第45話 ジジイがいつのまにかスカウトしてきたらしい!
「さあさあ昨日とは訳の違う最高級の料理をドーゾ!」
夕食は昨日と同じ流れ、
人が変っただけであと確かに料理も昨日より上、
お金にモノを言わせた感じね、あとは流通の差というか。
「実はなガイア、闘技場へ行ってきた」
「なに?! エルディスよ、賭博に行ったのではないのか」
「ああ、今日は闘技場で闘技トーナメント、それが賭けの対象になっておった」
なるほどね、
闘技を見ながら賭けも楽しめるっていう。
「して結果は」「まあ察してくれ」
「我も1位から5位までを当てる券を買ったが、3位と4位が逆であった」
「えっとトーナメントですよね?」「ティナ嬢、実は3位決定戦と、4人同時の5位決定戦があってのう」
なるほどスクウィーク様、それなら納得。
「ボクが行けば順位を変えられたよ!」
「こらエアリー、はいおかわり」「んぐんぐ」
「一応、外部からの魔法隔離の結界は闘技場に張ってありますが、相手がこと妖精ですと……勘弁していただきたい」
なぜか頭を下げるルマンディさん、
いやそれってさすがにこちらの良心が痛んで出来ない、
ジジイ連中は防げなかった方が悪いって言いそうな気がするけれども。
(しかも、わっるぅ~い顔で!)
それはともかくとして。
「まあそれは置いておいてだな、
4位になったアサシンがビジランテの所の若いので、スカウトして、
一緒にここのダンジョン討伐することになった」「エルディス様、では」「ああ、場合によってはそのまま」
うちの正式メンバー入り、と、
さすがにもう許可出ないとか無いわよね?
同じパターン、負の連鎖はもう、さすがに。
「あの、それでダンジョンへはいつ」
「明後日だ、明日は次の貴族が順番を待っているからな」
「なるほど、ちなみにエルディス様はどちらへ」「それは言えんのう」「俺もだ」
……なんとなく想像はつくけれども!
(そしてこちらでは今回も1人、違うメイド服が)
うん、かわいいけど何か違和感が、何かが。
「いかがなさいました? 聖女様、何か食べたいものでも」
「あっ、いえその」「ボク、新しいくだものー!」「エアリー……」
「わかりましたザクロを、それでティナ様は」「いえその、何でも……」
すると私の耳元へ。
「何でも良いのでしたら、今夜、私などいかがでしょうか」
「いえ、同性の趣味はちょっと、というか、かなりお断りで」
「安心してください、生えてますよ」「えっ?!」「女装メイドですから」
違和感の正体は、
これでしたかぁ……
(そう考えるとイケメンと言えなくもない、かも)
私には早いかな、
いや入門する気ないけど将来的にも!
「ほう、興味あるな」「エルディス様?!」
「そ、それはちょっと」「今夜、ビジランテについてじっくり聞かせて貰おうか」
「ちょっと、私はあくまでティナ様に」「まあまあ、では早速頂いていくぞ」「や、やあ、助け……!!」
あーあ、無慈悲にお姫様抱っこで……
あの84歳、どこまでお盛んなんでしょ。
「ルマンディさん、良いんですか?」
「まあその、知らないメイドですので」
「嬢ちゃん大丈夫だ、よほどの事があればビジランテが止めに入る」
なるほど、なるほど、
そういう作戦なのね。
(これで釣れたら笑っちゃうけれども!)
まあ本当に嫌なら、
するりするりと逃げ切るでしょ、
無理だったら、それこそ自業自得ということで!
「ええっとそれで明日の貴族は」
「ベッテンブルとか言っておったのう」
「確か総合担当とかいう」「詳しくは明日聞こうぞ」
ルマンディさんはこの話はスルー、
あまり他所を悪く言わない協定かしら、
ガイア様も夕食を早めに上げて立ち上がった。
「では俺は夜の賭博場へ」
「あっ、言っていましたものね」
「2人の負け分を、取り戻してきてやる!!」
そして残ったのは私(エアリー含む)とスクウィーク様、
やはり90歳だとお食事も時間がかかるというか他の2人が早いというか。
「ではスクウィーク様、ティナ様」「なんであるか」「はい」
「ダンジョンからお戻りの際は、是非、入手したアイテムや素材を我が商会まで」
「良いのか、抜け駆けして」「セールストークくらい問題無いでしょう、勉強させて頂きますから」
いやほんと、根っからの商売人ね、
でも私が嫌な気分にならない理由に、
まだ1度も『エアリーを売ってくれ』て言って来ない事なのよね。
(最後の最後に言ってきたら、蹴ってやろうっと)
そして翌朝ガイア様は、
死んだ目をしていました。
(そういった部分はサービスしてくれないのねルマンディさん)
まあ、商売でしょうから。




