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ファンタジジイアドベンチャー!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第五章 貿易都市でジジイは美食家となる! 編

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第66話 ジジイとジジイが最後に残したもの!

 早朝の貿易都市ナベック中央広場、

 その中央で対峙するのはウチの老戦士ガイア様と、

 エルフの弟子の弟子を自称するリアライさん、武器は弓ではなく長斧だわ。


(木を切ったりするアレね)


 タンクや弓矢だけでなく、

 近接戦も出来るようにガイア様が短期間で仕上げてくれたそうです、

 私たちが旅立つ前の最終試験、決闘が今から行われるという……審判はビジランテ様。


「では……はじめっっ!!」

「うおおおおぉぉぉおおおおお!!!」


 突っ込んで行くリアライさん、

 その長槍をトライデントスピアでしっかり弾くガイア様、

 その巧みな槍捌きにリアライさんはもはや自分が持っている長斧にさえ振り回されている。


「オラオラどうした、こんなジジイを弾き飛ばす事も出来ないのか?!」

「ぐうっ、斧が、手が、し、痺れてきっ、んぐあああああぁぁぁ~~~……あっ!」


 あーあ、長斧が手から離れて飛ばされちゃった。


「そこまで、ガイアの勝ち!」


 審判なので呼び捨てです、はい。


「なんだ情けない、次はワシだ」


 続いてエルディス様、

 私がリアライさんに回復魔法をかけると、

 痺れが取れたのか急いで長斧を取りに行った。


「互いに良いですね? では……はじめっっ!!」


 ビジランテさんの声に、

 今度は最初に反応したのがエルディス様だった!!


「ふんぬっっ!!」


 大きな勇者剣を回転させながら斬りに行く!

 それを長斧で防ごうとするが無理を悟って身体を引いた、

 しかし構わず突っ込んで行くエルディス様、迷いが無い感じ。


(このあたりは本当、容赦なしだわ)


 手合せなんて次元じゃない、

 隙を探るリアライさんに逆に隙を与えず、

 あーあー、まーた長斧を弾き飛ばされちゃった。


「そこまで、エルディスの勝ち!」


 やっぱり経験が違うわね、

 普通ならおそらくリアライさんが、

 体力勝負に持ち込みたかったでしょうけれども……


(もはやそういうレベルでは無いわね)


 圧倒的強者相手に、

 手も足も出なかった感じだわ。

 見えていたガイア様がまず声をかける。


「リアライよ、今の2戦を決して忘れるな」「はいっ」

「俺のとエルディスの剣を防げるようになれば、大したものと褒めてやろう」

「うむ、その時はワシは更なる技を見せてやろう」「ガイア殿もエルディス殿も、ありがとうございました!!」


 さて、回復魔法をかけてあげてっと、

 リアライさんに最後に良いお土産が残せたわね、

 エアリーもこっそり出てリアライさんを撫でてあげてる。


「頑張れよっ!」

「もっともっと、強くなってみせる!!」


 コンベル様が馬車を持ってきてくれた、

 それに乗り込む私達、いよいよ出発だわね、

 リアライさんだけじゃなく教会の皆さんや治療した方々もお見送り。


「では皆さん、失礼致しますわ」

「ではまた!」「聖女様、ありがとうございます」

「勇者様もお元気でー!」「勇者パーティー御一行のご武運をお祈りしております!」


 こうしてエルフの運転手という予想外の仲間を手に入れた貿易都市ナベック、

 それを後にして今度は南の、妖精が居るかも知れない島へと向かう私達なのでした。


「エルディス様、南国です」「うむ、港の酒も楽しみじゃ」

「ガイア様、海です」「昔は海賊相手に大暴れした事もあったな」

「スクウィーク様、南の島です」「水中で息が出来る魔法も、あるゆえ」


 とはいえ海中だと動きも悪そう。


「ビジランテ様、エルフと妖精の島だそうですよ」

「エルフもエルフで素早さに特化している、戦うことにならなければ良いが」

「そのあたりはコンベル様が、ねえエアリー」「妖精の女の子、ボク、楽しみ!」


 エアリーだって妖精とは言え、

 年頃の男の子ですものね、多分!

 マザーツリーで眠っていた間(やその前)のことまでは知らない。


(それにしても馬車内に6人、どんどん増えて行くわね)


 運転席に2人座れるから、

 いざとなったらそっちもあるけど。


「あっスクウィーク様、思ったより積んでる本が少ないですわね」

「実は『床下収納』というものがある」「なるほど、それで」「馬車は少し重くなっておる」

「そうなると速度が心配ですね、馬を増やすという手も」「まだ大丈夫であるが、これ以上、人が増えるなら考えようぞ」


 こうして勇者一行は、

 南の島を目指して進んで行くのであった、

 次はどんな出会いが待っているのかしら???


「実は私、海って初めて見るのよねぇ」


 わくわくしながら、第六章へと続く。

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