様」「ここに来た憶えは無いことは無い」

「スクウィーク様」「はてのう、我は港町は山ほど訪れたゆえ」


 こんのボケジジイ共があああああ!!!


「やれやれだぜ」「エアリー、こういう時はビジランテ様に聞きましょう」


 馬車の運転席に居るビジランテ様に聞いてみる。


「どうしたティナさん」

「ここって50数年前、いらっしゃいました?」

「確か1度だけ、北西の港町への移動に船を使うためだったかな」「その時の宿は」「そこまでは」


 運転席をコンベルさんに交代し、

 ビジランテ様と一緒に『アンダースィーパレス』の人の所へ、

 いかにも若旦那って感じね、上半身がほぼ裸なのはこういう宣伝方法?


「やややご老人の皆様、女の子はお孫さんですか?!」

「ウッホン、我こそが伝説の勇者エルディスであーる」

「……あっ、そういう設定」「設定ではない本人だ」「またまた」


 これって証明するものあるのかしら?


「俺はガイアだ、俺達を知っている者は居るか」

「先々代ならもうとっくに」「それでよく我らの御用達と言えたのう」

「あのすみません、ビジランテと言います、貴方の宿の名は」「アンダースィーパレスです!」


 考え込むビジランテさん、

 ここで私はひとつの推測が!


「あの、聖女クレア様の弟子ティナです、アンダースィーパレスの前の名は」

「ホテルニューグランディラです!」「ビジランテ様」「ピンと来ないな、憶えが無い」

「では、ひょっとしたらその前に名は」「確か……『潮風の宴』だったかと」「それだー!!」


 ビジランテ様がピンと来た!


「おお、あの秘蔵の酒が美味かった宿か」「エルディス様も!」

「金貨で美女を宴に呼べたあの宿だな」「ガイア様も記憶がー!」

「我の記憶によれば特別料金で女エルフを呼べたはずである」「えっ、そんな裏技が?!」


 来た目的が一気に解決しちゃいそう!


「それでしたら38年前に廃止されています」「ですよねー」

「とにかく自称ビジランテ様、自称ガイア様、自称以下略の皆様、是非、我が宿へ」

「あのー、『御用達』とおっしゃられるのでしたら特別割引とかは」「刺身にたんぽぽを乗せるサービスを!」


 まあいいわ、

 これも何かの縁でしょう。


「ビジランテ様、面倒臭いのでもうこの方の所で」

「そうじゃな、ワシの記憶が蘇った縁もあるじゃろ」

「俺も思い出してきたが建物は昔のままか?」「十五年前に建て替えを」


 ついて行くと立派なお宿だった、

 うん、これは料金がお高いわねきっと。


「伝説の勇者御一行様、当然、最上級のお部屋で御座いますよね?」

「調子良いなお前」「まあ俺は嫌いじゃないぞ」「我は静かに休めればそれで良いのである」

「あの店員さん、お名前は」「ロランと申します、以後、お見知りおきを自称ビジランテ様」「本人ですよ? 私はティナですが」


 入ると名前を書く記帳が、

 あっ、確かにエルディスとかクレアとかある!

 いや昔のじゃなくて今のね、つまり客がおふざけで『最強の五人』の名前を!


(おそらく、そのノリと思われているのね)


 まあいいわ、

 私がコンベルさん含めみんなの名前を書く。


「ボクの名前は?」

「エアリー、別料金取られるから」

「ちえっ」「……はい、記帳が終わりました、宿代は前払いですよね?」


 路銀がいっぱいある内で良かったわ。


「では6名様、最上階にご案内致します!」


 魔導昇降機だわ、

 儲かっているのねここ、

 ということで到着、海が一望できる。


「あちらの水平線に見える島、あそこがかつてエルフが住んでいた島で御座います」

「えっ、じゃあ今は」「遥か沖に引っ越されたそうですが、島自体が隠匿魔法で見えないそうです」

「ロランよ、よく知っているな」「はい自称エルディス様、14年前まで居たエルフの従業員がそう言っておりました」


 何か考え込んでいるコンベル様。


「あの、どうなさいました?」

「ここから合図を送ればひょっとして……あれを使いましょう」

「あれって?」「ただ、大きいのでエアリーさまのお力を」「ボクの?!」


 いったい何をするのかしら。


「ではのちほど、ウチの綺麗所がお茶をお持ち致します」

「あっロランさんありがとう」「お風呂は『潮風の宴』時代からある、洞窟風呂ですよ!」

「そういえばあったな」「あったあった」「あったゆえに」「確かにありましたね」「みんな、記憶が……」


 やっぱり来た事があったのね、

 いけない、私、ちょっと涙が出そう。

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