第68話 エルフジジイによる情報整理!
「山には森エルフ、海には島エルフがおりまして、
大昔はそれなりに交流があったそうです、というのも、
我々森に棲むエルフは男性が多く、島のエルフは女性が多いそうです」
と夕食後に解説してくれているコンベルさん、
人間で言えば70歳、実際の年齢は400歳超えの純血エルフで、
今はあえてエルフの姿に戻って貰っている、こういうのは雰囲気が大切とはエルディス様談。
「ボクの読んだ本でも、妖精は集落によってオスとメスが偏るって書いてあったよ!」
「それも少なからず関係しているかも知れません、我々エルフは妖精を護るのが義務かつ喜びだったようで」
「だった、ということはコンベル様の集落では」「わかりません、知っていても族長が黙っていたでしょうから」
コンベル様でさえ、
直接は知らされていないみたいね。
食後のお酒を嗜むエルディス様もコンベル様に聞く。
「もしエルフの島を見つけたら、どうするつもりだ」
「手紙で知らせます、我が故郷に……純血を残すのは大切な事ですから」
「しかしお主、エルフの森を追い出されたのではないのか」「はいガイアさま、しかしエルフ全体の利益はまた別の話でして」
新たなエルフ集落発見の功績により、
エルフの森に帰ってきて良いよ、とはならないかしら?
もしそうなれば妖精の集落を確認しに行く時、スムーズに済そうなのだけれども。
「しかしながら、昔から『エルフ狩り』というのを我は聞いておったのう」
「はいスクウィーク様、よって島のエルフは隠匿魔法で隠されている可能性が」
「でも妖精の言う事なら聞くのではな」「ビジランテさま、ですのでエアリーさまが大声で命令すれば」「ボク、大きい声出せるかなあ」
魔法で拡声って出来たかしら、
島が吹っ飛ぶ魔法とかはさすがに控えるけれども。
「とにかく現地へ行ってみれば、必ず情報はあるはずです」
「ではコンベル様、港町で人間に化けたエルフを見分ける方法は」
「これは感覚の問題ですね、しかしエアリーさまが一声かければ」「エルフ集まれーって?」「ははっ」「近い近い近い!!!」
もう十分集まっているのに、
更に顔をくっつけたコンベルさん、
エアリーが引いてるから胸元に収めて、っと。
(ほんっと、エルフは妖精に絶対服従なのね)
そのエルフが減れば、
妖精もおのずと減っちゃうってことかしら、
エアリーが出てきたマザーツリーの場所みたいに。
「それでコンベル様、本日頂いたあの大弓は使えそうですか?」
「メルソンさまのですか、あれは良い弓です、矢はもったいなくて使えませんが、
魔法の矢にも対応しておりますから、空を飛ぶドラゴンに魔法をぶつける時など使えるかと」
コンベルさんが片腕でやってた、
あのクロスボウの巨大版ね、凄そう、
その話を聞きながらスクウィーク様が目を見開く。
「ではその弓で、妖精魔法を放てば島エルフ共は気付くのではないか?」
「ほう、さすがスクウィークさま、その手がありましたか」「ボクの魔法かあ」
「あの、それだと私の光魔法も混じりますが、わかるのでしょうか」「エルフならわかるはずです」
道中、1度試してみたいわね。
「それでティナさん」「はいビジランテ様」
「この屋敷とは別で、少し小さいもののここよりまだ新しい家が」
「どこも古いですが」「それでもマシな家がベッド付きで残っていて、整理してくれたそうです」
数少ない村人が!
治癒してあげたものね、
お代は皆無だったけど、こういう形での提供は悪くないわ。
「わかりました、エアリー、そっちで休みましょ」
「うん、それは良いけど、ボクはいいけどティナ」「なあに?」
「そうなるとジジイは遠慮なく朝まで呑むぜ」「何を今更、馬車の運転が残っていれば良いわ」
ということでビジランテ様に案内されて別の家へ。
「あら、本当に綺麗」
「半年までまでは住んでいたそうです」
「ありがたいわね」「井戸も近くに」「ありがとう」
こうして一応は防御魔法を張って、
休みにつくのだけれども枕元でエアリーが。
「メスの妖精かあ」
「どうしたの、緊張する」
「正直、会うとどうなるか、わかんない」
初めてですものね、
他の妖精と出会うのは。
「何かされそうになったら助けるわ」
「それはいいんだけど、ボクが『別れたくない』って言ったら」
「困るわね、私の魔法は半分以上、エアリーに依存してるもの」「ボクもエアリーと離れたくない、けど……」
そういう心配もあるのね。
「いいのよ、エアリーの好きにして」「えっでも」
「もちろん離れたくは無いけど、それでエアリーが幸せになるなら」
「ボク、ボク……」「引き留めて欲しいなら喜んで引き留めるけど、最終的にはエアリーが決めることよ」
エアリーが私の頬にすり寄る。
「ティナ、ありがとう」
「ええエアリー、大好きよ」
「へへへ」「さあ、もう寝ましょう」「うん!」
でも実際、
エアリーと別れの時が来たら、
おそらく号泣しちゃうでしょうね。
(だって、私のお母さんみたいなものですもの、オスだけど)
それよりそもそも、
ちゃんと妖精が生き残っていると良いのだけれども……。




