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ファンタジジイアドベンチャー!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第五章 貿易都市でジジイは美食家となる! 編

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68/90

第62話 未知なるジジイその正体!

 ついにダンジョンボス、

 ジャイアントラミアとの戦いとなった私たち、

 いきなりタンク役のリアライさんが叩き飛ばされ、何とか攻略方をみんなで考える。


「ガイア様!」「いくら斧を投げても弾き返される、まるで効かぬ」

「ビジランテ様は!」「駄目だ、斬っても斬っても傷ひとつ付かない」

「えっと、コンベル様は?!」「前衛おふたりのフォローで精いっぱいです」


 うーん、

 とりあえずホーリーブレスの魔法を!


「……えっ、光魔法すら表面で滑った?!」

「このジャイアントラミアは、退役がバリアになっておる」

「スクウィーク様、何か攻略法を思い出しませんか?!」「……そうであるな、ひとつ思い出した」


 何かヒントが、

 攻略の手がかりが……?!


「それは何でしょうか」

「ジャイアントラミア相手に男が武器を持たず、全裸でゆっくりと前へ出るとやさしく捕食してく」「そんな情報は良いですから!」

「この場合の捕食とはであるな、口で噛むのではなく」「もう、エルディス様!」「魔法で弱める事は出来ないのか」「スロー!!」


 あえて詠唱で唱えてみるが効かない、

 おそらく魔法さえもあの粘液で滑っているのでは?


「おっ、刺さった!」「ビジランテ様?!」

「しかしすぐに弾き出された、垂直にしっかり刺せば少しは」

「ということは」「俺の矢の出番だ!」「リアライさんっ?!」


 大弓を構えて、

 ここまで温存してきた矢をめいっぱい撃つ!

 しかしことごとく滑って逸れる、ようやく刺さってもすぐ弾き戻される。


(でも、角度によっては刺さりはする事がこれで改めて確認できたわ)


 と、いうことは……

 スクウィーク様が杖を掲げる!


「ストームサンダー!!」


 雷の全体魔法、

 しかし落雷さえも表面の粘液が防いでいるみたい、

 魔法では無理なのかしら、いや、鋭い攻撃魔法なら……?!


「では私の、とっておきの武器を」「コンベル様?!」


 腕をまくりあげると、

 そこには小型片手弓クロスボウが!

 しかし矢はない、と思ったらもう片方の手をかざと、光の矢が装着された?!


「魔法の矢でございます、それでは、ふんっ!!」


 わあ、凄い連射!

 そして面白いようにプスプス刺さる、

 やはり魔法を矢にすればきっちり当たるみたい。


(とはいえ威力が……)


 でも実物の矢とは違い、

 刺さっても弾き出されるとかは無いみたい。


「でかした、後はワシに任せよ」


 大きく剣を振りかぶって、

 ラミアに刺さった光の矢を上から打つ!

 斬るというよりは打ちつける感じ、光の矢がどんどん中へめり込んで行く!


(って、あれって打てるんだ、物理的に!)


 のた打ち回るジャイアントラミア、

 それを巧みに躱しながら更に魔法の矢を打ちつけ潜らせる、

 更には新しい矢もコンベルさんが撃って追加し、それもまたエルディス様が剣で……!!


「俺もやる!」


 ガイア様も斧で打ち付けはじめた、

 逃げ場の無いジャイアントラミア、

 そうこうして矢が何本も何十本も入っていった末に……!!


 ボーーーーンッッッ!!!


「きゃあ?!」「……爆散したな」「ああ」

「肉片が飛び散り過ぎである」「ふう、痛いな」「俺は大盾で防がせて貰った」

「お見事でございます、さすが勇者様、私の矢が役に立ったようで誇りに思います」


 光魔法が体内に蓄積して、

 破裂して肉片が結構バシバシ当たってきちゃった、

 私はとっさに防御魔法で防いだけれども、みんなまでは手が、魔法がまわらなかったわ。


「わかった、ボク、わかったよ!」「エアリー?!」


 私の胸元から出てきて、

 コンベルさんの前に浮かぶエアリー!


「……ひれ伏せ!」

「ははーーーっっ!!」


 ええ、泥に埋まりながらひれ伏しちゃった!


「ティナ、この人、エルフだよっ!!」


 まさかまさかの、正体判明?!


「ごぼぼぼぼぼぼ……」

「あっ、窒息しちゃーう!」

「もういいよ、立ち上がって!」


 エアリーの言葉に、

 泥だらけになりながらも、

 シャキッッと立ち上がったコンベル様!


「やはり妖精さまであらせられましたか」

「うん、エルフは妖精に絶対服従なんだよ!」

「生きて再び妖精にお会いできるとは、感動ものです」


 泥だらけの顔で言われても。


「よ、よよ、よよよよよ妖精?!」

「あっリアライさん、妖精ですが気にしないで下さい」

「ボク、妖精のエアリー、ずっとティナの魔法を手助けしてたんだ、内緒だぜい!」


 エルディス様が剣を鞘に納める。


「では、もうこんな所に用は無い、さっさと戻るぞ」

「エルディスさま、ひとつお願いが」「何だコンベルよ」

「どうしても、地上へ持ち帰りたいものが」「それは?」「はい、すぐ上にある……」


 こうして私たちは、

 ダンジョンボスを倒して無事、

 みんなで地上へ戻ったのでした。

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