第48話 ジジイと行くネブラス観光!
「じゃあエアリー、2時間後に1度、果物を浄化に来るわね」
「うん、ボク良い子にして待ってる!」「そんなに消化が早いのか妖精は」
「スクウィーク様、私と離れると駄目みたいです、2時間で集中力もなくなって眠っちゃう」
という翌日の昼過ぎ、
結局かなりの時間を眠っちゃった、
ただ玄関に『遅れたけど、どうしても』って治療希望者が3貴族と一緒に1組ずつ。
(まあ厳密に昨日までって宣言した訳じゃないしぃ)
寄付金もしっかり多めに頂いたし!
そして昼食を未だ魂が抜けたジジイ2人も起こして食べ、
スクウィーク様と私だけ出来なかった観光に出かける所なのです。
(エアリーと別れてなんて、超レアだわ)
ちなみに今日のメイドは意外なメンバーというか、
昨日まで来てたアサシン組が新人も加えてやってきちゃった、
ようは4つ目の派閥『ビジランテ派』ね、つまり全員アサシンってこと?!
「メイドさん、執事さんも、エアリーをよろしくお願いしますね」
「はい、しっかり警備しておきます」「盗まれる事は絶対にありませんから」
「本当に大丈夫ね?」「「ビジランテ様の名にかけて」」「それで本人はどこかのう」「「さあ??」」
そういえば来た初日に貴族当主の誰かが、、
今夜には会えるとか言っていたような憶えが、
私は熟睡してたけど、ひょっとして執事に紛れていたり?!
(終わって見たらあのお方が、ってパターンもあるわね)
一応確認してみよう。
「この中に、ビジランテ様は居ますか?!」
「はいお世話になっています」「むしろ弟分です」
「お友達のようなものと言って頂きました」「気分は分身です」「このネブラスのどこかには」
……まあいいわ、もう行きましょ。
「ではスクウィーク様、そういえばお持ちの杖は突かないのですね」
「我は移動自体、魔法で僅かに浮いておるゆえ」「えっ歩いてますよね?」
「ほんの僅か、微妙に足を浮かせて歩いておるゆえ」「そんな器用な」「楽である」
こうして私たちは読書中のエアリーを置いて、
アサシンメイド&執事に見送られデートもとい観光に、
まず最初は魔導具屋、スクウィーク様が元々予定した場所だわ。
「……入り口付近は安い杖か」
「それでも値は張りますね、綺麗」
「見た目だけである、本物は奥に……少しマシなだけか」
やはり量産品エリアはもう一歩どころかもう五歩だわ、
そして次のエリアは夏でも涼しい帽子とか冬でも暖かい靴とか、
窓から虫が入り難くなるお札とか、安いからか効果が微妙なのが多い。
「これは一気に奥まで行くかのう」
「きっと、もっと凄い魔導具が一番奥に!」
「よし、先を急ぐぞい……出口に着いてしまったゆえ、どうする」「うーん、裏商店とか無いかしら」
といった感じで魔導具屋に続いて闘技場、
賭博場、公園、吟遊詩人経営の歌声喫茶と微妙に楽しんだ。
「あら、もう2時間だわ」
「一旦戻るかのう」「そう致しましょう」
「あの聖女様、先日は父を治していただいて」「これも修行ですから」「ここのお代はわたくしが」
というラッキーがありながら、
お屋敷(以前に王都からの派遣騎士宿舎だった所)に戻ると、
エアリーは、まさかまさかの状態になっていた!
「何よこの状況」
「ふははは、ボク、らっくちーん」
机の上にエアリーサイズのリラックスチェアーがあって、
小さなドリンクまで用意されている、そこにふんぞり返って本を読むエアリー、
しかも隣ではメイドがハンカチで扇いでくれていて、本も執事がめくっているという。
(超VIP待遇だわ)
ていうかドリンクって誰か浄化した?!
「エアリー、お腹空いてない?」
「そろそろだねー」「そのドリンクは」
「美味しいよ、ティナが浄化してないからお腹は膨れないけど、味は美味しい」
いっそこうしてみては、
とドリンクに浄化魔法をかけてみる。
「んっ……んー! これこれ、やっとお腹が満たされるよ」
「柑橘系の色ね」「みかんっぽいよ」「じゃあもう行って良い?」
「ちゃんと食べられるのも欲しいかな」「わかったわ、じゃあこの桃で」
さて、あと2時間くらい観光できるわね。
「エアリーよ、これが読める最後くらいに思っておくがよい」
「わかってるってジジイ、本当に大切な部分はメモしてるから」
「小さなペンに紙ねえ」「うん、読み始めた時にここのメイドに貰った!」
ほんっと、至れり尽くせりでもてなしてくれるのは良いのだけれども、
だーかーらー、そろそろビジランテ様本人でてこーーーい! っていうね。
「スクウィーク様、次は」
「奴隷売場であるな、掘り出し物が居れば」
「馬車の引手が出来て、戦闘も前衛が出来て料理も得意でとか」「ビジランテがそうであったぞな」
うっ、ここへ来てまたあのパターンが蘇るの?!
(まあ良いわ、奴隷を見ましょう)
幸いにはお金はありますもの!!
「あっ、奴隷ってことは新メンバーってことになるわね、
エルディス様やガイア様も連れて行けるかしら」「おふたりはマッサージ中です」
「ちょ、メイドさんそれって」「スペシャルマッサージかの?」「いえ、普通の健全な」
非健全なマッサージについては私は触れない!
15歳の聖女はそんなもの、まったく知らないのです!!
「ジジイ、スペシャルマッサージってどんなの?!」「エアリー、聞かないで……」




