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ファンタジジイアドベンチャー!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 過ぎ去りしジジイを求めて、おそらくはここで出会えるはず! 編

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第52話 第4のジジイが語った、衝撃の事実!

 お昼過ぎ、見知らぬ村で休憩、

 商業都市ネブラスで積んで貰ったというお弁当を食べながら、

 アサシン装束で顔を改めて隠したビジランテさんと会話、いや口元は開けて食べていますが。


「それで50年前、ワシらが魔王を倒して気が付いたら姿を消していたが」

「さよならも無しに居なくなるなんて寂しいじゃねえかオイ、一発殴らせろ」

「我の嫁も残念がっておった、帰り道の雑用が居なくなったと」「それだよ!!」


 うん、理由には十分だわ。


「あの、初めまして、大聖女クレアの弟子ティナです」

「オレはビジランテ、元は国の暗部さ、まあ今でも似たようなものだが」

「まったくもうジラしやがってよー」「こらエアリー」「妖精かあ、昔は焼いて食ったな」「ひえー」「嘘だ」


 なかなかやるじゃないの。


「クレア様との思い出は」

「昔のことは全部忘れた」

「そうですか、でしたら妖精の情報も」「思い出したら言うよ」


 まあ、下っ端の過去は忘れたいのでしょうね、

 本当の最年少として私が色々と頑張らないと。


「うおーいビジランテ、お茶」「はいはいガイアさん」

「いえそこは私が」「コイツのが素早いから良いんだよ」

「なんだかすっかり動きが身についていますね」「あきらめてるよ」


 私はビジランテさんのお茶を淹れてあげようっと。


「ティナさんありがとう、助かるよ」「いえいえ」

「それでのう、この先はどこへ行くつもりかの」「はいスクウィークさん、物流拠点の街ナベックへ」

「ほほう、そう来たか」「あそこは全ての物が一旦集まる場所、欲しい物を狙えばピンポイントで狙えます」


 商業都市の更に前の段階ね、

 本当に良い物は仕入れの途中で売れちゃうみたいな。


「あの、それで狙いの商品は」

「出来れば、あれば戦闘奴隷を」

「あっ、この平均年齢ですと、ねえ」


 アサシンは前衛として考えられる事が多いけど、

 どっちかっていうとアイテムを使う万能系でもある、

 だから前衛が充実すれば、やれる幅も広がる、と習った憶えがあるわね。


「まあぶっちゃけ、オレより下が欲しい」

「そっちですかー」「正直、ここまで若い女の子を使うのは抵抗がある」

「使って下さい、やれる事はなんでもやります」「気持ちだけ受け取っておくよ」


 意外と紳士なのね、

 会う前は遊び人みたいなイメージだったけど。


「なあなあ、ボク妖精の本を探しているんだけれど」

「エアリーくんと言ったね、妖精のはく製なら紛れ込んでくるかも知れないな!」

「やーだー」「本だったらどこから来た荷物かってわかれば、例えば世界最大の図書館がある文学都市とか」


 噂には聞いたことあるわ、

 地下に膨大な本が眠っていて、

 あまりに多すぎるので整理し切れてないとか。


「そういえば皆さんの行きたい所は」

「ワシはそうだな、グルメ都市とか」「俺は闘技都市だな」

「我は獣人都市であるな、魔法実験の素材に」「ちょ、良いんですか」「ティナ嬢よ、無用の心配である」


 スルーして良い話なのかしら?

 少なくとも私は魔導都市で獣人は見なかったけれども。


「オレは賭場都市かな、ありとあらゆる賭場があるらしい」

「えっと、お金は」「まあまあ、そこそこ、それなりになら」

「酒代な陛下からワシが預かっておるぞ」「エルディスさん、それ支度金なんだとオレは思うが」

「ビジランテ様、それ正解です」「だと思ってオレも少し、陛下から渡されたんだが、まさかオレが行くことになるとはね」


 あー、やはりこれって、

 想定外とか、予定外のことだったのね。


「ではビジランテよ、あのダンジョンから出る時の4人は」

「ガイアさん、皆さんが選んだ相手が『ビジランテ』として帯同する予定だったんだが」

「まあ、では例えば4人全員選んでいたら」「ティナさん、おそらく全員ついて行きましたよ」


 そんなチャンスがあっただなんて!

 とはいえ、呼び名が大変そうだわ、

 まあ別々に他の呼び名を付けたでしょうけれども。 


「それにしても、我らは商業都市ネブラスで世話になったゆえ、良い弟子たちを持っておるな」

「えっ、スクウィークさん、オレに弟子はいないんだけどな」「えええええ」「ティナさん、そんな声を出さなくても」

「ど、どういうこと???」「そもそもオレは元から弟子は取らない主義で、まあいっか、みんな食事が終わったみたいだし」


 片付けはじめるビジランテさん、

 私も当然、手伝うのだけれども……

 まだ困惑、動揺を隠さないでいる私が居る。


(じゃあ、あのアサシンさん達は、いったい何?!)


 とまあ、このようなある意味、

 掴みどころの無いアサシンさんを新たに加えた私たち一行は、

 とりあえずパーティーが揃い、いよいよ魔王討伐の冒険アドベンチャーが本格化するのでした、多分。


(ていうか、私と妖精以外、みんなジジイじゃないのよー!!!!)


 果たしてこの珍道中、

 どのような戦いが、出会いが、そして老人介護が待っていることやら。

 そんなファンタジジイアドベンチャーは、第五章へと続く。

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