第65話 ジジイ達との次の行先!
あれから数日はここナベックに滞在となりました、
というのも貿易都市、品物や情報は絶えず入ってくる訳で、
その把握と欲しい物探しというか、やれる事もまだいっぱいあるのです!
(宿代も前払いでまとめて払っちゃいましたし)
勇者エルディス様84歳は相変わらず美食美酒を堪能、
たまに大商人や領主に呼ばれてそこでもご馳走されていた、
ちなみに50年前の勇者一行の像が十数年前に交通の邪魔になると壊されたと聞いて地味にショックを受けていました。
(誰も移動しての造り直しを提案しなかったというね、平和なんてそんなものよ)
戦士ガイア様81歳は新たな武器を見て回って、
タンク役の大盾にもなる大斧を入手して喜んでいたり、
惜しくもメンバー入りならずのリアライさんを鍛えていた。
(エルディス様もちょこっと色々と教えていたわね)
魔法使いスクウィーク様90歳は書籍を漁りまくっていて、
訳のわからない魔導書とかまとめて買っていた、しかも謎の文字、
まずは翻訳から始めて、わかった所で実用性のある魔法だとは限らないらしい。
(その当たりハズレが堪らないらしい)
アサシンのビジランテ様68歳は何をしているのかは知らない、
情報収集とは言っていたものの、たまーに街中ですれ違ったり、
宿で知らない間に寝ていたかと思えば朝にはもう居なかったりとか謎すぎる。
(他の3ジジイからお使いを頼まれたりもしていたそうで)
エルフのコンベル様自称70歳ただしエルフとしては400歳超えは、
冒険者として本格的に旅に出る準備をしつつ保存食の準備をしてくれている、
特に果物関係、保存が効くドライフルーツをいっぱい仕込んでくれているそうです。
(もちろんまたしても夕食を作ってくれたり、本当、料理がお上手)
聖女ティナ15歳すなわち私はというと、
エアリーと組んでまたもや教会で辻治療、
本当に深刻な病人はコンベルさんも呼んで治していく。
(さすが貿易都市、路銀がいっぱい稼げたわ)
とはいえスクウィーク様の買った本の、
支払い請求がなぜかこっちにも来てしまったり、
ええ払いましたとも、魔導都市に戻ったら返してくれるそうです。
「……という訳で明日、出発ですか」
「ああそうだ、ワシもここには飽き、いや、魔王討伐の使命があるからな」
「エルディスさんは娼館を出禁になったそうです」「ビジランテ余計なことを!」
何をやったのよ何を、
聞かない方が精神衛生上、
良さそうなのであえてスルーするけれども!
「俺はまだギリギリセーフらしい」「ガイア様まで」
「我は4人の妻に人間が出来る事は全てやり尽くして貰ったからのう」
「スクウィーク様、買った本はどうするんですか」「一部は我の魔導都市へ配送手続き済みである」
残りを馬車に詰まれるの大変そう。
「それで皆さま、次の目的地候補なのですが」「はいコンベル様」
「エルフ集落は私の知っている限り2カ所ありまして」「うそっ、じゃあボクの仲間、妖精も?!」
「エアリーさま、我が故郷の方は望み薄です、ただしもう一方の方は可能性が……あくまで可能性ですが」
コンベル様の顔の前に飛ぶエアリー、
ちなみにここは私たちの宿屋ね、大きな寝室。
「会いたい! ボク、他の妖精に会いたい!」
「まず私の故郷、辺境伯領の森ですが凄く遠いです」
「どのくらいかかる」「はいエルディスさま、北へ向かって馬車で7日は」
さすがは辺境ね。
「もう一方はどこだ」「はいガイアさま、南の島です、海エルフの集落、その島に妖精の集落もあるとか」
「ほう、ならばさながら、海妖精という訳か」「そうなります、古い言い伝えですとほとんどがメスの妖精だとか」
「コンベルさん、今でも生き残っている可能性は」「ビジランテさま、情報が無いので行ってみないとわかりません」
今度は海なのね。
「そこへはそのくらいの時間が」
「はいティナさん、港までは3日、そこから海を4日」
「結局同じじゃねーか!」「どちらに致しましょう」「エルディス様」
私の声に、
腕を組んで考え込むエルディス様。
「……そうだな、そろそろ海の幸と行こうか」
えっ、またも美食家発動?!
「俺も海魚で一杯やりたい所だ」
「うぬ、我もそろそろ海の魔物を退治したい所である」
「ビジランテ様は」「皆の意見に従うだけさ、しかし暑そうだな」
黒装束なら尚更だわね。
「エアリーは?」
「海の果物って美味いのか?!」
「はいエアリーさま、マンゴーやヤシの実など」「なら行く!」
どうやら行先は決まったみたいね。
「それじゃあ明日朝、出発しておきましょう」
「それなんだが、俺はまだ1つ、やっておきたい事がある」
「えっ、何でしょうか」「ワシも付き合うぞ」「エルディス様まで?!」
いったい勇者ジジイと戦士ジジイ、
2人して何をするつもりなのかしら……???




