第62話 未知なるジジイその正体!
ついにダンジョンボス、
ジャイアントラミアとの戦いとなった私たち、
いきなりタンク役のリアライさんが叩き飛ばされ、何とか攻略方をみんなで考える。
「ガイア様!」「いくら斧を投げても弾き返される、まるで効かぬ」
「ビジランテ様は!」「駄目だ、斬っても斬っても傷ひとつ付かない」
「えっと、コンベル様は?!」「前衛おふたりのフォローで精いっぱいです」
うーん、
とりあえずホーリーブレスの魔法を!
「……えっ、光魔法すら表面で滑った?!」
「このジャイアントラミアは、退役がバリアになっておる」
「スクウィーク様、何か攻略法を思い出しませんか?!」「……そうであるな、ひとつ思い出した」
何かヒントが、
攻略の手がかりが……?!
「それは何でしょうか」
「ジャイアントラミア相手に男が武器を持たず、全裸でゆっくりと前へ出るとやさしく捕食してく」「そんな情報は良いですから!」
「この場合の捕食とはであるな、口で噛むのではなく」「もう、エルディス様!」「魔法で弱める事は出来ないのか」「スロー!!」
あえて詠唱で唱えてみるが効かない、
おそらく魔法さえもあの粘液で滑っているのでは?
「おっ、刺さった!」「ビジランテ様?!」
「しかしすぐに弾き出された、垂直にしっかり刺せば少しは」
「ということは」「俺の矢の出番だ!」「リアライさんっ?!」
大弓を構えて、
ここまで温存してきた矢をめいっぱい撃つ!
しかしことごとく滑って逸れる、ようやく刺さってもすぐ弾き戻される。
(でも、角度によっては刺さりはする事がこれで改めて確認できたわ)
と、いうことは……
スクウィーク様が杖を掲げる!
「ストームサンダー!!」
雷の全体魔法、
しかし落雷さえも表面の粘液が防いでいるみたい、
魔法では無理なのかしら、いや、鋭い攻撃魔法なら……?!
「では私の、とっておきの武器を」「コンベル様?!」
腕をまくりあげると、
そこには小型片手弓が!
しかし矢はない、と思ったらもう片方の手をかざと、光の矢が装着された?!
「魔法の矢でございます、それでは、ふんっ!!」
わあ、凄い連射!
そして面白いようにプスプス刺さる、
やはり魔法を矢にすればきっちり当たるみたい。
(とはいえ威力が……)
でも実物の矢とは違い、
刺さっても弾き出されるとかは無いみたい。
「でかした、後はワシに任せよ」
大きく剣を振りかぶって、
ラミアに刺さった光の矢を上から打つ!
斬るというよりは打ちつける感じ、光の矢がどんどん中へめり込んで行く!
(って、あれって打てるんだ、物理的に!)
のた打ち回るジャイアントラミア、
それを巧みに躱しながら更に魔法の矢を打ちつけ潜らせる、
更には新しい矢もコンベルさんが撃って追加し、それもまたエルディス様が剣で……!!
「俺もやる!」
ガイア様も斧で打ち付けはじめた、
逃げ場の無いジャイアントラミア、
そうこうして矢が何本も何十本も入っていった末に……!!
ボーーーーンッッッ!!!
「きゃあ?!」「……爆散したな」「ああ」
「肉片が飛び散り過ぎである」「ふう、痛いな」「俺は大盾で防がせて貰った」
「お見事でございます、さすが勇者様、私の矢が役に立ったようで誇りに思います」
光魔法が体内に蓄積して、
破裂して肉片が結構バシバシ当たってきちゃった、
私はとっさに防御魔法で防いだけれども、みんなまでは手が、魔法がまわらなかったわ。
「わかった、ボク、わかったよ!」「エアリー?!」
私の胸元から出てきて、
コンベルさんの前に浮かぶエアリー!
「……ひれ伏せ!」
「ははーーーっっ!!」
ええ、泥に埋まりながらひれ伏しちゃった!
「ティナ、この人、エルフだよっ!!」
まさかまさかの、正体判明?!
「ごぼぼぼぼぼぼ……」
「あっ、窒息しちゃーう!」
「もういいよ、立ち上がって!」
エアリーの言葉に、
泥だらけになりながらも、
シャキッッと立ち上がったコンベル様!
「やはり妖精さまであらせられましたか」
「うん、エルフは妖精に絶対服従なんだよ!」
「生きて再び妖精にお会いできるとは、感動ものです」
泥だらけの顔で言われても。
「よ、よよ、よよよよよ妖精?!」
「あっリアライさん、妖精ですが気にしないで下さい」
「ボク、妖精のエアリー、ずっとティナの魔法を手助けしてたんだ、内緒だぜい!」
エルディス様が剣を鞘に納める。
「では、もうこんな所に用は無い、さっさと戻るぞ」
「エルディスさま、ひとつお願いが」「何だコンベルよ」
「どうしても、地上へ持ち帰りたいものが」「それは?」「はい、すぐ上にある……」
こうして私たちは、
ダンジョンボスを倒して無事、
みんなで地上へ戻ったのでした。




