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ファンタジジイアドベンチャー!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 過ぎ去りしジジイを求めて、おそらくはここで出会えるはず! 編

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第46話 治療最終日だからって多くない? ジジイが言うには!

「みなさ~ん! ここネプラスで最も人が多く訪れる教会、

 我がベッテンブル家がお墨付きの教会、聖女様チャンスの日ですぞ!」

「なにそのふれ込み」「と聖女様も照れております、本日がラスチャンスとなっておりまーす!!」


 ここネプラスにおいて『総合担当』とかいう貴族、

 とにかく『何でも屋』らしく、困ったらとりあえずベッテンブル家、

 などという暗黙の了解みたいなのが平民に広がっているとか、庶民派ってやつか。


「どうもトイレが近くてねえ」

「加齢による頻尿ですね、気休め程度ですが」

「ありがとう、気持ちだけですまないね」「自由ですから」


 一応、病気といえば病気かしらね。


「幼い頃から慢性鼻炎が」

「これは根本治療できそうです」

「おお、鼻水が引いた! ありがたいありがたい」


 こういうのって治療費が地味に高いのよね。


「すまないコッソリ頼む、娼館で性病に」

「はいはい、ほどほどにして下さいね、治りました」

「おっし、じゃあ、かみさんのご機嫌取ってくらあ」「お代はおいてけぞな」


 ぞな、なんて言葉も使うんだスクウィーク様!

 次は重病人ね、降ろすのに時間がかかっている、

 教会の僧侶さん達が手伝っているものの、しばらく待ちましょ。


「そういえばエルディス様とガイア様は、今頃」

「情報収取と言っておった」「娼館で、ですか」

「確かにビジランテはそういの好きだったからのう」


 だったら裏で取り仕切っている可能性も、ある、と……

 でも私には公私混同としか思えないし、まさか陛下からの支度金で?!

 おそらく問い詰めれば情報収集の必要経費とか、ふざけた言い訳をしそうね。


(でも残念ながら、合っているなら文句もあまり言えない)


 いや、情報だけなら三大貴族経由で普通に話を聞きに行けば。


「ティナ嬢、準備が出来たようであるぞ」

「あっはい、これは大変……少々時間を頂きますね」

「ようやく来られたんだ、いくらでも待つさ」「では……」


 かなり長い間、

 病に蝕まれていたみたいで全身が変色していた、

 それでもじっくり魔力を込めれば何とかなった、おそらく。


「父上! 父上ー!」

「……はっ、ここは?!」

「ネプラスまで来て聖女様に、父上……うわあああああ!!!」


 息子さん泣いちゃった。


「す、すまない、とりあえず代金はいくらだ」

「自由です」「えっ」「自由です♪」「しかし」「自由でっす♪」


 こういう時は笑顔が圧になると先輩から聞いた。


「父上どうしましょう、銀貨1枚しか」

「ばっかもーん! 俺の命が、ぎぎぎぎぎ銀貨一枚だとおおお?!?!」

「後ろが待っていますので、さっさと」「かたじけない」「次の方ど、あっごめんなさい」


 胸の中でエアリーがグッタリしていたわ。


「今日は長期戦になる、ティナ嬢、しっかり休んできてくれ」

「はい、それにしても、最終日とはいえ列が多くないですか、果てが無いようで」

「おそらく近隣の街、下手すると遠く離れた街や隣国から話を聞いて来ているのだろう」


 だからなのね。

 という話にベッテンブルさんも入ってきた。


「我が教会は庶民が中心、支払える額が少ない、

 だからこそ沢山来て頂いて路銀を稼いで頂こうと」

「そういうお気遣いですか」「ささ、お休みはあちらへ」


 まあ儲かるなら良いけど、

 そのお金をエルディス様の娼館代とかにされたらさすがに怒るわ、

 ということでエアリーをテーブルの上に寝かせて浄化した檸檬レモンの汁を飲ませる。


「……ぷはあ。ボク、生き返ったよ」

「ごめんね、今日は時間がかかりそうよ」

「でもほとんどはラクな魔法だから、へーきへーき」


 私単体でもある程度の回復はできるけど、

 それだとなぜかエアリーが拗ねちゃうのよねえ。


「エアリーが行きたくなったら戻りましょ」

「妖精の本を読みたい!」「まだ読み切ってないの?」

「ううん、ぼく、憶えてるんだ、大切な部分はメモしたい!」「返すの伸ばして貰うから、終わってからね」


 早く列を消化しないと、

 終わり所がなくなっちゃいそうね。


(明日はダンジョンだから、早く寝たいけど……)


 今、並んでいる列にビジランテ様が居れば探す手間も省けるのに。


「よっし、じゃあもういいよ」

「隠れて」「はいはいはーーーい」


 そして治療を再開していると、

 いかにも金持ちそうな太ったおじ様が!


「最近、男なのに母乳が出てきた」

「あっ、それ、ごくまれによくあるそうです」

「治るか」「やってみます、でもこれって病気の部類かしら……???」


 結果、治って金貨1枚いただきましたー!!

 などということもありながら、終わったのは夜遅くでした。

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