第49話 本物のジジイは、どれだ?!
観光を終えエアリーを回収、
夕食もそこそこにダンジョン前で待っているという、
ジジイとジジイに合流しにやってきた、ってここ地下だけど整備されて喫茶店まである。
「うおーい、待ってたぞ」
「それで観光はどうだった」
「エルディス様、ガイア様、奴隷市場はハズレでした」
そもそも即戦力になるようなのは奪い合いになる、
残っているのは訳アリでスクウィーク様ご提案の、
怪我や病気の奴隷を安く買って治して使う、という方法は先回りで治療されていた。
(誰が治したかというと……わたしです!!)
流れ作業過ぎてその時はあまり気にしなかったが、
そういえば奴隷の一団を治療した記憶が、お金払ったのあれ奴隷商だわ、
ということでそれらも行き先が決まった後で、残りは役に立たなさそうなのばかりでした。
「お主ら、くつろぎすぎであるな」
「スクウィーク、この外部席良いぞ、命からがら逃げてきた冒険者とか見られる」
「あとここのウエイトレスもなかなか、ここが冒険者のオアシスって訳だ」「えっと、行きましょう」
私の言葉に立ち上がるジジイとジジイ、
お代は先払いよね大丈夫よね美人ウエイトレスさんに会釈したらし返してくれたし。
さあ、とダンジョン前に立つとエルディス様がきょろきょろと見回している、あっそうか確か……
「アサシンの方がいらっしゃるのですね」
「もう時間のはずで、わかりやすく外で待っていたのだが」
「集まるのを待っていると俺は思ったが」「……来たようだのう、ほれ、ダンジョンを」
ダンジョンの入口から出てくる黒装束さん、
って後から更に3人来た、ずらりと並んでいる、
よく見ると背が高かったり太ってたり胸が膨らんでいたり。
「久しぶりだな、ビジランテだ」
「待たせたな、ビジランテだ」「懐かしいな、オレがビジランテだ」
「みんなびっくりしないで、私がビジランテよ」「いや最後女性でしょ」「性転換したのよ」
自称ビジランテ様が4人も!
いったいこれは、どういうことなのよ。
「エアリー、これ、分身魔法?」
「んー……全部別人だな、つーか剥げばかわるんじゃね?」
「この姿は解けない」「それよりダンジョン行こうぜ」「オレに任せろ」「途中で休憩する?」
あっこれは、ひょっとして。
「エルディス様、きっとこの中に」
「本物が1人居るから当てろ、というヤツだな」
「当たったら仲間にできる、そういうことか?」
ガイア様の問いに無反応な4人。
「まあ良い、我らと一緒に戦っていたらわかるであろう」
「スクウィーク様、ぶっちゃけ魔法でわかったりはしませんか?」
「あのアサシン装束には魔法防御がかけられていてな、出来ないのである」
先導してくれるビジランテ様達、
普通ビジランテ、背の高いビジランテ、
太ったビジランテ、身体のラインが女性のビジランテ……。
「エルディス様、声でわかりませんか」
「50年以上経っているからな」「俺もわからん」
「我もだが性転換で本当に声まで女性にしていたら無理よのう」
ダンジョンの中を進む私達、
みんなエアリーのおかげで精霊魔法による加速中、
例によってエルディス様が階段でコケそうになっても浮かせて助けてあげる。
「さあ、ここからは近道だ」「この壁が実は隠し通路でな」
「奥にほら、らせん状の滑り台が」「これを繰り返せば、あっという間よ」
「なんと、こんなものが」「下りは楽だな」「帰りは大変そうであるな」「ティナちゃんはこちらへ」「あっはい」
女性ビジランテ様にやさしくガードされながら滑る、
私を後ろから抱きかかえてくれて……うん、これ女性だわ、
良い匂いもしているし、これ本当に性転換ならその技術、大したものだわ。
(それにしても、滑り台のあるダンジョン、ねえ)
なんとなく長い年月をかけ、
それこそ50年くらいかかって設置したような、
まさにダンジョン攻略を陰で支える存在ってわかる。
「途中に休憩所もあるぜ」「懐かしい話でもするか?」
「それともさっさと一番下のボス部屋まで行くか」「魔王になりかけているのよ」
「ここもか、だったらさっさと倒そう」「それにしても速度が、目が廻る」「90歳にはちときついのである」
私は楽しいけどね~♪
とかなんとか乗り継ぎながら滑ったのち、
結構な時間が経って、ようやく一番下に着いたっぽい。
「ここを潜ればボス部屋だが、気を付けてくれ」
「相手はとにかくヤバい、オレでは歯が立たない」
「だからこそ昔の仲間が来てくれて助かった」「さあ、行きましょう」
覚悟して入ったボス部屋、
そこに居たのは、とんでもない大きさの魔物だった!!!




